Dimitry Davidoff
Philippe des Pallieres
Hervé Marly
Asmodee
8~18人用
20分
ミラーズホロウの狼男
駿河屋で購入
ある村に人狼がまいこんだ。
夜になると狼へと変身し、村人を襲うのだ。
だが残念ながら人狼は昼間は人の姿をしており、自分が人狼であることすら知らないともいう。
村人は疑心暗鬼になり、人狼の犠牲者が出る毎に、魔女裁判さながら私的な死刑を行うのだった。
生き残るのは人狼か、村人か。
プレイ感
このゲームは汝は人狼なりやとかタブラの狼とかと呼ばれる人狼系ゲームのひとつである。村に人狼が現れ夜な夜な村人を食い殺すという題材のカードゲームで、誰が人狼かは解らないように正体カードを配り自分だけが確認する。親役はプレイから外れホストに徹してゲームを進めていく。夜になると人狼役は、食い殺すプレイヤーを指さす。明け方になると殺されたプレイヤーが親から言われ、ゲームから脱落する。昼は、誰が人狼かを皆で相談して、一人をリンチに掛けて殺す(と書くと物騒だが脱落させる)。これを繰り返して、最後に人狼が残るか、村人が残るかで勝敗を決めるゲームだ。
一般的なゲームというよりコミュニケーションに類するものだと思う。非常におもろいゲームなのだが、なんつってもネックは最低でも10人以上必要というマンパワーが要る点。この年齢になるとゲーム会にでも参加しないかぎりこんな大人数は集められない。よって、人狼のおもろさを100%味わった訳ではないが、レビューしてみる。
カードには役割があり、自分だけがそれを見る。左上が人狼で、その隣が預言者という重要なキャラ。右下が何の能力もない村人だ。この3枚は必ず入れる。また人狼の下は少女は見たという奴で、こっそり薄めを開けて見ててもいいキャラなのだ。
プレイの手順
ホスト「皆さん目をつむってください」
目をつむるのを確認。
ホスト「それでは人狼の人は目を覚まします」
人狼役は目を開ける。ホストは誰が人狼かを確認。
ホスト「目を瞑ってください。次に預言者は目を開けて誰を占うか指さしてください」
預言者は目を開けて、誰か一人を指さす。
ホストはそれが人狼かそうでないかを、指のサインでこっそり教える。
ホスト「目を瞑ってください」
色々とキャラクター付けがなされているが、人狼系の基本的な登場人物は人狼と預言者である。預言者というのは、人狼が誰かを訪ねる事が出来るキャラで、全員が目をつむった後に、目を開けて、こっそり誰かを指さしホスト役にその人物が人狼か否かを教えて貰う事が出来る。
このように1枚ずつ配り、こっそり自分の役割を確認する。後はホストの言うとおりに進めていけばいい。
預言者はそれで確定させる事が出来るのだが、もし「わたしは預言者でこいつが人狼だ」と訴えても、人狼にその晩食い殺される可能性がある。人狼は通常のゲームでは二人いるからだ。或いはその預言者と言ってるのが偽りかも知れない。よって預言者は普通正体を明かさずだんまりを決めて、昼間の話し合いの時にその人物が人狼じゃないかと上手く誘導していく事になる。人狼と同じく非常にやり甲斐のあるキャラなのだ。
通常、その他の人は全員、ただの村人となり特殊能力は持たない。特に少人数の時(10人でも人狼では少人数なのだ!)はゲームバランスが崩れる為にただの村人となる。
こう書くと他の特殊キャラが居るのかと思うだろうが、当然居る。そこにミラーズホロウの狼男とかタブラの狼とか汝は人狼なりやとかの違いが出てくる。それぞれ入ってるキャラクターが違うのだ。例えばどんなキャラクターが居るかといえば、ミラーズホロウの狼男で面白いのは少女のキャラクター。
なんと人狼が起きた時に薄目を開けて人狼を見ることが出来る。少女は見た! って奴だ。これがやってみると、もう怖くてなかなか薄目を開ける事が出来ない。それがばれると即座に殺されるからだ。まさに少女。
恋人ってのもある。恋人は別のフェイズでお互いに恋人であることを確認し合う事が出来る。どういう事かというと、お互いに人狼でないと確認出来るのだから、話し合いの時に有力なヒントになるだろう。これは有名なキャラらしく、タブラの狼ではフリーメーソンとなっている。
とまあ、他にも色々とキャラクターがいるが、少人数でしかやったことがないので、他のキャラを演じた事がない。またバランスを取るために、人数によって入れるキャラクターというのが決まっているのは遊ぶのに都合がいい。
プレイ時間は1ゲーム大体20分くらいかな。
ただし何度もプレイする事になる。
やってみると解るが、人狼役になったら、超ドキドキする。村人はリラックス出来るのだが、人狼は心臓がバクバク言う。どっちが人狼なのか解らないw
ソマーリオ
大体においてわしみたいなアクの強い人間は、怪しい怪しくない関係なしにすぐにぶち殺される。納得がいかんが、まあ、しょうがない。殺されても、他のプレイヤーの話し合いを見てるだけでも楽しいもんだ。「うわ、こいつ嘘を平気でつきよるなあ」とか。もちろんゲームが破綻するので口にも表情にも出してはいけない。
このゲームのおもろさについては以上のレビューで十分解ると思うので、少しだけ解説したい。
まず人狼役が二人いるというのがとてもよく出来てる。上に書いた恋人とは逆に、お互いに仲間であると解る。これは初期の頃の話し合いで、ヒントがない状態でも誰をリンチにかけて殺すかの誘導になる。また預言者の存在も初期のノーヒントの状態において、とても重要な働きをすることになる。
人狼の弱点は人数の他に、昼間に誰をリンチに掛けて殺すかというところでまとまらない事があるという事だ。大体、自分がリンチに掛けられないという事であれば、対象を簡単に変えるのだが、かなり有力な情報を握っている場合は突っぱねる事もあるだろう。そこで多数決にするという方法もあるようだ。
それ以外はコミュニケーションゲームとしては完璧だと思う。非常におもろい。
小学校時代にこのゲームを知ってたら、もっと楽しかったろうにという残念な思いで一杯だ。この年になって集まったりはしない。小学校の先生はレクリエーションとして人狼を導入したらいいと思う。内容は確かに物騒だが、皆で仲良く遊ぶ最高の機会になるだろう。小学校のいじめなんて、ほんの些細なきっかけで起きるし、なくなると思うのだ。
色んなバージョンが出てるがそれほど大きな違いはないと思うので、カードのデザイン性などで決めればいいと思う。わしの持ってるのはこのミラーズホロウの狼男とタブラの狼である。タブラの狼の方がコンパクトでキャラクター数は多いが、カードが大きくてシャッフルはし難いがミラーズホロウの狼男のデザイン性は非常に素晴らしい。そして若干異端だが
けもぱに
というゲームもある。
色んなキャラクターが居る方がいいと思ってたが、なんぼキャラクターが多くても、プレイ人数が少なければ入れられるキャラは少ないのであんまり関係なかった。よっていつもワーウルフを使ってゲームをやっている。
小学校低学年だった姪はこれが大好きで、人数が少ないのに、何度もこれをやりたがる。皆でわいわいするのが楽しいのだろう。
ちなみにドイツではデュスターバルトの狼男というタイトルで
ドイツゲーム大賞
にノミネートされてたが、タイトルが違うだけで中身は同じである。
ミラーズホロウの拡張とセットになったヴィレッジは29人まで、そして究極の人狼は66人まで出来るというとんでもない代物だ。
gioco del mondo