工藤雅之

アークライト

4〜8人用
20分

けもぱに

駿河屋で購入
プレイヤーたちが扮する獣人の中に1人だけ、みんなの宝物を盗む「怪盗クレセントムーン」が潜んでいます。
「一般人」となったプレイヤーは、誰が「怪盗クレセントムーン」なのかを全員で話し合いながら推理し、暴こうとします。
「怪盗クレセントムーン」になったプレイヤーは、自分の正体がばれないよう上手に嘘をつきながら自分以外の宝物を盗んでいきます。
自分が割り振られた「役割」に応じた立ち回りが重要になってくる頭脳バトルです。
君は「怪盗クレセントムーン」を捕まえることが出来るか!?

プレイ感

hiroceanのところでおもろいと書いてあり、人狼は姪が非常に好きなので少人数で出来るという事ならと買うてみた。萌えの絵がなあ。正月に帰省した時に、家族8人及びTAM夫妻、ケイ、ムゲン、タカダらと6人でやってみた。ルールで推薦されてるキャラクターを使う事にした。


このゲームを説明する前にミラーズホロウの狼男のレビューを読んで貰うと分かり易い。汝は人狼なりや? とかタブラの狼など人狼系と呼ばれるゲームのひとつだ。

まあ、勝ち負けにこだわらないコミュニケーションの度合いが強いゲームであり、嘘つきまくったり、なだめすかしたりとその人となりがよく見える。また正体カードには薄目を開けてみてもいいとか、毎回こっそりと親に人狼かどうか尋ねる事が出来るとかのカードがあり、それがゲームタイトルによって個性となっている。とはいっても基本的内容は同じだ。

この人狼系、やってみると非常に面白いのだが、大きな欠点が2つある。1つはプレイヤー人数が最低でも10人いないとつまらない。もう一つはただでさえプレイヤー人数が必要なのに、一人は親役としてプレイヤーから外れてゲームを監視しなければならないところだ。

けもぱにだが、テーマは殺すから宝石を奪うになっている。また1度やられても贋作カードが無くなるだけで脱落はしないようになっている。そして一番の違いは全員がゲームに参加出来る事だ。どうやるかと言えば、真ん中に矢印のカードが置いてある。全員が目をつむる前に手を真ん中に出しておくのだ。親は人狼のように指示をするのだが、親自身も目をつむって話しをする。怪盗役は目を開けて、真ん中にある矢印カードを盗む相手に向けて再び目をつむる。

おお、なるほどと思った。真ん中の矢印カード1枚で誰が誰をやったかを人の目で監視しなくていいのだ。
親役は例え自分が怪盗であったにせよ、通りいっぺんのセリフを言うていけばいいだけである。


このように全員が手を差し出して、怪盗が真ん中にある矢印を動かすというもの。手が近いので誰が動かしてるか解らないようになっている。

通常は、怪盗はクレセントムーン1枚だけを入れる。親カードは月カードであり、これを三日月、満月と交互にひっくり返しながら、時計回りに廻していく。怪盗は三日月の夜にしか盗まないのだ。

昼フェイズもぐたぐたになるのを防ぐために、親が一人を矢印で指示して過半数の挙手で決めるように変更されてる。親は昼間の指示権があるために非常に重要だ。

8人プレイ時には、さらに満月にしか盗まない怪盗フルムーンも加わる。

また人狼では正体カードは1枚だけだったが、けもぱにでは表の顔と裏の顔という風に2種類ある。表の顔は全員に公開された特殊能力であり、裏の顔は自分だけが見ることの出来るカードでこちらに怪盗カードが含まれる。

まずは表の顔でシャムロック役が一人を指名して正体を訊く事が出来る。他のプレイヤーは全員目をつむり、一般人なら○サイン、怪盗もしくは密告者なら×サインを出す。そこからゲームはスタート。

人狼系ゲームで人狼カードが2枚はいるのは実はこの最初のシーンに影響するからだ。人狼同士は最初の夜で互いに顔を知るので庇い合う事が出来る。このゲームでは怪盗は一人だけしかいない(8人プレイ以外)ので、ゲーム開始時に動きが取れにくくなる。


表の顔と裏の顔がある。表の顔には特殊能力が備わっており、裏の顔に怪盗か否かが書かれている。1回目の脱落は宝石カードを差し出せば助かる。つまり2回アウトで脱落となるのだ。

そこでシャムロックは最初に強力なヒントを貰うようになっている。ただし、これには大きな弱点がある……

わし「じゃ、わしがシャムロックな。ケイを尋問する。それ以外の人は顔を伏せて」

わし「で?」

ケイ×を示す。

わし「じゃ、皆、顔をあげてくれ」

わし「えーと、こいつが犯人や」

このゲームの大きな弱点はこのようにドンぴしゃだとゲームが終わってしまうところだ。いくらなんでも騙し通す事は難しいだろう。ここらへんはもう少しルールに改良が欲しい。
あるいはシャムロック役の人はひょっとして嘘をつくかも知れない。自分が怪盗ならば、こいつが怪盗だと主張するだろう。ただそうであってもその後の展開は苦しい。

