Reiner Stockhausen

dlp games
アークライト

2〜5人用
120分

アルティプラーノ

駿河屋で購入
各東西をアンデス山脈に挟まれた高山地帯─-アルティプラーノ。
そのやせた土地に住まう人々は、限られた資源を活用するため、創意工夫を凝らさなくてはなりません。
チチカカ湖で釣りをし、山から鉱石を採掘し、アルパカを飼育しながら、活発に商品を取り引きして生活を営みます。
新たな生産拠点を設置し、顧客からの注文に応じ、災害に備えて品物を備蓄しましょう。
開発速度を上げるには、道路の敷設も無視できません。
賢明な計画を立て、現状を見極め柔軟なプレイを目指しましょう。
自らの潜在能力を最大限に活用した住民にしか、豊穣はもたらされないのですから。

プレイ感

最初、パッケージを見た時、子供向け? と錯覚した。デザイナーはオルレアンのライナーシュトックハウゼンなので、抑えておくことにした。コタとmiaとの3人プレイにて。


基本的なシステムはオルレアンと同じチット構築型システムともいうべきものなのだが、違うのは、チットは全て使い切ってから初めて袋に戻されるというところと、アクションは必ず実行出来るわけではなく、そのエリアに自分の駒がいる必要があるということ。

前者で、よりドミニオンに近い形になった。オルレアンでは使ったらすぐに袋に戻すので、なかなか引かれないチットや出てきまくりのチットなど偏りがあった。
後者は、このシステムにボードゲーム特有の立体的な構造を追加したものだ。実のところこれで益々ルナに近づいた。


個人ボードではチットを置くためのアクションマスがある。ただオルレアンのようにこれだけで完結していない。左は棚ボードで、これが役所ボードと同じような効果となっている。その上の真四角のタイルが役割タイルでこれにより初期チットと特殊アクションが決まる。

そして役所への奉公は、棚システムに変わった。自分の棚ボードがあり、そこに同じ商品を並べて1段全て埋めると得点がもらえる。棚はだんだんと得点があがっていくようになっている。役所は1発限りの特典を得られただけだが、こちらはより勝敗に関わってくるように出来ている。

チットそのものに得点があり、入手難度によって得点が違う。どこか1エリアに置いているカードやらチットやら駒やらが全てなくなるか、特技タイルが補充できなくなったらそのラウンドでゲーム終了である。勝敗は自分が持っている全てのチットの得点合計と、カードの得点を合わせて決める。


7枚のエリアがあり、自分の駒のある場所で、手持ちボードのそのエリアのアクションマスが埋まっているアクションを実行できる。今自分の駒がどこにるかチェックして、個人ボードとにらめっこしなければならない。絵柄やアイコンでそれぞれのアクションの対応が分かるようになっているが、似たような絵柄で判別しにくく、頼みの綱のアイコンは凄く小さい。
人数別に使うチット枚数が違うが、それはルールではなくボードに描かれているのは良いところだ。

最初に、役割カードを配る。これによって最初のチットや手持ち金が違うばかりか、この役割カードにアクションが描かれてたりする。そのアクションは基本アクションの上位互換か無いアクションとなっているのでかなり重要だ。

わしは漁師で、魚チットを取りやすくなっている。しかしこの魚、市場で売ることが出来ないので、どうやって使っていいのか分からない。後でヒントを読んだところ、魚は取引に非常に重要で、特技タイル(アクションを拡張する)で多く使われているので、それを入手しようと書かれてた。


このひょうきんな巨大アルパカのスタート駒に騙されてはいけない。黄色の駒のエリアの右上にアイコンが見えるが、これが自分のボードと対応するための識別子である。エリアの上に載っているチットやカード、駒がそのエリアで手に入るものだ。どれか1エリアのこれが全て枯渇するとゲーム終了となっている。コンテナは一旦商品チットを捨てておく場で、ドミニオンの捨て札置き場と同じである。

しかしわしは、ルールを追うのに一生懸命だったので、この特技タイルを逃してた。

コタ「じゃあ、この特技タイルを買うね」

魚から鉱物チットを手に入れる奴だ。そのほかにも魚から手に入れるものをコタは手に入れてた。

しもうたあ!!


特技タイルは、アクションの強化ができるタイルだ。このタイルでしか手に入らないチット、鉱石、アルパカ、ガラス細工などがある。痛恨は下から2つ目の魚→鉱石タイルをコタに買われてしまったこと。

わし「お前、アルパカ族やからアルパカのなんかせえや」

コタの役職はアルパカ飼育員みたいなやつだ。アルパカ村で絹織物チットとか作りやすい。

わし「ん、ちょっと待てよ。これ、鉱石どうやったら穫れるんや?」

基本アクションをみても鉱石を出す方法がない。銀を出すには鉱石が必要やのに、途切れてしまっている。

mia「だから、その特技使って鉱石出すんじゃないの?」

なんと!! コタに取られてしもうてるやんけ!!

