Klaus Teuber

Hans im Gluek

2〜4人
30分

ドリュンター&ドリューバー

狂った都市計画のゲームです。
せっかく建てた建物を、観光のため、利便性のため、環境のためという名目でどんどん取り壊します。
ただし公衆便所を取り壊すときだけには住民投票が行われます。
プレーヤーは秘密裏に決められた建物をこの乱開発から守のが使命です。守るべき建物は他のプレーヤーに悟られてはいけません。
バレたら最後、跡形もなく取り壊されてしまいます。

プレイ感

トイバーカタンより前にデザインしたドイツゲーム大賞受賞作。わしのドイツゲーム黎明期に購入したもののひとつ。久しぶりにmiaとコタとやってみることにした。この時代のボードゲームはルールが少なくてええわ〜。


最初に隠し情報としてそれぞれ守る建物が描かれたカードを1枚ずつ配っておく。駒をボード4隅におき、大中小3種類あるタイルを均等に配り切る。タイルは表向けて種類ごとに分けておく。また投票カードを全員が1セットずつ持つ。

手番には、駒のある場所につながるようにタイルを1枚置いて、駒を今置いたタイルの先頭に置き直すだけ。ちなみに駒は誰のものでもない。
タイルは大きさ以外にも、城壁、道、川と3種類あり、それぞれ同じタイルにしか繋げられない。このうち城壁だけは出発地が2ヶ所あるので枚数が多くなっている。

置き方は、兵士、馬車、船が先頭になるようにおく。つまり道が3方向に開かれている方が先頭だ。メビウスのルールでは「兵士や馬車や船で示された先頭部分が、絵が繋がるように、駒に隣接するマスになるように置きます」とよく分からない書き方をしており、道が3方向になってる方を元タイルにくっつけると間違った受け取られ方をするので注意する事。図を見るに3方向が先頭であり、1方向を元のタイルとくっつけるのだ。


4隅のうち左上と右下は城壁となっている。


わしが今回守るべき建物は黄色の建物、美術館だ。

そしてタイルを置くときに、公衆トイレを潰すような置き方をしようとすると、住民投票が行われる。この都市計画では、トイレがいっちゃん大事なのだ。手札から投票カードを1枚同時に出す。賛成同数以上であれば、それは可決されたことになり、タイルを配置できるが、反対多数ならタイルは元の持ち主に戻されて手番終わりだ。


住民投票カードは、『。。。?』以外は使い切りで、JAとNEで、AとEの数で賛否を決める。例えばJAAAなら賛成3票だ。他にもジョーカーとして出して公開してから賛否を決めるカードもある。

こうして、全員のタイルが置けなくなったらゲーム終了。守る建物を公開して、潰されていないその建物の点数の合計で勝敗を決める。

手番は、粛々と『取るに足らない』建物を壊して城壁や道にしていく。

mia「あ、ちょっと待って。今なに壊した?」

わし「ただの建物や。大したことない」

この世界の住民はトイレこそが全てなのだ。


トイレに触れないタイルは、どんどんと置いていって構わない。タイルは駒の置いてある場所に隣接するように置いていく。道は道、川は川だ。

mia「なんで得点のないトイレ守るために住民投票するのか意味分からない」

わし「お前はアホか! 建物を壊すために住民投票するシステムやったら、すぐにばれるし、ゲームとして直球すぎておもろないやろが。ついでに重要なところを壊そうとするのがキモや」

やれやれ

わしの黄色の建物を守るために、ここはちょっと伸張させておく。ほっと一安心。
タイルは90度単位でしか置けないので、1つマスをずらすことで、安全ゾーンとなる。

そしてとうとうトイレを道とする計画がでた。住民投票である。

わし「手札から1枚選んで一斉に出すんやで」

(正直、ここはわしにとってはどうでもええから、日和見すっか)

せーので、どん

コタも日和見、miaがJAで賛成1票により可決。

タイルが置かれる。


最初の住民投票。これは可決されて、オレンジの建物が破壊されることになった。

ここでmiaはJAのカードは捨て札となるが、わしらのカードは手元に戻る。
いざというときのために、賛否を表明するカードは控えておくべきだ。

コタが思いっきり曲げてきた。

わし「お、お前、ちょんばれやんけ!」

コタは赤の建物だ。

そしてそこを潰そうとさらに回転させるが、コの字に迂回させられる。

くっそー。


川の流れを見れば、赤が見事に回避されているのが解るだろう。

そして、miaもトイレ投票で、NEE! と強い反対をする。

そこから類推するにピンクやな。

わし「よって、ぽちっと」

mia「あ!」

ぶっ潰す。


ここはなんとしても可決であるが、あまりばれたくないためJAの一票で。ここを伸ばしておかないと4の黄色の建物が危険になる。

そこからはなんとか赤の建物を潰そうとするもののコタが見事にかわしてへんてこな形の川になる。

川伸びすぎて、タイル切れ。

この時点で、わしの建物は全部、健在である。

住民投票では、ほとんどわしに関係のない場所だったので、日和見しまくったおかげで、賛成反対の強力なカードは手元にたっぷり残ってる。

こりゃ、勝ったな。

しかし、黒の建物がほとんど壊されてないのが気にかかる。
これをわしのダミーとするかとも思ったが、もうほとんど終わりかけなので、正体ばれ気味でも問題ないやろ。


黒が残っているのが少し気になる。ちなみにタイルは3枚タイルに描かれている橋の下を垂直にくぐり抜けられるので、川の3枚タイルを残しているわしは、一直線に1点の建物を自ら潰すのが困るのでこの後、対策を施した。

わし「ほな、このタイルを置く」

そして住民投票で強力なJAAで黒をぶっ潰す。

最後は、残ったタイルで自分の建物を壊さないように、わざわざどん詰まりの方向にタイルを置いて、住民投票にて可決してゲーム終了。

そして秘密のカード、オープン。

mia「あ、黄色やったの! 間違ってた」

わし「え! お前、黒やったんか! そしてコタ、赤とちゃうやん。ほとんど壊されてるやん。。」

コタ「ぼく、曲げようと思ってたんだよ」

すべての建物を残したわしが勝利したが、なんと全員に意外な結果が。

所要時間 30分


最終。奥に川を1枚入れることでどん詰まりにした。点数は、残っている自分の建物の数字を合計する。

miaのコメント

完全に、「あ」みたいなブラフに騙された。

ソマーリオ

うーむ、これ、こんなにおもろかったのか? と驚いた。当時、そんなにおもろいゲームではないという認識やったのだ。ネットで調べてみると、どうやらこれは3人プレイでこそ、面白いという。4人でやったらバンバン壊されるとのことなので、それが当時の評価につながってたのかも。貴族の務めもそうだが、プレイ人数に左右されるようだ。

システムは同じゲーム大賞のアンダーカバーと同じ、正体隠蔽系である。プレイ感はとても軽く、タイルを配置して箱庭的な構造となっているので見ていて楽しい。

絵柄は古臭い感じがするし、駒はプラッチック製で、コンポーネントはあまり褒められたものではない。
ただ、面白さはさすがは当時のゲーム大賞と呼べるだけのものだ。当時の、とつけたのは、ドイツゲーム大賞はカタン以前と以後で内容はかなり変わってきているからだ。カタン以後は60分以上掛かるゲームが主になっている。

流石に絶版のようで手に入れるのには金を積むしかないようだが、これこそNGOがさまよえるオランダ人なんかじゃなく、こいつをリメイクすれば良かったんじゃないかと思う。

gioco del mondo