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Lorenz Kutschke
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Adlung
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2〜4人
30分
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我らが王のために
ゲーム説明
円卓会議で、ガウェインが胸を叩いた。
「我らがアーサー王よ。次なる竜退治は私がやってみせましょう」
「ガウェイン、そなたの勇気と強靭さは誰しもが認めるところ。しかしここはこのガラハッドにおまかせを」
まるで沈んだ湖のような男が立ち上がった。
「どこにいくのだ、ランスロットよ。まだ円卓会議は終わってないぞ」
アーサー王と円卓の騎士たちは、王との約束を果たす為に自分の剣術、勇気、知力を磨き、様々な冒険を行うのである。
プレイ感
アドルングのカードゲームの小箱シリーズは説明書の字がやたら小さく、カードだけで構成してるくせに小さなボードゲームのようなゲームばかりなので、やるのが結構めんどくさかったりする。セッティングが面倒なんよなあ。全部カードなんで、どこに何を置いたらいいのか分かりにくいのよ。なんせ説明書通りに配置していき、1巡する頃にようやくルールが飲み込める、そんなんばっかりである。
とりあえず期待もせず、TAMと二人プレイをやってみた。
配置を完了してやってみると、なるほど思った以上にゲームのやり易さに気づく。あちこちに配置されたカードはアクションなのだ。このアクションをやりますよというのを順番に選択していく。で、そのアクションは場所によって出来る出来ないがあるので、出来る場所別に分けて配置しているに過ぎない。
この配置は出来る限り遊びやすくするようになっている。ぐるりと回る場所がマップで、その周りを騎士が動く。動いた場所で行えるアクション別にそれぞれ配置されているのだ。地図の地名が解らないのが残念だが、洞窟や森、街などがある。ここを探索して竜退治に出かけたり、トーナメントに出かけたり、裁判したりする。
TAMが剣術を磨くカードを取る。わしゃ、知力だ。次にTAMは円卓会議に出席(竜退治などの指令がくだる)し、わしは裁判カードを取る。こんな感じでアクションを取っていき、一気に行動を行って勝利ポイントを稼ぐ。
最後にTAMが馬(移動に必要)を取って、キャメロット城にいなくなるのを見越してトーナメントを取るわし。
TAMから取った行動カードを行う。剣術を鍛えて(剣術カードを取る)、円卓会議で指令を受けて、馬を使って場所を移動して、冒険を達成する(勝利ポイントゲット)。
次にわしが勉強して(知力カードを取る)、馬で移動して、裁判に勝ち(勝利ポイントゲット)、また馬で移動してキャメロット城に帰り、トーナメント開催!
わし「あれ、相手おらんやん? わしの不戦勝ですな。わはははー」
トーナメントは他の騎士と剣術+勇気で戦うのだが、誰もいない場合はカード1枚で勝てる。勝利ポイントゲット。
ここにあるのが剣術、名声、勇気、知性のカード。これは城で鍛えるアクションをする事によりゲットし、探索で必要な分を支払って勝利条件を貰うというシステムになっている。こう書くと夢がないが、まあ、お金みたいなもんと思えばいいか。
二回目もTAMが色々と手をこまねいてやっていたが、トーナメントを取らずにいたのを見届けて、同じくトーナメントを最後に取る。
わし「あれ、相手おらんやん? またわしの不戦勝?」
ぱからんぱからん、ひひーん!
TAM「まったあ! ランスロット。このガラハッドがはせ参じたぞ!」
警備兵「お待ちを、ガラハッド様。あなたは参加資格がございませぬ」
TAM「へ? なんで、なんで? 俺、キャメロット城におるで?? この為にめっさ慌てて戻ってきたんやけど?」
警備兵「参加証ないですやん」
トーナメントアクション(複数枚ある)を取っていないとトーナメントに参加出来ないルールなのだ。それを忘れて、なんとかしようと馬を取ったTAM・・。
ランスロット「はい、不戦勝と」
結局こんなこすい手ばかりやりつつも、時には竜退治に出かけ、あっと言う間に勝利条件を満たす。
こうしてランスロットとガラハッドの名声比べは終わった。
アーサー王「えーと、ガラハッド君、くびね」
所要時間30分
ソマーリオ
思った以上にさくさく進むので驚いた。カードゲームの割に確かに冒険している感じがする。
なんか、昔のスクールパンチシリーズをやっているようなそんな感じのテイスト。意外といけるんちゃうというのが第一印象。これくらい軽いファンタジーRPGがあってもいいかなと思う。このシリーズで以前やったゲームに魔法の剣とドラゴンの卵ってのがあったが、こっちの方が明らかにファンタジーRPGテイストを体感出来る。
問題はカードばかりで構成されているので、ルール読んだだけではさっぱり要領を得ないところ。ちょっと配置するボードをぺらぺらの紙にでもあればプレイする気も起きると思うんやけどなあ。
ファンタジー系のこういったタイプで有名なのは古くはマジックレルム(剣と魔法の国)、タリスマン、近年ではヒーロースケープ、ルーンバウンド、英雄の帰還とあるが、全てやたらと時間がかかるといったところで共通している。
これはRPGというごっこ遊びを出来る限りリアルにしようとした結果からである(世界観を構築しなければならない)が、ファンタジーが食傷気味となった今は、あまりやる気も起きなくなってしまっている。
そういった意味で、本作はしっかりとファンタジーのつぼを抑えてるにも関わらず、ゲーム時間が短く、単なる運だけでもない(この手のゲームのほとんどはサイコロに任せた運である)ところに好感が持てる。今度は4人くらいでやってみたいな。
日本語にした方が雰囲気が出るのでカードに貼る日本語用シールを作ったんでどうぞ。