しょうがないので1メシでアルパカもらえる特技を買うことにした。


棚ボードに駒を並べる。下から順番に同じ種類のチットを置く。もろこしはワイルドカードで、1段埋めると右の勝利点が貰える。左にあるタイルは得点表。

このゲームの厄介なところは、アクションマスを満たしても駒がそのエリアにいないとアクションが行えない点だ。エリア移動は荷車駒を使う(左右3エリアまで移動できるがエリアは7枚なので事実上どのエリアでもいける)のだが、この荷車駒、1個しか無い。つまり現場でアクションできるならともかく、デフォルトでは移動して1アクションしか出来ないということだ。さらに移動したい場合は、荷車マスに1メシを置くことにより1エリアだけ移動できる。もっと移動したい場合、荷車駒を追加で手に入れて、さらにそこに1メシ置くことで3エリアまで移動できるようになる。
メシはいたるところで使うので、このゲームでもメシは大事だ。


中央にみえるのが荷車駒で、追加で2個持っている。この2個を発動させるにはメシがそれぞれ必要。もし荷車駒がないなら1メシで1エリアしか移動できない。

アクションと移動の関係が非常に煩わしい。荷車をつかって最初はどこにでもいけるが、次の場所はメシを置いたとして1エリアしか移動できない。そのエリアは隣なのか、そこで出来るアクションは今必要なのか、そのアクションをするに足るチットは持っているのかと3つの事を考えなくてはいけない。


コタの場。特技タイルを結構集めているものの、効率的に利用できないでいる。道をすすめず4枚しかチットを引けないのがあかん。

とりあえず特技タイルを取れなかったので利用価値がなくなった魚を干魚にすべく、棚に並べていくことにする。アルパカは毛糸、織物とゲットさせるとまったく使わなくなったので、これまたアルパカの干し首にして棚に並べることにした。

棚には、もろこしを置くこともできる。もろこしはワイルドカードで、どんな棚にも置くことが出来るが、最初にもろこしを置いた場合はずっともろこしを置かないといけないので、最後に埋めるのにもろこしを使うのが良い。

※今ふと、これを書いてるときに、イチから順番に棚を埋める事に意味が無い気がしてきた。下の方を1個ずつでもいいから置いて、上の方で1段揃えた方が得点が高い。棚には同じ種類のものしかおけず、新しい商品は上に置くというルールがある。


注文カードには直接チットを載せる。全てうまれば勝利点ともろこしが貰える。その隣は家屋カードで、表示のチットごとに勝利点が加点される。一番右は舟カードで、即座に商品チットが貰える。

道エリアでアクションをすることで、袋からとって並べるチット数を増やしたりもろこしを貰えたりする。

途中から最初の4チットでは少ないので、道を進めて、荷車を買うて機動力をあげることにした。こうすれば1メシでの移動はどこにでもいけるようになるので少しだけ煩わしさは減る。

市場エリアでは、チットを置かなくても、お金で色んな事ができる。そこに留まっていれば、何度かアクションが行えるのだ。商品を売り(売るといってもチットはなくならないが)、お金を手にして必要な特技タイルを手に入れる。また注文カードを購入したり、商品チットを注文カードに置いたり(受注アクション)もここで行えるので、最も重要なエリアだといえる。ここで混乱するのが、アクションの前提とチットやお金の使い方だ。

アクションの前提として、アクションマスにチットを置く事で行動できるというのが市場と家屋エリアでは通用しない。お金で実行できるアクションがあるからだ。お金は商品チットではなく手持ちでいつでも使える。これ故に、このエリアではアクション数が大幅に増える。

商品チットは使っても決して無くならないが、お金は普通に無くなる。これもシステム上の混乱の元となる。これがゲーム通じての違和感となった。

勝ち筋はよく分からない。高価な銀やガラス細工を持つだけで、大きな得点となるし、棚ボードは非常に大きなスペースを占めており、勝敗に強く関係するのだろう。

しかし、今回やった限りでは、棚ボードは全然埋めることは出来ないし、注文カードの得点が非常に強かった。

結局、特技タイルが補充できなくなり最終ラウンドを迎えた。


最終的に棚は3段しか埋めれなかったので9点しか入らず。ただmiaは1段だけしか埋めていないので、棚ボードはガラガラである。

注文カードを2つ達成したmiaがぶっちぎりの勝利。

所要時間120分

miaのコメント

つまらなくはないんだけど、なんだかモヤモヤした感じ。

ソマーリオ

オルレアンのシステムに色んな要素を加味して、発展させようとしたのは分かるが、そのせいで非常に遊びにくくなってしまった。
本文にも書いている通り、お金があればアクションが出来るというのが、とても気持ち悪い。それよりももっと問題なのは、視認性の悪さだ。アクションは自分の手元のボードに描かれているのに、アクションを行えるエリアは共通の場にあり、交互に確認しなくてはならない。また識別アイコンも非常に小さくて、ひと目でどれがどれか分からないのだ。これが想像以上にストレスがたまり、miaのコメントにあるようにモヤモヤしたものになる。

ルナは同じようなシステムを使っているが、同じ場所にやるべきアクションが描かれており、こういったストレスはなかった。これはボードゲームの基本だと思う。商品チットが誰のものか分からなくなるので、エリアにアクションマスをおくことは出来なかったのだろうけど、エリアに自分の商品チットだという判別駒を置いた方がまだマシだった気がする。

こういう欠点さえなければ、かなり楽しめたと思うので、かなり勿体無いゲームだ。
オルレアンとは違い、ワイルドカードがないところはとても良い。

コンポーネントはひたすらタイル抜きをしなくてはならないが絵柄含めてとても良い。何度もやると視認性の問題もなれてしまうだろうからサークルなんかではオルレアンよりこちらの方が良いかもしれない。
こいつの絵柄に騙されてはいけない。勝ち筋を含めてオルレアンより複雑なゲーマー向けのゲームだ。

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