Matt Leacock

Pegasus Spiele
Hobby Japan

2〜6人
15分

キルクス・マクシムス

駿河屋で購入
「キルクス・マクシムス」では、プレイヤーは古代ローマの戦車競走の騎手となります。
ダイスを使い、土埃舞う競技場のサーキットを二周し、戦車を操って一位を目指しましょう。
あなたは戦車を加速や減速させ、巧みにレーンを切り替えていきます。
相手を攻撃する事もできます。槍を投げつけることも、間接的に行き先に鉄びしを撒くことも可能です。
運命の女神があなたに微笑めば、レース中に戦車を修理することができるかもしれませんし、それが必要な事態もあるでしょう。

プレイ感

前回のレビューで、やはりルール間違いの指摘を受けて、再度やり直すことにした。いくらなんでもあれはないよなあ。
ちゅうわけで、レビュー差し替え。


サイコロで進むゲームだが、サイコロの目は進むのに費やされるのではなく、スピードをあげたりさげたり、コースを変えたりに使う。
スピードがあがると、振れるサイコロの数が少なくなり、コントロールしにくくなる。

サイコロの振り直しは1回のみ。それ以上振りなおしたければ、幸運の女神メーターを減らして振り直しができる。


コース全景。微妙にコースに差があるので、トップタイという状況はない。前の駒から移動を開始する。


個人ボード。左が耐久性、右がスピード、上が幸運の女神である。例えば今ならサイコロを5個ふり、4マス進む状況にあるという事だ。

スピードが決まると、それに従って、駒を進めていくのみ。手番は先頭のプレイヤーから順番に行う。最初に2周回ったプレイヤーが勝利である。

というわけで、よーいスタート。

最初のスピードは4だが、ここはあげていくのが当たり前。サイコロの目は上下できるのと、2段階強制的にあがり、ダメージ1受けるのとある。忘れてたが、ダメージは他に攻撃を受けたりしても下がり、スピードはそのダメージ以下に落ちる。


サイコロ。レーンチェンジにはそういうサイコロの目が必要。後はスピードの上下や攻撃、女神の目である。

1段階あがるとスピードも1段階あがるという仕様なので、簡単にスピードがぐんぐんとあがる。

しかし前回の間違いであった、コーナーへの突入速度が問題となる。
コーナーマス目に数字が書かれており、このマスに入るか通過した場合、それを超える速度分のダメージを受けるのだ。

ルールの書き方が悪くて、止まった場合なのか、通過した場合はどうなのか全然明確でなかった。レースゲームではサイクルレースフォーミュラ・デのように止まった場合だけダメージを受け、それを回避するラインどりが大事というのがよくある手法なので、入ったらダメージを負うなんて曖昧な言葉を使わずにきちんと書くべきだった。入るのと通過するのとでは、ボードゲームのルールにおいては明確に違う。


コーナーのこのマスに止まるか通過したら、自分のスピードから引いたのがダメージとなる。

それはさておき、そのような縛りがあれば、戦車のスピードを調整する必要は大いにある。
スピードは耐久度と同じに落とされるので、無理してコーナーに入ると確実に強大なダメージを負い、減速するはめになる。

基本的に攻撃は先行する場合、まきびし攻撃で、追随する場合は槍攻撃しか当たらない。
たかが1ダメージしか与えられないのだが、このゲームでは速度によるダメージがやたらとでかく、その+1ダメージが実に効いていて悪くない。

わしはぎりぎりを攻めようとあまりスピードを落とさずに進み、さらにmiaの戦車に激突していやがらせをしていた。

mia「ちょっとぶつけないでよ」

よしそろそろかと、1週目3角を回るときにスピードを落とそうとした。

馬「ぶひひひーん!!」

やべぇ、大暴走で、スピード落とせず。

幸運の女神を使えばサイコロを振り直しできるのだが、今回は上級面を使い、さらにわしの戦車は幸運の女神0からスタートゆえに、振り直しできず。

※上級ルールは色によって戦車の性能が違うのだ。

恐ろしい速度で3角を曲がる。

「さあミスターシービー19年ぶりの3冠か!ミスターシービー19年ぶりの3冠か!
大地が、大地が弾んでミスターシービーだ!ミスターシービーだ! 内からリードホーユー来た!
内からリードホーユーだ! さあミスターシービー!吉永の左ムチ! ミスターシービー!
ミスターシービーが先頭だ! ミスターシービー先頭だ! ミスターシービー逃げる逃げる逃げる!
史上に残る3冠の脚!史上に残るこれが3冠の脚だ! 拍手が沸く!ミスターシービーだ!
19年ぶりに3冠!19年ぶりに3冠ミスターシービー! 19年ぶりに3冠馬を達成しました!
驚いた!物凄い競馬をしました! ダービーに次いで物凄い競馬をしました!
坂の下りで先頭に立った9番のミスターシービー! 」

タブーとされた3角からの早仕掛けで、見事三冠馬となったミスターシービーの再来なのか!?

わし「クラッシュしました」


見事にクラッシュしてゲームオーバー。

mia「バカじゃないの?」

わしの残骸を横にして、コタとmiaが通過していく。

わしからの激突でmiaのダメージ具合もなかなかで、スピードをあげても失速する。

ルール的に、ダメージまでスピードを落とすのは最初なので、サイコロでスピードをあげて進める事は可能なのだが、いちいちあげないといけないので、やはり不利になる。そこへ

コタ「じゃあ、まきびし落とすね」

と先行したコタがボロボロとまきびしを落とすもんだから、かなりきつい状態になった。


まきびし落としまくって逃げるコタ戦車。

まきびしを踏みつけ、最後は耐久度1になった。

コタはそのまま悠々とゴールで勝負はついた。

所要時間10分

miaのコメント

うん、これならゲームになった。

ソマーリオ

うん、ベンハーになった。

システムとしては特に見るべきところはないと前回書いたが、馬のままならさをサイコロで表し、戦車レースの面白さをきちんと再現できている。

人数が増えれば増えるほど展開がごちゃついて面白くなると思う。槍攻撃などは相手を狙い撃ちできたりするのだが、非常にスピーディで2周という短い展開ゆえに、そんなことをやってる間もなくゲームが終わってしまうので、問題とはならないだろう。

戦車レースといえば、アベカエサルという名作があり、さらにアバロンヒルのベンハーや古代ローマの新しいゲームの戦車レースがある。こいつを含めてどれも違ったアプローチをしている。古代ローマは持っていてもまだやったことがないので、今度やってみて比べてみようと思う。

プレイ時間も短く、6人までできて、戦車レースの雰囲気もある。
コンポーネントはやや手抜きなところはあるが、価格が安いのでまあ、いいだろう。この程度のルールで豪華にされて価格をあげられるよりはよっぽどいい。

というわけで、映画ベンハーがリメイクされるのを受けてのボードゲーム化だとは思うが、買うて損することはないだろう。

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