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Alex Randolph
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Jumbo
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2〜4人用
30分
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トロイの木馬
遙か昔の伝説として語り継がれるトロイ戦争のように、ギリシャの勇敢なヒーロー達は巨大な木馬に身を潜めています。ヒーロー駒は木馬の上部から滑り込み、足下から抜け出てトロイの区域を占領することができます。
トロイの木馬をずる賢く、狡猾に利用した者だけが勝利を手にするのです。
そう、あなたはこのゲームに勝つだけではなく、神話においても勝利をもたらします。
プレイ感
ランドルフにはまり仕掛けと駒が超可愛くて買うたのだが、すっかりやるのを忘れて棚に眠ってた。今回4人ゲーム会だったのを機にやってみる事にした。タメラ、ロー、miaとの4人プレイ。
わし「これやったことある?」
タメラ「ないでーす」
わし「というか、この和訳ってローさん、あんたやんけ。名前書いとんで」
ロー「えー! 訳した記憶がない。やった事はある気はするけど」
おいおい。
中身を出したら、その可愛さに皆、テンションあがりまくり。
中央部にトロイの木馬があり駒が2個入っている。各エリアにはボーナスカードが置かれている。
わし「じゃ、適当に色を決めよう。わし黄色、タメラ緑、ロー青、mia赤のいつもの色でええな?」
皆「オッケー」
何々、赤色は絶対参加で、勇者オデュッセウスになると。オデュッセウスは駒を3個になるように補充する役目がある。
わし「オデュッセウスはmiaやな。やれよ」
mia「了解」
準備として、各エリアにボーナス得点カードを裏向きのまま配置する。それからオデュッセウスが袋から兵士駒を2個取り出して、トロイの木馬に挿入する。それからオデュッセウスは袋から兵士駒を3個引いて場に置く。
オデュッセウス役は常に3個補充するように兵士をひく。手番には駒数を宣言してカードをめくり、宣言した数以上なら木馬に対して駒を入れる事が出来る。
手番になると、木馬に入れたい兵士駒数を1〜3個宣言する。それからその宣言通り出来るかどうか山札からカードを1枚めくる。カードには0〜3個の兵士の絵もしくはポセイドンの三つ叉の絵が描かれている。宣言した数以上ならば、実行可能となり、場にある3個の駒から好きな順番に木馬に挿入していく。木馬は挿入する前に好きなエリアに向ける事。そうするとところてん式に1個がぽろりと木馬の足下に出てくる仕掛けとなっている。出てきた兵士駒をそのエリアに配置する。
もし宣言した数未満なら、手番はパスとなり次のプレイヤーに移り、三つ叉なら場に伏せているボーナス得点カードの2枚の位置を交換し、さらに宣言した数に関係なく3個挿入出来る。
エリアに自分の駒が2個置かれたら、そのプレイヤーはエリアにあるボーナス得点カードをこっそりと見ることができる。またエリアの最大駒数は7個までと決まっている。
好きなエリアに向けて駒を挿入するとところてん式に押し出されて駒が1個ぴょこっと出てくる仕掛けとなっている。
こうやって全ての駒がエリアに配置されたら、得点計算。ボードに描かれた得点+ボーナス得点カード+エリアに置かれた兵士駒の数が1エリアの得点で、そのエリアに一番多くの兵士を置いているプレイヤーが総取りする。ただし一番多いプレイヤーが複数いる時は、その次に多いプレイヤーが得点できるというはげたかの餌食システムである。合計点が高いプレイヤーが勝利。
このゲームのポイントはずばり、中の2個の兵士の色を覚えてられるかである。
mia「あ、やばい。何か忘れた。というかこれ、鬼トレやってる人強いんじゃないの?」
そうまさしく鬼トレでやる2バックと同じで、短期記憶をどれだけ持てるかのゲームである。
しかし鬼トレを持ってるわしも、別のゲームばっかりやってて鬼トレはほとんどやってないからあまり変わらなかったりする。
タメラ「僕の駒が多いですねえ。じゃあ、まずは2個」
カードをめくり宣言した数以上なら挿入する事が出来る。
タメラ「三つ叉です」
三つ叉はカード交換と3個挿入できるのだが、カード交換は中身をまだ誰も見てないので無意味である。
タメラ「3のエリアで挿入します」
上から駒を押し込むと、足下にぽろりと兵士が出てくる。タメラの記憶通り緑の兵士である。
