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Bruce Allen
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Zoch
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2〜4人
45分
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トバゴ
トバゴ島はカリブ海は小アンティル諸島のウィンドワード諸島にあり、トリニダード島と共にトリニダード・トバゴ共和国のひとつである。
長細い火山島のトバゴの海岸は珊瑚礁に囲まれ、椰子の木が立ち並び美しい情景を形作る。
草を分けて入ればそこにはかつての文明の名残であるモアイが立ち並び、何か秘密めかしい顔をしているのを発見出来るだろう。
プレイ感
ルール読んだ瞬間、これはオールドタウンのパクり…もとい進化させたものではないかと思った。コンポーネントからしてワクワクさせる宝探しのゲームである。もう、2010年のドイツゲーム大賞はこいつで決まりちゃうんとひとりで大興奮。海長とオビ湾、OEC、miaとの4人プレイにて。
mia「わ! これ楽しそう!」
OEC「コンポーネントが凄い!」
オビ湾「Zoch、本気だ」
mia「モアイなんて、ガキンって動きそう」
わし「動くで。ガガガガ、ガッキーンって」
OEC「ほんまですか?」
mia「時々嘘言うからなあ」
と、やる前からコンポーネントで大盛り上がり。
くう、せっかくのコンポーネントがフラッシュの光で色飛びしていまいちになってもた
車は木製で、フロントグリルや窓ガラスまで描かれているという凝りよう。モアイは石製(かな?)でかなりずっしりしてる。
マップは3分割の組み合わせで出来ており、すべて裏表あるのでかみ合わせ含めて合計32通りのパターンが出来るのだ。
Aの表裏(2)×Bの表裏(2)×Cの表裏(2)×時計回りにABCかACBか(2)×かみあわせのずらし方(2)=32種類。かずひこさん、ありがとうございます。
手番は、手札からヒントカードを出すか、オフロード車を移動させるかを行う。ヒントカードは、4箇所ある宝物の在処を絞るカードで「それは浜辺にはない」「それは最大の森の中にある」「それは椰子の木の2マス以内」「それはモアイ像の隣」などが描かれており、それを宝物の列に出す事によって範囲をせばめていくというカードだ。そしてそれが1箇所に絞られた時、宝物はまさにその場所にある! すぐにオフロード車でそのマスにいけばいいのだ。
4カ所ある宝の場所を示すカードを並べていく。たとえば黒の宝なら「それは最大の森の中にはなく、モアイの隣でもない最大の山の中にある」と読み解く。で、置いたらそのカードの上に自分のマーカーを配置しておく。これ重要。
ところが手番にはヒントカードを出すか、オフロード車で移動させるかのどちらかしか出来ないので、出したら他のプレイヤーに取られてしまうのでは? という話になってくるが心配しなくていい。このゲームのよく出来ているところは、宝物の分配方法である。
ヒントカードを出せば、そこに自分が出したというマークを載せておく。宝物はこのマークの載っている人で分配されるのだ。そしてその宝物の量はマークの総数に比例するので、皆で育てた宝物は量も多くなる。オフロード車で宝物を入手したプレイヤーは自分のマークをひとつ置ける特典があるだけだが、これはそれなりにでかい。理由は以下の分配を読んで欲しい。
さて宝物カードには2〜6の宝物が描かれており、自分のマークの数だけ山札からカードを引く。それをそのまま貰えるのでは運になってしまうが、自分だけ中身をちら見して、代表者ひとりに裏向けに戻す。代表者は、全員の宝物カードを全て集めて、それに宝物カードを山札からもう1枚追加してシャッフルするのだ。
今回わしは3個マーカーを置いたので3枚のカードをちら見する訳だ。うーん、しょぼい。で、これを全員から集めてひとまとめにして、1枚ずつ要否を訊いていくのだ。内容を知ってるだけに、効率よくお宝を貰いたい。
