Reiner Stockhausen

dlp games
アークライト

2〜4人用
90分

オルレアン


数々の従者が広げる選択肢
あなたはオルレアンの有力貴族。様々な職業の者たちを従者として雇用し、その能力を利用して財をなし、街の発展に貢献しなければなりません。
従者たちは、それぞれ得意な能力を発揮し、あなたの行動の選択肢を広げます。
そして彼らは自分の職に忠実なだけでなく、他の者とも積極的に助け合い、連携してあなたの地位向上に寄与してくれるでしょう。
ゲームは18回のラウンドに区切られます。すべてのラウンド終了後に、誰よりも多くの勝利点(VP)を獲得することが、このゲームの目的です。
あなたがオルレアンの街で活動した成果が、VPとして表されます。
様々な従者を雇用して商品を生産したり、陸路や水路を移動して自分の取引所を作り、ゲームを有利に進めましょう。
どの従者を雇い、解雇し、どのアクションを行い、どのルートで移動するか。
常に多くの選択肢が、あなたを待ち受けています。そう、このゲームは戦略こそがすべてなのです!

プレイ感

かなり面白いと話題になってたがようやく正月にやることができた。こた8歳とmiaとの3人プレイにて。


各フェイズごとに分かれているが、大した量はない。イベントめくる、農夫ゲージチェック、従者チット引き、アクション選択、アクション実行、イベント発動となっている。このうちメインとなるのが従者チット引きからアクション実行までだ。


初期配置はちと面倒だがプレイしやすい配置となっている。
左に各種従者チットとゲージがあり、一番下は発展度ゲージ。右は奉公ボードだ。

従者チット引きとは、自分の袋から毎回、規定枚数引いて、それを市場マスにおくことだ。
市場に置かれた従者チットをアクションに必要な分、置くことでアクションを実行することができる。
アクション実行後、その従者チットはすべて自分の袋に入れて、再び引かれるのを待つのだ。引ける枚数は騎士チットゲージによるが、最初は4枚である。この枚数は、側近として持っている従者チットに等しく、つまり最初はすべて引かれてアクションマスに置けることになる。

ほとんどの従者チットにはゲージがあり、増えるごとにゲージをあげる。ゲージをあげたところで特典が得られる。


個人ボード。一番下の市場に袋から引いた従者チットをおく。上がアクションマスで、指定の従者チットを置く事でアクションが発揮される。その後、袋に戻されるので効率よく回そう。マス名の下がアクションである。

これを18ラウンド繰り返してゲーム終了。
勝利点は、お金と商品タイルに応じた得点と(取引所数+市民チット数)×発展レベルで競う。

最初は4枚の従者が側近としている。こいつらは奉公に出ることも、死ぬこともない最強野郎だ。

わしは最初に狙うのは、農園(農夫の獲得)である。農夫は領土の礎だ。というより、毎ラウンドの人口チェック(農夫ゲージ)で単独トップと単独べべだと、1エキュ(お金の単位)もらえたり支払ったりするのでかなりでかいと踏んだのだ。

それに対して、コタ、miaはそれぞれお城(騎士の獲得)、村落を選び職人を獲得した。使ったアクションの従者と新たに手に入れた従者はそれぞれの袋に放り込む。miaは、職人ゲージのボーナスで得た歯車チットを、村落の農夫マスに置いた。

わし「やっぱり職人はいるよなあ」

mia「でしょ」

この歯車チットは、アクションに必要な従者のマスにゲーム中ずっと置かれ、今後アクションを実行するにあたり、その従者を必要としなくなる。技術革新により、人手を補うというものだ。
一応条件があって、最初の1枚は、農夫マスに置く必要があり、1アクション全てのマスを埋めることはできないということだ。つまり完全自動化は無理。


中盤になると市場が埋まってしまうため、アクションマスにおいて空白を用意する必要がある。下側が黄色になってるのは最初からおる側近チットでこいつらはずっと付き従ってくれる。右上に歯車を埋めているのが分かるだろう。茶色と赤色だけで商業ギルドアクションが発動できるようになった。

次のラウンド。

わし「はい、わし1エキュ貰う」

農夫をひとつ進めたのはこのおかげ。

mia「それにしてもこの市役所は一体なんの役に立つのだろう?」

市役所を選ぶと、従者チットは奉公に出される。二度と帰ってはこないのだが、奉公ボードが大量におけるようになってるのだ。

その謎は中盤になると解ける。

次にわしが狙うのは、取引所の建設である。なんといっても得点パターンとして掛け算なので、これはたくさん建設しておくべきだ。
ただし場所については特に意味はなく、オルレアン以外は1都市につき1つしか建てられないだけだ。これは陣取り要素として後に効いてくるんやけど。


最初のオルレアン以外は1個しかおけないので早いもの勝ちである。途中の商品タイルを貰えるので、商品価値と場所を考えながら移動させよう。

その前に職人をどうしても欲しい。あの歯車はとても魅力である。
というわけで職人を手に入れた歯車を、商業ギルドの農夫マスに埋める。

それからオルレアンに取引所をつくり、海路をたどって再び取引所を建設する。移動は一見不利だが、取引所作りには必要で、かつ道にある商品チットを受け取ることができるので全然悪くない。

miaもコタも負けじと取引所設置に赴くようになった。

わし「もっと従者を引きたい!」

中盤になると従者が4枚じゃ足りなくなってくる。騎士を増やして引ける枚数を増やすようになってくる。


ここにある従者チットをゲットしたらコマを進める。進めたマスの上に特典が書かれている。一番下の発展ゲージも同様だが、星マークの数字が発展レベルとなっている。例えば青は発展レベル2となっている。

