田島 準

Game Journal

4〜6人
240分

ヒストリーオブサムライ -源平藤橘盛衰絵巻-

平安末期の武家台頭期から、江戸幕府開府までの武家勢力の栄枯盛衰を、旧AHの名作ヒストリー・オブ・ザ・ワールドシステムを用いて描く。
ゲームは「一巻」から「七巻」までの7つの巻(エポック)に分かれており、一巻では武家黎明期の大名たち、二巻では源平争乱で活躍した大名が登場する。三巻では南北朝、四巻では応仁の乱で活躍した勢力が、五巻では戦国前期で活躍した勢力が登場する。
そして勝負のゲーム終盤、六巻では武田氏、上杉氏、織田氏が、七巻では豊臣氏、徳川氏などが陸続と登場し、最後の陸奥の伊達氏を引かされたプレーヤーは大抵の場合没落の道を辿る。
またイベントも元寇、一向一揆、南蛮貿易など多彩で、このように綺羅星の如き大名家がオールスターキャストで登場し、かつこのゲームでしかお目にかかれないような大名も続々登場するという、他に類を見ない豪華絢爛な作品。

プレイ感

名作ヒストリーオブザワールドを日本の武家政治にターゲットを絞ってローカライズしたゲームジャーナルというゲーム雑誌の別冊ゲーム。別冊なんでほんまにゲームだけしかついていないが、これで5800円もするとは価格破壊もええとこである。買うた人は衝撃を受けないように。
このゲームのプレイ人数は5人が最適との事なので、きっちり集めてみた。オビ湾、タメラ、OEC、miaとの5人プレイにて。


長時間ゲームではあるが、ルールは至ってシンプル。7つの時代に分かれており、時代ごとにそれぞれ1手番ずつ行う。つまり7ラウンドあるということ。
手番は、大名カードに書かれた出現地にまず1駒置く。そこから繋がるように駒を置いていき次々に勢力図を広げていくだけだ。置ける駒数は大名カードに書かれている。全て置き尽くすと、得点集計を行って、次の人に手番が移る。これを7回繰り返して総得点が高いプレイヤーが勝ちだ。

第一巻は、ランダムに大名カードが配られる。大名カードには番号が割り振られており、その番号通りにコールされて手番を行っていく。まずは武家台頭だ。オビ湾は河野氏で、四国地方の豪族。わしは奥羽の清原である。前にTAMとやったときはわしは河野氏を引いて、長宗我部が出現するまでずっと安泰でコンスタントに得点を重ねた。

わし「ちゅうわけで、意外と四国はええんやで。誰もやってこん。まあ、ど田舎つうか鬼国と言われるだけあるわ」

第一巻はだれもバッティングせず、しょぼい駒数で勢力を伸張するだけですぐに終わる。
で、全員が終われば、累計戦力(出現駒数の合計)ごとに次の優先権が決まる。これがこのゲームのミソ。


第一巻ではこんな風にまばらに勢力が出るだけ。カードに描かれている出現国にまず1駒置き、それに繋がるように駒を並べていくだけ。手番終了時に地方での勢力にしたがって得点が得られる。

大名カードに書かれている駒数を累計した数字を記録しておく。置ける駒数が多いプレイヤーは有利であったとゲーム上判断され、少ないプレイヤーから順番に次の時代の大名カードを引けるのだ。
もし、その大名が気に入らなければ、他のプレイヤーに押しつける事が出来る。こうして次の大名が決まる。
大名カードは時代ごとに6枚あり、5人プレイやと1枚残る。つまり出てこない大名が出てくるのだ。ひょっとしたら、源頼朝は出てこず平家の栄華はずっと続いていたかも知れない。或いは信長は本能寺で明智光秀に殺されなかったかも知れない。そういう歴史のIFが盛り込まれるのだ。

