Don Eskridge

Indie Boards and Cards
Hobby Japan

5〜10人
30分

レジスタンス

駿河屋で購入駿河屋で購入
画期的な『脱落者なし』『司会進行役いらず』のシステムによって、海外で爆発的にヒットした人狼系ゲーム「レジスタンス」が日本語版で発売!
プレイヤーは圧政に抵抗する地下組織="レジスタンス"のメンバーとなり、作戦を3回成功させることが目的だ。ただし、プレイヤーの中には政府側のスパイが紛れ込んでおり、隠れて妨害活動を行っていく。
果たして、前回の作戦を失敗させたのは誰なのか? アイツが今回のメンバー編成に反対しているのは、その中にスパイがいることを確信しているからか? それとも内紛を起こそうとしている曲者なのか? そんな推理の楽しみと極上のスリルを手軽に楽しめる傑作パーティーゲームだ。
なお、この日本語版には選択ルールで使用する『陰謀カード』も含まれている。

プレイ感

何度も大阪帰省の時に持って帰ってたのだが、いつもやらずじまいで帰ってくる。ムゲンが「シャドウハンターズはTAMさん持ってないんですか? 正体隠蔽系はレイが好きそうなので」というので、「あ、そういや、これやろう」とようやくやる機会に恵まれた。TAM夫妻、ムゲン、レイ、タカダ、アマバ、miaの8人プレイにて。

人狼系は昨今やたらと流行ってるが、このレジスタンスはその中でもマスター不要で全員参加で人狼が出来るところがミソ。また人狼では大人数が必要だが、こいつは5人からでOK。システムがかなり優れているという噂なので期待してやってみた。


最初に役割カードを配る。レジスタンスとスパイに分かれているので、それをこっそりと見ておく。今回は8人プレイなので、レジスタンスが5枚、スパイが3枚の構成。ちなみにレジスタンスというと反乱者というイメージがあり、裏切り者と思ってしまうが、プレイヤーはレジスタンスの構成員で、その中に裏切り者であるスパイが潜入しているという設定である。

それから全員目を瞑り、代表者が声をかけて、スパイに目を開けさせてお互いを確認させる。
スパイだけが自分らの正体を知っているのだ。

まずリーダーカードを持つプレイヤーが、今回の作戦に参加するメンバーを選出する。作戦は全部で5つあり、
作戦によって参加人数が違う。例えば8人プレイなら第1ミッションは4名だ。
で、選ばれた4名に対して、全員で、そのメンバーで作戦行動をおこなわせるかどうかの決議案をとる。
過半数を越える承認が得られれば作戦開始で、今回参加するメンバーにだけ成功・失敗のミッションカードを2枚1組で配る。
作戦参加メンバーは、密かにどちらかを選び(レジスタンスは必ず成功を、スパイはどちらを出しても構わない)、リーダーに渡す。リーダーはそれを誰が出したか解らないようにシャッフルして、まとめて表向ける。1枚でも失敗があれば作戦失敗である。

続いてリーダーカードを時計回りに渡し、第2ミッションでも同様に行っていく。
ちなみに決議案で承認が過半数以下でも、リーダーカードを時計回りに渡して、新リーダーがメンバーを選出するところから始める。

こうしてレジスタンス側は作戦を3つ成功させれば勝ちで、スパイ側は3つ失敗させれば勝ちである。
ちなみに第4ミッションだけ、失敗カードが2枚ないと失敗にならない。


わしはレジスタンスのカードなので仲間だ。その上に映ってる☆マークがリーダーカードで、今回はわしからリーダーを開始する事にした。その横にあるのは投票カードの裏面である。表には承認と拒否のマークが描かれる。

最初はわしがリーダーをやる。わしはレジスタンスだ。
情報がまったくないので、適当にTAM、アマバ、ムゲン、TAM嫁に決める。
あっさりと承認が過半数。この4人に成功・失敗カードを配って、1枚ずつ回収してシャッフルする。

わし「よし、ミッション成功。みんな、お疲れー」

第1ミッション成功の青のマークを置く。

リーダーカードを左に回して、今度はアマバがリーダーである。

アマバの指名は、mia、TAM嫁、レイ、タカダ。

承認後、ミッションオープン。

アマバ「あーー!! 失敗が1枚入ってる!」

第2ミッション失敗の赤のマークを置く。


真ん中にある小さいボードに現在のミッション(黒)や成功(青)失敗(赤)を表示している。
現在3つ目のミッションに取りかかり、投票が行われたところだ。みての通り、賛成と反対のマークが描かれているが、一つ目の写真と比べれば解るが表面と非常に解りにくいデザインとなっている。