代表者は1枚めくり、その宝物を貰うかどうかをマークを置いた逆順にプレイヤーに訊いていく。貰うとなったプレイヤーは貰った段階での自分のマークをとる。代表者は次のカードを再び繰り返していく。ちなみに1枚追加されているので、全員がパスしたとしても1度だけなら全員に配分はいく。
ヒントカードをたくさん置いたプレイヤーはその枚数だけ貰う事ができ、さらに内容も知っているので優位に宝物を選べるという事だ。ここでオフロード車を進めたプレイヤーの特典がそれなりにでかい理由が解ると思う。なんにせよ、一番最初に貰うかどうかの選択が出来るのだ。要らないと言い続ければ、マークはそのままなので常に最初の選択権があり良いカードが当たるという事だ。
なんとも面白いシステムを考えたものだが、これがややもすると強すぎるので、皆、ヒントカードをどんぴしゃにしない。なるべく自分の近くで相手が一発でこれないところを探そうとするが、オフロード車は思った以上に敏捷で遠くの方からびゅんと飛んでくる。それに拍車をかけてるのがヒントカードの難しさである。なかなかぱっと出せないのだ。
たとえば白の宝なら、青、赤、緑とお宝を貰う選択権があるという事。実際には、お宝を獲った人がマーカーだけを一番下に置く事になる。
これがためにゲームのテンポが悪くなった。範囲を狭めていくこのシステムの欠陥とも言えるが、このシステムならではの楽しさがあるのでなんとも微妙なところだ。
わし「じゃあ、宝物が出たんで、モアイをガガガガ、ガキーンと60度動かしてその目線の先のマスにアミュレットを置く」
mia「一応、本当の事だったか」
アミュレットを取得すれば、1アクション余計に出来ると考えていい。一度に使える数は無制限。さらに、もっと凄い効果があるのだが、それは後述。
ところがこのアミュレットを誰も取らない。もう皆、どうやって候補地を絞るかに必死である。
mia「じゃ、それは最大の湖でない」
わし「阿呆! 一発目から『何々でない』のヒントカードを出すなや。全然、絞られへんやんけ」
最大の湖でないって言うたら、そこら中が候補なのだ。一発目にこれを出されると、もうどうしていいのか解らなくなる。そうそう、このゲームの凄いところは、ボードは裏表あり、それを組み合わせていくつかの種類が作れるのに、必ず、最大の山や最大の森、最大の湖が出来るのだ。それすらもヒントとなっている。
頭がそれほど良くないメンツであるわしらは「これは決まったぁ!」みたいな抜群のヒントを出せない。ばかりか、ある程度絞られている奴ばかりを考えて、そればかりの宝物を狙う。
OEC「あれ、アミュレット置いてないんじゃないですか?」
わし「あ、忘れてた」
このアミュレットがくせ者で、すっかり置くのを忘れる。そして誰も取らないもんだから、そこら中、アミュレットだらけ。
わし「なんか、うんこみたいやな。。。」
皆「…確かに」
ところどころにアミュレットタイルが転がっている。まるでうんこのようだ。
ヒントがある程度絞られれば、ボード上にヒント駒を置いて分かり易くする。このヒント駒が残り1個になったところにお宝が眠っているという寸法。こうしてなるべくプレイヤーに分かり易くしてるのは好感が持てる。このように駒が置かれたら、ヒントカードの場所ではなく、ボード上の場所でヒントカードを出すようにすれば、長考しにくくなる。
これではゲームが台無しやんけと思ったわしは、ちょっくら寄り道がてらアミュレットを取りに行く事にした。なんせ手番に出来る事が少なく、1手番の重みがかなりでかい事から余計な動作が出来ないゲームなのだ。
そうこうするうちに
わし「そろそろ呪われた宝カードが出る筈なんやけど」
宝物カードには呪われた宝カードが2枚混じっている。宝物分配時にこのカードが出たら、即座に分配終了で、しかもまだマークの残っているプレイヤーは全員、手持ちで一番価値の高い宝物カードを捨てねばならないという恐ろしさである。当然、最初にちら見する事が出来るので、早抜けしようとする奴が出たら、呪いが混ざってると考えて間違いない。
OEC「じゃ、これ取ります」
mia「え、それ2しかないのに。あー! まさか!」
そこからすぐ抜けようとするが、
わし「呪いでーす!」