第二巻、わしが引いたのは平氏、そうあの有名な平清盛だ。当然、このカードは頂く。ここから本格的に武家政治が始まる。


平氏が来たー!! ☆マークがある大名は都持ち大名である。右上の数字がその巻での手番順。13と書いてるのが勢力駒の数である。また船のマークがあるので海にも駒をおける。

平氏の戦力は13個と相当強く、伊勢から出発した平氏は、みるみる地方勢力を平らげそのまま西へ上り、京を制圧。平家政権を樹立する。

※平氏は板東平氏とか色々あるが、平清盛は伊勢平氏である。鎌倉幕府の北条家など後々まで平氏は存続するので、特にこの平氏を平家と呼ぶらしい。

わし「わっはっは、平氏にあらずば人にあらず」

とこの世の栄華を我がものにした。そしてこのゲーム、やってみると解るが京を制圧すると妙に嬉しい。
というのも得点計算が結構ややこしくて、各地方ごとでどれだけ勢力を持っているかで得点が変わる。例えば畿内8カ所のうち、過半数を超えたら何点とかそんなん。ところが京は、1カ所だけなので、他の地方でいうところの制覇(現役駒で全てのエリアに置く)が簡単に出来るのだ。そして

わし「じゃ、京に城建てちゃおうっかな」

皆「ええー!! 京に城は無粋でしょお!!」

※城は駒を1つ使う代わりに建てる事ができ、防御の時にさいころの目に+1出来る強力な駒だ。

その直後、OECの源行家が反平家を唱え京に乱入。

わし「お、源氏の分際でわしにたてつくか? いざ、勝負」

OEC「じゃ、城を無効にするイベントカード使います」

(|| ゜Д゜)ガーン!! <清盛

イベントカードというのは最初に配られる9枚の特殊カードで、手番に2枚まで使える。使えるタイミングが決まっているが、かなり強いので上手く使わなければならない。例えば、駒数を足す事で、本来いけなかった場所へ届くのだ。前にやった時、わしの上杉謙信が、宿敵武田信玄には目もくれず、なんと京を目指して、とうとう政権を立ててしまった、なんて事が起きる。そしておそらくTAMが握ったと思われる信長を警戒した。

その時のわし「じゃ、京に行って、城建てちゃおっかな。さらにスタック2個と」

その時のTAM「こ、これは!? まるで後に信長が出てくるのをまるで知ってるかのような動き。まるで予言者や。恐るべし、謙信」

その時のTAMはまったく京を目指さず、そのままずっと北上して、東海、関東、北陸、奥羽を固めてしまった。

その時のわし「えらい、しょぼい信長やなあ」

その時のTAM「だって、謙信めちゃ強ですやん!」

他の駒がいる場所に駒を置くと、戦闘が始まる。
戦闘はさいころ勝負で、現役勢力がさいころ2個の大きい方の目、過去勢力がさいころ1個が基本。過去勢力というのは、自分の手番の最後に、駒を全て裏返して過去勢力にするのだ。だから新しい勢力で勢力図を書き換えやすくしている。

OEC「勝った。京とりました」

しかしその戦禍で、わしが立てた都マーカーは町にグレードダウン。大名には、都を立てる事の出来る奴がいて、都マーカーを置く。これは得点となる。都を立てる事の出来ない大名は、出現ポイントに町を置く。またこのように戦いに負けたら都は町へ、町は取り除くというグレードダウンが起きる。さらに

OEC「じゃ、京に城を建てます」

わし「おいおい、京に城は無粋やろお」

オビ湾「無粋っすよねえ」

結局、京を取るとそうしたくなるw

わし「じゃ、次は?」

オビ湾「義仲です。まずはこのイベントカードを使って、さいころを1個増やします。さらに駒を2個追加。ちなみに義仲はデフォルトでさいころ1個増える能力があるので、合計4個になります」

