?

アガツマ
7才以上

2人用
3分

モンキーシャッフル

うきー、うっきっきっきー!!
ジャングルの木々を猿が大移動を始めています。
目指す先は、ココナッツがいっぱい実った椰子の木の楽園です。
でも気をつけてくださいね。
木を渡るのに失敗した猿は地面に落ちてしまってますよ。
上手く木を渡らせて椰子の木の楽園に連れていってあげましょう。




プレイ感

小山に出張しに行った時に、ドンキホーテに寄った。そこのおもちゃゾーンにこのゲームを見つけたのだ。横に見本があったので、少し触った。「こ、これは!? あれと同じプレイ感では」電池は入ってなかったが、わしにはピンときた。999円だったので、別に失敗しても痛くはない。衝動買いした。帰ってすぐにやりたかったがmiaの体調が悪くて、ひとりで動きを確かめる寂しい数日間だった。
これは、くるりんパニックに匹敵するゲームじゃなかろうかと想像しながら。


ルールよりもその仕掛けを説明せねばならない。自分が操作出来る木が2本ある。で、スタート位置に自分の猿を引っかける。全ての木は、電池によって回っている。で、丁度いいところにきたら、葉っぱレバーをぐいと押せば、木が上に猿ごと持ち上がる。で、タイミング良く離せば、隣の木に移るという仕掛けとなっている。

真ん中の木はどちらも操作出来ない中立の木で、猿の動きはストレートに行けばこうなる。
自分1→中立1→自分2→中立2→ゴール
中立2の木には、切れ目があり、猿がそのまま回ればゴールになってる椰子の木の部分でころんと落ちるようになっている。そうなって初めてゴールだ。


見ての通り、葉っぱをぐいと押せば木が持ち上がる。タイミングを見計らって隣の木に移すのだ。そして最後の木のところに切れ目があるのが解るだろうか? 椰子の木によって抑えられた猿はこの部分まできたらポロリと落ちる。それがゴールだ。ストレートにいけば水色の矢印のように移動する。

こうやって最初に5匹の猿をゴールさせた方が勝ちだが、3分経ったら電源がオートオフになるので、その場合はたくさんゴールさせた方が勝ちだ。途中、落ちた猿はスタート地点からやり直しだ。ルールはこんだけ。

これだけでは駄目なので猿を渡すのにもうひとつルールを作った。スタートの自分の木に自分の猿が居なくなった時にだけ、次の猿をスタートさせる事(引っかける事)が出来るとした。


スタートはこの木に引っ掛ける事から始める。相手は向こうの木からスタートさせる。つまり自分が操れる木というのは手前の2つという事になる。

文章で説明するよりも見たら解ると思う。自分の猿を渡せるという事は、相手の猿を戻せるという事だ。そして相手の猿をたたき落とせる事も出来る。

ワクワクしながらやってみたのだが、このルールではまったくゲームにならなかった。
猿をたたき落とすのは非常に簡単で、手前にきたらポンと強めにレバーを下ろせば、吹っ飛んでいく。

わし「スポーツマンシップに乗っ取ってゲームをすること!」

こうしなくてはならない。不可抗力はしょうがないが、せめて相手のを落としてしまったら、落ちた猿をこちらに引き渡そうという事になった。


一回動き出したら激しい。落ちるのはしょっちゅうだ。なんとこの木、逆回転もするのよ。そして、ジャングルの音楽が流れて否が応にもジャングルの世界へプレイヤーを導いてくれる。いや、ほんまにまじで。

しかしそれよりも問題となったのは、相手の木に取られたこっちの猿は手出しが出来ないという事だ。永遠に自分の猿は相手の木でクルクルと回っている…_| ̄|○

わし「おい、取った猿はすぐに返せや!」

mia「だって戻すのに失敗するんだもん」


これこれ、これが許せないパターン。みよ、わしの黄色の猿が2匹ともmiaの木でくるくる回ってる。これをされると永遠にあそこで回ってるだけやっちゅうの。

わし「スポーツマンシップに乗っ取ってゲームをすること!」

モヤモヤが募る。なんせmiaの木の元でわしの猿が2匹も3匹もクルクル回ってた日には、悔しくておちおち寝てもいられない。

それでもかなりおもろかった。初めてやった日、ほんま猿のように何度も何度もやりまくって2時間。終わるとなんせどちらも申し合わせたように猿をひろって最初のセッティングを始める。まさにくるりんパニックのプレイ方法だ。


