Ted Alspach

アークライト
Bezier Games
Lookout Games

1〜4人
100分

シティビルダー

駿河屋で購入
おら、この町をもっともっと大きくしたいだ!
おんめえ、海女、ほんとにやるだか?
おらがやれば、もっと観光客がくる。

まあ、内容は全然ちゃうけど、あまちゃんぽくしてみた。

プレイ感

久々に新しいゲームを紹介できる。駿河屋で日本語版の予約してたんで、すわ流行のゲームかとまったく情報を仕入れずに買うてみた奴だ。タメラがこのゲームのエキスパートという事で、ルール説明を任せることにした。他、超久しぶりに我が家にやってきたダークシディアスことオビ湾、COQの4人プレイにて。


独立したお互いの街を発展させていくシムシティ系だ。
手番には、売られているタイルを1個購入して、自分の街に配置する。配置したら、タイルの特殊効果によって人口増加率や収入が増減する。それから実際に人口の増加(勝利点)を記録し、収入を得て手番終了だ。
最終的に最終1ラウンドですよタイルが出たら、残り1ラウンドずつ行ってゲーム終了。目標ボーナスを足して、一番人口が多いプレイヤーが勝ち。


初期配置は縦に並んだ3枚。そこから自分の都市を広げていく。緑は住宅街、灰色は公共施設、黄色は工場、青色は商業地となっている。
ボードの○は収入、■は人口増加率を表し毎手番、増減する値となっている。2×は設置済みのタイルの効果を2倍にするタイルだ。

とこのように概要を書くと非常に簡単なのだが、ポイントはタイルの特殊効果だ。これが接しているタイルによって効果が発揮されたりされなかったり、配置した場所以外にも効果が出るタイルがあってチェックがかなり細かい。タイルは大まかに住宅地、商業地、工業地、公共施設となっている。例えば住宅地の隣に工業地を建てると人口が減ったりする訳だ。

タメラ「ルールに書いてるヒントとして、最初はとにかく収入をあげるようなタイルを取ることとあります。お金がなくなるとどうしようもなくなるんで」


これがタイルの市場。毎手番ここから1枚購入(もしくは廃棄)する。タイルには価格があるが、さらに上のプレミアム価格を支払う必要がある。右まできた2枚はプレミアム価格は0である。その上には目標タイルがあり、終了時、一番収入が高い人とか、一番工場が少ない人とかに勝利点ボーナスがある。右にそびえ立つのが順番に出てくる、A、B、Cタイルである。

最初に収入が3も増える高級レストランを買うかどうか悩んだ。

わし「これ、後に誰かが飲食業を建てると、その都度収入がマイナス1ずつされるんやけど、どんな高級なレストランやねんな!」

COQ「いや、これ訳がちょっとおかしいんですよ。元々のイメージは流行のレストランぽいです」

しょうがないので、ゲーム中どれだけ飲食業が含まれているかを確認する。
最初にでてくるAのタイルしか含まれておらず合計で5枚程度とのこと。タイルは1ゲームで全て使う訳ではなく、大体3分の1くらいしか利用しない。出てこない可能性も大いにあるわけだ。というわけで、高級もとい降級レストランを買うことにした。

タイルは買われると、スライドされて追加されるよくあるパターンである。

わし「おい、降級レストラン出たやんけ」

(|| ゜Д゜)ガーン!!

(これは埋めるしかないな)

このゲームでは、タイルはラウンド数を刻むのにも使われるので必ず1枚取らなければならないのだが、金銭面でどうしても何も出来ない場合もあり、その場合はタイルを裏向きにして池として扱う事もできる。池にしてしまえば臨時のお金も入ってくるし、タイルを事実上無かったことにも出来るので埋める行為は非常に重要なのだ。

しかしわしの思惑もそう上手くは行かなかった。何故なら、次から次へと飲食業タイルが出るわ、出るわ。

COQ「あれ、ゲームに含まれるの全部出てきましたね」

(|| ゜Д゜)ガーン!!

