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Stefan Feld
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KOSMOS
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2人用
60分
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大聖堂の建設
フィリップ修道士はトムビルダーに頼み、荘厳な大聖堂の建設を命じた。
ウォーレン司教は自分の地盤固めのために、城塞の建設を決定する。
ここにきて資材の確保競争が始まった。
プレイ感
フェルドが、小説大聖堂を二人プレイ専用ゲームにした。フェルドファンのわしとしてはこりゃ買わんとあかん。なんせリーネックの大聖堂はなんかたるくて合わんかったので楽しみにしてた。フェルド嫌いのmiaと対戦。
このゲームのポイントは、アクションカードの選択方法だ。アクションカードの選択方法に趣向をこらすのがフェルドスタイルだ。今回は、3×3に並べられたカードを1列丸々縦横斜めのどれかに権利を主張する。相手側はそれを受けて、先手が取った以外の取り方で権利を主張するのだ。そうすると必ず1つだけがバッティングする事になる。この1つを巡って戦うのだ。
初期はこんな感じ。権力タイルを持っているので先手miaウォーレン司教が縦に3つの権力タイルを載せる。わしフィリップ修道士はそれを受けて、横に載せる。そうすると必ずカードが1枚だけバッティングする。ジャックがいきなり出たので欲しかったのだ。ここでそれを防ぎたいmiaとの勝負が始まる。
戦い方がまた変わっててコイントスを用いる。タイルの表裏にそれぞれ違った数字が描かれており、これを指でピンと弾いて、表向きになった数字を比べる。足りなければ、追加で弾いてもいい。
材料を集め、加工し、先にフィリップが大聖堂を建てるかウォーレンが城を建てるかしたら勝ちだ。また4ラウンドやっても勝敗が付かない場合は、より多くの建築物を建てた方が勝ちである。
わしがフィリップ修道士、miaがウォーレン司教である。最初は悪のウォーレン司教が権力タイルを持っているので先手となる。並べられたカードを縦に自分の人物タイルを3個置く。後手のわしは序盤出てきたジャックが欲しくて、横に受ける事にする。バッティングはジャックだ。
mia「これ強いから抑えないとね。じゃ、弾きます…3」
わし「よし、わしも…2。ちぇ。もっかい…1 っておいおい!!」
勝負は手元にある紋章タイルをコイントスの要領で弾くのだ。表向きの数字を足していき合計が多い方が勝ちである。灰色の紋章タイルは中立タイルで、使ってしまうと没収される。
タイルは表裏合わせて5となっている。そして同点の場合、権力タイルを持っている方が勝利するのだ。つまりこの場合、わしはもう一度弾かなくては勝てない。権力タイルはカードの効果で取る事が出来る。
わし「いけ…0 。まじでー!」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
わし「最後に自分のタイルを使う。3で合計6ね」
今まで使ったのは中立のタイルで、これは使ったらほかさなくてはならない。
それ以外に自分のタイルが1枚だけある。これを使用したら、もう追加でタイルを弾く事は出来ないが、使用後すぐに戻ってくる。
mia「じゃ…4。勝ち」
miaは中立タイルを全てほかし、負けたわしは1枚だけ選んで保持する事が出来る。が、あまりにも痛い。
わしはジャックから自分の人物タイルをのける。
miaが好きな順番でアクションを全て実行するのだが、ジャックを使う事は出来ない。というのは、このゲーム、かたっぽうしか使えない人物カードがある。小説でも大活躍するメンバーなのだが、当然効果は強い。miaはジャックの効果を使えないが、わしが使うのを阻止した事になる訳だ。
miaは序盤、コイントスの目が強くて資材を欲しいままにし、とうとう城の1つを完成させた(裏向けにする)。カードに描かれている資材を3つ載せればその部分が完成する。先にすべて裏返したら勝ちだ。ちなみに相手より先に完成させると、上に描かれているボーナスが貰える。miaが完成させたTのパートは紋章タイルを2枚貰える。
かたやまったく完成のめどが立たないわしの大聖堂。こんなんで大丈夫か? フィリップ修道士!
資材は原材料を手に入れてから、加工するという2段階の処理が必要である。加工したものをようやく建設に使うことが出来るのだ。ポイントは鉄。これは手に入れにくいし、加工もしにくくなっている。
大聖堂、もしくは城は3つのブロックに分かれている。まずは材料タイルを手に入れ、その材料を職人を使って資材へと加工する。これらは全てアクションカードに書かれている。で、手番の最後に資材を建築ブロックに載せる事が出来るのだ。それぞれ3つの資材が指定されており、3つの資材が載っかれば建築した事になり、カードを建築済みに裏返す。
ゲームの序盤はコイントスがびっくりするくらいしょぼくて、完全にリードを許す。もう、ヘボヘボだ。特に手強いのは権力タイルで、数字がタイになったら持ってる方が勝ちという強さと、先に選べるという強さでどうしようもなくなった。先に選べる強さってのは地味だが意外に強く、例えば相手が縦に置けば、こちらはもう縦を選ぶ事が出来ずにベストな組み合わせが取れなくなるのだ。
わし「なんとかしてえ…」
と思うのだが、権力タイルを貰う為にアクションカードを選ばなくてはならないのは、なんか勿体ない。また組み合わせが悪くて、権力タイルのカードを取りに行くと他のカードに魅力がなくなるのが多かった。
既にmiaは1つのブロックを完成させ、更に材料をたくさん持っている。わしはブロックを完成させられないどころか、材料さえ乏しい。
ところが中盤以降、途端にコイントスに運がつき始め、大きな目がバンバン出てきた。
コイントスの神様は公平じゃあ!