ここから、誰や、誰やと騒然となった。

このゲームのポイントは、スパイ側は誰がスパイかをしっているという事だ。

もしタカダをスパイと仮定するなら、一人だけスパイを潜り込ませることは容易である。

そこから第3ミッションにうつる。
ここでもスパイが潜入してたらしく、ミッションは失敗。

だが、これで確信した。
スパイはアマバとmiaである。アマバは第2ミッションにおいて、わざと1人だけスパイを入れたのだ。
そうなるとあのアマバのしらこい演技もむかついてくる。

だが、あと1人が解らない。

そして第4ミッション。
このミッションだけは2枚の失敗カードがなければ失敗とはならない。

失敗が1枚だけだったのでミッション成功。
しかしこれが後の悲劇の呼び水となった。
勝負は最終ラウンドにもつれこんだ。

TAM嫁「あ、解った。ムゲンさんや」

次のリーダーはムゲン。

わしはこのとき、勝ったと思った。
否認して、TAM嫁がリーダーで勝負は決まりだ。

ムゲン「じゃ、あきおさん、TAM嫁さん、タカダくん、レイ、僕でいきます」

こっそりと自分を混ぜてやがる。
そして投票をオープン。

否認、わしとTAM嫁だけ。

わし「えーー! なんでぇ!」

そのままミッションに入り、失敗が1枚入り、ミッション失敗。
レジスタンス側の負け。

わし「阿呆かあ!」

タカダ「え、最後も失敗が2枚必要やと思ってた」

何度も第4ミッションだけやと説明してたんやけど、それどころじゃなかったみたいやな。

所要時間30分


皆のルール間違いのおかげでスパイ側の勝ち。

追加ルールとして深まる陰謀というルールがある。

これはリーダーが最初にカードを2枚公開し、それを自分以外の誰かに配る。
配られたカードにより、ずっと影響があるもの、すぐに発動するもの、好きな時に1回だけ使っていいカードの3種がある。

例えば、投票するときに先に皆に投票内容を明かすとか、正体を隣の人に明かすとか、そんなんである。
これによって益々、ゲームに深みが増すというので、すぐに2回戦目はこれでやった。

最初は、和訳が悪くてちょっと面食らったけど、確かにこちらの方が疑心暗鬼になるし、情報を得やすいし、面白くなる。

そして2回目もレジスタンス側の負け(わし含む)であった。


こちらが深まる陰謀という上級カード。かなり強制力の強い命令が書かれている。

ソマーリオ

人狼の弱点は前にも書いたとおり、人数がたくさんいないとつまらない事と、マスター役を1人おかなくてはいけないことだった。それを力業的に解決したのがルプスブルグの指さしマーカーであり、その方法をそのまま利用したけもぱにであった。

ところがレジスタンスでは、キャッシュアンドガンズのオプションであった警察の犬ルールを流用して、見事なシステムに落とし込んだ。

最初はメンバー承認の投票と、ミッション正否の投票と2段階に分かれているので、意味が解りにくいところがあるが、この2段階システムによって人狼の意見がまとまらず時間が掛かってしまうという欠点を見事に解消して、さらに解決のヒントや疑心暗鬼を生み出せるようにシステムがサポートしている。つまり会話に依る部分をシステムがカバーしているのだ。会話が苦手な人でも人狼の楽しさを味わうことが出来る。

ただしあまりにもシステムが見事にカバーしきってサクサクと進んでしまうので、会話の妙を楽しむ人狼の本来の良さが無くなってしまったとも言える。ここらへんは一長一短だろう。

テーマも非常によく、隠れ家でレジスタンスがあちこちに出没して作戦行動を起こすイメージにぴったり合っている。世界観は未来で、ターミネーターやマトリックスのような感じだろうか。

コンポーネントは洒落たデザインではあるのだが、ひとつだけ大きな欠点がある。それは投票カードとミッション正否カードや正否判定の区別がつきにくく、裏表が解らないところだ。裏面には文字を書いて欲しかった。

とにかく5人から人狼系のゲームが出来て、なおかつマスターが不要、短時間に終わり非常にシステマチックである。素晴らしいゲームだと思う。
世の中にちょっとカード効果や絵柄を変えて次々に出してくる人狼系のゲームとは一線を画しているゲームだ。これこそがザ・システムである。BGGで評価が高いのもうなずける。

さらに同じシステムとして、アーサー王物語をテーマにしたアヴァロンというのも出た。こちらも同じシステムを使っているものの、少し風味をかえた仕上げとなっているので、また機会があればレビューしたい。

gioco del mondo