わし「誰じゃあ、これシャッフルしたんは!」

かなりガッカリな展開に。


わしがゲーム通じてのスタートプレイヤーで巨大ビル駒を置いておく。手前にある目標タイルは個人だけに影響する目標だ。開始時に1枚は自分に、1枚は全員の目標となるように選ぶ。Aというタイルが配置されているのは、タイルを裏返しに池にして埋めたという事でこれは立派な収入源となる。

しかし何よりこのゲーム、チェックが超めんどくさい。基本的に配置したら収入や人口増加率の増減があり、さらに配置済みタイルに接すると増減などがおきるタイルが結構ある。プレイヤーとしては当然増えた方がいいので、市場にあるタイルをどこに接触させれば得をするか一枚一枚チェックしていくことになる。

中盤、わしはひたすら収入のおばけになりつつある。最大の収入は15で、それ以上増える事はない。
タイルは好きなタイルを買えばいいのだが、どうにもせこびっちでなかなかお金を手放さない。

人口の増加は非常に緩やかである。
何故かというと、人口を表すボード(=勝利点でもある)には、ところどころ赤線が引かれている。この赤線を越えると、人口増加率と収入が1つマイナスになる。理由は、人口が増えることで管理作業が増えて、大変になるかららしい。まあゲーム的に調整という事だが。
つまり、前半はそれを食らわないように人口の増加を抑えて、後半にどっかーんと人口増加させるのがこのゲームの勝利パターンとなる(に違いない)。まあ、熟練者のタメラがそうしているのでそうだろう。


こんな風に街は発展していく。右にちらっと見えるのが人口であり勝利点を現すボードだ。

COQさんがカジノを買う。
カジノは上記の人口増加によるマイナス効果をプラス1プラス1効果で事実上無効にする。さらにゲーム中3回だけ使える×2タイルをカジノにおけば、効果が2倍となり、むしろ人口増加によりプラスに転じることも出来る。ただし、非常に高価だ。×2タイルを置くためにはさらに追加でカジノのコストを支払わなければならないので合計で44もする。

タメラ「カジノは強いですよ」

既にBのタイルが終わり、最終のCタイルに移った。この中に終了タイルが含まれているので何時終了してもおかしくない状態だ。

ここに含まれるCタイルにはカーディーラーがある。何故か知らないが、Bタイルに含まれる国際空港より後に出てくるし、値段も効果も空港より高い。なんじゃ、これ?
具体名は忘れたけど、わしが持ってる施設の値段とタイルの施設の値段が大幅に違っている。しかも都市が発展していくに従って、こんなものまで作れるようになったのかというイメージともかけ離れている。高級レストランは初期に出てくるのに、今更、カーディーラーが出来んのかって感じ。

