Stefan Feld

Eggertspiele

2〜5人用
45分

倉庫の街

駿河屋で購入
1900年のハンブルグ。この倉庫が集まった港町は、Speicherstadtと呼ばれる独特の街並みを形成していた。そこには、世界中から集められたスパイスやコーヒー、紅茶、カーペットを収容するため、運河と橋が網目のように張り巡らされていた。
プレイヤーは、ハンブルグの倉庫街全盛時の卸売業者となって、できるだけ安価で倉庫へ納める積む荷を買収し、できる限り多くの利益を獲得できるように売却する。期間は1年間。春夏秋冬を通して、最良の取引をして顧客へ商品を提供したプレイヤーが勝利する。ただし、突然発生する火災は、多額の損失をもたらす。そのため、火災対策の投資も必要となる。

プレイ感

メビウスで取り扱ってないんであまり話題にも上ってなかったんやけど、フェルドがいつの間にやらこんなゲームを出しててんなあ。アマゾンで少し安くなってたんで買うた。フェルド嫌いなmiaと二人プレイにて。


カードに対して駒を順番に置いていく。で、手前の駒のプレイヤーから順番に、そのカードを買うかどうかを決めていく。値段は駒が並んでいる数。つまり欲しい人が多ければ値段があがる。要らないと思えば、駒をどけて次の駒の持ち主が買うかどうか決める。こうしてカードに書かれている勝利点で勝敗を競う。


欲しいカードに順番に駒をおいていく。そして手前から駒の数だけの値段で買うかどうかを決めていくのだ。
コインはなんと銀紙が貼られたとても豪華な仕様。まさに銀貨って感じだ。またスタートマーカーはほんまもんのコインである。

わし「ほれ」

mia「ぎゃ」

わし「どや、おもろそうやろ」

mia「見るからに苦しそう。つまんなさそう」

わし「まあ、そういうな。ルール読むと非常にシンプルでおもろそうやで」

カードで重要なのは契約書と船。船は商品をランダムに3個積んでやってくる。契約書は求める商品が描かれており、船からの商品をこの契約書に載せていくのだ。で、全て揃ったら得点が入る。


船カードが出るとランダムに積み荷を3個乗っける。下に並べているのがわしが落札したカードで、特殊能力はアイコン化されてて分かり易い。

基本構想はこの通りだが、他にカードを買えばすぐに得点になる奴とか、商品を買うて現金化できる商人カードなどがある。

そしてこのゲームで一番の肝となるのが、消防士である。このゲーム1年間を描いているのだが、季節の変わり目に必ず火事が起きる。その時に消防士パワーをみて、一番の人は火災の規模だけ得点を、べったの人は失点する。これがかなりでかいので消防士カードはかなり重要なのだ。


これがその消防士。競りが超熱くなってるのが解ると思う。わしから順番に4銀貨で落とすかどうかを決めていくのだ。結局これは最初わしがパスしてmiaが3銀貨で落とした。

わし「じゃ、わしが先攻したるわ」

mia「確か、フェルドって先攻が絶対有利じゃなかったっけ?」

うーん、そうとも限らんけど、順番の有利不利はかなりでかいデザインをするかな。


これが契約書カード。序盤にしか出てこない。契約にあった荷物を載っけると、下に書いている勝利点が手に入る。例えば左はコーヒー、お茶、絨毯と達成しているので8点入る。

二人プレイなので、場には毎回3枚のカードが並ぶ。

欲しいカードに自分の駒を置く。

後ろにmiaが駒を置く。

わしが別のカードに駒を置く。

その後ろにmiaが駒を置く。

わし「ちょっと待った! これ先攻かなり不利なんですけど?」

わしが買おうと思ったら2銀貨掛かる。もしそれを買わなければmiaは1銀貨で買えるのだ。

まあ、先攻後攻は持ち回りやからしょうないか。
それにしても相変わらず順番の綾がでかいデザインするなあ。


ゲームの後半、消防士不足で散々に火事にあったわしは大きく得点で伸び悩み、ここで消防士を強化する作戦にでる。なんせ最後の大火事は±4なので、これだけは避けたい。

意外とあっさりしたプレイ感。

カードは4つの種類に別れており、順番に出てくるようになっている。
最初は、契約カードが多いがこの時点では何も達成出来ない。船が出てくるのは次の山からだからだ。

消防士については、強いという評判を聞いていたので、最初に説明しておいた。

かなりの金をかけてmiaが落札。

ただ思った通り、お金が足りない。欲しいものを絞って買わなければいけないのだ。
また、やらしいプレイを心がけるなら、欲しくなくても値をつり上げるために駒を置くのも必要だ。