皆「おおお!」

木曽山中で、気勢をあげる木曽義仲。

義仲、強力なパワーアップで、史実通り一気に京をめためたにする気や!
こういう田舎武者はめちゃくちゃにしよるからなあ。

オビ湾「勝負…あれ、負け」

勝負に負けても駒がある限り何度でも同じ場所に戦いを挑むことが出来る。

オビ湾「もういっちょ…また負け」

わし「なんで、そんなに弱いねん」

オビ湾「くそう、もっかい…また負けた」

オビ湾義仲、さいころ4個振るも異常に弱く、木曽山中から出られず。
結局、京に届かず、お山の大将のまま留まる。


すでにこの写真がどの段階か解らん。当然といえば当然なのだが残念なのは写真に撮ると自分の駒は色だけでどの大名か解らんところだ。緑色のオビ湾が北陸制覇だけに終わったという。かなりびびってんけどなー。着実に伸ばしてるのはタメラのピンクだ。わしの青色平氏は這々の体である。

タメラ「なんか気勢だけでしたね」

まあ、京の人にとってはその方が良かったかも。

おごれる平家も久しからず

そこで奴が登場。

タメラ「源頼朝です」

頼朝といえば信長を押さえてこのゲーム最強の18駒。あっという間に、勢力図を書き換えた。

タメラ「じゃあ、相模に都を立てて鎌倉幕府樹立です」

と歴史的にはここらへんが武家政治の始まりとされてる。

OEC「ちょっと待った。次のエポックに行く前に、元寇です」

なんと3個艦隊が、九州に向けて上陸戦を開始。


OECモンゴル人が筑前に攻めてくる。

タメラ「え、OECくんてモンゴル人だったの?」

しかし3個艦隊、miaの神懸かり的なさいの目で1つも日本の土ふめず。
神風でした。

OEC「あっれー?」

ちなみに、この元寇で鎌倉幕府が地方勢力に任せたまま何もやらなかったって事が幕府滅亡のきっかけになったとされる。

そして第三巻。
南北朝時代。前回、頼朝で圧倒的優位にたったタメラはここで南朝を渡される。
まずは、足利政権から悪党と呼ばれた楠木正成のオビ湾からスタート。

楠木正成はかなり勢力は少ないながらも、巻の終わりまで過去勢力にならないというねばり強さがある。
そしてその勢力を最大限に生かすために、京は押さえたい。

オビ湾「じゃ、京をとります」

京はオビ湾の手に落ちた。

オビ湾「じゃ、京に城建てます」

わしら「なんじゃそりゃあ!」

これでうかうかと京は手出し出来なくなった。さいころ2個+1は強すぎる。

タメラ「じゃ、僕の南朝ですね。出現する前に京に疫病発生と」

あっという間に京、全滅w

さらにそこから派生した疫病が畿内に広がり、次々に駒が取り除かれていく。
そして露払いされた場所にタメラの駒が置かれる。

タメラ「じゃ、大和に都を建てて、南朝樹立」

南朝といえば、現役勢力でもさいころ1個という超弱い勢力。それが疫病に乗じて京どころか畿内に勢力を広げてしまった。

うっそーん。


わしの勢力はすでに九州大名として生き残るのみ。戦力の合計によって強い大名を取りやすくなっているので、しばらくここで力を溜めるだけ。相変わらずオビ湾緑はずっと四国を制覇し続けてる。誰もここにこんから結構美味しいんよなあ。

