Marcel- Andre Casasola Merkle
Hans im Gluck
2〜4人
45分
アッティカ(2)
ギリシャの4大都市国家アテネ、スパルタ、テーベ、コリントス
それぞれのポリスは主権を争って敵対していた。
聖堂をつなげることでギリシャの神々の恩恵を受けて支配することができるのだ。
民主主義のアテネか、はたまた軍国主義のスパルタか、ギリシャ世界を統一するのはどのポリスとなるのか。
プレイ感
前回、
フォレストシャッフル
で書いたのは、あの時思いついたのではなく、最近、ずっと思っていた事である。もう疲れたよ、パトラッシュ
この
アッティカ(前回のプレイ)
を発売した2003年当時(20年以上前!)、カサソラメルクルが、末期的症状といってこのゲームをリリースしたように記憶している。そういった意味でリプレイ編第一弾としてこれほどふさわしいものはない。
このゲーム、実はずっと心残りであった。タイルの型抜きに失敗してテンションだだ下がりのまま、しっかりと吟味しないまま売ってしまったからだ。絶版だったので、最近、中古を探してたら駿河屋で見つけることが出来たので購入した。
ルールを読むと非常にシンプルで、当時わしがあまり高評価を付けなかった理由も分かるアブストラクトチックなシステムだ。
送られてきた中古品は、ボードとタイルに日本語シールが丁寧に貼り付けられていて、かなりプレイするにいい感じである。元持ってた人、ありがとう。
というわけで、コタを前回と同じくほったらかしにして、そーじろ10歳、miaと3人プレイすることにした。アッティカは3人プレイ推奨とあったのでちょうど良い。
ルールは簡単である。
プレイヤー人数に応じたボードタイルをランダムに取って配置し、隅に人数と同じ数の聖堂タイルを配置しておく。
残ったボードタイルは裏向きにしてシャッフルして山にする。
各自、自分の色のタイルをランダムに混ぜて、裏面が黒タイル(大きな建築物)山と、それ以外を裏向けの山を3つ作る。
3人プレイの配置。端っこに聖堂があり、これをつなげることができると勝ちだ。
そこから4つある山から1枚ずつ表向けて、ペラい個人ボードの該当マスに置いておく。
スタートプレイヤーから順番に、4枚、5枚、6枚・・・とカードを配る。
個人ボード。各タイルから1枚ずつめくり、それを指定の場所に配置する。裏面が黒のマークは、各グループの起点となるタイルとなっている。
初期ボードは先の写真のように非常に狭いが、ルールに従って裏向き山積みにしているボードを追加して広げていくことになる。
手番は、山タイルをめくって配置を2回行うか、個人ボードから配置を3回行うかをする。どちらもやらなかった回数だけカードを補充できる。パスしたら3枚補充できる。
タイルの配置ルールは、最初は好きな場所に配置して良い。それ以降は自分のタイルに接するように配置すれば問題ないのだが、新たな場所から始めようとする場合は、その数に応じてカードを1枚捨てなければならない。例えば新たなが2つ目ならカードを2枚捨てる必要がある。
タイルを配置するにはタイルに描かれているコストが必要で、コストはボードにタイルを置くマスとその周りのマスから得られる。イメージとしては建設するに適している場所という感じ。足りない分はカードで補うことが出来る。
また重要なのは順番と連続性であり、個人ボードにある各グループごとに矢印が記されている順番に、それ一つ前に接するようにすると、コスト不要でタイル配置することが出来るのだ。ただし全てを建築する必要があるので、1つ目を作っていないのに2つ目に隣接するように3つ目は無料で置くことはできない。
このグループのものを順番に全て配置すれば、アンフォラ駒をもらえて、これは使う事でアクションを1つ追加することが出来る。大きな建物は、グループの先頭にある建物タイルとなっている。
もう1点重要なルールがあり、プレイヤーの山タイルがなくなったら、そのタイルを配置した後、裏向けボードを1枚取って1辺を接するように好きなように配置出来る。
こうして、ある聖堂からある聖堂へ接続するか、全てのタイルを配置したらそのプレイヤーが勝利である。
最初はびっくりするほどボードが小さい。
基本路線は聖堂から聖堂へ接続することなので、最初は聖堂の隣マスから建設するのが良い。
わしスパルタ、そーじろアテネ、miaコリントでそれぞれ別の場所からスタートだ。
