Antoine Bauza

Repos

2〜7人
45分

世界の七不思議

駿河屋で購入 駿河屋で購入 駿河屋で購入
"世界の七不思議"といえば、「ギザのピラミッド」「ロードスの巨人像」「アレクサンドリアの灯台」「エフィソスのアルテミス神殿」「バビロンの空中庭園」「オリンピアのゼウス像」「ハリカルナッソスのマウソロス霊廟」の7つ。

現存するのはギザのピラミッドのみだが、いずれも古代世界で威容を誇った名建築だ。プレイヤーは3つの時代にまたがって、自分の担当する都市を発展させていくことが目的となる。時代ごとに対応する7枚のカードを受け取って、1枚選んで左に渡し、また右から回ってきたカードから1枚選んで左隣に渡す。

これをを繰り返してカードの山を作っていく。カードを選び終わったら、プレイヤーは同時にカードを公開してアクションを実行。建物を立て、文明を獲得し、七不思議を発展させていく。各時代の最後には隣のプレイヤーを軍事力で屈服させることも可能だ。「30分で終わると」いうお手軽さ、簡単なルールでありながら文明の興亡という壮大なテーマを扱った傑作!

プレイ感

2011年に設立されたドイツゲーム大賞エキスパート賞を受賞した。発表以来、エッセンなどで人気が沸騰していたが、なかなかやる機会がなくてようやく遊ぶ事が出来た。メンバーはmia、ロー、OEC、タメラ、オビ湾の6人である。ルールを読んでもいまいちよう解らんかったので、タメラにルール説明をして貰った。わしとmia以外、全員、経験者である。

わし「これ、ごっつおもろいんちゃうの?」
タメラ「うーん…」
わし「え? うーん?? な、オビ湾、おもろいんやろ?」
オビ湾「うーん…まあ、面白いですかねえ?」
わし「だって、話題になってるしエキスパート賞も取ってるのに、どっちかつうたらおもろい程度なん?」
タメラ「うーん…、まあ、やってみましょう」

と全員やたらと歯切れが悪い。ローなんかはやったと思うけど、覚えてないという。そんなレベルなん? さてどうなるのか。


7枚のカードが配られる。各自、その中から1枚選んで同時に出す。カードにはコストと建てた事による効果が描かれている。コストが必要なカードはそれを支払わなければ出す事は出来ない。で、残ったカードを時計回りに廻す。同じように1枚選んで出す。廻す。これの繰り返し。最後は2枚中から1枚出して終わり。残った1枚は捨て札となり、1ラウンド終了して得点計算。これを3ラウンド繰り返して最後に一番得点が高いプレイヤーが勝つ。そうそう、2ラウンド目は反時計回りに廻す。

早い話、マジックザギャザリングであったブースタードラフトそのものである。


カードを1枚選んで残りは左隣に回す。カードはその効果によって色分けされている。序盤のカードはコスト不要なのばかりだ。

最初にそれぞれ不思議ボードをランダムに配る。その不思議を建築すれば不思議に応じた特典が得られる。

ロー「ギザのピラミッドか。じゃ、裏面使うかな」

オビ湾「あ、それ4段階あるんですよね」

普通、不思議は3段階で終わりだが、ギザだけは4段階となっている。表と裏で効果が違うので、それはプレイヤーの判断でどちらを使うか決めてよい。
基本の表面は、第2段階の効果が違うだけで、後は一緒なので、慣れてくると裏面を使うと良いだろう。

わし「あ、お前、戦争強いやんけ!」

わしの右隣のmiaはロードス島ボードで、軍事マークが付いてる。

オビ湾「あ、それ気をつけた方がいいですよ」

わし「これ強いんちゃうの」

オビ湾「強いです。まあ、対岸の火事ですけどね」

miaと3つ離れた場所のオビ湾にはてんで関係のない話だ。ローもわしから遠いので対岸の話なのだ。


出したカードはこのように何が出るかさえ解ればいいのでアイコン部分だけを出して重ねて置いておく。特に左の茶色と灰色は資源カードで重要なカードだ。不思議ボードは3段階あり、順番に建築していかねばならない。不思議を作る場合はプレイしたカード(どんなカードでもいい)を裏向けにしてボード下に入れる。