ゲームスタートはこんな感じで、両者ぐいと手前の木をあげる。ちなみに木はかなりスムーズにあがるので操作感にまったくストレスはない。

しかしこの素晴らしい仕掛けがゲームとして破綻しているのはあまりにも惜しい。風呂に入りながら、どうしてもゲームとして全開で勝負したいと思い、翌日、ようやくルールを作った。

1.相手の猿を木の上下で落としてしまった場合、その猿をすぐに中立1の木に引っかける事。
 最初はすぐにゴールした事になるという強い罰則だったが、それでは丁寧になりすぎて盛り下がった為にこうした。
2.相手の猿を自分の木に合計で2匹引っかけた場合、即座に1匹をゴールにする。
 ゴールに近い方の一匹を取る(ゴールという事)。
3.4匹を先にゴールさせれば勝ち。
 これは2のルールのおかげで、1匹はキープし続ける事が出来る為だ。

これに加えて、猿に猿が掛かった状態(共連れ)になる事がある。このまま椰子の木でゴールした場合、2頭ともゴールしたと見なした方が面白いのでそうしている。


これが2匹が引っかかったパターンである。今回はわしの猿だけだが、相手のに掛かるケースが多い。このままゴールした場合、どちらもゴールと見なすことにしてる。

1のルールは相手がゴールしかけの奴を次々にポンと吹っ飛ばせば、ゴールを完全に阻止出来てやっぱりゲームが破綻してしまうのだが、これだけはスポーツマンシップに乗っ取ってしなくてはならない。この程度ならくるりんパニックでもあったので、許せる範疇だ。

これでやったら、完全にゲームになった。二人で気軽に出来るために毎日1時間やりまくってる。
流れてくるジャングルのサウンドは非常に素晴らしく、猿が目の前を渡っている雰囲気が無茶苦茶出てる。さらに木は突然、逆回りを始める。ゴールの切れ目直前で、逆回転して、相手の木に引っかけられて戻された時の悔しさといったらない。

わし「そこで逆回転かい! 腹立つわあ!」

mia「ひひ、やった」

とか、ゲーム中の叫び声としては

mia「えー、ちょっとどうして引っかからないの!! あー、その共連れちょっと汚くない?」

タイミングが少し狂えば引っかからなかったり、共連れになったりする。

mia「なんか、一緒に落ちたのにあきおくんのだけ、真ん中の木に掛けるのは納得いかないわあ」

わし「阿呆か! お前が落としたんやから、わしのはそこに掛けてお前のはスタート地点に戻すのは当たり前じゃ!」

mia「あ…2匹取っちゃった」

わし「お、ほな、わしのん1匹ゴールね」

とかゲーム中は騒がしいもええところ。

わし「4匹送った。勝った」

mia「えー、なんで1匹も送れないの! 悔しい! もう一回。これラストね!」

と言いつつそのラストが5回くらいあったりする。

2つの部分を同時に見なければならないので、かなり焦って失敗してしまうことがよくある。
また自分の猿が邪魔して自分の猿を落としたりといった偶発的な事件も盛り上がる要素となってる。

わし「ちょう、お前なんで仲間の猿を邪魔しとんじゃい!」

最後の木に掛かってる猿を、別の木に掛かってる自分の猿が邪魔して、椰子の木に当たる前に、切れ目で落としてしまったりする。
下手をするとまとめて3匹とか落ちたりするのだ。その場合、あれほど自分の猿が攻めてたのが一気に閑散としてしまう。

わし「全部落としてしまいやがった……(|| ゜Д゜)ガーン!!」

mia「やった。今日は調子良い」

勝ったり負けたりの毎日である。

所要時間3分

miaのコメント

面白い。単純なだけに負けると悔しくて何度でもやりたくなる。
これで999円だなんて申し訳ない。一見パチもんぽいけど面白さは本物。

ソマーリオ

アガツマという会社を調べてみると、ぱちもんばかりを扱うような会社ではなく、アンパンマンなど有名どころを抑えている子ども向けの名の知れた玩具メーカーであった。他にもプレイモービルなど、人気のある玩具を取り扱っている。このゲームも調べてみるとGoliath B.V.という会社のGo Gorilla(進め、ゴリラ)の日本語版のようだ。道理で駒が猿じゃなくてゴリラの筈だわw


