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池田康隆
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ゲームリパブリック
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4〜8人
45分
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シャドウハンターズ
魔の森。
そこには人の魂を喰らうシャドウが存在した。
それをくい止めようとシャドウハンターが、日々、シャドウと戦っていた。
しかしハンターの戦いは凄惨を極めた。
何故ならシャドウは人に化けるのだ。時にはハンターにさえも。
もはや誰が味方か、何も解らない。
プレイ感
コンピューターゲームを出しているゲームリパブリックが、新しいエンターテイメントとしてボードゲームを出した。元々はデザイナーの池田さんが、エポック社から出していた超人ロックを改良し、同人ゲームとして売っていたゲームだったらしい。超人ロックはやったことないのでよう知らん。
このゲームは、テストプレイの時からやたらとやらされたのであまり人数の集まらないわしらの寄り合いでは要らんと思って買わなかったが、岡本社長に鬼、悪魔とののしられ、ようやく昨年末、購入したw
さて、一体、テストプレイの時からどのように変わっているのか、という事でTAM夫妻、たかだ,たっかんとの5人プレイにて。
このゲームは、シャドウ、ハンター、ニュートラルという3つの敵味方に分かれて、それぞれキャラクターカードに書かれている勝利条件を満たすというもの。キャラクターカードは、伏せて配られ自分しか解らないようにしてゲームを行う。
バン!や人狼にある、味方や敵を探すというシステムだ。
サイコロを振って、場所を移動し、近くにいる他のプレイヤーを攻撃する。ゲームの肝である相手の正体を探るおばばカードというのがある。おばばカードをめくると「お主は、シャドウじゃな。ならば、ヒットポイントを1減らすのじゃ」と書かれている。これを好きなプレイヤーに渡すのだ。渡されたプレイヤーは正直に書かれている事を実行しなくてはならない。つまり、おばばカードの適用は相手プレイヤーという事になる。こうして相手の動作をみて正体を知っていく訳である。例えば、この場合、相手が何もしなければ、そいつはハンターかニュートラルである。
また武器、アイテムを使って自分を強化していくというファンタジーに必要なカードもある。
基本的にシャドウはハンターの全滅を、ハンターはシャドウの全滅をすれば勝つのだが、ニュートラルだけは、そのキャラクターだけの自己中心的な勝利条件となっている。この三つどもえの図式というのは昔からよくあるやり方で、緊張感を高めるのに役立っている。バンでは、保安官対無法者の間に裏切り者。銀河英雄伝説では、帝国対同盟の間にフェザーンがある。
左にHPのダメージを表示。キャラクターが解らないように、死亡ダメージまで達したら自己申告する。カードはマスを表し、サイコロを振って書いてある数字のマスに移動させ、そこにある指示に従う。
単に対決姿勢だけでなく、ニュートラルを自己中心的な勝利条件にする事でゲームの緊張感を高めているのは素晴らしい。
5人プレイの場合、シャドウ、ハンターそれぞれ2ずつ、ニュートラル1を入れてゲームを行う。私的には、いっちゃんおもろいニュートラルが1しか入らないのは寂しいが、しょうがない。
お試しの1プレイ目が終わり2プレイ目、わしの役割はワーウルフである。こいつはゲーム中、随一の体力を持ち、やられたらやり返すという能力を持つ。いっちゃんやりがいのあるニュートラルがこなかったのは残念だが、この反撃能力を用いると相手はかなり躊躇するはずである。だが、今はまだ能力を公表せず、ひたすら人間のふりをするのみ。
※能力は、自分の正体をばらす事になるが、公表していきなり反撃なんて出来る訳だ。
とりあえず、横でぼやっとしてるたっかんを一発殴ってみる。事前におばばカードでこいつがハンターかニュートラルなのは解ったからだ。アンノウンじゃない限りだが……
※シャドウであるアンノウンの特殊能力は、姿をごまかす事が出来るである。つまりおばばカードを貰って「お主はシャドウかニュートラルじゃな。ならば1ダメージ受けるのじゃ」と書いてあっても、ハンターのフリをしてダメージを受けないようにしてもいいのだ。
黒のカードはシャドウに、白のカードはハンターに有利なカードが多い。だからといってうれしがってそこにばかり行くとばれる。緑のおばばカードにはお主は●●じゃな、しからば1ダメージ受けろとか書かれてるのでコレを使って相手の正体を暴くのだ。でもなあ、正直、アイテムはバナナとかチョコレートとか意味不明なものがありダサイ。。。
攻撃方法はサイコロの6面体と4面体を同時に振り、大きな目から小さい目を引くダメージを与えるという変わった方式をとる。大体、ダメージは1とか2に落ち着く筈だったが・・・6と1が出た。
軽く殴った筈だが、ごっそりと5もダメージを受けるたっかん。
「あ、やられました」
と何故か悔しくなさそう。ん? と疑惑を抱く俺。
しばらくゲームを展開させているとたかだが意外にも、「ああ、これで解りましたわ」とそんなにおばばカードを使っていないにも関わらず、声をあげる。
たっかんは、俺を攻撃出来るチャンスで何もしなかった。どころか、相手のアイテムを奪うという場所で、ゲーマー垂涎のダメージを1軽減するという最強アイテムを取らず別のアイテムを取った。
たっかん「じゃ、これ貰います」
あ! あああ!!! こいつ……やっぱり!