このゲームのポイントは両隣以外ほとんど関係ないところ。特に影響を及ぼすのが、軍事で、これは毎ラウンド終了時に、隣同士を比べ高い方はプラスマーカーを、低い方はマイナスマーカーを貰う。その部分とブースター関連で隣だけがほぼ自分の世界となるのだ。

タメラ「あー、ほら、世界は広いですから」

カードは大まかにいって資源、軍事、技術、市場、勝利点、スペシャルとある。資源カードを出すと今後ずっとその資源が出続けるが、算出した資源をストックしておく事は出来ない。例えば資源カードの鉄1を建てておけば今後、コストに鉄1が描かれているカードを出せるようになるという事だ。

コストの資源を自分で出せない場合、両隣のどちらかに出せるプレイヤーがいれば2ゴールド払って、その資源を売って貰う事が出来る。売ったからといって何もなくならないので、買うてくれればくれるほどお得だ。市場カードは、それを1ゴールドにする事が出来る。

技術は3種類あり、ゲーム終了時にそれぞれポイントが入るが、さらに3種類を1セットで7ポイントの勝利点が入る。

勝利点は建設すれば、その勝利点が入る。スペシャルはその他諸々の特殊カードだ。

ゲームは非常にさくさく進む。基本は自分が建てたい資源を建てていくだけ。欲しい資源は、自分の不思議ボードをみて判断すればいい。わしはバビロンの空中庭園で、レンガが重要だ。そしてそれよりも、重要なのがmiaの戦争の強さ対策だろう。

というわけで最初はレンガ1で建てられる軍事カードを出す事にした。各自不思議ボードに1つだけ産出出来る資源が描かれている。ちょうどレンガ1で建てられる軍事カードがあった。


後半になるほど強いカードが出てくるの悩みが多くなる。そして左のコストがずらーっと並ぶことにもなるので、資源は序盤にしっかりと出るように計画しとかねばならない。

残りを全てタメラに渡す。miaからきたカードを選び、再び軍事カードを出す。

とまあ、こんな感じで1ラウンド終了。

戦争ではわしがタメラ、miaを圧倒し勝利点獲得。1ラウンド目は僅か1点ずつ。

2ラウンド目。今度はわしがmiaの上家となる。カードはラウンド毎に用意されており、後半ほど強いカードが出てくるようになっている。

ここでも軍事カードを整え、いつでもmiaに対抗出来るようにする。

オビ湾「軍事力えらく強いじゃないですか」

とわしにはまったく関係のない対岸のオビ湾が言うてくる。

わし「気をつけろちゅうから、気をつけすぎた結果、軍事大国になってもた」

mia「ちょっと、勘弁してよ」

そもそも空中庭園は、技術の国である。2段階まで進めると3種類ある技術の好きな1つが得られるのだ。今度はここらへんを終盤に見込んで作らねばならない。

2ラウンド目も、軍事大国ゆえ、両隣を圧倒して3ポイントずつゲット。

3ラウンド目、スペシャルカードが色々と出てくるが、基本路線はそのまま。
3段階目になると7勝利点を貰えるだけだが、これはやっとかんとあかん。対岸のオビ湾をみるとやたらめったら勝利点カードばかり建設してた。