そして今回最大の大物、足利尊氏登場。

OEC「九州からなんですね。っていうか、相模を落とすとプラス3得点ってかなり遠い」

中国地方を制圧しつつ、くればいいものを、海域を通ってショートカットする作戦にでる。

わし「あ、海渡るんやったら、ちょっと讃岐によって行ったらええやん。うどん、旨いで」

四国はオビ湾土着の河野氏がずっと根付いて得点を重ねている。1つでも奪えば支配は抜けて得点が落ちるのだ。

OEC「ちょっと駒が足りません」

尊氏の長征が決まり、足利幕府樹立。


OECの灰色尊氏が四国のみならず瀬戸内海をも支配して一気に東下して足利幕府をたてる。

タメラ「待った。次に行く前に、足利義満のカード使います」

京にタメラの駒が3個と都(金閣寺?)が置かれる。

そんなん、あるんや。

一休さんと「その屏風の虎を捕まえてみせよ、一休」なんて禅問答してるのだろう。

第4巻。応仁の乱である。書いてて長くなったので、ここははしょる。
主な出来事は、わしが関東公方で関東堅めを行ったことくらいしか覚えてない。

そして4巻が終わった時

わし「下克上じゃ! 斎藤道三の登場」

わしのいっちゃん好きな道三のカードを使えるとは感無量じゃ。
道三の効果は、好きな国を自分の勢力に変えてしまうというもの。まさに国盗り物語。その場所は…

わし「ここじゃあ! のほほんと禅問答しとる京の国を盗る!」

京に意外と強力な3個スタックした義満は誰も手出しされずに残っていた。ここにわしの駒が3個置き換わる。


斎藤道三で下剋上の開始じゃー!! こういった特殊なカードは使える場所が決まっている。斎藤道三は4巻の終わりに使うよう指示されているのだ。即座に京都にある足利義満を3個わしの青色駒に置き換えた。

道三入道、見事国盗り! ここからが下克上の始まりじゃ。

第5巻。京はめちゃめちゃになる。

タメラ「じゃ、三好氏の登場です」

わし「三好三兄弟やな。あいつらしょぼいからなあ。京は駒3個あるからしんどいやろ」

タメラ「じゃ、一揆で」

京、炎上…(|| ゜Д゜)ガーン!!

またしても露払いに成功したタメラは、京の乗っ取り成功。
松永久秀らと共に、足利幕府を傀儡にしとる。

わしは、あえて九州勢力を取り、ここで九州支配に乗り出して順調に滑り出す。

わし「よっしゃ、最後の1個やけどこれを勝てば支配できる!」

タメラ「あれ、あきおさん、それ勝っても、支配出来ませんよ。ほら、ここ残ってます」

駒に隠れてて佐賀が見えへんかった。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

九州、こんなに駒あるのに、ただの過半数とは…

ここまで地方勢力ばかりをつかまされて沈黙してたmiaが名門をとる。

mia「今川ぁぁ?」

わし「そういうけど、海道一の弓取りと言われた男やで。短足やけど」

今川義元のカードには怨念がこもっており、京を獲ったらボーナス得点があるのだ。そういった大名ごとの特殊ルールはカードに描かれている。

mia「上洛する!」

果たして今川は海道沿いを進軍開始。尾張を押さえ、はたと進軍が止まった。

わし「上洛するには2通りの道がある。伊勢周りやと次に京やけど、伊勢から京は山岳になってて、相手にさいころが1個増える。美濃、近江周りやと2国落とさんとあかんけど、相手のさいころは1個のままいける。さ、どうする?」

※これ、ルール間違ってて当時は攻撃がさいころ1個減るんやと勘違いしてた。すまん、皆。

mia「うーん、美濃から行く」

ところが美濃の地侍が頑張って、今川敗戦。

mia「あー! ひどい」

駒が足りずになんと近江で手詰まり。今川上洛の夢が一歩手前で消える。


上洛失敗の今川氏。近江で頓死。ま、駒不足ってやつ。伊勢から登ると1マスなのだが、伊勢経路は山岳地帯となっており、相手のサイコロが1つ増えるのだ。意外と近江回りで失敗するケースが多いので伊勢経路が実はいいのかも知れん。

そして運命の第6巻。
ここまで得点は、タメラがぶっちぎりのトップ。2位に九州でヘタこいたわしとオビ湾がつける。戦えば必ず負けるオビ湾がなぜこんなに得点が高いのかは、手番の綾と四国の得点によるものだ。前のラウンドに後半を引いて次の手番が早ければ、前の勢力がやられずにそのまま丸々得点を貰う事が出来る。そういう巡り合わせが良かったのだ。

