お蔵入りショートレビュー集2011
今年もやってきました年忘れショートレビュー集。プレイ風景を書く必要もないので文章を書くのは非常に楽ちんやけど、いちいちリンクを張るのがめんどくさいこの企画も既に4年目に突入。内容を忘れてしまったか、レビューするのもかったるいゲームを取り上げていくという恐ろしい企画。
今年は1000年に一度と言われる大震災が起き、今でも原発から放射能が漏れ続けているなど暗い影を落としている中、その影響で節電ブームがおきアナログゲーム回帰が見られそうになった年。つっても扱われるアナログゲームってのは相変わらず人生ゲーム、モノポリー。ただ、少しずつボードゲーム人口が増えており、日経でも取り上げられたり、アナログゲームの祭典ゲームマーケットでは入場者数が半端なく増え、NHKの取材まできた。
他の話題としては、ドイツゲーム大賞に新たにエキスパート賞というのが創設され、ヘビーユーザー向けのゲームを選考するようになった。そのおかげでゲーム大賞はよりファミリー向けのゲームが選考されていくような形になりそう。ゲーム大賞はひとつであるから権威があるのであって、この流れは個人的にとても残念に思った。
舞星 Mai-Star カナイセイジ
オビ湾が猛烈に勧めてきたので購入。芸者というテーマ、絵柄に独特の雰囲気があり、カードの質も高いので楽しみにしてたが、あまりにも芸者の能力に差がありすぎて勝負にならなかった。朧があまりにも強い。4人でやったが終始、朧プレイヤーをつぶす為に必死になった。それでも負けた。特に酷いのは、将軍カード。朧が握ってしまえば、手札を全て客(得点)として出せるというもの。それで残りの1ラウンドをやるまでもなく中押しで負けを宣言した。(実際は今回は捨て札にせよとして続行したが、それでも負けた)
じゃ、朧の手札をみてほかせばええやんけと思うが、朧の手札を減らすとそれはそれでマイナス点がなくなり朧がうれしがるだけ。また客の特殊能力は客として出した時だけ発動するので、出しやすい朧はやりたい放題。対朧戦としてやるゲームなのだろうが、あまりにも強い。
「これ、もうちょっとバランス取らんとあかんのとちゃう? コンポーネントとか内容がいいのに勿体ない」と皆の意見が一致した。途中でTAMが自分のどうしようもない芸者にイライラしているのが解った。たかがカードゲームに時間が60分掛かったのもちと頂けんわ。もう少しこのバランスなんとかならんかの。わしらの遊び方が間違うてるのか??
左タカダの朧。大量に場に出され、特殊能力でまくりで話にならん。
フラックス Fluxx Andrew Looney & Kristin Looney
結構かなり前になるが突然ホビージャパンがFLUXXっていうカードゲームの日本語版を出してきた。当時は、日本語版というだけで買うてたのだが、どうにもつまらなさそうなのでずっとタンスの肥やしになっていた。6人まで出来るという事でようやく意を決して家族とやってみたところ、歴史的なしょうもなさに家族全員で初めて協議終了となった。30秒で終わったかと思えば、40分たっても終わらない。ひたすら無意味に時間が過ぎていった。こんなにつまらんゲームははっきり言うて過去に例がない。これを日本語化しようと企画したHJのスタッフに猛烈に抗議したい。しかも当時はやってた頭が柔らかくなるをキーワードにしているのが許せん。わしの中で世界一つまらないと思うダンクジャムをとうとう追い抜いた。
キングオブクソゲー
フラミンゴの輪投げゲーム Ring-O Flamingo Yakov Kaufman & Haim Shafir & Yoav
Ziv
TAM家に行ったときに出してきた。ふうかさんのブログをみてどうしても欲しなったらしい。見たまんまのゲームで、輪っかを引っかけてぴょんと弾く。まあ、それだけ。
景品掛かってたらやるけど、これそのままゲームとして楽しめるかね? これを使って何かを手に入れていくという形にしたらもうちょっと盛り上がってゲームらしくなったと思う。
ひっかけてぴょんとフラミンゴに引っかける。それだけ。
かえるさんジャンプ
これまたTAMが出してきた。カエル駒単体に弾く能力があり、これをぴょんと弾いてカンカンの中に入れていく。
まあ、だからなんやという。これも同じくこれをサブシステムとしてメイン駒をゴールに進めるという形にしたらもうちょっと盛り上がってゲームらしくなったと思う。
こんな子供だまし買うなら、もっと良い子供ゲームあるでとTAMにアドバイスしたい。
写真取り忘れ。上と同様カエルを飛び込ませるゲーム。そういやあいつカエルの飛び込みゲームとかも買うてたな。
スティーブンソンロケット号 Stephensons Rocket Reiner Knizia
くにちーの出した株式ゲームで、現在のワレスブームのように一時期くにちーブームが巻き起こったときに話題になったがその後、まったく音沙汰がなくなった。ふとしたことから手に入れてやってみたら、びっくりするくらいつまらなかった。非常に人工的なルールで、手番の処理が煩雑そのものでゲームにまったく没頭できない。ボード上に線路を敷くシステムと株の売買のシステムが全然かみ合っていないのだ。おそらくシドサクソンのアクワイヤやムーンのエアラインズをイメージしたのだろうが、あまりにも残念な出来であった。株のゲームとして出すなら、このボード形態である意味がまったくない。焦点がぼけてる。
