Kai Haferkamp

Selecta

2〜4人
20分

メルヘン王国を救え!

昔々あるところに小さな王国がありました。
人々はなんの不服もないメルヘンな本を読んだりする幸せな暮らしを送っていました。
しかしある日、新しい王が王位につくと人々の暮らしはすっかり変わってしまいました。
人々が本を読んでばかりで働かないと思った王が、メルヘンの本を全て処分してしまったのです。
メルヘンの本は城にばらまかれ、城壁によって誰も触れることができなくなりました。
心ある子どもが、この国に再びメルヘンを取り戻そうと城壁をよじ登り、本を探し始めたのです。

プレイ感

かなり昔、絵が綺麗なので購入してみた。が、なんとなくそのまま眠らせてしまっていた。
セレクタはゲームからは撤退しているが、日本語ルールが付属しているので非常に良かった。
ソージロ5歳、miaとの3人プレイにて。


協力ゲームである。
タイルは2層構造になっており、下に2分割された童話の絵タイルが敷かれ、その上に茶色にした芝生タイルを配置して見えなくする。芝生タイルは表裏仕様となっており、表が茶色、表が緑色となっている。3箇所だけ最初から下絵が見える。
手番には、タイルを2回までスライドをさせる。
見えたタイルが同じ童話の絵であるなら、そのタイルを2枚ひっくり返して、その童話カードを貰う。これで一つ完成だ。それから茶色のタイルを1枚緑色に裏返す。この場合、どのタイルでもいいので、下の絵を見ることができるチャンスとなる。


桜の木から侵入した子どもたち。ここからメルヘンの本を集める探索が始まる。外側には王様が庭をぐるりと回る。王様が一周回るまでにすべての本を探し出し、桜の木から逃げなければならない。

最初の絵が完成するまでは王様は動かないが、それ以降、失敗するごとに1歩づつ進める。

こうして王様が城の周りを1周するまでにすべての童話を見つけ出し、スタート位置である桜の木まで戻って脱出に成功すれば勝利である。

ちゅうわけでスタート。

まずはソージロから。

本来であれば、一緒に組み立てていく過程から入って、大体の絵柄を覚えておくっぽいのだが、そこを逃してて覚えないようにして芝生をおいた。

当然、適当にスライドさせる。

と、ばっちり絵があった。


赤ずきんちゃんの絵を発見。タイルは1つの物語を半分にぶった切った形になっているので、それを2個みつける神経衰弱だ。ただし常時3枚見ることができるので、少しだけ楽になっている。
見つけたタイルは、その童話のページを袋とじにしていく。

わしもやってみるとなんやかんやと揃っていく。

合計12種類の24枚構成で、窓が3つなので意外となんとかなるものだ。


ホレおばさんの絵を発見。絵は非常に美麗で、まったくもって素晴らしい。


見つけるたびに、枯れた芝生を緑色に変えていく。王様が少しずつ進んでいるところ。

ところが、ここから苦戦する。

ある程度ざっくり場所を覚えているものの、記憶系は苦手。

ソージロも覚えているのか覚えていないのか分からないが、なんか当てたり、全然見当外れのところをスライドさせたり。

ここから王様、猛ダッシュ!

やべぇ。

残り1枚のところで、王様にみつかり、磔の刑にされる。


おんどりゃあ、何晒しとんじゃあ!

負け。

所要時間20分


見つけた童話はこのように袋とじにするが、ゲーム的に雰囲気を盛り上げるだけのアイテムではある。

もうちょいやったのになあ。ということで、コタが塾から帰ってきたので4人プレイしてみる。

今度は、まったく歯が立たずに敗退。

何、これくっそむずいんやけど?

ソマーリオ

今回は、なんといっても最初にある程度、場所を覚えておくという状況を作らなかったため、負けてしまったが、芝生を埋めるときにある程度覚えておけば、程よい難易度になったと思われる。

記憶系とスライドパズル系といえば、バースファラオの墓とシステムはまったく同じで、個人的にどちらが楽しいかと問われればファラオの墓かな。
こちらのゲームも悪くはないのだが、おそらくファラオの墓の駒に秘密があって、スライドさせ易いためと思われる。こちらはタイルを2枚重ねてるだけなのでひっかかる事があるのだ。アナログゲームではこういったものが全てプレイ感として跳ね返ってくる。
またあちらの方がもやっとした記憶力ではなく、ばちっとした記憶を元に探すので、脳みそがすっきりするということもあるだろう。なんか分かりにくい表現で申し訳ないが。

ただしこちらはなんとも美しい絵柄に、物語性にあったコンポーネントが非常に素晴らしく、結局のところどちらもええやん、となる。
親が期待する子供向けということであれば、こちらの方が優れているとあげる親が多いだろう。

セレクタは、日本語の解説書も一緒につけてくれる稀有なメーカーだったのでゲームの撤退については非常に残念である。またHABAとは違った面白さを持っているゲームが多いだけにそれもひとしおだ。

まだ流通在庫が残っているならば、このゲームは子供がいるならマストバイとさせて頂きたい。これをきっかけに物語を読み聞かせたり、逆に物語を知っていると子供は喜ぶことは間違いないだろう。Selectaもネコとネズミの大レースのようなメジャータイトルは未だに発売しているようなので、こういった優れたゲームも再販してほしいものだ。

gioco del mondo