累計戦力の一番低いわしからカード選択権あり。

(う、武田信玄。どうする…)

ボードをちら見する。ここはなんつっても信長が欲しいが、わしに信長が回ってくる確率は非常に低い。おそらくぶっちぎりのべったのmiaが貰うだろう。

ならば、京を目指さずに関東公方のわしの勢力が残っている関東を狙って、信玄坊主を使い地盤を固めてしまうのも一計。怖いのは謙信。謙信はさいの目+1と恐ろしく強い。同点なら勝ちになる信玄よりも謙信の方が強い。目の敵にされる(ボーナス点がある)と、ラストラウンドに響く。
しかし関東固めにはこれ以上望みのない大名でもある。そして散々と他のプレイヤーの東海地方の完全支配を拒み続けた山に囲まれた甲斐に勢力を持つわしには天啓であろう。

わし「じゃ、貰う」

mia「何がいったのかな? あんなに悩んでたところから信玄あたり?」

(鋭いっ)

分配完了。まず間違いなく信長はmiaだろう。
大体においてやな、京取った! → 城建てた! → 皆「無粋やのう」 → 駒も増やした! → 一揆で全滅 → (|| ゜Д゜)ガーン!! ってのが京のパターン。ここは予定通り京を狙わず、地方を固めるのがいいはず。前回、九州で失敗した過ちは二度と繰り返さない。視認性悪すぎだ。

武田信玄の駒数はそんなに多くないので、兵力増強の前に念には念を入れる事にする。

わし「一向一揆じゃ」

3カ所で一揆を発生させる。これで露払いさせて信玄が乗り込めばいい。

わし「東海、関東のこことこことここじゃ!」

一揆ことごとく成功。

わし「…あれ? …ちょっと待てよ。これ結局、信玄の駒で進まんとあかんからこんなとこ一揆で勝ってもしょうがないんでわ?」

オビ湾「そうっすよ」

わし「これ、自分の駒、ダブつかせないと進軍出来ない?」

オビ湾「そうっすね」

わし「これ、ひょっとして関東、またしても駒不足で支配不可能でわ?」

オビ湾「ですね」

(|| ゜Д゜)ガーン!!

一向一揆の起こす場所間違い。痛恨のミス。取れたのに。。。

珍玄坊主「えーい、しょうがなし。京を目指せぇぇ!」


関東の一向一揆場所失敗で関東を支配出来ず。信じられない凡ミス。阿呆かつうの。しょうがないので京を制覇した。しょうがないので京を制覇したのは今回、この信玄だけ。

タメラ「まあ、あいつらは一回動き出すともう変更できませんから」

オビ湾「荒くれですからねw」

まだマシやったのは、謙信が出てこなかった事。確かに謙信を倒せばボーナス点が入るが、最終ラウンドで駒が残ってた方がやりやすいはず。

地方勢力の小競り合いの中、信長登場。

mia「よし、その前に南蛮貿易開始」

堺と博多マーカーを置くのだが、自分が支配している駿河に堺を作り、安岐に博多を置いた。

タメラ「安岐って、ど、どこが南蛮貿易なんすか。内海じゃないですか!」

ところが信長、それなりにしか勝てずに、京を押さえたものの、畿内で勢力を広げる事は出来ずに、ぶっちぎりのべったをリカバーするには至らず。

運命の最終ラウンド第7巻。タメラと点差は開く一方。またしても累計戦力の低いわしから選択権。

わし「あー、そうそう。この手番で伊達政宗引かされたら絶対に負けるらしいで」

わし「秀吉こい!」

(家康!?)