各々、拠点となる聖堂に接するか守るようにスタートして勢力を伸ばしていく。
miaは最初の方から黒タイルを引いて、首都コリントを配置する。これさえ引ければ、後は放射線状に広げることができる。この時大きな建物がスタートタイルというのを知らなくて、そもそも大きな建物ってなんやねん! とスパルタが出ないことに腹を立ててた。
そーじろとわしは、まるで歴史にあったかのようにお互い勢力が近づいていく。
わし「アテネはスパルタに負けてんぞ」
そーじろ「え、そうなの?」
スパルタという国は、あれほど強かったくせに、歴史上、スパルタ教育という名称しか残さんかったと塩野七生が書いてた。
このボードでグループの接続状態が分かる。順番に繋げないと建設コストは無料にならないし、アンフォラもゲットできない。1アクション増えるアンフォラはめちゃめちゃ重要なのだ。
またタイルの山にも注意が必要である。最後の1枚を配置した後、ボードを追加できるからだ。残り1枚状態を作っておく事が大事で、タイミングをみてボードを足すようにする。
そーじろのアテネがにょいーんと伸びて、それをmiaのコリントが防御する感じになる。
mia「やばい、ブロック」
聖堂を繋げられると負けなので、伸ばしてきた青をブロックするmia。
このプレイではそーじろがまだ良くわかってなくて、意味不明なボードの追加を行っている。
本来なら、ここで生きてくるのが、追加ボードだ。同じタイル山を減らしていくのが得策で、いくら完全に防御されてもボードを配置して回り込むことが可能となるのだが・・
わしが写真を見ての通り上から素で接続して聖堂と聖堂をつなげることができた。
mia「二人から攻められると無理よ」
わしの勝利
所要時間45分
簡単に勝ってしまった。オイオイ
翌週、お前はもう家族じゃないというわしの暴言が堪えたのか、コタ14歳も一緒にやることになった。
4人プレイやと聖堂接続は難しいと書かれていたが、ここはもうかなり際どい勝負となった。
これが4人マップ。やはり狭い。上下方向は8マスだが、左右方向は7マスで繋げることができる。
序盤わしが最初の配置を間違ってしまった。
枯れた土地スタートしてしまったのだ。これがもうめちゃめちゃ響いてしまい、全然建物を置くことができず、個人ボードだけが富んでいく。
コタの赤は初見だけあって意味不明なボードを配置してしまう。自分でガード開くのと同じだ。
わしの黄は左右方向の方が近いのだが、資源の関係で下に伸びていくことに。
また個人ボードも飛び石で連続しておけない厳しい展開で、周りが既に5,6個置いてるのに対してわしは1個しか置けていない状態となった。
前回唯一失敗したなと思ったのが街道である。これは4枚しかなく、最初の建設に資源5つも必要だが、その後は、連続して無料で置いていけるので、貯めてから利用すべきタイルなのだ。一気に3個置くことで聖堂へ接続できるので、今回は貯めて置いた。
飛び石になるのが一番かなんわ。また都市グループの中心であるスパルタがでてこない。黒マークを引く必要があるのだが・・
勝負は街道で、これを3つ集めると一気に攻める攻撃手段となる。
そうこうしているうちにそーじろとmiaがわしの土地に迫ってくる。
コタ「これって、ただの陣取り?」
そう、まさにそれ。タイルに広場とかぶどう園とかあるけど、そんなん全然関係なく、タイルをつなげていくゲームだ。目的はトゥイクストと同じ。
コタはテーベを中心に広げようとしてたが、一気にわしがタイルをそーじろの方へ伸ばしだすと
コタ「そーじろ、ブロックしろ」
と言い出した。
その通り、何もしなければ、わしがボード追加と街道を使って一気にタッチダウンを決めるところだった。
そーじろは、わしが経路上にボードを置きにくいようにボードを配置し、コタが掟破りの飛び地配置をしてわしをブロックしてきた。
この変則な置き方でわしの攻撃を迂回させてきた。
ムム、やばい。
わしは手番でそーじろに接続できるようにボードを配置して、更にコタが伸張できないように前線をブロックする配置をする。
そうこうしているうちにmiaがわしの聖堂へ一歩のところに迫っていた。
ボードを追加配置したらあと1マスで聖堂へタッチダウンされる。
コタがそーじろ防衛のために飛び地プレイをしてわしの邪魔をしようとするがわしがそれを完全に封じ込めたのはいいがそれにかまけていると、緑のコリントがあと1マスでわしの聖堂へ繋げる状態となってた。
やべぇ!!
