|
Jean-Louis Roubira
|
Libellud
|
3〜6人
30分
|
ディクシット
駿河屋で購入
ストーリーテラーが紡ぎ出す不思議な世界。
今、ファンタジー世界の住人となったあなたは、ストーリーテラーが選んだカードを当てなければいけません。
そのカードは物語の一部でしょうか? 擬音でしょうか? それとも体全体で表現するものでしょうか?
イメージがあなたに語りかけてくるでしょう。
プレイ感
実際の権威のほどは解らないがフランスゲーム大賞に輝いたゲームで、内容物を見て「これは買わねば!」と思った。現在メーカー在庫切れのために(六月増版予定)入手難になってるようだが、運良く買うことができた。その後、1年越しにドイツゲーム大賞に輝いた。
ゴールデンウィークに帰阪したときに、TAM夫妻、ムゲン、タカダ、miaとの六人プレイにて。
ゲーム自体は非常にオーソドックスな共感系パーティゲーム。この手のゲームに、アップルトゥアップルやどきどきワクワク相性チェックゲームなどの名作があるが、ディクシットはアップルトゥアップルに近いシステムである。
手札六枚から、親(ストーリーテラー)が適当な題材を選んでカードを用意する。他のプレイヤーはその題材に合うであろうカードを選んで親に出して、親はそれをシャッフルして、場に並べる。他のプレイヤーは、親の選んだカードを当てるというもの。
最初はわしがストーリーテラー。お題は「わー、楽しいな」だ。皆からカードを1枚ずつ集めてシャッフルして並べ直す。わしのカードを皆が当てるのだ。だした直後、TAMとムゲンは「絶対にあきおさんならコレですよ。めっちゃ解る」とのたまう。ぎくぅ! ばれたかな。。。
ところで親はストーリーテラーと呼ばれる通り、テーマの表現方法はなんでもいい。物語の一節や固有名詞であってもいいし、擬音や体を使った表現でもいい。思いつく限り、自分の選んだカードを表現したらいいのだ。
ただしポイントの分配は、全員に当てられてもいけないし、全員に外されてもポイントはゼロである。
TAMとムゲンは3番へ。ざ〜んねんでした。4番です。ちなみに3番はmiaでした。当てたプレイヤーと親、自分の出したカードに置かれたら得点出来る。
他のプレイヤーは、当てるとポイントが入ることはもちろん、それ以外にも、自分の出したカードが他の誰かに選ばれてもポイントが入る。
こうして山札がつきるまでストーリーテラーを交代してゲームを行っていく。
TAM「明日天気になぁ〜れ」 見れば分かるとおり抜群のデザインの絵である。素晴らしい。
得点はボードの内箱にある蓮の上をウサギ駒で表すが、これがポロポロこけるのが困る。
正直、システムにはほとんど見所はない。非常によくあるパターンだ。このゲームを素晴らしく魅力的にしているのは、カードの絵だ。
まるでシュールレアリズムのような絵柄が八十四枚もついている。そのどれもが拡大してポスターにしてもいいほどの出来の良さである。
ムゲン「この絵描いた人って何をかこうと描いたんでしょうね」
色のタッチといい、構図といい、絵本から抜き出してきたかのようだ。もしこのゲームのために描いたとしたら、なんというリッチなゲームだろうと思う。
あまりにも素晴らしいので、どこからかの絵の転用なのかと疑いたくなってくる。
ゲームは序盤から、タカダが抜け出して、そのまま勝利を手にした。
最終ラウンド。TAM「三丁目の夕日」 miaだけ違うのに置いたが、こいつの感性は腐っとるw
ゲームのヒントとして、ストーリーテラーは全員に当てられるとポイントがもらえないので、若干あやふやにすべきと書いてるが、六人プレイの場合、人数が多いのでほとんどそんなことは起きないように思う。実際に、二度ほどmia一人がはずしただけのケースが二回あっただけで、全員外れ、全員当たりというのはなかった。
得点パターンは人数によってもっと見直していいかもしれない。
このゲームのポイントは、自分の手札はわかるが、他人の手札はわからないところで、そのおかげで
(どんぴしゃすぎるよなあ……)
なんて思ってても、実は全然ちょうどよかったりすることがあることだ。だからストーリーテラーになるたびに「うわあ、どうしよう」とか「難しい」なんて声が聞こえてくるが、実際にはそんなに難しいものではなく、自分の表現力の乏しさを知ったりして、普段どれだけ脳を使っていないかが解って楽しい。
所用時間30分
タカダのコメント
とにかく絵が綺麗ですね、芸術的です。
お題を自分で決めるところが難しいですね、自分が出そうと思っているカードのイメージが相手にすぐ判ってしまうようなお題バッカリ思いついて難しいです。でも勝ててうれしかった!!
miaのコメント
アップルトゥアップルを思い出した。イラストが絵本のようで素敵。素敵過ぎてヘンテコな考えがあまり思い付かなかった。
TAMのコメント
イラストが本当に美しいゲーム。追加カードをじゃんじゃん出して欲しいですね。
ゲームは一言で言うと「笑いのないアップルトゥアップル」ですかねw
ソマーリオ
レビュー自体が総括となっているが、その他のところについて述べてみたい。
欠点は得点ボードたったひとつである。中箱の中にぐるりと立体的な得点ボードがあるが、構造的にゲームを立てて置くとカードの重みでたわんでしまう。いや、それどころかわしのんはびりっと破れてしまっているのが悲しい。カードの重みが相当なものなので、そういう人は多いと思う。到着したらすぐに平積みにしておくことを勧める。
これが問題のある内箱。向こう正面の端が破れてるのが見えるだろうか? やわいのでこの構造は良くないよなあ。穴あきのボードタイルを置く仕様にして欲しかった。
で、そのたわみと、バランスの悪いウサギの得点駒で、ぽてっとすぐにこけてしまうのがあまりにも残念。
たしかに立体的に作っているのは、雰囲気がでて良いのだが、この際普通の穴あき得点ボードを中箱の衝立の上に置くという仕様でもよかったんじゃなかろうかと思う。
※なんと第二版の箱はこれがきちんと修正されてやがった。と思ったら、第二版でもそんなに劇的な改良ではなかったらしい。縦置厳禁。
他の内容物についてはケチのつけようがない。カードの絵柄が気に入った人がいたら、ほとんどそれがこのゲームのすべてなので、購入すればいいと思う。
よくあるパーティ系のように、ギャーギャー騒いだり、笑いが起こるようなタイプではなく「なるほどなあ」なんて妙に感心するタイプで、プレイヤーの内面などが垣間見えてきそうだ。
絵をみてると、ストーリーが頭に浮かんでくる。それだけでこのゲームは手に入れておく価値があるように思う。是非手にとってみてほしい。
なんと驚きの2010年ドイツゲーム大賞に輝いた。というのはこのゲームは2008年発売なので、今更感があったのだ。ドイツで発売されたのが2010年だからのようだ。それからしばらくは二匹目のドジョウ狙いで、こういったコミュニケーションゲームばかりが出まくった。