エリアはほとんどが0点なのだが、3のエリアが一カ所だけあるのだ。+3点が確定しているので、当然熱くなる。
左上に見えるのが宣言したら引くカード。これは3人なので、どんな数であろうと正解だ。
わし「よーし、じゃ3個」
引いたのは0個の外れカード。
そこから1巡するあいだに、様相はがらりと変わってくる。
タメラの緑軍団は非常に好位置につけており、わしの黄色の駒は皆に流されるまま、へぼい場所にどんどんと降ろされる。
1手番パスはかなり痛い。
ちなみにこのゲームでは3個の宣言は非常に意味がある。というのは、今回1個目に入れた兵士駒は同じ手番中に出るからだ。
わし「わしも3のエリアに降りたい!」
ここで記憶を辿る。2個目に黄色の兵士が入ってるのは間違いない。
そこで2を宣言する。
3のカードが出て、2個挿入できる。
わし「よっしゃあ! 1個目は適当に、2個目はここに」
黄色の兵士が3のエリアを攻め立てる。
わし「うっひょおおお、やったぁ! どうじゃあ、見たかあ!」
ロー「あれ、あきおさん、それって…」
わし「あ…」
現在、わしの駒が1個、ローの駒が2個、miaの駒が2個、タメラの駒が1個である。
さらに今さっき、さらにわしは黄色の駒を突っ込んだので木馬の中に黄色の駒が1個入ってる。
タメラ「これはラッキーですね」
タメラは、さくっと2個を宣言して、2個目に挿入されてるわしの駒を3のエリアに降ろす。
これで最大数の7個に達したのでこれ以上は降ろすことは出来ない。
はげたかルールにより、タメラがその場所を確保。
しまったぁぁぁぁ!! (|| ゜Д゜)ガーン!!
ロー「阿呆かあ!」
わし「すまん」
2個も無駄にしてもうた。
タメラ「これって、伏せてるカードが解らなくても10点確定ですよね」
わし「ほんまや」
兵士数が多ければ得点もあがる。
タメラ「こういうゲームは目立ったら駄目なんすよねえ」
mia「あ、これタメラくんのだった…」
タメラ「やった」
またしてもタメラに好アシストして、タメラぶっちぎりの様相。
わし「早よ、補充しろや」
mia「あ、忘れてた」
mia「えーと、何が入ってたんだっけ、なんだっけ。というよりこの補充の手間で忘れんのよ!」
ロー「しょうがないじゃん。オデュッセウスなんだから」
タメラ「そうですよ。勇者なんですから」
しかし、まじでそれで忘れるというのも解る。
ぶっちぎりのタメラがオデュッセウス役を交代する事にした。
結局わしは何の見せ場もなく、他人のダシに使われてゲーム終了。
タメラ、ぶっちぎりの勝利。
わし、0点。
(|| ゜Д゜)ガーン!!
所要時間30分
最終形。中に入っている兵士駒はダミー兵士を使いすべて外に出される。
タメラのコメント
いやあ、これはコンポーネントも可愛いし、内容も素晴らしかった。
ローのコメント
前にやった時の記憶はあんまり無かったんだけど、こうしてやってみると面白かった。
miaのコメント
オデュッセウス役は結構きつい。
ソマーリオ
こういう仕掛けがたっぷりのゲームは、子供用ゲーム以外はロングセラーになりにくいが、このゲームは絶版になっているのは惜しいところがたくさんある。
まずは見ての通りのコンポーネントの良さは、非常にキャッチーで初心者にゲームの世界を引き込むのに丁度いい。大きなトロイの木馬がずでーんと中央にあり、兜をかぶった兵士駒がいる。そしてトロイの駒に実際にその可愛らしい駒を挿入する。これだけで十分、魅力的なゲームに映るだろう。
テーマとしてもトロイの木馬の話を知らない人はいないし、それが実際に木馬に乗り込むのだから、テーマとシステム、そして仕掛けの合致性は他に類を見ない出来だ。
最近のゲームは確かにコンポーネントは立派だが、別にそんなに立派なコンポーネントじゃなくても良いというオーバーコンポーネントが多くなってきている。メーカーがものに付加価値つける為の手段なので、否定する気はないが、このゲームをみると、コンポーネントは必要だからこそあるべきだなんて思ってしまう。
ゲームとしても、エリア内の数が多ければ得点できるという、ドイツゲーム普及の最大のシステムであったおなじみの陣取り方式が採用されている。また、記憶を活かしたところ、得点カードの隠し情報や、宣言制度を採用して運の要素を入れるなど、単純なルールながら、ドイツゲームの長所がふんだんに盛り込まれている。
そしてトドメのはげたかルールである。
このゲームに足りないのはもはやブラフくらいじゃないかとさえ思う。
運の要素は強めだがランドルフらしく非常に洗練された単純なルールのおかげで、大人から子供まで、初心者から熟練者まで、楽しめるゲームで、やはりランドルフは偉大だ。そう思わせるゲームだった。
そういや同じテーマでくにちーのイリウムってのもあったな。あっちは発掘か。