わし「うーん、どうしよかなあ」

普通なら家康引いたら大喜びだろう。しかしわしゃ家康が死ぬほど嫌いなんじゃ。
好きな秀吉が一応2位につけてるわしに回ってくるのは万に一つもない。背に腹は代えられんか。

わし「取るわ」

オビ湾「うーん、これは難しいですねえ。どうしようかな? タメラくんに渡すか」

ラウンドスタート。

オビ湾「長宗我部ですわ。もう四国ばっかり。本家です」

長宗我部も伊達と同じく戦力が厳しいが、なんせ手番の頭に行動出来るので伊達を引かされるより相当マシである。オビ湾が押さえる河野氏本家が四国でずっと残っているので、簡単に制覇出来る。自分の過去勢力は自動的に勝利出来るからだ。長宗我部は四国を平らげると

オビ湾「海に出ます」

そこからなんと畿内に上陸戦を仕掛けてきた。
1チャンスで京を獲る事が出来る。

オビ湾「出ろ!」

互角勝負の上陸戦は厳しく、チャンスを逃す。しかし、そこから連勝して畿内に長宗我部の勢力を置くことに成功した。

わし「長宗我部、頑張った」

オビ湾「頑張りましたねえ」

意外と点数が伸びた長宗我部。


近畿に足を伸ばした長宗我部。かなり頑張った。

その後、OEC秀吉が摂津に都を築き、東海、北陸、畿内とほぼ平定。

miaの石田三成が秀吉の勘気を被らないように、隙間を取っていく。

mia「うーん、三成は好きなんだけど、秀吉勢力をやっつけるとマイナスなんが痛い」

わし「じゃ、家康な」

mia「えー、嫌いなのに選んだの?」

わし「しょうがない」


わしの大嫌いな家康だが背に腹は代えられない。14戦力は魅力だ。秀吉亡き後、天下統一を果たすのみ。

関東公方→信玄→家康と関東系ばかり引いたのが功を奏して、信玄の残し忘れた部分を1カ所伊豆を埋めて、東海道を西上。次々に三成勢力を駆逐して、京を押さえる。

わし「家康は京を獲っとかんとマイナス点食らうからな」

最後に江戸に都を建てて江戸幕府樹立。


信玄の後を受け継いで見事に関東から京を支配した家康。これで勝負はついた。

わし「これで終わった。後は伊達が誰なんか解らんなー」

オビ湾「ねー」

タメラ「僕ですよ! もう。関東に打って出ます」

伊達は地方勢力なので奥羽を固めないとさいころが1個になる。
本来なら奥羽を固めて終わりという大名なのだが…

タメラ「江戸へいきます。このままやっても散々なんで、出て勝負した方がいいです」

というのは、奥羽はタメラの過去勢力がそのまま残っており、新たに平らげる意味がほとんどないのだ。
ゲームを通じて四国→オビ湾、奥羽→タメラ、関東→あきおであった。

独眼流、最後のあがきでなんと江戸、落城。都が町になる。


最後の図。これみても何が何だか解らんのう。。。

タメラ「これで終わりです」

わし「え、こんなけ? 伊達ほんましょぼいなあ」

タメラ「あー! 間違った。伊達、奥羽を制覇(現役だけで支配)しないとボーナス点入らなかった」

なんと、今までぶっちぎってたタメラが伊達効果で一気に撃沈してオビ湾と並ぶ2位になり、わしが勝者になった。。

確かに伊達、遅すぎ。歴史通り。政宗の歯ぎしりが聞こえてきそうだ。

江戸は伊達がぼろぼろにしてしもうたので、日本の首都は摂津にある大坂になりました。

所要時間4時間


ここでは得点及び、累計戦力を記録する。わしがぶっちぎり、オビ湾とタメラが同点2位である。

miaのコメント

これは硬派過ぎて私には辛いかも。まったく歯が立たなかった。
というか、あきおくんのさいの目が強すぎて歯が立たない。

オビ湾のブログより

武家政権の始まりから終わりまでを七つの巻にわけ、時代ごとに歴史上の登場人物を操る。
各プレイヤーが特定の一族を使い続けるということはなく、毎巻ごとに「破滅の13」にも似たシステムで自分の勢力を割り当てられることになる。

