Klaus Teuber

Parker
NGO

3〜6人用
60分

さまよえるオランダ人

駿河屋で購入
神罰によって、この世と煉獄の間を彷徨い続けているオランダ人の幽霊船
かれらは喜望峰近海で目撃されるという
唯一の望みは7年に一度だけ訪れる上陸
その時船長を愛してくれる女性がいたならば、呪いは開放されるだろう

プレイ感

日本では無名の1992年のドイツゲーム賞作品を2016年になって再販するという離れ業をNGOがやってのけた。そんなにおもろいんかい、と完全にタンスの肥やしになってたのを出してきた。あれ、これ切り抜きもしてへん、新品やん。いそいそと薄っぺらいタイルを切り抜いて、miaとコタと3人プレイにて。ルール的に6歳児には辛いが、3人からなのでしょうがなし。


6色ある株券をプレイヤー人数ー1セット用意して、シャッフルして3枚ずつ配り、残った3枚のカードを場に裏向けにおく。さらに数字の書いてある馬蹄タイルを9枚ずつ配り、追加で3枚だして場に裏向けに置く。残ったのはゲームに使わない。お金を各自25ドゥカートもらう。


初期配置。ほとんどがお金を失う船のマスだが、島のマスでのみお金が手に入る。

ラウンドの開始時、親プレイヤーがサイコロを2個振る。足した数がラッキーナンバーである。
親から順番に4つあるアクションから手番を選択していく。
・株券交換は、商館カードを出して、場にある株券カードを上から2枚手札に加えて、2枚山札の下に返す。
・馬蹄タイル取得は、鍛冶屋カードを出して待つ。今回、鍛冶屋カードを出したプレイヤーで、場にある馬蹄タイルを山分けする。
・幽霊船移動は、自分の馬蹄タイルを裏向けに出して待つ。今回、このアクションを選択したプレイヤーで馬蹄タイルがラッキーナンバー以内で近いプレイヤーが幽霊船を1マス移動させる。
このアクションがメインなので、補足する。馬蹄タイルは複数枚だしてよく、銀タイルで足したり引いたりしてラッキーナンバーに近づけるというか、同じ数字にするのだが、金のタイルは1枚までしか出せない。
該当プレイヤーが複数いた場合(よくある)、移動先の協議を行う。協議は全員一致でなければならず、お金のやり取りで解決してもよい。
移動先が船マスなら、その色の株券を持ってるプレイヤー全員は、公開して色に応じた価格のお金を支払う必要がある。それからその色の株の価値を0にしてから、すべての色の株の価値とラウンドマーカーを1段階あげる。
移動先が島マスなら、移動させたプレイヤー(複数もあり)は、自分の株券を1枚公開して、その色に応じた価格のお金を貰う。
・パスする。馬蹄タイルが4枚以下だけ。

こうして、ラウンドマーカーが最後のマスにきたらそのラウンドでゲーム終了。手持ちの株を現在の価値になおして、お金持ちが勝ちである。


馬蹄タイル置き場。金は1枚まで、銀はプラスマイナスができて、何枚も出せる。補充は3回までしか出来ないので計画的に使う必要がある。


株券は常に3枚。こちらも3回までしか交換できない。幽霊船がきそうな株券は、うまく交換してかわすのがゲームの主題ともいえる。

さてしょっぱなから、長考したのはなんとmia。コタはさっさと馬蹄タイルを出す。
なんともシステムが変わってて、難しいのか。

mia「うーん、どうやったらぴったりの数字を出せるんだろ」

足し算の問題かーい!!

幼稚園児のコタでさえさっさと足し算できて出せたというのに。
公文にいってるので、足し算ができる。そういう意味で素晴らしい。ちなみにピッグテンが大のお気に入りだ。


船を動かしたい場合、馬蹄タイルをラッキーナンバーに近づけるようにして裏向けにだして、一斉に公開する。今回は41。

わしは最後手番なので、相手の動向をみて、ぴったりの数字を出すには1だらけで大出血せねばならないので、鍛冶屋カードを出して馬蹄タイルを3枚ゲット。隣は船マスしかないので無理する必要はない。

で、miaとコタがラッキーナンバーぴったりで、協議に入る。協議はスタートプレイヤーから行きたい方向を指示する。

わし「自分の株券の色じゃないマスに動かすんやで」

miaも思惑がぴったりで、紫のマスに幽霊船移動。

(めっちゃラッキー。持ってない)

