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Stefan Feld
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Has im Glueck
アークライト
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2〜4人用
60分
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ブリュージュ
プレイヤーは美しく豊かな都市ブリュージュを舞台に、この街の有力者として名声・地位・権力を得ていくことがこのゲームの目的だ。それはつまり、ブリュージュの住民たちから支持を集めるということ。支持を集めるためには、運河を建設したり、建物を増やしたりすることで街に貢献することが必要不可欠。
ただし、一人では効率がよくないため協力者を見つけよう。その街を支配する商人や役人、貴族たちを味方につけることで、より多くの名声などを手に入れることができるだろう。時には、街に災厄が訪れることもあり、被害を減らす準備も怠ることなかれ。
災厄に対する備えがあればプレイヤーの力はより確固たるものになることだろう。
プレイヤーの事業を手助けする人物は165人も含まれていて、どの人物に助力を頼むのかは腕の見せ所だ。圧倒的に美しいアートワークで再現された15世紀のベルギーの都市ブリュージュ。温かみのある都市や人物たちのイラストで、ゲームシステムだけでなく、視覚的にも楽しめる一作となっている。
プレイ感
最近のフェルトはどうにもシステムをこねくり回すだけのような気がしてたが、今回のブリュージュは1時間程度で終わってルールも平易となかなかに評判が良い。というわけでフェルト嫌よ嫌よも好きのうちのmiaと2人プレイした。
手番は各フェイズごとに順番に行う。
カード補充フェイズは、手札が5枚になるように補充するのだが、カード裏に色だけが解るように2個の山があって、好きな方から1枚ずつ5枚になるように補充する。ただし、完全に取り終わらないうちは表を見てはいけない。
基本的にカードゲームと思った方が良い。5枚ある手札のうち4枚を1ラウンドに使える。
これが2つの山札を収納する箱。どちらかがつきたらゲーム終了。色がめっちゃ大事なのでカードを補充するときは、なるべく偏らないように補充するべし。裏はこのように色しかわからなくなっているちょっと特殊なカードなのだ。
次に代表者がさいころを5個まとめて振り、小さい順にボードに並べて見通しをよくする。名声をあげたければ、さいころの1と2を足した価格で1段階だけ上げることが出来る。さらにさいころの5と6の色は、全員が1枚ずつ災害タイルを貰わなければならない。ここで同色の災害が3枚集まると災害発生である。
誰かが代表でサイコロをふって、それを小さい順番に並べる。全員がこの目に関係してくる。5と6の目は災害タイルを1枚ずつ取らなければならない。1と2の合計値が今回の名声値のコストだ。今回の写真でいえば、4金で名声が1つあがり、茶色の災害タイルを貰う。
メインとなるアクションフェイズは、順番にカードを1枚ずつ4枚プレイしていく。カードは6つのアクションがあるが、色以外は内容は共通である。
1.カードと同じ色のワーカーを2個貰う。
2.カードと同じ色のさいころの目のお金を貰う。
3.カードと同じ色の災害タイルを捨てて1勝利点得る。
4.カードと同じ色の運河に水路タイルを置いてお金を支払う。
5.カードと同じ色のワーカーを支払い、カードを裏面に配置(建設)する。
6.カードに記載のお金を支払い、空いている建設カードの上に配置する。
ポイントは6番目のアクションで、一旦配置された人物カードは、様々な条件で能力を発動できるようになるのだ。多いのはワーカーを捨ててアクションを実行である。必要な色のワーカーを確保する必要がある。
最後のフェイズは、優位マーカーのチェックで、この時点で、名声値、水路、配置した人物の数がそれぞれ単独首位なら、そのプレイヤーの優位マーカーを表向ける。これは4勝利点であり、その後抜かれても裏返る事はない。
キャラクターカードを出すためには、まず建物を建てなければならない。建物はキャラクターカードの裏面を利用する。建物と、住まわせるキャラクターの色は関係ない。下にあるのが災害タイルで3枚で1つの円となる形となっている。つまり3枚で災害が発生するということだ。
ゲームの終了は、カードの山が1つでも尽きた時で、これが最終ラウンドになる。
建設、人物、優位の勝利点をそれぞれ得点して勝敗を決める。
