Andreas Seyfarth

alea

2〜4人
30分

サンファン

駿河屋で購入

世界最高のゲーム、プエルトリコの簡易カード版。手札で建物を建てて物を生産していく。


全てカードをつかってプエルトリコを再現する。

プレイ感

メビウスがやってくれました! サンファン完全日本語版を出してくれるとは感無量です。当然、発売が遅れようとも首やらチンコやらを長くして待って買いましたでー。

本来なら多人数でやりたかったのだが、ルールを読むと、これこそプエルトリコのカード版だぜと思わせるルールが盛り沢山。うまく出来とるのう、と早くやりたい為にたっかんが遊びにきた時に二人プレイをしてみた。

プエルトリコをやった事があるのでルール説明を軽く済ましてゲームスタート。要は手札がお金であり、建物であるだけ。カードゲームの王様マジックザギャザリング的に説明すると、手札を出す(建物を建てる)のに、そのコスト分を捨て札にするって話。で、建物には特殊能力があって、色々特典があると。

最初に生産施設としてインディゴ生産工場を貰えるが、こいつは売るのが安い。ので、早めにもっと良い工場を建てるのが先決とみたわしは、すぐに見た瞬間これやと思った救貧院を建て、無理してコーヒー工場を建てる。コストは4枚と高かったがこれが見事に回転する筈である。


初期はこんなけのものが与えられる。ここから奴隷どもを……はないのか。

カードをコストとして捨て札にするのが勿体無い。なんか全部使えるかと思うと、なかなかに悩んでしまうのだ。
たっかんも同じようで、「参議会議員選んで5枚取っても1枚しか選べませんもんねえ」とぼやく。

しかし、断腸の思いでコーヒー工場を早めに建てたわしは、監督官、商人と選び、がんがん手札枚数を増やしつつ救貧院の最強パワーに助けられ、資本主義でアメリカーンである。


コーヒーがんがん生産だー! 豊作を祈って礼拝堂にお祈りもする。枚ラウンド1枚ずつお祈り出来るのだ。これは最後に勝利点になる。

対してたっかんは、インディゴとさとうきびで細々と生計をたてる始末。わしなんか宗雄氏のように、建物を建てるたんびに救貧院からバックマージンを受け、お金が余って余ってしょうがないつうのによ。

あっと、ごめんごめん。お金捨ててもうたわ。
※手札は7枚までしか持てない。

※ルール間違い。救貧院は、貧しい者を助けるので、手札が1枚か0枚の時にのみバックマージンを受ける。処理が多かったのでとんでました。かずひこさん、ご指摘ありがとうございました。

気づいた時にはわしが11個建物を建ててる段階で、たっかんは8個である。

話にならん。


見よこのお祈りパワー! 2回戦目はたっかんのこの攻撃にやられるのだ。


9軒しか建てられず、たっかん惨敗。

12個目の建物を建ててぶっちぎりの勝利。
所要時間30分

2回戦目は、たっかんはお祈り作戦に出る。いっちゃん最初に礼拝堂(手札を1枚ずつ入れる事によって最後に勝利ポイントになる)を建て、毎ラウンドひたすらお祈り。

わしの2回目は金になる生産工場を建てられずに大苦戦。しかも上手いこといってないのに、「そろそろわしの銅像が欲しいのう」と何の役にも立たない彫像を建てたりする。それでも中盤にシルバー精製工場を建ててなんとか、追いつく。
最後の勝負は、宮殿である。

これでどーだ!

たっかん12個目の建物を建てゲーム終了。

……

1点差で負けたー!!

お祈りパワーおそるべし。

続く3回戦目では、安い建物を一気加勢に建てまくり、区役所+宮殿ボーナスを使ってそのまま逃げ切り勝ち。


やはり彫像を建てるわし。凱旋門を建てようと思ったんやけど、失敗。凱旋門、意味あんのか?? ポイントいまいちやぞ。

たっかんのコメント

カードゲーム好きなんですが、これは十分おもろいです。こんな精神状態でもおもろいんですから、普段やったらむっちゃおもろい筈ですよ。

と女に振られたばかりのたっかんは語る。

ソマーリオ

ルールを読んでる限りプエルトリコやなあと思っていたがプレイ感はまったく違った。自分のやりたい事がほぼ達成出来るのである。プエルトリコ特有の悪質な嫌がらせが出来ないのだ。

思った以上に軽いプレイ感である。一人でお金を回転させて喜んでいるという感は否めない。
ゲームをじっくり堪能したければプエルトリコをやればいいのだが、個人的にはもうちょっと終わってからの満足感が欲しかった。相手の攻撃をある程度かいくぐって達成するからこそ満足感は生まれるものである。妨害なしのパントリターンタッチダウンはつまらないものだ。

