Laurent Lavaur
&
Eric Randall

Euro Games

2〜10人
60分

フォーミュラ・デ

さあ、各車スターティンググリッドに並びます。
ポールは、皇帝シューマッハ。
ここ鈴鹿は、かつてセナ対プロストの因縁のクラッシュが起きた場所。
何が起こるか分りません。
さあ、シグナルが赤から緑に代わって今レースがスタートしました。




プレイ感

昔、10人くらいで集まる事があって、当時メビウスで売ってた多人数ゲームとしてカラバンデを買うか、こいつを買うか悩んだ事があった。メビウスに訊いてみると、どちらもあまり色よい返事じゃないので一旦は頓挫したが、結局、こっちを買う事にした。10人でやって、やたら盛り上がりすぐに2回目をやったのだが、それ以来、そんなにたくさん集まる事もなくなったので、ずっとタンスの肥やしになってた。あれから8年くらいになる。で、2008年正月3日目、TAM夫妻、mia、Kei、ムゲン、タカダの久しぶりの7人プレイにて鈴鹿グランプリが開催。実は前に盛り上がったのと、最初に付いてるモナコなどはコース幅が狭くて抜きにくくかなりストレスが溜まるので、どうしても鈴鹿サーキットが欲しくなり金属製の駒と一緒に買い足した。金属製の駒は兄貴に彩色を頼んだが、結局そのまま。

F-1を再現するためにルールは細かいところがある。例えば隣に来たら接触判定する(20面さいころで1が出ると接触がおきて車体強度が1減る)とか、一気に2段階シフトダウンしたらガソリンが減るとか、ちょっと昔のシミュレーションゲームぽいのだ。そのくせ、進めるのはさいころの目次第という、あほっぽさがいい。さいころは6種類あり、入れている変速によって目の数が違う。変速は手番に1段階だけ上げ下げ出来る。このゲームの重要なのはコーナーの存在で、1つのコーナーゾーンに、規定回数止まら(手番を終了)なければならない。自然、コーナーのところでは、シフトダウンしてスピードを減速しなくてはならないのだ。本当ならF-1らしく50周くらいしたいところだが、1周するだけでもこの人数なら1時間かかるので、勝負は標準ルールの1周とした。

このゲームで一番重要なのは、スターティンググリッドである。わずか1周で勝負するので前にいなければ、かなり苦戦を強いられる。ポジションは、20面体・黒の判定さいころを振って目が多い順にグリッドにつく。昔やったとき、2度目は1度目の順位で行こうと言うと、兄貴がクレームをつけてやり直したくらい重要なのだ。わしは3番グリッドからのスタートである。悪くない。ポールはTAM、2番手はKeiだ。

※このゲームの良いところはさいころの種類はやたらと多いが、全て色分けされておりひと目で分るようになっている。

全員1速に入れてスタート。前にいる車から手番を行う。と、その前にスタート時の判定さいころを振る。もし1が出たらエンストこいて、再スタートしなければならず、20がでたらロケットスタートが決まり4マス進む(1速は1〜2しか出ない)事が出来るのだ。


これは鈴鹿マップを別途購入した。相撲取りがロボットに乗ってるという日本人を舐めてるとしか思えない絵柄。
3番グリッドから我が深紅のフェラーチがスタート。各自個人ボードを持って、現在のシフトとトラブルの量をチェックするのだが、せこびっちのわしは形が付くのを恐れて、メモ帳は別に用意させた。シフトノブと同じ色のサイコロを振るということで、一度に1段階しか上げる事は出来ず、罰則無しに一気に下げるのは2段階まで。

おおおっと! ここでエンストする車が1台出たぁ!

タカダ「まじっすか!」

1コーナーはTAMとKeiが激しく頭をつっこみあって、突入。接触判定でセーフ。エンストこいたタカダは、次々に抜かれて最下位に転落。変速ミスってのはでかくて、人より1段階遅いさいころになってまうのだ。

Kei「ウォォオン、ウォン!」

変速を変えるKei。

TAM「Keiさん、ノリノリじゃないっすか。ウ、ウォン!」

サイドバイサイドで絡み合ったまま、2台は進み、その後ろで虎視眈々とトップを狙うわし。

次のS字は3回も止まらなければならない。

Kei「変速落とします。ガコン、ウォーン、ウンウン」

安全策をとったKeiに対してTAMは4速キープ。

TAM「わわー! 大きい目が出過ぎ。くっそー、思いっきり変速落とさんと後2回も止まれません」

それを見たわしも4速キープで突っ込む。

わし「ここや、ここで勝負じゃ! よっしゃ!」

ビタ止まり成功。

※ビタ止まりとは、コーナーの最初の入り口マスに止まる事をいう。これが出来るとかなり有利。

ただここで接触判定で1が出てしまう。スタートはごちゃつくので、接触には気をつけねばならない。隣り合ったマスになると20面体で1が出ると接触という事になってしまう。

