スパ帝国

ゲーム工房スパ帝国

1〜4人用
40分

ナショナルエコノミー


時は曙、世は黄金。ゲームの舞台は国民経済の勃興した20世紀です。
プレイヤーは事業家として人々を雇い、職場を作り、製品を売って会社を運営します。
もちろん給料日ごとの支払いを忘れてはいけません。
果たしてあなたは巨大な産業と富を築き、歴史に名を残すことが出来るでしょうか?

プレイ感

ゲームマーケット(2015年秋)を終えてから、やたらとネットで評判が良さそうだった。アマゾンをみると売ってたので買うてみる事にした。ポチってから、スパ帝国という胡散臭いネーミングとやたらと綺麗なパッケージから、実はこれはステマじゃないのかと疑い始め、キャンセルを行うが、既に出荷体制に入っているためキャンセル出来ませんでしたと言われる。まあ、それならそれでええかと受け取る。

しかしそこからもネットで高評価が連発され、それに伴い、アマゾンでの売り切れ頻発からべらぼうな価格にまで高騰し、国内新作ゲムマ評価1位も取った。ゲムマの評価は作者が有名なゲームがどうしても強くなるので、参考程度にしかならないが、ここにきてようやく説明書を読み出す。短時間で出来そうでなおかつルールが非常に簡単だったので、miaと2人でやってみる事にした。


基本はワーカープレースメントである。ワーカープレースメントという言葉は、アグリコラで使われたマニアックな言葉だと思っていたので極力使わないでいたが、数が多く出てきてトリックテイクと同じくらいの知名度になりつつあるので、今後は使う事にする。要は自分の駒(ワーカー)を、アクションマスに置いて(プレース)、そこに書いてあるアクションを順番に実行していくシステムの事だ。プレイヤーは最初に全てのルールを把握しなくてもよく、アクションの種類をコントロールしつつ増やせる特徴がある。

このゲームのワーカーは、小さなカードとなっているが、駒で代用した方が使いやすいだろう。
場の中央にある公共施設カードは全員が共通で使えるアクションだが、自分で建てた建物は自分だけが利用できるアクションマスとなる。
建て方は、手札から自分の場に出し、その建物の建設コスト分のカードを手札から捨てるだけだ。
ラウンドの最後に、5枚を超える手札は捨て札にして、ワーカー分の給料を家計にお金で支払う。

お金は家計とストックに明確に分かれており、アクションでは家計からしか収入を得る事が出来ない。無ければ手に入らないのだ。


手札でアクションを増やせるワーカープレースメントである。初期アクションは公共施設の4枚(2人プレイ)。横にラウンドカードがあり、これを表に向けると公共施設となっている。様々な情報が上手くつめ込まれてて非常に分かりやすい。

もし給料が支払えない場合は(この場合だけ)、自分の建てたカードを資産価値の金額で売る事で、ストックからお金カードを得て、それを支払いに充てる事が出来る。売ったカードは共通の場におかれ、今後、全員が利用できるようになる。

イメージとしては建物を日銀に売り、日銀がお金を市場に流通させると意味だ。
このゲームは最初はお金はそれほど流通しておらず、建物を国に売ることで段々と市場にお金が出回ってくるという形になる。

※実際の日銀(日銀は普通の銀行とは違う)は、建物ではなく銀行が所有する債券を買う事で、市場にお金を流通させる。買いオペという。もちろん逆も行って、円をコントロールしている。

こうしてラウンドが進展するごとに1枚ずつ公共施設が増えていき、9ラウンドでゲーム終了でお金と建物の資産価値の合計が高いプレイヤーが勝ちである。

スタートプレイヤーであるわしはワーカーを大工に置いて、工場を建設する。手札から工場を出して、コスト分のカードを2枚捨てる。


まずは大工を選んで手札のカードを建設する。ワーカーは早い者勝ちだ。横にあるのがラウンドカードでラウンドと今回の給料が書かれている。

mia「え、毎回、それやられたら手札建てられなくてどうしようもないんですけど?」

miaの1手目は採石場で、カード1枚補充+スタートプレイヤー取る、だ。

終了時に給料を家計に払って、次ラウンドでmiaが大工に置いて建物を建てた。

わしの建てた工場の効果はカードを2枚捨てて4枚に補充するだ。手札を潤沢にしなければ、建物を建てる事が出来ないのだ。

mia「ところでこの消費財ってどうやって使うんだろ?」

わし「おそらく消費財を手に入れるってカードがあるんやと思う」

消費財のカードは、あくまでカードなので手札に入れて建物のコストに使う。ただそれ自身を建てる建物カードではないだけだ。ちなみに消費財という聞き慣れない言葉は経済用語で、消費者が消費する製品やサービスの事をいう。わしらが自分らで使って楽しんだりするもんは全て消費財だ。ただこのゲームの使い方をみると生産財だろう。