徐々に大聖堂の建設が追いつき始める。
紋章タイルはなくなったが、miaより早くUの部分を完成させて金を貰った。これで再び中立の紋章タイルを買いまくって目に物見せてやる。要は金で民衆の力を得ようという計画だ。実はフィリップ修道士側にはアリエナがいるのでそういう事が出来やすくなっている。大体はどちらも似通ったキャラクターが並ぶが、アリエナやハムレイのように戦術の違いが出るようになっている。
わし「大体やな、正義が負ける訳ないねんて」
mia「こっちって悪者なの?」
わし「まあまあ悪い。なんせいっちゃん悪いのはこいつ、ハムレイ」
カードにハムレイがいる。こいつは小説では散々主人公たちを苦しめる。いや、苦しめるどころじゃない。ほとんど悪霊かと思う程のしつこさである。
カードの効果も、大聖堂の資材をひとつストックに戻させるという強力さだ。唯一助かるのは、それはこちらで選ぶ事が出来るというところだけだ。
mia「じゃ、戻して」
腹立つわぁ!
ゲームも後半にさしかかり、ようやく権力タイル獲得に動き出す。
これでようやく有利になった。資材の数もとうとう追い抜く事に成功。
しかしながら、初プレイで慣れず、4ラウンドが終わってもどちらも完成させる事は出来なかった。
その場合、資材をたくさん置いてる方が勝つ。なんとか1個差でわしが勝利した。
所要時間75分
完成はさせる事は出来なかったが、最後は2つ完成させたわしの勝利。最初なんでどうしたらいいかいまいち分からず、こういったヘボい作りになってしまった。
カードのアクションが全てのゲームなので、確認取りながらやったので非常に手間取った。
こういうゲームはカードの効果が解らないと面白みも解らん。で、即座に攻守入れ替えで2戦目。
わし「権力タイルがない苦しさを教えてやろう。ひひひ」
mia「じゃ、権力タイルを取ってと…」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
わし「えー! もう取んの! とりあえずいっぺん苦しさを味わってからの方がええと思うけど」
mia「いや、別にいい」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
しかし、即座にわしは取り返し、その後圧倒的優位のまま3ラウンドで城の建設完了。
わし「勝利!」
所要時間60分
最後の資材を載せて……
完成じゃあ!
miaのコメント
フェルドは苦手なんだけど、これは面白かった。
ソマーリオ
あれ、この感覚、どっかでやった事があるな…。あ、ジャンボや。なんかジャンボに似てる。ジャンボのアクションはなんかさっぱり要領を得んまますぐに売ってしもうたが、こちらのカードの効果はそれほど解りにくいというものではなく、すぐに使い勝手を理解出来る。
カードの取り方やコイントスのアイデアはルールを読んでる限りはおもろそうと思うのだが、実際にやってみると、それほどでもない。いちいち9枚のカードからベターの選択を探さなければならず、プレイテンポが落ちて爽快感がなくなってしまう。
自分の手札だけなら、そこまで考える必要もないが、このゲームでは公開情報となっているため、どうしても相手の動向を見定める必要が出てきて長考気味になってしまうのだ。
材料を集め、資材にしてという雰囲気と、小説に出てきた登場人物がカード化されているのはとてもいいのだが、テンポよくやりたいわしは、評価を落とさざるをえない。慣れれば45分程度で出来るだろうが、そこまで到達するためにはもう少しやりこむ必要がある。まあ、二人用としてはぼちぼちといったところか。
ただしフィリップ修道士にはアリエナというウォーレン司教側にない能力のキャラクターがおり(というのはどちらも大体似通った能力のキャラクターとなっている)、もう一度フィリップでやった時に試しに羊作戦を取ってみた。
羊を大量に取り、アリエナで、ごっそり売りさばき、そのお金で中立タイルを買いまくって、民衆パワーで押していくという作戦だ。
mia「それって結局、金に物を言わせるって事で、どう考えても正義とは思えないよ!」
と、ののしられようと、民衆パワーはイコール金だ。某政党が子供手当支給で政権を取ったのを見れば分かる。民衆の寝返りの早さほど怖いものはない。
終始グイグイと押したのだが、最後はカード配置の悪さでハムレイの攻撃を許してしまい、資材が同点となってしまった。その場合、お金のある方が勝ちである。アリエナで稼いだ金は、某政権のように民衆にばらまいたおかげで、すかんぴんとなっており、負けてしまった。
しかし、この作戦は非常におもろい。もっと早くに中立の紋章タイルを買うべきやと後で気づいた。このようにバッティング争いに勝っても負けてしまったというのはゲームとしてよく出来ている。
特殊カードが好きでじっくりと楽しみたいという人に薦めたいところだが、運の要素が強目というのがどうでるか。
また最初にジャンボと書いたが、フェルドの昔の二人用作品ローマ革命と雰囲気は似ている。このゲームが気に入ったならば、ローマ革命も気に入るだろう。
あ、そうそう、メビウス訳が間違っているカードがあるらしい。正しくは以下。
Audienz bei Konig Stephan
両プレーヤーの持っているコイン数が同じとなるようにストックからコインを受け取る。