|
Michael Rieneck
|
Winning Moves
|
2〜4人
45分
|
カルタヘナW -反乱-
海賊船の長い航海の末、目的地に着くと航海長により反乱が起こります。プレーヤーは航海の間に、航海長が起こす反乱に加担するか、船長側について反乱を鎮圧するかを決めます。反乱の結果、勝った方のチームに所属しているプレーヤーのうち最も多くのお金を持っているプレーヤーが勝ちとなります。
メビウスより
プレイ感
一応、カルタヘナの続きもの(かれこれ4になる)ということだが、このシリーズは続きものでもなんでもなくて、ただのマーケティング用にネーミングを付けてるだけだ。デザイナーも1と2はコロヴィーニ、3はドーンと違うので単品物として買うても問題なし。タメラがこれは結構いけますよという事で持ってきた。帆船に乗ってて、一等航海士側で反乱を起こして、船長側とどっちにつくかというゲーム。メビウスのタイトル訳は『反乱』だが、検索を掛けづらいタイトルなのでカルタヘナWと付けてみた。
ルールを聞きながらカードをみてると…
わし「あれ、これって?」
タメラ「そうなんですよ。パイレーツオブカリビアンのゲームなんです」
カードをみると、航海士はどうみてもジャックスパロウにみえるし、船長はあの敵役にみえる。逆やと思うけど。
わし「ほほう、キャラクターもんなんやな」
船員として大勢のキャラクターが能力化されてる。
タメラ、OEC、miaとの4人プレイにて。
手番にやるのは、9枚並べられた船員カードをめくっていく事。で、その船員の能力が気に入れば、それを行って手番終了。気に入らなければ、隣のカードをめくる。どんどんとめくっていく事が出来るが、ゴーストが出たらバーストとなって、手番は強制終了するのだ。次のプレイヤーは既にめくられているカードから好きな能力を使ってもいいし、めくってもいい。ルールは同じだ。
ボード上にカードを9枚並べ端からめくっていく。そこにいる船員の効果を使いたければそれを取って手番終了。気に入らなければ次々とめくっていっていいが、ゴーストが出たら手番終了で一手番無駄になる。
金貨はプラッチック製で見栄えがするもの。剣のカードはどちらかの勢力の攻撃カードで隣のカードは財宝カードだ。金貨の枚数に合計するので何枚持っているか解らなくしている。
結局、何をするかといえば、反乱が起きるポイントがあって、そこまでに船長か航海士かにつく事を内緒で決めておく。最後に船員同士5対5の戦いがあって、その船員駒を進める為にカードを手に入れたり交換したりしていくのだ。荷担した方が最後の勝利を収め、そのプレイヤーの中で一番、金貨を持ってたら勝ちである。そのために金貨も貯めておかねばならない。
タメラ「なんせ見栄えのするゲームですよ」
確かに雰囲気はたっぷりある。
タメラ「こんこん」
カードをめくる前になぜかノックをするタメラ。
いったいどういう意味かと聞くと
タメラ「これ、船室になってて、それをノックするというイメージなんです」
わし「あー、ほんまや! カードの裏は確かにドアになってる。気づかんかった」
このカードは船室の扉になっているのだ。だからめくる前にコンコンとノックするのはマナーだ。。
特殊効果には、金貨を手に入れるものや、最後の船員駒を配置するカードもある。或いは自分がどちらにつくか、決めるカードもある。
船は反乱するポイント(マス目)がきまってて、そこに達するまでに、自分はどちらにつくか決めねば、自動的に負けだ。船は、毎回めくられなかったカード数だけ前進する。
のだが、これがまったく前進しない。全員、最後までめくってしまう事が多発した。
わし「これ、全然進まんけど大丈夫? OECの終電に間に合わんようならんか?」
タメラ「大丈夫です。45分くらいで終わりますよ」
しかしそれでも牛歩の歩み。つか全然進まん。話をもどす。
船員カードの中で特に強いのは、船長と航海士。当然といえば当然だが。
序盤、ひたすら金貨を貯め込むタメラに対して、わしは攻撃力をあげる作戦に出る。
手札には最後の戦いで1〜3マス進める船長か航海士のカードがある。そのカードを出す事で5対5の戦いを有利に進める訳だ。なんかやたらと航海士のカードばかりくるので、これだけでわしゃ航海士側につくことが半ば決定していた。要らない船長カードを交換して、全て航海士となっている。
最終決戦となる船上には駒が置かれていく。駒の裏には数字が描かれており、それが強さとなっている。船長側と1等航海士側に分かれているのだが、これらもカードの効果によって置いていくのだ。自分の応援している側を強くしていくのがポイント。駒が5人ずつ揃っても反乱となり最終決戦に入る。
mia「じゃ、タメラ君がどっちについたか、覗く」
そういう船員カードもあって、決めたカードをこっそり覗くことが出来るのだ。
タメラ「戦術の基本として、こうやって覗いたカードが自分と同じで、かつそいつが金貨をいっぱい持っていたなら、逆側につくという方法が考えられます」
mia「うーん、なるほどねえ」
そこからmiaは今から考えてみると、やたらと金貨を集め出した。
判断するに、同じ側になっているのだろう。
タメラ「他に皆と逆側について、やたらと攻撃力をあげて、お宝もなんのその、一気にそれだけで勝ってしまう方法もあります」
船は全然進まず、反乱ポイントまでまだまだだ。他の要件を満たして反乱になりそう。雲のマス目は、嵐のため船員が作業に掛かりきりになるという意味でランダムに船員カードを1枚抜いて船首に置かれる。そのキャラクターはしばらく出てこないという事になる。
わし「こんこん。あー、ゴーストや!」
バーストカードは手番パスなので痛い。
わしは金貨は全然集まらず、あるといえば航海士の戦闘カードのみ。
こんなんで勝てるんかいな??