ケイ「え、ええ! ちょっと待ってくださいよ」

わし「いや、大きな×をした」

ケイ「そんな事ないっすよ」

わし「しらこいのう」

タカダ「どんな感じでやったんですか?」

ケイ小さく×をする。

TAM「犯人ですやん!w」

ケイ「え、いや、ちょっと待ってください。ほんまにちゃいますって。怪盗なら×なんですか?」

わし「そうや。もしくは密告者でも」

ケイ「いや、まじで間違いました」

タカダ「そしたらもっかいやったらどうでしょう?」

わし「もっかいやってもええけど、かれこれ4回目で間違うかなあ」

※そうこれは4回目のプレイ風景

わし「ほなケイ以外目をつむってくれ。…で?」

ケイ○をする。

わし「ほんまか? 嘘ついてへんやろな?」

ケイ、コクコクとうなずく。

わし「絶対やな?」

コクコクとうなずく。

わし「ったく。皆、開けてくれてええで。潔白が証明されました」

なんて事もある。これがほんまに×やったら、こうしてどっちが嘘をついたかで揉めてゲームは展開されるだろう。


怪盗フルムーンの公開。

実のところ、目を開けたとき、自分に矢印が向いてたら「これは何かの間違いや。ずれてるだけや!」と叫びたくなる。ドキーっ! とするのだ。

また怪盗役の方がドキドキするのは人狼と同じだ。

ケイ「いや、まじで怪盗したドキドキするで。まじでTAM君やったら解るわ」

TAM「ほんまですかあ?」

もっかいコールで何度かやってたが、その直後ほんまにTAMが怪盗になった。

そして声がうわずってちょんばれ。

TAM「まじで、ドキドキしまっすわあ!」

ケイ「やろ?」

気をつけやなあかんのが、怪盗自身が親の時。

タカダ「それでは怪盗は目を開けてください」

このとき、皆、顔を伏せていたので、声の通りが途端に良くなる。

タカダ「10を数える間に盗む人を決めてください。10、9、8…」

声が非常によく聞こえる。

タカダ「…3、2、1,0、それでは皆さん顔をあげてください」

3辺りからくぐもった声に戻るw

これは全員で指摘して、やり直しとなった。

わしも前日8人でやったときに、声のトーンでばれると思って、顔を下向けたまま上目遣いにして矢印を操作した。その時はばれなかったので、顔を伏せてやるときはそうした方がいい。

他にもこの6人プレイの時には色々と粗相があった。

矢印操作中にかさかさ音がする。終わってみれば、ムゲンが、指先の絆創膏を必死に剥がしてたw

矢印操作中にちゃらちゃら音がする。ケイ一人だけ金属製の腕輪をはめてたw

なんせもっかいもっかいコールで何度もやった。

不思議と家族でやったときの方が粗相がなく、解らなかった。

所要時間は8人で30分、6人やと15分くらいかな。

兄のコメント

ドキドキ感は食い殺す人狼の方が上やけど、これはこれでよう出来てる。

ケイのコメント

店番に戻らんとあかんかったけど、ついつい何度もやってしまった。

ソマーリオ

もう既に文面で色々と書いてるが、人狼を少人数で楽しめるように工夫してる。アークライトはドミニオン丸パクりのたんとくおーれみたいなんじゃなく、こういった工夫を凝らしたゲームをこれからも出していくべきや。まあ、デザイナーは同一人物のようなので、むしろこのデザイナーに言うべき話かも。

2アウト制にしたのも少人数だと、さっさと勝負が決まってしまうと満足度が低いからであり、非常に上手く欠点を消してる。人狼を知り尽くしてるといった感じがして好感が持てる。たんとくおーれはまったく評価に値しなかったがこのゲームはかなり評価が高い。驚くべきことになかなか良くできてるので、絵を毛嫌いせずに一度やってみてほしい。

むしろ人狼もこの矢印さえあれば親も参加出来るのでデフォルトにすべきやと思ったくらいだ。

人数は多いにこした事はない。8人プレイは6人プレイの2倍はおもろかった。4人とかでも出来るみたいだが、たぶんつまらないと思う。ただこの人数は通常のゲームをやるには多すぎるし、人狼をやるには少なすぎる人数なので、けもぱにのカバー範囲は需要のあるところだと思う。

さて問題はなんといっても絵柄。パンツ見えた女の子とかはちょっと勘弁して欲しい。この絵柄じゃなければ、もっとたくさんの子供たちに勧めたいのに。

丸パクりと判明

と、思いきやどうやらここらへんのシステムはタブラの狼の続編で少人数でも遊べるように工夫されたルプスブルグの丸パクりという指摘をCrさんから教えて貰った。指のマークで差したり、2アウト制になってたり、人狼と泥棒がいたりするらしい。対応人数も一緒ときたもんだ。
おい、このデザイナー、まじでクソやな。オリジナリティまったくない。堂々とデザイナーとして名前を載せて、情けないったらありゃしねえ。ここは普通、空白ちゃうの?
も取り消し。これは凄い改良やと書いたところがことごとくパクりやったとは、あまりにもショックがでかくて残念。ルプスブルグを買うべしと言いたいところやけどtogtogさんの書き込みを読むとプレイ感は違うところがあるとのことなので、ルプスブルグを買うて確認します。同じやったらこんなゲームほかそう。。
アークライト、まじでもうちょいよう考えようや。日本語版作るという良い仕事するのに、こんなクソみたいな企画通したりして。

gioco del mondo