ゲームはスモールワールドに似た形式で、地域ごとに勢力が置かれている数で得点が発生する。
各時代では歴史人物毎に登場順番が決まっており、これがうまいこと歴史をなぞるような展開に誘導している。

戦闘はサイコロなので、運次第で歴史が大きく変わる。
このドラマがヒストリー・オブ・ザ・サムライの魅力だ。

中盤まででダントツ1位にたったタメくん、続いて太平洋側でそつなく点を稼ぐakioさん、稼ぎはしたが盤面に駒が少なくなったOECさん、四国に閉じこもるオビ湾、毎回激戦区に登場しては喰われる不運なmiaさん。

タメくんのダントツ以外は上位混戦のまま突入した最終巻。
そこでakioさんから“最終巻で伊達と長宗我部だったやつは負ける”というジンクスが・・・。
そしてまんまとオビ湾にくる長宗我部、お返しにタメくんに伊達を献上する。
長宗我部はオビ湾領の四国、伊達はタメ君領の奥羽。
お互いに既に占領下にある土地なのでほぼ無意味な登場。
それでも長宗我部は先手番なのでそこそこ頑張れたが、伊達は最終手番なので盤面は敵陣だらけで場所は偏狭。この空しさはリアルすぎる。

結局あれだけリードしていたタメ君は一気に落ち込んでオビ湾と同率2位。1位は徳川将軍akio。
OECさんは盤面に駒が少なくなったことが響いた。miaさんは最後まで強者の暴力に振り回されてしまったようだ。

受け取るカードやサイコロ運で得点力が大きく変わるけど、そのアンバランスがあっての面白さ。

TAMのコメント

やべえ、これおもろすぎ。ルール間違ってたけど、すぐ再戦希望!

ソマーリオ

以上、長々と書いたが、プレイ時間も最長なら、レビューも最長やった。なんせドラマがあるので書くことが多い。

日本の歴史をわずか4時間で再現した(?)と言えるが、日本史が好きな人ならたまらん内容やったと思う。あのときはルール間違いしてたけどTAMは大絶賛だった。司馬遼太郎先生の大ファンであるわしも押したいところだが、欠点がある。

それはなんつっても視認性の悪さ。ただでさえ紙の駒を大量に使うのにマップの色と駒の色が非常に似通っており、得点するときに確認に時間が掛かる。保護色のような場所もあって、一目で誰がどの場所を陣取ってるか分からないのだ。また他のプレイヤーの駒との区別も付きにくい色がある。これは陣取りゲームとしては失格だろう。

また大名カードの文字もやたら小さくてわしのような老眼には読むのに一苦労する。大体において、大名特有の重要な特殊ルールがまるでルールの念押し程度のような小ささで書いてあるんは納得がいかない。重要なルールなんやから、大きく書けっつうの! 重要な文言を大きくしたシールを作って貼ろかなと思ってる。

そういった事があって、ゲームに没頭出来ないのがあまりに残念。さらに打ち抜きが甘くて、そのままでは指で駒を打ち抜く事が出来ない。カッターを入れなければならないのだ。それはカードもしかりで、ハサミを入れないとびりっといってしまう。ボードがぺらぺらの紙なのはシミュレーションゲームの宿命とまだわしは許せるとして、あまりにも酷いコンポーネントである。これで5800円は酷すぎる。

シミュレーションゲームというのは元来そういうのが多かったが、既にドイツゲームの快適環境になれた身としてはある意味驚く。

視認性をよくするために、ボードはチケライのように白を基調としたものにすべきだ。ほんま、デザインした奴は奥ゆかしい小さな文字といい、何を考えてこんな駒と同じような色を用いたのだろう? 阿呆かっつうの。