mia「もう2回引いてボード追加配置したから、アンフォラ使って追加手番をする」
な、な、ナニィ!!
負けた。
mia「・・・置けない」
わし「まじ? 資源カードは?」
mia「使っても無理」
わし「よっしゃあ!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
コタは追加ボードで自分のタイルが活きれるように配置したが正直そっちの方面は関係ない。
コタ「絶対に阻止しろ」
聖堂に接するマスは2マス。
そーじろは引くことで、1マス目を埋める。
そして運命の2回目は・・
そーじろ「置けない」
コタ「そーじろ、まじでクソ」
わし「よっしゃあ!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
街道を使ってタッチダウン!
所要時間60分
一気に街道を3つ配置して勝利。かなり危うい勝利だった。
miaのコメント
なんかこのつなげる苦しい感じは
チケライ
に似てる。これ、全部タイル置き切ることってできんの?
わし「4人プレイやとほぼ接続ができないとコメントを読んだ事があるんでまだ下手なんやろ」
ソマーリオ
いやあ、新しいわ。この時代にこんなシステムを作ってたってのが驚き。そしてこれを未だに新鮮に感じるという事は、これに類するシステムがないって事である。
当時は、都市づくりゲームのイメージを持ってやってたのが、そもそもの間違いで、これはタイルに建築名が書かれているが、そんなんはまったく関係なく、接続する陣取りなのだ。
結果的にポリスがしのぎを削ってる状況にはなるが、伸ばし方がまるでアメーバのようになる
トゥイクスト
に似た陣取りなのだ。
これは3回目にそーじろが勝った時の攻め方。コリントは2国に攻められたが、そもそも聖堂の隣は固めとけやって感じ。
各グループごとに作る順番と接続する順番があるところは、未だに類するシステムがないし、タイル山がなくなると破壊的に使えるボードを足せるところなんかは、素晴らしいとしかいいようがない。
アンフォラの1アクション追加は致命傷を与えるので、これは大事にしておく必要がある。
理由は、ボードを追加できるのはタイルめくりの場合だけなので、最初の1アクションは攻めるのに使えない。ボードを配置して2つ目のアクションで置いても最低2マスは距離があるため、接続できない。そこで3アクション目としてアンフォラを使うのだ。
ひとつ残念なのは、個人ボードに既に使ったタイルを表示する術がないところで、どこまで置いてたっけとなる。けがわが、透明タイルを配置するのを推奨してたので、わしはおはじきを使った。
実はこの個人ボードには欠点がある。グループの状態が一目で分からないのだ。
そこでこのようにボードに置いたタイルはおはじきを使ってマークしておくと非常にプレイアビリティがあがる。山にどれが残っているかという重要な情報も解るし、絶対にお勧めする。リメイク作品のU.S.テレグラフではここに置くタイルがついているくらい必要なマークなのだ。
今の時代にまったくマッチしていないが、これの日本語版が出んのは、日本ボドゲ界の損失だ。メーカーがこれに目をつけないとはさぼっとるとしか言いようがない。テーマを戦国時代や源平時代あたりに変えて出すべきだ。
と書いたらU.S.テレグラフとして電信網を敷くゲームとしてリメイクされており、その日本語版がテンデイズゲームズから出てた。
なんかくだらないテーマにしたな・・
ただこのU.S.テレグラフも2018年発売で日本語版はなく、プレ値の英語版のみが流通しているようだ。
gioco del mondo