この消費財のカードは大量にあるので、後半になればガンガンと手には入っていく。
建物カードの下位互換が消費財カードと思って間違いない。

わし「うーむ、建物が欲しい」

そう、消費財は結構手に入りやすくなっているのだが、建物カードはがつんとは入ってこないようになっている。
建物カードをコストとして支払うと少々勿体ないのだが、そんなことをやってるとゲームには勝てない。


大農園は消費財を3枚手に入れる。消費財ていうのはバナナのカードですべてバナナだが絵柄が違っている。研修中のカードはワーカーの裏面だ。最初に雇った時はこの面で給料だけが発生する。アグリコラの子供と同じ考え。

そうこうしているうちに、給料が支払不能となり、工場を手放す事になった。

市場にお金が流れ出す。インフレ経済の始まりだ。

mia「これってガンガン建てて建物を売っていった方がいいの?」

わし「結局は金が多いのが勝ちやから、そうせんとあかんねんけど、ポイントは給料が払いきれない時にしか建物を売れんというこっちゃ」

そういうわけで、わしは労働者を増やして、わざと給料を払えなくして建物を売っていく。miaも当然、その流れだ。

ただ思った以上にゲーム展開は速い。労働者コスト以上の収入を得ないと意味がないので、この方法も家計が潤沢になる後半以降は、ほとんど使わなくなる。代わりに如何に高価な建物をたてていくかが鍵となった。

わし「トヨタや!」

自動車工場建設コストは5枚。効果はカードを3枚捨てて7枚補充だ。

めちゃめちゃ、強ぇぇ。
一時は大農園で消費財3枚を手に入るでだいぶ助かったが、すでにこれは国に売却した。


トヨタきたーーー! 今更だが、左上がカード建設コスト(カードで支払う)で、中央下が資産価値(お金)だ。つまりこれを国に売れば24ゴールド手に入るし、勝利点は24点だ。右下はカードの種類。

トヨタはmiaに使われては困ると、給料をうまくコントロールする事にした。

そして二胡市建設のカードという史上最強のカードが手元にきた。
同一コストの建物を半分のコストで2個建てられるのだ。

8ラウンド目、これを建てた。ただ5のコストのカードを2枚建てたかったが、手元には1枚しかない。
しょうがないので、最終ラウンドに4のコストのカードを建ててゲーム終了。

わしは現金全てなくなった。
このゲームでは1ゴールドは1資産価値の等価交換なので、建物を売るか、置いとくかは気にする必要はない。

結局、わしが92点、miaが84点でわしが勝利した。

このゲームでは勝利点によってランクが決まっている。
わしらは2人とも地元の有力な企業との事だ。

所要時間40分


最後の自分の会社。左の製鉄所とゼネコンを二胡市建設で建てた。

miaのコメント

アグリコラドミニオンのいいとこ取りをしたゲーム。かなり面白かった。

ソマーリオ

これは評判になるわ。
カードの流れがめちゃめちゃ面白い! 気持ちが良いのだ。

miaの言うようにいいとこ取りではあるが、そもそも完全オリジナルゲームなんてのは存在しておらず、このゲームだけでしか味わえないカードハンドリングに十二分にオリジナリティを感じる。
作者はドミニオンではなく、サンファンのシステムを利用したように思うが、正直、サンファンより動きが気持ちよくて面白い。サンファンではカードをコストとして支払うのは勿体ないなあというのや、山札の頻繁なシャッフルという欠点があるが、ナショナルエコノミーでは消費財という建築できないがコストとして利用できるカードのおかげでそれを補った。だから妙な勿体ない感がなくなってプレイ感が爽快なのだ。

欠点はたくさんある。
プレイヤー間での閉じた経済ゲームを作りたかったようだが、家計とストックというシステムは面白いものの、完全に機能しているようには思えない。途中から家計は特に関係なくなったからだ。拡大再生産のゲームではあるが、名称に経済用語を使っているものの作者の意図した経済ゲームではない。

また大工、専門学校など、カードのネーミングセンスやそのこじつけ的な効果は、巨大な産業を作るイメージとはかけ離れている。

そしてソロプレイも出来るように、多人数でやったとしてもソロプレイ感もかなりある。

ただこれらの欠点を補ってあまりある程、このゲームはオリジナリティがあり、やってて楽しく、気持ちが良いのだ。また様々な情報がきちんと管理されて非常にプレイアビリティも高い。

ルールは簡単、プレイ時間短し。しかしプレイの満足度は高い。
このレベルならアラカルトカードゲーム賞なんかラクラク取れるんやないか。

このスパ帝国って何者? わしなんかこの言葉から新世界のスパワールドのイメージしかないんやけど。

スパワールド大好きの人?

まあそういう冗談は抜きにして、今は品切れ状態なので、是非とも消費財として大量生産して欲しいものだ。アマゾンのキャンセル、失敗してほんま良かったわ。
またこの閉じた経済というのは他にもちょこちょこ書いてるようにかなり好きな部類なので、もっとこれをシステム上いかしたものを次回作や拡張セットあたりに期待したい。相当おもろいで、これ。

gioco del mondo