都や町、城、堺と博多のタイルは丸タイルにすべきだ。いや、せめてタイルの大きさを変えるべきだ。

そうして視認性をよくすれば1時間は早く終わると思う。

なんか別の駒を代用してやろうと思う。一番いいのは本家ヒストリーオブザワールドからの流用だろう。ヴィンチなどの木製駒が一番いいと思うのだが、過去の勢力を表す事が出来ひんからなあ。

さて話を戻して、本家ヒストリーオブザワールドは未プレイだがブリーフヒストリーオブザワールドのルールを読むと、骨格はほぼ同じだが戦闘や得点計算、カードの選び方が若干違うようだ。タメラによると現行のブリーフヒストリーオブザワールドは、元のヒストリーオブザワールドを上手く改良して短い時間で終わるようにしてプレイしやすくしているらしい。

相手の手番にも戦いが起きるという事で暇な時間を無くしている。
日本は特に京という重要拠点を巡る争いになるというのが本家よりも楽しい要素だと思う。こうしてみると、京を奪いにくるのは東からばかりで、板東武者とか言うけど、ただの強盗みたいなもんや。と司馬先生のおっしゃるとおり。

時間は4時間と掛かるのだが、ルールは簡単ながら興亡が上手く描かれている。ここらへんは、ビンチやスモールワールドなどにも活かされていると思う。さいころを振る率が非常に高く、ぺらぺらの紙にバウンドすると一瞬にして勢力が変わってしまったりするので、ダイスタワーなどを用いる必要がある。

5人プレイが最適人数というのは、各ラウンドごとにあるカード枚数が影響しているからだ。1枚出てこない事で、ドラマが生まれるように仕組まれている。今回では上杉謙信が出てこなかったのでわしの関東支配が強まった。人数が少ないと家康と三成を同じ人がやったりするので、なんだかなあとなるようだ。

大名カードのドラフトはおもろいと思う。累計戦力で見ることで運の悪い人でも後半の得点が大きくなる事でうまく巻き返しが出来るようになっている。最後に伊達を握らされない事が勝利の秘訣かも知れん。

エリアの得点については若干ややこしいが、得点表が付いているのでこれをコピーすれば割り出せるようになっている。エルグランデのエリア1つが、地方全体となっているという事だ。国ではなく地方で得点精算するようになっている。

ただ、この得点シートがこなれていない。京、相模、筑前は政治的中心地でここを押さえると1点入るのだが、京なんかは地方としてみても1カ国しかなく、最初からそっち側に1点加算しとけばええやんけと思った。よく加点を忘れるのだ。また政治的中心地と書かれてもさっぱり解らないのでそこを地名にしとけやと思った。その他、感覚的に分かり難い九州から書いてるところとか、海域が下の方にあったり(忘れないように地方の得点の後すぐにチェックしたい)、都しか2倍にならないのに、1× 2× と書いてるところとか分かり難く、城を落としたら得点項目もない(今回書いてなかったので逃した)。

こうしてあげるだけで値段に見合わないところがあり、ドイツゲームから入った人や、初心者には勧めない。システムの良さだけでなく、コンポーネントも含めた評価をしているので、当然はなし。ただし、歴史が好きな人には一度でいいからやって貰いたいと思う。それっぽい歴史になるのだ。

またJyamaの話によると最近、日本産のシミュレーションゲームが熱いと世界で評判らしい。このゲームもコンポーネントの視認性の悪さ意外は非常に上手くまとめているように思う。

わしゃ、とりあえず世界史版も欲しなったので、ブリーフヒストリーオブザワールドも注文した。駒の流用も出来るし。もう少し短い時間で歴史を再現したいのなら、ビンチやスモールワールドをやればいいと思う。ただしこちらは完全に架空の世界である。それっぽい歴史と架空の歴史では似ているようで大きく違うものだ。

gioco del mondo