というわけで、全員助かり。ということは山札の3枚のうち2枚が紫なんや、と解る。
紫の株価はいったん0になり、それからすべての色の株価が1段階あがる。紫も1段階あがるので、株価が0になるということはない。


幽霊船は元いたマスに戻る事は出来ないので方向はきちんと向けとく必要がある。つまりこれは駄目な例。馬蹄タイルは、使ったら真ん中に置かれるので、タイミングをみて補充だ。

さて、島横にきた次が勝負である。miaは大量に出た馬蹄タイルを取りに鍛冶屋カードを出し、わしはラッキーナンバーで狙う。コタも鍛冶屋だ。

mia「えー!」

先ほどだした馬蹄タイルを二人で山分けしているうちに、わしが一人で島へ到着させて、株券を1枚公開してお金を貰う。
このゲームではお金を手に入れる手段はこれしかないのだ。

mia「そうか、そういうことか」

さて次。どう幽霊船が進んでもわしはお金を失う。適当に、移動先を宣言する。

mia「わたしは、こっちがいい」

お、それならラッキー

わし「そっち行ってもええけど、2ドゥカートくれ」

交渉成立。わしは4ドゥカートを失い、損失を半分にできた。

とまあ、こんな感じでゲームは進んでいく。


株券交換は一旦、山から2枚手札に入れてから、2枚を山の下に戻す。山といっても3枚しかないので、何があるか想像がつく。

このゲームの恐ろしいのは、現在ぶっちぎりで勝ってるわしも、一撃で撃沈する可能性が大いにあるところだ。

なぜかというと、幽霊船の失点は株価なので、後半、徐々に株価があがって失点食らうと、死ねるからだ。

そこで重要なのが株券交換アクションである。次に幽霊船が入りそうなマスの株券を手放ししまえばよい。

わしはその方法を先に展開したため、大きな失点を食らうことがなかった。

最後、株券も清算されるので、一番価値の高い株に一気に交換しとけばよかったのだが、下手をすると沈没しかねないので、そこはセーフティリードを保ったまま、ゲーム終了。

所要時間60分


最後になったが、これが株価。幽霊船にあうとその株価の損失を受け、その株価は一旦0になる。最終的に手持ちのカードも株価通りの価値を生み出すので、うまく交換すればいい。

miaのコメント

面白いけど、難しいね。

ソマーリオ

これはなんとも変わったシステムだ。協議するところなど、プレイヤー任せで思いっきり粗削りだ。
ただよっぽど非協力的なプレイヤーがいない限り、そんなに交渉に時間が掛かるわけでもなくゲームとして成立しているところが凄い。

システムの試行錯誤の時代から、このシステムはどこかで絶滅してしまったようだが、ルールは簡単だが非常に駆け引き要素が濃い。

さまよえるオランダ人というワーグナーのオペラのタイトルや、そのテーマと合致させたような内容がやたらとシュールで目立たないが、かなり実力のあるゲームとなっている。
というのは、株の総数があらかじめ解っており、場にある株とどのタイミングで入れ替えてやり過ごすだとか、プレイヤーが必要とする情報が、たった3枚のカードのやり取りだけなので無理なく覚えられ、判断に時間を割くことができるからだ。

作者は違うが、これを簡単にしたゲームがアンダーカバーなのだろう。確かにマニア向けのゲーム賞を受賞しただけはある。大衆的にはアンダーカバー、マニアにはさまよえるオランダ人だ。

コンポーネントは、馬蹄タイルはペラペラ、置き場はプラッチック製の安物、しかし幽霊船は造形が素晴らしい。
NGO版の画像を見る限り、馬蹄タイルはしっかりしており、置き場は木製で、素晴らしいリメイクだが、唯一、幽霊船だけはこちらのParker版の方が雰囲気がでて良いだろう。

とまあ、こんなにいいゲームなのだが、はつけない。なんでかというと、失点が日常的に起きるシステムが好みではないし、プレイヤーの敷居を高くしていると思うからだ。もしお金を払えなければゲームから脱落するというのはドイツゲームとしては珍しい。
ただこれは純然たる好みの部分なので、中級以上のプレイヤーなら是非一度はやって貰いたい。

gioco del mondo