Gabriele Ausiello
Virginio Gigli

Pegasus Spiele

1〜5人用
90分

ファーストラット

ネズミ達の住むガラクタ置き場では、お月様はチーズでできているという言い伝えがあった。ガラクタの山で月への初着陸のコミックを読んだネズミ達は、この無尽蔵のお宝を求め、一斉に月への冒険を開始した。

プレイ感

上に書いたのはルールブックに記載されているフレーバーテキストで、COQがロマンがあって面白いとイチオシのゲームである。
今回、珍しくテンディズに出張してタナカマ、COQ、そして初めて一緒にプレイするえりえりとの4人プレイにて。


簡単に書くと選んだ数だけ勧めるすごろく風ワーカープレースメントである。これを英訳するとワーカームーブメントと呼ぶ。
1個だけなら5マスまで、複数進ませる場合は、3マス内の自分のネズミが止まっている同じ色のマスまでという制限がある。無限に進ませるシステムならくにちーのツタンカーメンを思い出した。


最初2個のネズミコマを動かして、アイテムやアクションを行っていく。ボードのあちこちに得点トラックがある。
これは達成した順に四角の得点駒を置いていくのだ。というわけで手元にはたくさんの得点駒がある。

さてシステムとしては、止まったマスに描かれたアイテムや効果を適用していくだけである。あちこちに勝利点マーカーがあるが、早い方が得点が高くなっている。
例えば、宇宙ロケットを作る素材(アイテムタイル)を集めるだとか、電球マスを進めるだとか、妊活ゾーンでボーナス点を取得するだとか、ゴールするだとかそんな感じだ。

それぞれに細かいルールがあって、手元にルールブックがないため、あまり詳しくは覚えていないが細かく書いてもしょうがないので要点だけ。
基本的に、アクションに対する+1個、+2個などプラス効果を加算計上していく。こうすることで、本来ならタイル1枚しか貰えないところを3枚貰ったりと、マスに止まった効果を大きくあげていくことができるのだ。

最終的に最初に配られた一人の得点マーカーが規定数置かれたら2周回ってゲーム終了である。


右に密集しているネズミ駒が妊活ゾーンの追加駒である。周りにある小さいネズミ駒を移動させてくるくる回すことでこの駒を登場させたり、得点を得たり、特典タイルを得たりできる。じつはここにスーパーヒーローのタイルがある。

さてゲームは、ルールブックを読み込んで、2回目のプレイであるCOQが最初から単独で飛ばしまくる。

COQ「このゲーム、先行が有利なんですよね」

あ、なんか、聞いた。

なんか、ごっつ前もそんなセリフ聞いたぞ!

宝石の煌きや!

他人と同じマスに止まると、チーズを渡さなければいけないのである。
最初に止まりたいマスというのは実はある程度決まっていて、後ろのプレイヤーが配られるチーズが多いものの不利なのだ。

えりえり「ちょ、これ最初のプレイヤーのチーズ、0個でいいんじゃね」

ぼったくり店長「そうっすよね」

ただ、えりえりも店長も、割りとこのゲームのシステムにいきなりなじんでいて、わしだけ取り残される。

チーズを渡すルールのため相手の手番が自分の手番に影響される為、相手の手番中に考えても覆されてしまうのと、最適手を探すタイプなので、非常に長考しやすいゲームとなっている。


ゴールに向かって進めるのだが、複数の駒を動かす場合は、同じ色というルールが効いててなかなか思うように進めない。
ちなみに同じ色のマスであっても効果は違う。右下に漫画風のアクション表がある。

やべぇ、わし、全然ルール頭に入ってこんわ。
+効果が加算計上されるので、めっちゃ忘れてしまう。

わし「えーと、これでお酢が2個になって、ベイクドパウダーが4個? あれ?」

えりえり「いや、お酢が4個で、パウダーは2個、それはさっき計算したでしょ、おじいちゃん」

わし「えりえり姉さんや、すまんなあ」

COQは最初にスーパーヒーロー、ラットウーマンを手に入れ、お店から無料でアイテムをゲットしていくのに対してぼったくり店長は、ひたすらお店で盗みを働き、スタートマスに戻るを繰り返す。
まるでリアルな生活のようだ。