そして最後の戦争も勝利してゲーム終了。


最後は3段階まで建築完了。赤色の軍事カードもバリバリで負け知らず。そもそも技術の国やってんけどな。

タメラ「これ、こっからの計算がめんどくさいんですよ」

といって、付属のメモパッドを取り出す。わしは紙を用意してそれぞれの得点をメモしていく。

結果、OECが勝利。

わしにはまったく関係のない場所やからな。ふーんって感じ。

所要時間45分

OECのコメント

良く言われてることだけど、結構なソロプレイ感。
ドラフトの醍醐味は手番順によって発生する「仕事」と自分の目的のジレンマだと考えているので、「隣の資材を借りれる」とか「隣の◎◎の分だけ勝利点」ってカードが全体的にそのバランスを平坦なものにしちゃってると思うんだよね。
自分の感性が鈍いのか、やっててボンヤリする。ポワワワン。

オビ湾の注意書き

akioさんのは多言語版で、僕が持ってる初版よりも良くなっていた。
カードの色合いも変わってるらしいので、拡張とか買おうと思ったら初版は役に立たんわけです。いい加減なことしてくれるわ。

miaのコメント

何、このぼやぁっとした感じは? かなり期待してただけに期待外れ。でももう少しやってみてもいいかな。

ソマーリオ

うーん。。。タメラとオビ湾が「歯切れ悪かった理由解るでしょ?」と訊いてきたが、非常によく解った。なんともまあ、ソロプレイ感が強いというかぼやぁっとしてるというか。

対岸プレイヤーのOECが勝利したところで、「ああ、そうやったんや」というコメントしか出来ない。わしが戦ってたのはあくまでタメラとmiaであり、他のプレイヤーは噂で聞いた遠い世界の話なのだ。そういった意味では歴史の悠久さを感じるかも知れん。

また両隣といっても、戦争以外特にどうという事もないのが、益々ソロプレイに拍車をかける。まったくといっていいほど自分の事しか見てなかった。慣れてくるとこのカードを渡したらあかんとか出てくるのだろうが、1度やったきりでは、必要なカード構成を知らないので、そこまで知恵が回らない。そして廻らなくてもなんとかなる程度のカードのジレンマ構成に感じた。それは他のプレイヤーから容易に足りない資源を買う事が出来るからだ。

非常にライトなプレイ感で、ごたごた細かいルールはスペシャルカードで補うといった感じだ。6人プレイで45分で終わったが、同時進行ソロプレイなので3人や4人でも時間はそれほど変わらない。点数の計算のところで時間が掛かるくらいだ。

そういや前にタメラが持ってきたローマの栄光に似ている。あちらがかなりごちゃついた内容だったので、あまり好きになれなかったが、世界の七不思議は非常にすっきりまとまってるのは美点だろう。

このゲームはマジックザギャザリングのブースタードラフトをそのままメインシステムとして据え置き、後は得点パターンをいくつか用意しているだけなのだ。ノートルダムではブースタードラフトはあくまでサブシステムであり、本筋は違っていたのを考えると、このゲームの評価はシステム的にはブースタードラフトをどれだけ楽しめるかという一点に尽きる。

実はもう何年も前に国産のカードゲームで妖精奇譚ってのが発売されている。妖精奇譚も同じくブースタードラフトをメインシステムにし、得点パターンを追加してるだけだが、カード構成が解りやすく非常にジレンマが解りやすかった。世界の七不思議にある建物を建築していくとかの人間本来の感覚の楽しさを抜きにすれば、妖精奇譚の方がやったやられた感も解りやすく、得点計算も楽ちんで、総合的にゲームとしてよく出来てるように思う。

もう何度か遊んでみれば評価も変わるかも知れないので、その時は追記する。特に重要なのは人数だろう。これ、3人か4人でないとおもろないんとちゃうの? 同じ卓を囲む一体感を感じるには少人数でやるしかない。
それよりも世界の七不思議が好きな人に妖精奇譚をやって貰ってどう思うか、興味のあるところだ。

タメラ「こればっかりやってる人らが2chのあちこちでスレッド立てたりしてるので、やり込みゲームなんは間違いないです」

ロー「え! 世界の七不思議ギザ派とかのスレッドあるの?」

わし「そんなにマニアックなんあるかい!」

gioco del mondo