体力がひときわ少なくなってるたっかん。
わし「すまん。わしゃ、お前の事勘違いしてた。悪い悪い」
たっかん「え、そうなんですか。はい」
そこからはたっかんを守るように、攻撃は一切せず。それをみて1プレイ目といい正体を鋭く読むたかだが「え? なんでですか? 今のであきおさんとたっかんさんの正体がまったく解らないようになりました。なんでやろ??」
ふふふ、たかだよ。お前はこのゲームを初めてやからや。このゲームを知ってるものなら、ここまで書くと誰もが解る。自殺志願者でありながら、ゲーム中随一の勝率を誇る。そして爺のくせにシャドウ並にやたらとHPがありまくる奴。そう、あいつである。あの自殺志願者ダニエルだ。こいつの勝利条件は誰よりも先に死亡する事で、勝率は非常に高い。
そこからはたっかんを無視した。適当にTAMに「お前とわし、仲間やって」と言うと「え? なんで解るんですか。え? え?」と真に受ける。
おばばカードを渡してねーわ、誰もお前に攻撃もしてねーわやのに、適当に決まってんじゃねーか。。
とまあ、こんな風に冗談で言うてたら、おばばカードを渡すとほんまに仲間である事が発覚。
こいつ、最強キャラのヴァンパイアか??
そしたら、このボケ、わしに攻撃をしかけてきよった。「じゃ、あきおさんに攻撃」
たかだ&わし「え? なんで??」
お、お前、阿呆か!!! なんでゲーム中盤にさしかかって皆が正体ほぼ解ってるのに味方攻撃しとんねん!!
なんか後で聞くと嫁フィルタがかかって、嫁は仲間だと思いこんでたらしい。
このボケのおかげでサイコロ運悪くHPがっそりもってかれた。腹立ったので勝ち負けなしに殴り返したろうかと思ったが、大人なわしは我慢してやった。
この一撃でHPをかなり持ってかれたわしは、殴り掛かってきたたかだにむかついて「わおおおおおーーん!」と正体現して殴り返した。
TAM「ああーー! 仲間やったんすか!」
このボケ。(-゛-メ)
そしてたかだをぶち殺したら、突然たっかんが叫び声をあげる。
たっかん「ぎゃぁぁぁぁ!」
ダニエルの特殊能力。叫び声。それは誰かが先に死ぬと正体を現さなければならないというしょぼい能力。。。
これが全キャラクター。ポイントはDのダニエルと、Uのアンノウンである。こいつらバリくせ者。特にダニエル、クソ爺のくせにゲームで1,2を争うHPの高さでやんの。
しかし、このダニエルの勝利条件は、これだけではなかった。なんと、誰かが先に死んだら、改心してシャドウを全滅させたら勝ちになるのだ。なんか、テストプレイの時と勝利条件加わってやがる。
そうなるとダニエル、やたらとHPが高くて、強いのなんのって。二人にたこ殴りにされてワーウルフ敢えなく死亡。しかし、死亡したとしても正体を現したTAMが「血ィ、吸うたろか」とのたまいながら相手にダメージを与えるたびにHPを2ずつ回復するヴァンパイアが皆殺しにすれば、わしも勝利となるのだ。
結局、サイコロ運にも恵まれ、ハンター&ダニエル全滅。
わし&TAM「やったー!」
※例え自分が死んでいても仲間が勝つ事でこのように勝利するのだ。
所要時間45分
たかだのコメント
これ、ばりおもろいっす!
TAMのコメント
おおお! これむっちゃおもろいじゃないっすか!
レビュー読むのが凄く待ち遠しいです。
ソマーリオ
ドイツゲーマーには受けが悪いが、わしの思ったとおり、うちらのメンバーではかなりの好評ぶり。
このゲームは相手の正体を探るというのが前提となっているので、リアルにその人物を知らないプレイヤー同士だと面白味にかける。気心知れた友人同士だと間違いなく楽しめる内容のゲームなのだ。
元となった超人ロックが、ゲームサークルでずっと愛用されているのは、きっとずっと一緒にサークル活動をやっているうちに、その本人の性格まで解るようになったからであろう。
欠点は、人数がパッケージにも書かれている通り最低5人必要であるという事。ゲームシステムの割に意外と時間がかかるところである。負けると暇という意見もあるが、相手の正体を推理する時間や、仲間を応援するというのがあるので私的にはそれほど欠点には思わない。もうひとつの欠点の方が重要で、どんなキャラクターがいるか知らないと楽しめないというところだ。何度かやってみないとこのゲームの楽しさは解らない。ポイントはアンノウンと、ダニエルである。この二人のキャラクターは前もってよく説明しておく事。こちらで一覧をダウンロード出来る。
そういった意味で人を選ぶところはあるが、はまれば間違いなく楽しめるパーティーゲームの佳作といえる。このはサービスでもなんでもなく、友人同士でやるとおもろいなあと改めて思った。
ちょっと特殊な感じのゲームなので、低評価のところもあるようだが、楽しみ方の考え方を変えれば楽しめると思う。バン!よりも好きである。あれは、ルールの解釈があやふやなところがあり(今は修正されたかも知れないが)あまりやりたいと思わないが、こいつはまたメンバーがたくさん集まった時にやりたいと思う。