mia「酷い。6捨てなきゃならない」
わし「ほな、わしゃ、うんこ捨てるわ」
オビ湾「なるほど」
そう、アミュレットのもうひとつの利点は呪われた宝カードが出たら、それを捨てるだけでいい。備えあれば憂いなし。
実のところ、この時点までわしが得た宝物っては、2とか3ばかりで、かなりトホホな感じ。それに比べてmiaは高額な宝をたくさん手に入れていた。ぶっちぎりで負けるところだったのだ。
わし「ほな、このカードで場所を確定させて、うんこタイルでオフロード車で到着」
このゲーム最大の弱点であった、一手番で宝を確定させて自分が到着するという荒技がうんこタイルで可能になったのだ。さらに……
わし「じゃ、うんこ使って、このヒント駒を1個取り除いて、宝物の場所を確定させる。で、到着と」
mia「えー、そんな事出来るの?」
アミュレットは、ヒント駒を1つボード上から取り除く事も出来る。ボード上に2個とか残って、やきもきする事があるので、これも非常に使える。まさにうんこ天国。うんこ最強。
オビ湾「アミュレット取らないと駄目っすねえ」
mia「じゃ、ここでアミュレット取って手番終了」
OEC「ここでうんこ取りに行きます」
うんこ、そこから大人気w
しかし、うんこの先駆者といえばわし、わしと言えばうんこの先駆者である。近くのうんこを洗いざらい取りまくり、次々にお宝をせしめる。そこからは独壇場だ。なんせ、2度3度と一気に動けるという力は非常に強く、自分で仕上げては移動という方法をとる。
結局、そのままわしが押し切ってゲーム終了。
所要時間45分
最後はこんなにどっちゃりと宝を頂きました。ごっそさーん。
オビ湾のコメント
あきおさんが推すだけありますなぁ。おもしろいっすよコレ。
海岸線にゴミのように転がったアミュレットがあんなに強いとは。
でもやっぱこのコンポーネントですよ。モアイ! やしの木! 一本取られました。
OECのコメント
1.ぱっと見た感じ:すっご!
2.インスト完了後:わっくわく☆
3.やってプレイ感:か、軽ぅっ!
4.ゲームを終えて:次の日買いましたw
miaのコメント
コンポーネントが可愛い。宝のありかを自分たちで作るのが楽しい。
アミュレットを上手く使わないと勝てない。ドイツゲーム大賞獲れるね。
ソマーリオ
惜しい。残念ながらテンポが悪く、うんこがばらまかれてる状態の時は、やってもうたかと思った。実際にはうんこタイルは非常に重要で、もっと果敢に攻めるべきなのだが、なかなかタイミングが難しい。
やってみると解るが相当強固な意志でもって、取りに行かねばならない。車の移動がなんとなくシステムになじんでいないのが原因なのかもしれない。
単純に出すことで得点計算出来るオールドタウンのようにそこだけ注視すればいいというものではなく、移動の事まで考えなくてはならないのがテンポを悪くしている。
ただ、こういったマイナス点を考慮に入れても光るところがたくさんあるゲームだ。論理的にAndやNotで絞られていくタイプのゲームはオールドタウンとこいつしか知らない。このタイプは非常に新鮮に映る。
またお宝を配分する方法もかなり凝ってて、トバゴらしい味付けになっている。
そしてZochが最も力を入れたコンポーネントは素晴らしいの一言。ずっしりとした石のモアイ像、木製の小屋、椰子の木と、海の孤島での宝探しという雰囲気を嫌が応にも盛り上げる。モアイ像なんか、苔むしたディザリングまで施されている。
やってて思ったのは、スクールパンチの謎のイースター島ゲーム。あれもモアイがガガガガと動いてお宝を探す。
モアイの視線の先に何かあるというのは人類普遍のテーマなようで、システムは全然違うがプレイヤーが求めるロマンはまったく同じである。
ゲーム時間は僅かに45分程度なのだが、テンポの悪さが初心者にどうかという事もあり、ドイツゲーム大賞受賞は難しいと思う。ただ見ても分かるとおり間違いなく持っていて損のないゲームだ。裏表あるマップでたくさんの組み合わせが出来るが、最初は一番小さいマップにしておくのがいいだろう。なんだかんだと書いたが論理思考に慣れるとテンポよくいけそう。そうなったらかなりおもろいと思う。ちなみに二人プレイでも悪くない。