※このゲームではランダムにでてくる妊活ゾーンに3匹のスーパーヒーローコマがある。それぞれ能力は違っているものの、まさに効果はスーパーなのだ。


似たような写真ばかりで申し訳ないが、各踊り場にはお店があって、ここで特別な効果をするタイルを購入できる。後に出てくるエナジードリンクもここで売っている。

わしは残ったヒーローであるラットストロングを手に入れる。こいつは一人だと無限に進め、最後のゴールボーナスが2倍になるという特徴がある。

わし「よし、わしもこいつで盗む」

えりえり「スーパーヒーローは盗めないって話してなかった?」

めっちゃルール覚えてるやん。

その時点で勝ち目が薄い。やはり年寄りには無理か。

ぼったくり店長も理解しているらしく、それなりの手をうってくる。

COQの効果を2倍にするエナジードリンクタイルがトドメに炸裂した。

COQ「じゃあ、この電球を10マス進めるマスでエナジードリンクを使うので20マス勧めます」

わし「20て!」

わしとえりえりが、とぼとぼと進めていた電球を光の速度で追い越して、得点コマを置きまくった。

もう少し考えて進めればよかったものの、こうなっては、複数コマを進める連携も上手く取れず、荒波に揉まれるのみ。

終わったとき、まるで瓦礫の中にわしら3人が埋もれ、COQだけが高所にて高笑いしている、そんなイメージであった。
とくにわしは恥ずかしいくらいの沈みである。

所要時間60分


マスの横に小さな電球のマス目がある。これがCOQが20マス進めた電球マスで、ここに進めた以前のマスは効果が+1される。これがまた見難く忘れてしまう要素だ。
こうするとよくわかるが、四角の駒があちこちの得点トラックに置かれている。
得点計算は、これらを集計する必要がある。

えりえりのコメント

これ前からやりたかったのよ。面白かった。

ソマーリオ

要素があちこちにあって、ゲームとしての見通しが非常に悪く、ルールをたどるだけで精一杯やった。
これほど多くの得点トラックがあれば、何をしていいのかさっぱりわからなくなる。

特に気になったのは、効果の加算効果で、計算がものすごく煩雑で、ぼったくり店長も間違ってしまうことがあった。これが+1、これが+1…、あ、これも忘れてた、みたいな。

アイテムの集め方も、きちんと計算されて作られているのだろうが、組み合わせに応じた得点に必然性を感じられないため、ぼやっとした印象を受けてしまった。妊活ゾーンで小鼠をくるくる回すのと、このアイテムとの得点との違いが理解できない。まるで違うものを比べさせられている感じがする。

プレイ時間については、長考しないメンバーだったのでこの時間で済んだが、長考メンバーならこんなものではすまない。それは先に書いたように、相手の手番で自分の手番を考えられないというのが原因となっている。
完全情報公開ゲームで、最適手を探すタイプなのもそれに拍車をかける。

というわけで、ジョーコデルモンド初期の頃から書いているように、わしにとっては鬼門とも言うべきシステムであった。

作者の一人、ヴァージニオ・ギリはエジツィアの作者の一人で、あのシステムをさらに発展させたものとしてこのゲームを開発したようだ。

メーカーはこのゲームに非常に力を入れているということだった。
コンポーネントをみれば分かる通り、タイルやアクション表などの品質がZochやHABAと遜色ない。絵柄についても漫画チックに描かれており、フレーバーテキストと相まって、抜群の可愛さを誇っている。
またボード裏面では、すべてのマスをランダムに配置できるようになっており、飽きない作りとなっている。
ただし、ゲーマーズゲームに、このようなテーマでマッチングしているのかという疑問は残る。子供は、多分出来ない。

これを書いていてふと思い出したのがウイッチストーンである。あれもあれこれと複雑なアクションが盛り込まれていたが、初回プレイ時でもこれほどの見通しの悪さや、要素の違う勝利点の妥当性に疑問はなかった。理由は解らん。

とまあ、かなりわしの苦手なタイプのゲームであったので、批判ばかりを書いてしまったが、これはあくまでわしからみた評価である。
ちょうど、COQサイドでも同じセッションの評価をしているので、見比べてみると面白いと思う。弁護士と検察みたいな、なかなかに興味深いレビューマッチになっていると思う。

全然関係ないが、高校生の頃読んだ氷室冴子の渚ボーイ、多恵子ガールみたいな両方からのモノの見方を思い出した。

gioco del mondo