そして火事が起きた。最初の火事はぼやなので、±1だけである。消防士を諦めたわしが失点。

しばらくして船が出てきた。船カードが出るとランダムに商品を3個取り出してその上に乗っける。

お茶、サフラン、ゴム、絨毯、コーヒー、各9個ずつある。これらは一度使えばゲーム中二度と出てこず、また最後には全て出てくるので、船カードは合計15枚あるという事になる。

わしは倉庫の街というタイトルから、倉庫を手に入れた。倉庫には商品を4個までキープしておく事が出来る。
というのは、通常、船荷を降ろすと次のフェイズですぐに、契約書に載せるか、商人に売るか、市場で交換するかをしなければならない。契約書は契約に則った商品でないと駄目だし、商人は対応する商人カードを持ってないと駄目で、市場の交換レートは高い。唯一、市場は1個だけならキープしておく事が出来るのみなのだ。
後々の事を考えて倉庫が欲しくなるのは当然だ。


消防士はどちらかを取れば勝てる見込みがたったので、数が多いほど得点が高い商館に狙いを定めた。miaもそうはさせじと載せてくる。

お金に困るゲームなので、なんとかコンスタントに金銭を集めようと商人カードを落とすが、それでもまだきつい。ラウンドの最後に1銀貨収入があるが、それではまかないきれないのだ。その時、銀行カードが出た。
これは最後の収入を+1銀貨するもので、当然無理をして落とす事にした。

最初のうちは何度か火事に見舞われたが、途中から消防士を手に入れて大火災を免れる方策をとり始める。なんつっても最後の火事は±4もあるのだ。その差8点はでかすぎる。

最後の方は船が続々と入港してきたが、最初に契約書をあまり買うていなかったので、二人ともスルー。

結局、金を常に手元に持っていたわしの圧勝。

mia「どうして、この手のゲームになったらいつもお金持ってるのか不思議だ」

わし「お金を残すようにゲームしとんの」

所要時間45分


最終的にお金ががっつり残ってしまった。とりあえず勝利。

二度目は、最初にきちんと契約書を買うてないと、最後は船ばかりになるので、まったく意味がないと気づいたので、なるべく契約書を買うようにした。

ところが、その結果、消防士を怠った。
全ての火事を食らうわし。

ぶっちぎりで負けてしまった。

mia「やった! フェルドで勝てた!」

さすがに合計±10はでかすぎる。消防士はあまりにも強い。二人プレイなら失点だけにした方が本来の倉庫を活かしたプレイが出来る気がする。

miaのコメント

フェルドは嫌いだけど、このゲームは珍しくも良かった。消防士はちょっと強すぎるかな。

ソマーリオ

まあ、フェルドらしからぬあっさりしたプレイ感。お金は確かにきついが、お金がない故に、カードの売り買いも諦めが早くて苦しさはまったくない。どないしたんや? フェルド、と言いたくなる。

プレイ感はサンクトペテルブルグに似ているし、なんとなくルールもそんな感じだ。
ただあっちは熟練者には勝てないというのがあるが、こっちはもう少し誰でも勝てるように出来ており後で負けた原因が解りやすいように感じる。

※わしゃサンクトペテルブルクの勝ち筋がよう解らんのよ。貴族をどのタイミングで買えばいいのか解らん。

というよりマカオのややこしい部分を全て取り除いて、貿易部分だけを抽出したのがこのゲームといっていい。やりたい事だけが上手くクローズアップされており、ゲームのキモがよく分かるよう仕上がっている。

消防士が強すぎるというのはあるが、基本競りゲームなので、プレイヤー自身がバランスを取るだろう。もうちょっと弱くしてもいいと思うけど。
競りといってもお金が少なく選択肢が多くないので、相場はそんなに難しくはない。

コンポーネントは、大したものはない代わりに、お金に銀紙を使っており、高級感を漂わせている。スタートマーカーは本物のコインという凝りよう。ここでメーカーが価格をあげてやるぜというのがみえるが、そんなに悪い印象は持たなかった。折角スタートマーカーをコインにしたのだから、これもお金として使えるようにしたらおもろかったかも。

誰がやっても短時間で楽しめる良いゲームやと思う。フェルドには珍しく。その分、濃いフェルドファンのわしには若干物足りないところもある。

gioco del mondo