タメラのカードを見てみると、船長を支持してた。
OECが航海士支持でないとかなりきつそうやなあ。今更、金の亡者のタメラmiaコンビに追いつくには、金貨のストックがなさ過ぎる。これが切れても反乱が起きるので、まったく間に合わないのだ。
そう思って、戦闘カードを貰えるようにノックする。
わし「こんこん。あー、またゴーストや!」
これがかなり効いた。合計4回も引いてしまった。
そして最後に金貨がなくなり反乱が起きた。
船員駒には裏面に1〜10の数字が書かれている。これが初期戦闘能力である。船員カードによって、既に互いに置かれていたりするが、置いた本人しかどちらが優勢か解らないようになっている。
今回は、2組置けずに反乱が起きたので、それはランダムに置かれる事になった。
最初はmiaがセットした2組である。3と5で船長有利に置いてる。
そらそうやろうなあ。
そして、各自戦闘カードを1枚ずつ出して、1人がとりまとめ誰が出したか解らないようにシャッフルして1枚ずつめくって駒を進めていくのだ。
柔道団体戦のようにひとりずつ戦っていく。裏面の数字が初期戦闘力だ。後は各自1枚ずつだした戦闘カードで駒を進めていく。手持ちカードは限りがあるのでどこでパスするかがポイントだ。
全員がパスカードを出したところで船員駒が進んでいる方が1勝だ。
船長側が2枚に対して航海士が2枚。やはりOECは、航海士支持のようだ。
ところが、やたらと船長が強い。
自分の持ってるカードは、5回戦通じてこれだけしかないので、あまり使い込んでしまうと後に出せなくなってしまう。適当なところでパスカードを出さざるを得ない。
1戦目、2戦目は船長勝利。
3戦目、4戦目はかろうじて航海士が勝利。
わしゃ、もうカードがない。もはやここまで。
5戦目は、案の定、船長を残してたどちらかが、そのまま押し切って船長が勝利した。
ここで船長勝利決定。1等航海士を支持してたわしとOECは自動的に敗北である。
船長支持は、miaとタメラ。
その中で金貨の多い方が勝つが…
mia「えーー! 財宝カード、3とかばっかじゃん!」
金貨は駒以外に隠し情報として、財宝カードがある。これにも1〜3の金貨が描かれているのだ。
タメラの勝利。
所要時間45分
miaのコメント
雰囲気があって、楽しかった。
ソマーリオ
リーネックは相変わらずあか抜けてないデザインをするなあ。まあ、そのダサさもこうやって原作の雰囲気を崩さないでという事であれば、悪くはないんかもと思いだした。最近の原作流行りをみると、ライバルであるフェルドやドーンなどより、よっぽど雰囲気を壊さずにゲーム化しているように思う。
リーネックデザインなので、いわゆるシステムの切れなんてものは期待しない方がいい。最後の戦闘なんかすぐに誰がどちらを支持してるかなんて解るからなあ。暗黙の了解で気づかないフリをして、「あーだ、こーだ」ってのがどうにも変である。そういやセイラムの魔法使いでもそうやった。
むしろこの部分は、全員公開で、一気にカードを出していった方が盛り上がるんちゃうの?
ただそういった事を抜きにすれば、個性の違うキャラクターといい、航海士の反乱といい、テーマはもろにパイレーツオブカリビアンで、原作好きにはたまらないと思う。また、その雰囲気をもり立てるコンポーネントは、船駒といい、船員駒といい、金貨といい、造形は見事としか言いようがない。
これは完全に原作ゲームといっていいだろう。ただし原作に許可をとるとこのゲームの値段が倍近くになってしまうので、このままでいいと思う。キャラクターも似てるし。途中でほぼ趨勢が決まってしまう(最後は出来レースというかその確認作業でしかない)のでゲームとしてのおもろさはぼちぼちながらも、これほどのゲームが3200円というのはかなりお買い得だ。子供は好きやろうなあ、この手のタイプは。大人でも映画好きにはたまらないかも知れない。
リーネックはあまり好きではなかったが、実は原作物を作らせたら原作の雰囲気を壊さずゲーム化出来る希有なデザイナーだと思えるようになってきた。パイレーツオブカリビアンが好きな事もあり、このゲームをやってリーネックを再評価するようになったのだ。
GWにパイレーツオブカリビアンの新作が公開されるようなので、それに合わせてレビューしてみた。