このボードと株の動きがまったく合っていなくて、動かし方が覚えられない。意味不明な経済ゲームやった。
ヒットマンガ Hit Manga
親が適当に漫画のセリフを言うて、それを子が想像して取るというカルタである。見るからにおもろそうと思って買うてみたはいいが、実際にやってみると全然盛り上がらん。なんや、これ?? セリフを言うても、うーん、うーん、これかな、みたいな感じで「ああ、やっぱりそうやったかあ」と感心して終わり。アイデアは良かったがパーティゲームの出来損ないでうちではさっぱり盛り上がらんかった。おそらく盛り上がるタイミングってのが、これちゃうの? あれちゃうの? と取りに行く時の独言だと思うが、そんなんで盛り上がる事ってあるんかいなと思った。ただマーケティングからみるとおもんなくてもおもろそうと思わせるルールのおかげで成功してると思う。実際に海外版も出した。これはこんなカルタよりもむしろディクシットのように親の出したお題カードを当てるゲームとした方が盛り上がると思うのだがどうだろう? ま、オリジナリティはなくなるけど。
親が吹き出しに適当に台詞をいう。周りはそれをカルタ取りのように当てる。一見するとおもろそうだが、やってみると全然盛り上がらない。
フィギュアグランプリ Figure Grand Prix Gun-hee Kim
韓国のデザイナーが、キムヨナを賛美するために作ったゲーム。各国の代表に似たキャラクターが登場し、能力が違っている。日本は浅田真央でキムヨナに次ぐNo2として登場してるが、この能力の差がいかんともしがたくキムヨナに勝つにはひたすらカード運とサイコロ運が必要。ジャンプが失敗しても点数が高く他の演技をやる意味がないのが致命的。雰囲気だけを楽しむタイプとしかとれず、ゲームとしてはジレンマや盛り上がりどころがなくとてもつまらない。ボードゲームとしての工夫がまったく見られず、デジタルゲームのデータ部分をカード化しましたって感じ。作者は現在のボードゲームをもっとたくさんやって研究すべきだろうが元々人気のあるフィギュアでキムヨナを褒め称えるためだけならマーケティングとしては間違っていない。姪っ子がフィギュアをやってるので買うてみたが、あまりのつまらなさに一緒に遊ぶ前に売ってしまった。
演技にパターンがあるのだが別にパターンにはめなくても赤色のジャンプをひたすらやった方が得点は伸びる。
ボツワナ Botswana Reiner Knizia
TAMが持ってたくにちーのフリンケピンケのリメイク。圧巻は動物フィギュア。これを集めて得点していくというもので、よくあるくにちーのルールちょっと変更して大量生産したったゲームのひとつ。
その中でも特におもろいという訳でもなく、ほんまに動物フィギュアが良いなあというだけ。最近、TAMはゲーム審美眼が衰えているようだ。「目先の形だけに惑わされるな! フォースを使え、TAM」と言いたい。
動物フィギュアがかわいいだけ。
テラフォーマー TerraFormers 寺島 由人
テーブルゲームフェスティバル2010でかなりの人気を博してたので、その後ゲームマーケットにて買うた。ストーンエイジみたいに駒をアクションマスに置くタイプだが、アクションマスは自分の紙となってるので、ちまちま一人でやってるようにしか見えない。その個人ボードの紙がさらに鉛筆で書くチェックシートにもなっており、相手が今どういった状態なのかさっぱり解らない。安価に済ませようとしたのだろうが、相手との絡みがこの部分だけなのでここは無理してでもボードを作り、アクション駒を色別に用意すべきだったと思う。そういう訳でカード12枚のゲームにしては2000円と値段が高い。またカードに強弱のバランスが取れておらず、運の要素ゼロなのでパターンにはまったらどうする事も出来ない。というより、出てきたカードをみて最善手を指されたらどうしようもないんちゃうかな。マスに置いたら勝利点を貰うというものなので、得点に感慨深さもなく、なんともいえないざらついた感じのゲームだった。同人ゲームとしてはそれなりの出来だが、商業ベースにのせるにはコンポーネントを含めもっとチューニングが必要だろう。農業のところにわしの大好きなゴン助を採用している作者のセンスは良かったw
この真っ白なチェックシートはあまりにも寂しい。おまけに鉛筆で印をつけると薄くて視認性も悪い。
というわけで今回は同人ゲームが多かったが、そろそろネタが尽きかけている証拠でもある。来年も、毎年常連の王者くにちーがここに載るかというところがポイントとなるだろう。
ちなみにこの中で一番つまらないゲームは? と聞かれるとフラックスと即答できる。
それでは皆さん、メリークリスマス そして 良いお年を! Buon Natale e Buon Anno!
追伸 うちではサンタクロースではなくセントニコラウスです。
gioco del mondo