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Marc Andre
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Space Cowboys
REBEL.pl
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2〜4人
50分
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宝石の煌き
ボードゲーム宝石の煌き 2024年新版 日本語版 (Splendor)
宝石、それは万人を魅了する。
女性は宝石の煌めきを求め、男性は女性を求めるために宝石を採掘する。
あなたは一大宝石商となり、富と名声を手にいれることが出来るだろうか。
プレイ感
タナカマがツイッターで面白いとつぶやいてたんで、わしゃてっきりステマやと思ってスルーしてた。というのを話すとCOQも同様にそう思ったという。なんて信頼関係のあるメンバーなんやw
まあ、そういう冗談は抜きにして、タナカマは面白いのでたくさん入荷しようとホビージャパンに伝えたら、本当にそんなに注文して大丈夫ですか? と心配されたという。その後、ドイツゲーム大賞にノミネートされて話題になったのはご存じの通り。発表前に是非やりたいと、タナカマ夫妻、COQと4人プレイにて。
ルールは非常にシンプル。手番に、場にある種類違いの宝石チップを3個取るか、同色を2個取るか、場にあるカードを宝石チップを使って購入するか、場のカードを手札にするか、のどれかを行う。
カードには、宝石が1種類描かれており、購入したカードは自分の前に並べておき、なくならない宝石チップとして次回以降カード購入時に利用できる。
またカードには勝利点が書かれているものがあり、最後は誰かが合計15点取った時点で、ゲーム通じての最後のプレイヤーまでプレイして、合計点が高いプレイヤーが勝つ。
カードをランクごとに4枚ずつ並べ、その下にランダムに選んだボーナスタイルを並べる。宝石は5種類+ジョーカーの金塊。カードを手に入れるためにはそのコストを支払う。
カードには3段階の難易度がある。もちろんコストさえ支払えばどれから購入しても問題ないのだが、ランク3あたりになると、カードの宝石効果を使わないと買えないくらい高いので、順番に買うのが良い。つまりこんなシンプルなルールで拡大再生産の要素が自然と盛り込まれている。
あっきーがいんじゃんで勝ったのであっきーから。つまりどこかのタイミングで15点獲得したなら、一番最後のプレイヤーであるタナカマまで必ず回るという事だ。
COQ「これ、スタートプレイヤーが、クソ有利なんすよね」
まあ、確かに早い者勝ちやから、そうかも知れんけど、割とばらけるんでは?
自分が欲しいが相手に渡したくないカードはこのように手札にしておく。勝つポイントはボーナスタイルを手に入れるために動くこと。
あっきー「じゃ、この3枚で」
わし「これとこれとこれ」
欲しいカードの宝石チップを選んで取っていくだけ。
まずは手に入り易いランク1のカードをめざす。
COQ「じゃ、この3枚で」
特に書くことがない、このゲーム。
ただ淡々と進んでいくだけだ。
わし「これ、宝石の価値に違いはある?」
タナカマ「まったくといっていいほどないです。けがわさんが全部のカードを調べて、びっくりするくらい差がなかったと話してました」
宝石チップは10枚までしか持てないので、そのうちどこかでカードを購入しなければならない。
また欲しいカードを手札にするという方法がある。手持ちカードは3枚までしか持てずほかす事もできないが、相手に取られるより先にキープしておけるのだ。このアクションを選べばさらにワイルドカードの金チップが貰える。このカードは手番にコストを支払って出す事ができる。
常に場とチップとを見比べてゲームを行う為、誰も会話をしない。ひたすら淡々とチップを取っては支払ってカードを購入していくだけ。
購入したカードはこのようにしておくと見やすい。数字が書いてあるのは勝利点である。ランクの低いカードは付いてないのが多い。
ある程度進んだところでわしは戦略上の大きなミスに気づいた。
わし「これ、ボーナスタイル狙わんと勝てへんのじゃ?」
ボーナスタイルというのは、カードの種類を何枚かセットで集めたら自動的に貰えるタイルの事だ。早い者勝ちで勝利点が付いている。
COQ「そうっすよ」
わし「今回、黒のボーナスタイルが少ないんやけど、宝石の差ちゃうの?」
と、その横に今回使わないボーナスタイルの山が見えた。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
わし「そゆことか」
COQ「そうなんです。今回は黒は損ですね」
わし黒ばっかり集めてた。というか、皆が選んでなかったから黒を自然と選んでたわ。
元々の素点が小さいゲームなので、ボーナスタイルの得点が非常に大きく作用する。
COQ「ボーナスタイル無しで勝つ可能性はゼロですね」
(|| ゜Д゜)ガーン!!