わし「ごめんごめん。ウイング当ててもうた」

TAM「ええ! やめてくださいよ」

TAM嫁「なんか接触怖いなあ。さっきも1出たし。これって2回やったらリタイアですか?」

わし「うん。なんかやたら出るなあ」

※昔、兄貴が、自分のマシンをセッティングする時に、車体強度を1にして、最初の接触で一撃でリタイアした事がある。後はレースをずっと見てただけだった。このような事があるから保険の為に、車体強度は初期設定値の2にしておくのがいいだろう。

強引な突っ込みで接触を起こしたものの、シフトミスした二人を一気に加速して突き放しにかかる。

車というのはいかに回転数を落とさずに走るかがポイント。フォーミュラ・デでは、回転数を変速のみで表している。シフトが1つ違うと大きな差につながるのだ。

わし「ここで4速に放り込む。ガコン、ウォン、ウォォォォーン!!」

S字の立ち上がりで、そのままちぎったぁ!

Kei「やられた」


S字を抜けた時には見事に先頭に立つ。TAM3番手だが、痛恨のシフトミスで一気に後退する事となる。
コーナーは横に書いてある黄色のフラッグの数字回数そのコーナー内で停止せねばならない。
サイコロは、4,6,8,10,12,20面体を使用するが、1から順番に番号が割り振られている訳ではない。例えば20面体には1とか2のような小さい目はないのだ。

TAMは、最初のS字のミスが響いて、完全に脱落。2位はKeiがしっかりと固める。

ダンロップコーナーを高速で突っ切る。

わし「やべ。数でかすぎ」

Kei「だから言わんこっちゃない。この高架下を数えるかどうか訊いたでしょ」

しかし、わし、ここで野性的なフルブレーキングにて、なんなくクリア。ブレーキポイントを1減らす。
このゲームのポイントは、車体をギリギリまで痛めつけんと勝てんのよ。

スプーンを曲がった時、もはや音速の貴公子あきお駆る深紅のフェラーチに誰も追いつけない。


一番いいのはこのようにコーナーの入り口でビタ止まりする事。このスプーンでは2度止まらなければならないのでもう一度止まるようにシフトするのみ。こうしてコーナー毎にスピードを落とさせる構造になっている。旗の下には最少と最多のマス目が書かれている。アウトインアウトで進めば最多で進めるように出来てるのだ。矢印の向きにしか移動は出来ないし、マス目を稼ぐ為に直線で無意味なジグザグ走行は禁止されている。シフトノブの場所が現在使うサイコロの色である。

タカダ「ここで、無理にでもいかんと」

いや、コーナー近いのにそれはいくらなんでも無理やろ。

案の定、タカダ、デグナーの出口で7オーバーで猛烈にスピンして壁に激突。リタイア。

タカダ「うわあ」


タカダ、コーナー曲がりきれず、クラッシュ!! ブレーキやタイヤを使えば、その数だけ進むマスを吸収出来るが、それでも間に合わない場合はこのようにリタイヤとなってしまう。

ここで、わしは選択を迫られる。この前方には鈴鹿名物130Rがある。130Rと言えば、かつてアルファロメオでレースに出た時に仲良くなった人が教えてくれた。

「130Rって、全開で走るんやけど、これがもうむちゃくちゃ怖いのよ。緩やかなカーブやねんけど、これが全開にするとコーナーが壁のように直角に見えんねん。俺の先輩が、ここで横転させてしまって、学生時代やから安もんのハーネスでさ、ずるっと体がずれて天井に頭ぶつけて、それ以来コルセットがないと歩けん体になってしまった。そういうのが130Rに近づくと脳裏によみがえってきて”無理っ”とブレーキを踏んでしまうのよ」

現在、わしは5速。このまま安全に走りきればおそらくKeiがよっぽど無理をせん限り勝てるだろう。

わしの頭にあの言葉がリフレインする。

130Rは全開…

130Rはフルスロットル…

130Rは音速の貴公子の証明…

わしの左足はクラッチを踏み、右腕は残像を残しつつ一瞬にしてシフトチェンジを行う。

わし「6速全開じゃあ!!」

ワァァァォォーーーン

TAM「まじっすか!」

一瞬にして130Rを駆け抜け、シケインに突入。


130Rを見事6速全開で駆け抜け、シケインに突入。シフトノブはしっかりと6速へ。21〜30マスの目が振られているのだ。そのスピードは強烈なGを生み出す。赤のフェラーチはもう見えない。