しかし何より驚いたのは、リサイクルセンターである。

タメラ「あ、じゃあ、リサイクルセンター買います」

市場にリサイクルセンターが補充された途端、タメラがそれを買う。
そしてタメラの街に不自然にクの字状に曲げられた商業地タイル群の真ん中にそれをずどんと置く。


不自然に曲がったタメラの街にリサイクルセンターがはめ込まれる。

タメラ「えーとリサイクルセンターに接する商業地タイルの数×2倍だけ人口増加率があがります」

COQ「まるでそこにリサイクルセンターがくるのを待ち受けていたかのような不自然な配置…」

全員「なんじゃあ、そりゃああ!!」

タメラ「あ、いや、ほら、ここに池置いたらいいかなあと思ってたら、たまたまリサイクルセンターが出たんですよ」

オビ湾「そんな訳ねーだろ!!」

そこからはあちこちでそんな訳ねーわの連呼。

これで完全にゲームは決まり。

オビ湾「確かに前から勝ちに貪欲やと思ってたけど、これはやっちゃあかん方法でしょ」

COQ「これまじで出禁レベルですよ」

タメラ「いや、最近、お断りが多いんですよ。ここはまだ遊べるからw」


終了タイル。

そして終了タイルが引かれる。
ここでもタメラは最後の最後まで念入りに目標タイルを確認して人口をあげてきた。

わし「お前、野球で9回の表10対0で勝ってるのに、さらに盗塁するレベルやぞ」

COQ「ビーンボール投げられても文句言えない」


さらに念入りに目標ボーナスを狙うタメラ。

所要時間100分

勝者はいうまでもなし。


最終の人口。ところどころに赤線があるのが、収入と人口増加率をマイナス1にするラインだ。みての通り、人口が増えれば増えるほど頻繁に赤線があるので、序盤は押さえて後半一気にいくのが上策だ。

タメラのコメント

ちょっと煩雑なところがあるんですが、僕は好きでよくやってます。でもあれはたまたまですよ。

オビ湾のコメント

そんな訳ねーだろ!! 完全に知ってた配置じゃんか。

ソマーリオ

タメラの事はさておき、ゲームとしては町作りゲームとしてあまりにもオーソドックスなシステムで、取り立てて目新しいところはない。むしろ街コロとそんな大差はないように思う。街コロを複雑にしたようなイメージだ。

それよりも気になったのがいくつかある。文中にあるように、チェックが非常に煩わしく、絶対に途中でいくつか抜けてるわという自信すらある。
システム構造としてよく似ているビッグシティでは種類が少ないので、チェックがそれほど必要でない。またビッグシティでは、僅かなルールで徐々に必要な施設が適切なタイミングで街が出来上がっていく過程を楽しむことが出来るが、シティビルダーでは施設の値段もおかしいし、そもそも出来上がる順序がおかしくて、街が出来上がっていく感じではなかった。

他にこの手のでは名作であるラ・チッタもあるが、あれは都市開発という名の戦争なので、シティビルダーに関していえば街コロやビッグシティの方がより近い。

COQ「原題が郊外の開発という意味ですから、シティビルダーとはちょっと違うんですよねえ」

序盤、人口の増加を極力抑えるというのもなんだか変だ。
最後は一気に人口を吹き上げさせる必要があるため、ある時点で、収入増から人口増加率の上昇に転じさせる必要がある。このタイミングを計るのがこのゲームの勝ち筋なのだ。一旦、そうなるとひたすらに人口の上昇に努めることになる。そういった意味で、プレイ感は違うがビール侯爵に似ていると思った。

オビ湾「ところでこのゲームって話題になったから日本語化されたの?」

COQ「いや、そうじゃなくて、今の状況は出たと思ったらすぐに唾を付けとかんと先に日本語化権利奪われちゃうらしいです」

そういう噂話なら聞いたことある。
一番いいのはホビージャパンが取ってしまい、その残った中から良いのをアークライトが取ってしまうので、メビウスなどはニッチなところしか商売にならないとか。
最近はテンディズも日本語化に加わってるので益々熾烈になってそう。

まあわしら消費者からしたら、こぞって日本語化してくれるのは嬉しい限りなんやけどな。

話を戻してシティビルダーは、七面倒な確認作業が多く、まさにデジタルゲームをそのまま持ってきたようなシステムでアナログでわざわざやる必要はない明らかにデジタルゲームのデザインだ。安田均のいうデータ型ゲームである。

他人との絡みは相手が有利になるようなタイルを埋めるなど間接的に及ぼすので、システムから感じるほどソロプレイという印象ではない。しかしかといってどうにもボードゲームをやってる感覚ではないんよな。なんか作業をやらされてるように感じた。

わしならもうすぐ再販されるというビッグシティを推す。ここが正直、シムシティ系のボードゲームの限界やろと思う。慣れたらタメラみたいに楽しめるらしいが、要素が多すぎて煩雑すぎる。

ちなみにタメラはネタとしては結構おいしい場面であった。

gioco del mondo