一度、集め出すと、拡大再生産のシステム上、途中で変更はとても難しい。変更したところで、最初から狙ってるプレイヤーには絶対に負けてしまうからだ。ボーナスタイルを狙って、構築していくゲームだったのだ。黒は今回はインケツだ。
ゲーム終盤。わしのへっぽこプレイは今更修正不可能。
まあ、そんな感じでゲームはすすみ、あっきーぶっちぎりの様相に。
COQ「タナカマさん、仕事してくださいよ」
タナカマ「結局、俺が仕事しないと駄目か」
あっきーが狙うボーナスタイル封じのために、タナカマが場にでたカードを手札にする。
それを何度かしていくうちに、あっきー、14点のリーチへ。
あと1点で終わりなので次にもう1回できる体勢にして手番を終える。
COQも同じく。ところが…
タナカマ「よし、これでボーナスタイルも獲得して15点なった!」
なんと、タナカマ逆転の一打で、一気に15点獲得して逆転勝利。
タナカマはラストプレイヤーなので、これで終わりなのだ。
あっきー「やられたー!」
所要時間50分
最終。タナカマの逆転が決まった。テンデイズ、不買運動開始やな。
COQのコメント
これ、楽しいんですけど、勝った事ないんですよねえ。
ソマーリオ
カードの補充運のみ僅かに存在する多人数アブストラクトである。ただ多人数でやっている為か、思惑のゆらぎがあって、完全実力勝負とはなっていない。それでも得意な人にはてんで歯が立たない感じがした。
内容はコストを支払ってカードを買い、そのカードがコスト代わりになって、別のカードを買うていくと非常にオーソドックスで、まったくといって言いほど癖がない。ありきたりなゲームなのだが、非常にシステマチックで洗練されており、非常に面白い。
プレイ中はほとんど無言で、ただ唯一、チップ同士の当たる音だけがカチカチと響き渡る。それがとても高級な雰囲気を醸し出しており、このゲームがこのゲームたる源泉となっている。
わし「これ、このチップじゃないと全然あかんな」
COQ「そうなんですよ。内容の割に箱がでかくて、チップのせいじゃないかと言われてるんですよ。チップじゃなくてタイルにしたらもっと小さく安くなるはずだと言うんですが、まったく解ってないですね。チップだからこそ良いんです」
こんなに簡単なルールなのに、上手く拡大再生産を取り入れている。積み上げていく感じは王への請願のようでもある。土台がきちんと出来ていないとランクの高いカードは手に入らないのだ。
少し残念なところはボーナスタイルが少ない為、手番の早いプレイヤーが有利になりやすいところだ。よくある手だが自分だけが達成できるボーナスタイルを手札として持っておくというのは試してみていいかも。
とにかくコンポーネントはカードの絵柄は美しく、チップは高級感があって素晴らしく、ルールは簡単で、とドイツゲーム大賞にノミネートされるのは当然だったように思う。ただ少々ありきたりなシステムがキャメルアップに負けてしまった要因のように思う。
しばらく流通がなかったが、他言語版が発売されて、ようやく日本でも手に入るようになった。
今年のドイツゲーム大賞ノミネート3作品ともという異例の評価となった。