ひょっとしてこれは二人プレイやからかも知れない。多人数になれば、相手の動向を気にする必要がもっと増えるはずだ。調べてみると3人プレイが最も適しているぽい。4人になるとカード運が強くなってしまい、二人だとソロプレイ感が強く出てしまう。

人に嫌がらせ出来ないのが賛否両論だが、せっかくの日本語版、初心者相手に楽しむには丁度いいし、女性にも受けがいいものと思われる。ただヘビーゲーマーにとってはプエルトリコのカード版と思ってやると肩透かしをくう。

私的には少し物足りない部分があるが、間違いなくどこかでオプションルールが開発されて、ゲーマーにも満足感のあるゲームになる筈なんで、ま、大丈夫っしょ。

そういやプエルトリコのカード版を作るって話が出た時、有名デザイナー数人が(よく覚えてないがクニッツィアも作ってたような……)いくつか試作品を作ったらしいが、それも是非やってみたい! プエルトリコカード版大賞はどれに輝くか! みたいな。。。

その後の評価

その後、久しぶりにやってみた。このときにやったのと同じようなヌルさを感じて、どうにもこうにも燃えへんなあと思ってた。
レースフォーザギャラクシーのように拡張で目的タイルを作れば、おもろくなるんかなあと、あれこれヴァリアントを探ってた。探してもヴァリアントは多人数ヴァリアントしか見つけられへん。これはこれで完結したゲームなんかなと思ったころ、カードの強さの違いというのを発見した。

知事官舎、ギルドホール、市役所、鍛冶屋、マーケット、タバコ工場は非常に強いカードである。最強と呼ばれる知事官舎を早くに引いて、参議会を開きまくると、なんとカードががんがん増えるやん。
これにプラスして石切場を建てて、紫の建物建設時にコストー1という効果を使えば、生産施設をほとんど建てずに建築出来る。つまりプエルトリコの建築型戦術がとれるのだ。

対するmiaは、生産施設を建てまくり、マーケットを使ってひたすら生産し、商人に売り、手札枚数を増やす戦術をとる。途中、礼拝堂にてお祈りを加えて、かなりの好勝負。わしは凱旋門を引くためにひたすらカードを引きまくり、なんとか3点セットをそろえようとするが、miaも同じく凱旋門を建ててきた。

結局、これは1点差で負けてしまった。

悔しいので、もっかい建築型戦術をとる事にする。知事官舎を引いてから参議会をやりまくって必要なカードを集める。自分のラウンドに行うのはほとんど参議会である。かたやmiaはまたしてもマーケットを使った商人戦術をとる。

かなりのペースでカードを引いて、紫の建物を建てまくるが、miaはなんと後半、シルバー工場を含めた生産施設をひたすら建てまくり、ギルドホールを使って、勝負してきた。

またしても、1点差で負けてしまった。。。(|| ゜Д゜)ガーン!!

なるほどなあ。確かに引き運はあるけど、3枚しかないカード全体の回転数を考えて引きまくったり、或いは礼拝堂に相手プレイヤーが必要とするカードをお祈りで埋めてしまったりと、デッキ全体の戦術を念頭にいれてゲームするとおもろくなった。

レースフォーザギャラクシーはたくさんの種類のカードがあるので山札に関する計画性にあまり意味はないが、サンファンでは同一カードが3枚もある事もありカードのデッキ回転を常に気にしてゲームすることで別の楽しさがある。当然、ルール通り製品としてカードを裏向けに置いている。回転数が関係しているのでレースフォーザギャラクシーでやったようにおはじきを置いたりするとバランスが崩れてしまうだろうし、サンファンではカードを置いてもプレイのしやすさにまったく影響はないばかりか、そうした方がプレイテンポがあがるからだ。

レベルではないのだが、ようやくはまっている人がいる理由を理解した。カード次第でどのように計画をもって組み立てていくかが重要であって、今持っている手札を使って手なりで建築していくゲームではないのだ。そうすると全然おもろなかった。今持っている手札を使って、どのように自分が引きたいカードを引いてくるかを想像しつつ組み立てていくゲームなのだ。通りでヴァリアントが生まれなかったはずである。

もう少しやりこんでみたいと思う。確かにカード構成が解って、どう展開させていくかを想像しながらやるとやり甲斐があっておもろい。実のところ、久しぶりにやってみて、あまりのソロプレイ感、ヌルさに唖然とした。確かにそういったところはあるのだが、別のおもしろさを見いだせたのは収穫やったわ。

gioco del mondo