しょっぱなから苦戦となった。
というのはお金を稼ぐカードが手元に全然こなかったばかりか、色が偏ってしまい戦術の幅を広げる事ができなかった。
mia「経理士。毎回2金貰う」
わし「え、何それ? ほんま?」
わしの手元のカードではそんな簡単にお金を稼げるカードがなかったため、あまりの強さに翻訳ミスかとルールブックを開いたほどだ。
これの効果によりmia、楽勝モードになる。
かたやわしは、お金を稼ぐ手段に黄色のカードをキーとしたのが良くなかった。黄色のカードは使わない山札に埋もれてしまっていたのだ。
運河タイルは自分の色の左右に広げていく感じ。色とお金を払う。例えば左下にあるわしの運河、右に伸ばすなら青のキャラクターカードをプレイして3金支払う。
なんと2ラウンド目にて、名声値、水路の優位マーカーをひっくり返されてしまった。
お金がなくて、追随出来なかったのだ。
フェルト特有の全員、毎ラウンド結構横並びだが、いつのタイミングで飛び出すかというシステムとなっている。
例えば災害タイルは全員均等配分だし、名声値も1度しかあげる機会がなく価格も全員共通だ。
どういう戦術にするかで、1石投じたのが徐々に大きなうねりとなるのがフェルト特有である。
3つの優位マーカーは明らかにこのゲームに勝つためのキラー得点源であり、それを手にするには大きなうねりの結果であるべきである。この早い段階で決められてしまっては、もうどうしようもない。もちろん自分も逆転しなおせば、優位マーカーをひっくり返す事は出来るのだが、miaに追随されてしまってはほぼ絶望的なのだ。
ここから残念ながら消化試合となってしまった。
しかしゲームとしての面白さは十分にある。
なんとか逆転しようと画策をするが、なんせ機会均等のために優位にたつことがまったくできない。
様々な効果があるキャラクターカードを駆使しても、金欠状態を解消するには至らなかった。
周りの点差を見ての通り、まったく歯が立たなかった。まあ、こういう時もあるけど、内容はかなり面白いゲームだった。システムが楽しいのだ。
このゲームの面白さのポイントは色でありキャラクターなのだ。
必要な色のワーカーを手に入れたいのは、キャラクターカードの発動条件にあるからである。
ここを見過ごすとこのようなインケツ状態になる。
色とキャラクターカードの特性をしっかりと見定めて、グルグルと回転させると非常に楽しいゲームとなる。
最終的には優位マーカーを3つともひっくり返されて、とんでもない差をつけられ負けてしまった。
所要時間90分
ソマーリオ
今回はカード運がかなり悪くてどうしようもなかったが、最近のフェルトの中では抜群の出来だった。とんでもない量のキャラクターカードは、能力がそれぞれ違っており、ゲームの可能性の幅を大いに広げる。
また勝つ手段も様々に用意されており、戦略ゲームとしての楽しさとキャラクターカードとしての楽しさが融合している。
感じとしてはカツカツだったドラゴンイヤーを、運の要素を多分に加えて、ライトなプレイ感にしたようだ。TCGなどのカードゲームに馴染んでるプレイヤーなら、すぐにこのおもろさを理解するだろう。
ルールはシンプルで初心者にも出来るとも思ったが、テキスト効果に慣れていない初心者にはちと厳しいか。
フェルト最高傑作であるノートルダムと双璧を成すゲームだった。
息苦しいカツカツ感がなく攻めていける。フェルトの欠点が反転して長所となるような絶妙のシステムである。
各所で絶賛しているのは頷ける。
ただし2人プレイの場合は、今回のように運不運で優位マーカーが簡単に取られてしまう可能性もあるので、出来れば3人、4人でやるのがいいだろう。誰かが阻止してくれる。そこが間違いなく面白いところなのだ。
コンポーネントとしては全て絵柄が違う圧倒的なキャラクターカードに、それを支える立体的な山札置き場、大量の駒と大量のチップと、フェルトコンポーネントそのものだが、あまりにも詰め込みすぎた為、ボードが小さく薄くやや見劣りする。まあそこだけが残念だが、これは重箱の隅をつつくようなもので、満足度は非常に高い。
ドイツゲーム大賞エキスパート部門にノミネートされ、ドイツゲーム賞でも3位となんという惜しい実績。カードの日本語化は必須なので、日本語版を出してくれたアークライトには感謝したい。
個人的には日本語化するにあたりブリュージュというありきたりなタイトルより、ブルッヘの方がインパクトが有ってよかったと思う。というかブルージュではなくてブリュージュなんや。タイトルでちょっと損をしている。
すぐにでも再戦したいが、他のゲームのレビューするためにしばらくお預けなのが残念だ。また気づいた事があれば追記したい。