フルブレーキングと共に、2段階一気にシフトダウン。

2段階シフトダウンによる最後のガソリンを減らし、残りはブレーキとタイヤを減らして綺麗にシケインにとどまる。

わし「キィー、ウォン、ウォン、ウォォーン」

一同「おおお!」

Kei「なるほど!」


一気に、2速落として、更に次手番に1速落としてシケインを立ち上がる。最早、誰も追いつく事は出来ない。このシフトさばきは見事と、自画自賛。

同じようにKeiも高速のままスプーンに突入、そしてフルブレーキング。

わし「お? やるな。このゲームの基本は、安全策とったら駄目やで」

Kei「でしょ」

そのままわしはチェッカーフラッグを受けた後、130Rを5速で回りKeiも2位入賞。


チェッカーフラッグ!

TAM「じゃ、僕も。シフトあげます」

いや、シケイン近いのにそれは無理やろ。

TAM、オーバースピードでクラッシュ!


あちこちで無理をしてクラッシュするマシン。ほどほどに痛めつけて走らなければ勝てないし、攻めすぎるとこのようにリタイアとなるシビアな世界なのだ。

TAM嫁「やった! 旦那がリタイアした。3位や。ウォン、ウォン、ウォォーン!」

その横を嫁、一気に駆け抜けてチェッカーフラッグ。3位入賞。

TAM「お前なあ」

所要時間60分

mia、そのころ、じっくりと着実に、後ろを走っていた。

牛歩戦術か!

ムゲン、目立つところなし。

TAM嫁のコメント

面白かった。特にKeiさんの動作が面白かった(笑)

TAMのコメント

まあまあかな。マス目が多いのにあまり面倒に感じないのが不思議なゲームですね。

ソマーリオ

いやあ、ただのさいころゲームのくせに、まじめにカーレースさせようとしているところが、ある意味驚きであり、このゲームの評価が真っ二つに分かれる原因となっている。

さいころを振って進むだけ。グランツーリスモなどの、恐ろしくリアルなテレビゲームをやっている世代からすると、あまりのアナログっぷりになんとも馬鹿らしく感じるだろう。

ところが、だ。フォーミュラ・デにはまさに自分が車を運転して、カツカツのレースをやってる感覚が妙にあるのだ。変速ミスを犯せば、あっという間に置き去りにされてしまう、これは車レースでのエンジンの回転数に値するだろう。ブレーキングの厳しさ、アウトインアウトのスピード、スリップストリームによる抜けだし、クラッシュによるリタイア、すべてがこのゲームに詰まっている。特に安全策をとっていると、どのカーレースでも勝てないように、限界まで攻めきってマシンを痛めつけて初めてこのゲームに勝利するところなど見事だ。

リアリティがあるかないかさっぱり解らないこのゲームに、レースが好きな人が集まれば確実に燃える。欠点は、時間が掛かることの一言につきる。レースゲームという事であれば、ピットインとか、雨天とか、そういったものをやりたいがために何周もしたいところ。そういった上級ルールも含まれている。だが、このゲームは7人1周で1時間も掛かってしまう。もし10周しようものなら10時間は覚悟しないといけないのだ。おそらく抜きつ抜かれつの攻防ドラマがあり、単純なゲームゆえの退屈さというのはないだろうが、さすがにこれではしんどい。かといってプレイ人数を少なくすれば、F-1ならではポイント狙いの中位に甘んじてる良さってのがなくなってしまう。もし、このゲームが半分のプレイ時間で済むなら、名作といってもいい出来だけに非常に残念だ。

この弱点をメーカーは解っているようで、後日、フォーミュラ・デ・ミニっていう簡易版が出たが、簡易の仕方に問題があり、かなり不評のようなので、そういう事を求めるのは贅沢なのかも知れない。もし学生であって、皆で定期的に集まる時間があるなら、全16戦(2コースずつ追加サーキットが別売してる。今回の鈴鹿サーキットも別売で、これだけ買うてみたのだ。当然金も時間もかかる)を戦ってみたいものだ。スターティンググリッドは大きく左右するくせに20面体の運(上級ルールでは予選があるが、これをやりだすと何時間かかるか解らなくなる)なので、チーム戦でポイント争いをしてみるのも面白いだろう。例えばチーム別にスターティンググリッドを、A(1,10)B(2,9)C(3,8)D(4,7)E(5,6)等。

それにしても6速全開の気持ち良いこと。

 

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