Virginia Charves
Bertram Kaes

Ravensburger

2〜4人
20分

穴掘りモグラ


穴掘れ、どんどん
我らの仕事は穴を掘ること
穴掘れ、どんどん
モグラたちは今日も元気に穴を掘ります。
この地中深くに黄金に輝くゴールデンショベルが眠っているというのです。
あれ? ここの岩盤が硬くてこれ以上掘れないぞ?
次々に脱落していくモグラたち。
最後にゴールデンショベルを手にするのは誰でしょうか?

プレイ感

かなり昔になるがお蔵入りレビューに放り込んだことで、TAMからクレームがついた。売ってから何年も経つが、ソージロがちょうどこのゲームが出来る年齢になったこともあり、買い直しをした。
コタ9歳、ソージロ6歳、miaとの4人プレイにて。


各自、自分の色の移動タイル1,2,2,3,3,4をシャッフル裏向けにして自分の前においておく。それから人数に応じてモグラ駒を順番に盤上においていく。置ける場所は交点で、穴の空いていないところだ。


最初は大量にモグラがいる。穴に入るのを目指す。

手番には、移動タイルを1枚表向けて、その数だけきっちり駒を1つ真っ直ぐに進める。駒を追い越すことは出来ないし、途中で曲がるような駒を使うことはできない。この移動は強制で、動ける駒があればたとえ穴の中にいたとしても移動させねばならない。


タイルはその数だけ真っ直ぐにぴったり進める必要がある。場合によってはすでに穴に入ったモグラを出す必要も出てくる。

移動タイルは全て表向けになったときだけ、再シャッフルして裏向けにする。

すべての穴の中にもぐら駒が入ったら、ボードを取り除く。穴に入れなかった駒はゲームから取り除かれてしまうのだ。
2階層目以降のボードには、大きな●があり、ここに止まったら即座にもう1枚タイルを表向けて移動させる。この移動で再び大きな●に入ることは出来ない。

こうして最後に1箇所だけあるゴールデンショベルをゲットしたプレイヤーが勝ちだ。

最初はソージロからスタート。

タイルをめくる。2だ。

ソージロ「ここに入る」

わしもタイルをめくり、穴に入る。

コタもタイルをめくって入る。

最初の手番では簡単に穴に入れる。
ただしきついのが4のタイル

mia「あ、4。入れない」

4という数字はかなりでかくて、こいつを引くたびに苦労するのだ。
真っ直ぐ、きちんと4マス、というのはまだ駒の多い序盤では致命的であったりする。

ただし、この4は必ず一度は引くタイルなので、それを考えて駒を動かしていく必要がある。

もっとも悲惨なのが、

わし「げぇ。動かす駒がない。穴から出すか」

そう、たとえ穴に入っている駒であっても動かせるのであれば動かさなくてはならないのだ。


残り2マス。ここが結構きつい。駒が邪魔になって入りにくく、下手したら穴から出す必要すら出てくる。

コタ「2か。どうしよ」

わし「この穴のもぐらを隣の穴に移動させたら?」

コタ「あ、そうか」

Hole to Hole。穴から穴へ。

最後の1マスがなかなか入らない。
下手すると自分のもぐらを穴から出さなくてはならなくなるので、もう誰でもええから、入ってくれやー! てなる。

そしてすべてが埋まるとボードを取り除く。


穴がすべて埋まると、タイルの1枚上を取り除くと地中が現れる。

ボードが取り除かれると、雰囲気・環境がガラッと変わることに驚くだろう。
わしは別に驚かないが、前にmiaの伯父とやったときに、驚いてたから、書いとく。

1階層目は、みんなほぼ同等の数だけここにこれたが、ここからかなり隔たってくるのだ。

2階層目も、同様の手順で行う。


こんな感じとなっている。ここからは大きな●の場所が出てきて、ここに止まるともう1回タイルをめくって進める。

3階層目ともなると、穴の数が少なくて、プレーオフに出れる駒は4個だけである。


そして4階層目へと進む。上に載ったままの駒は脱落だ。


4階層目。ここまでくると駒が非常に少なくなってきた。命の選別かと。

ここで駒が1個になるとものごっつい辛くなる。せっかく入ってもまたでなければならないのだ。

ここでコタ、脱落。プレーオフ進出ならず。


わずか4個だけがここまで進める。残すはゴールデンショベルがある真ん中のみ。

最後はソージロが2個とわしとmiaが1個ずつで真ん中にあるゴールデンショベルを目指す。
一発で入れる場所にはなっていないので、うまく移動させていく必要がある。

ソージロ「やった!!」

ソージロがゴールデンショベルをゲットして勝利した。
やはり2個は強かった。

所要時間20分


ソージロの勝利。

ソマーリオ

子供も大人も一緒に楽しめる子供向けゲームというのは難しく、未だにそんなにたくさん持っていない。穴掘りモグラは、そういった意味では貴重な一品であった。

単純がゆえに、何度も遊ぶのは大人にとって辛いところはあるかもしれないが、大人でも楽しめる要素として、カウンティングがある。移動タイルの枚数は6枚しかなく、次に何のタイルが出てくるかはある程度予想がつく。予想がつくとなれば、そのように自分のもぐらを移動させればいいのだ。

子供は単純にこの仕掛が楽しいと思う。
ここまでテーマがばっちりあったゲームってのはそうそう見当たらない。そしてこのゲームは、わしの記憶するところ唯一、多層構造を活かしたゲームとなっている。1995年、カタンの開拓者ゲーム大賞を取った年、このゲームもノミネートされ、今なおロングセラーとなっている。

深みといったところではちょっと足りないが、老若男女問わず楽しめる仕掛けゲームとして不動の地位にいる。
コロナで自粛となって、ボードゲームの売れ行きが昨年比4倍で伸びているらしいが、その主な購買層は女性だという。子供にやらせるため、ということであれば、このゲームは間違いなくイチオシできるゲームであろう。

ちなみに関西では大きなものをショベル、小さなものをスコップと呼ぶが、関東では逆のようだ。
ショベルは英語、スコップはオランダ語だが、ちょっと調べてみた。
JIS規格では足をかける部分があるものをショベル、ないものをスコップとしており、大きさで区別しているわけではないらしい。まあ、小さいものは足を掛けるわけではないので、基本的に関西の呼び方が正しいが、この写真のように大きなモノでも足を掛けられないものがある。どうぶつの森ではスコップと呼んでいるが、あれは足を掛けられるんじゃないか? JIS規格から外れとるやんけ。ジョニーをとりあえず30回助けて金のスコップ手に入れるかね。

gioco del mondo