これどうみてもゴリラやん。。箱絵みてもココナッツなんか一切出てこずゴリラがバナナを持ってるしw

ちなみにどちらがリメイク元か解らないがHasbroのHang in There(あそこまでぶら下がれ)というゲームも同じだ。こちらは内容物がちと違ってるので以下の画像参照。


Geekより。Hang in Thereはビーチに向かう話になっている。ゴールするとあちこち転がってしまうのでマスとして囲ってあるのはいい。一番の大きな違いは、木がそれぞれ1本増えており、スタートの木は操作出来ない木になっている。
良いことづくめに見えるが、木の造形がコストダウンのためか悪くなってる。また真ん中の中立の木にも切れ目があり、掛ける事が出来ない罠となっているようだ。


Geekより。駒もジャングルに住む動物に変わっている。これはゴリラの方が形がマッチしてていいと思うけどなあ。

またGeekにHang in Thereのルールブックがあがっているが、読んでみるとスタートの木はやはり0匹になった時にのみスタートさせるとなっている。しかしいけてないのは、相手の動物駒を自分の木に掛けたらその動物が落ちるか、自分でつかめる位置にくるまで手出し出来ないと書いてる。こんなルールやと明らかに詰みになってゲームとして機能せーへんやんけ。

それにしてもこのゲームを考えた人は誰なのだろう? 是非ここにデザイナー名として載せたい。少なくとも999円でドンキで叩き売りされる程のゲームでは…いや、このままでは確かにゲームとして破綻してるのでしょうがないか。ルールとしては複雑になるし、相変わらずスポーツマン精神が必要なところは残るが、ここに書いたルールでやればゲームが輝いてくる筈だ。

箱には3才以上と書いてるが、これは絶対に嘘だ。Hang in Thereのルールブックには7才以上と書いてるが、それがゲームとして楽しめる妥当な年齢だと思う。というわけでこのレビューでは7才以上と表記した。

あと4人でも出来ると書いてるが、4人だと一人1つの木が担当になるので、ゴール前のミスがなくなって泥仕合と化すのは明白である。このゲームは二人でやってこそだ。二人でも慣れるとなかなかゴールさせて貰えない。4匹ゴールってのは数十回に1回くらいの割合でしか出来ない。

オットット族の酋長さんでもジャングルサウンドが流れるが、モンキーシャッフルのジャングルサウンドの方がリズムカルで好きかな。まあ、向こうはお休みしてるわけやからしょうがないんやけど。木の動きも非常にスムーズでまったくもってぱちもん臭さはない。構造上の欠点をあげるなら、常にスタート時から回転する方向は同じというところだ。互いに入れ替わってゲームすればいいと思う。

すぐにドンキホーテに買いに走れ! と言いたいところだが、この前、秋葉原のドンキに行っても売ってなかった。小山では山積みにしてあったのに、仕入れが違うようだ。売っている店と売ってない店があるんやなあ。

アマゾンでも小売店が500円(+送料500円)でほぼ同額で手に入るようだが、クリックしてみるとなんか画像が違うぞ?? 名前もサイズもゲーム内容も全てモンキーシャッフルのものだが、行った時に横に置いてた別のゲームの画像やん。調べてみるとダッシュダッシュゴリラ(こちらもMonkey Mischiefてゲームの日本語版)って名前やった。同じくアガツマの製品だが、これはこれでアマゾンで取り扱ってるので、画像が間違っているだけやと思うけど、確証はないので買う時に注意が必要だ。わしに騙されたといって怒らないように。怒るならこれを出してるショップに言うように。

こういった楽しいゲームが叩き売りになっているのは、どうにも寂しいので、ルールの改定したらええのに。幼児用のゲームとして売ってるから難しいとは思うけど、ルールを改定してドイツで発売したらドイツ子供ゲーム大賞を取れるんとちゃうかな。わしの中では二人用和製くるりんパニックの位置づけなんよ。ただし再三書いたように、プレイヤーにスポーツマンシップが必要なところがあるので、ではなくとしたい。その部分をシステム化出来たらなあ。


うきーうっききー! うっきー! こうしてみると猿、かなり楽しそうやな。ほんまにジャングルサウンドは必聴やで。動画とか音声ファイルは想像力を欠くのであえて載せない事にしてる。

gioco del mondo