このゲームがよくできているのは、市場における従者は10枚までで、毎回従者をアクションとして使わないと回転率が悪くなるところ。
しかも、使ったアクションの従者は再び袋に戻るので

mia「くっそー、全然、欲しいのがでない!」

となる。従者は増やせばいいのではなく、ここで整理していく必要がでてくるのだ。
それが奉公である。

わし「職人と農夫、くっそ要らん」

奉公にだす。お金や発展ポイントをもらい、そいつらは二度と帰ってこない。人身売買である。


市役所アクションを選んだらここに奉公に出される。二度と帰ってこない人身売買である。

こうなると修道士ばかりになってくる。修道士は特典はないのだが、それ自身がワイルドカードとなっており、誰の代わりでも務まる。

修道士ってそんなんやっけ?

まあ、ええ。

従者を調整しつつやるのはまるでドミニオンのようである。

アクションを増やすには、職人を手に入れれば良い。職人ゲージがあがると施設をたてられる。これがそのままアクションマスとなっている。

わしは写字室の上位互換の図書館を建てた。完全な上位互換なので、スペース節約のため上に載せておく。これで発展ポイントが2ポイント手に入ることになる。

実はこの発展ポイントが非常に大事で、基本的に大学マスで学者を雇わないと上がらない。どの従者ゲージも最大までいくと、それ以上選択できなくなるので、発展ポイントが得られる最大ポイントは20ポイントしかない。それだと発展の最大である6レベルまで到達しないのだ。発展は勝利点が取引所と掛け算となるので上げないと勝てない。

これを補うのが写字室なのだ。写字室では1ポイントだが図書館は2ポイントもらえる。図書館の重要性が分かるだろう。
ちなみにこれはやってて最後に気づいた。

わしはさらに学校を建てて、学者をワイルドカードにした。あっという間に売り切れた修道士の代わりにするためだ。

こうして、他の従者をなるべく奉公に出して、修道士と学者が多数を占める変な構成となった。


学者だらけのわしのボード。こんなんでええのか? 歯車は最初は農夫のところに置く必要があるが、ゲーム通じて最初か、アクションマスの最初かは分からなかった。わしの解釈としてはゲーム通じて最初だけということにして、2枚目からは好きな場所におけるようにした。おうてるかどうかは分からんけど、そうでないと使い勝手が悪すぎる。

コタはワイン商と仕立て屋を選び、ひたすらお金と錦織物を製造する。錦織物は最も高価な商品なのだ。

※ちなみにこれ”きぬおりもの”とずっと思ってたが、よく見ると”にしきおりもの”だった。あんまり聞いたことのない単語。

コタ「錦織物なくなった」

ストックを全部とりやがった。

miaは商業ギルドに歯車を置き、取引所建設に邁進する。

わし「んー、やばい。これは負けたか」

ルール間違いがあって、取引所を一番建てたものが残った市民チットを総取りすると書いてあってびびった。これ、全部取られたら、掛け算勝負になるのぶっちぎりで負ける。だからわしもなんとか同数になるように取引所を建てたが、1ラウンド遅れを取っていた。

mia「いや、無理。これ以上動けないのよ。下にいけば良かった」

ボードをみるとたしかに周りが全て取引所で埋まっており、建てるにはかなり移動しなくてはならない。水路、陸路どちらも1回しか実行できないので、これ以上建てることはできない。

わしはどこにでも建てられるので、これで最終ラウンドで追いつくことになる。

でも、ここでルールを読み直す。これ、どう見てもエラッタよなあ。取引所だけで勝負決まるやん。これボードの市民1枚だけが手に入るだけちゃうん?
と解釈する。後でエラッタを調べるとまさにそうだった。

このままゲーム終了。

発展レベルを最大の6まであげたわしが勝利。

コタは発展レベルが2しかなくて、これが敗因だった。

所要時間100分


発展レベルの差が勝敗を決した。わしは一番右の6まで達している。またボード上を攻めたmiaはどん詰まりになって取引所が同数止まりになってしまった。

ソマーリオ

これは確かに人気のあるのが分かる。未だかつて無いチット方式によるデッキ構築型システムである。このチット引き方式は、古参のウォーゲーマーならめちゃ懐かしく感じるだろう。

ルールは洗練されてて、とてもわかり易い。基本、弾込めして打つだけなので、必要な情報は、ボードにアイコンで描かれているので、説明するところが少ない。

ワーカープレースメントの説明の容易さとデッキ構築型のシャッフルの手間を省いた良いところを詰め合わせたようなシステムである。競合がおきないのでワーカープレースメントの本来の使われ方ではないが。

実はこのシステム、フェルトのルナで同じような試みがされている。誰かがワーカームーブメントだと言われてるやつで、複数個集まることでアクションを実行できるシステムだ。ただあれがルールにシンプルさがないのに対してこれはすっきりとまとめている。

コンポーネントは、厚みがあるチットで、絵柄も含めてとても良い。

唯一の欠点は、イベントタイルが弱いところ。飢饉になっても、ペストを食らっても、税金を食らっても、正直、屁でもない。ここはもっとハラハラしたいところだ。ヴァリアントがあるようなので、それを参照した方がよい。

ちゅうわけで、とても満足のいく、新しいシステムを使った素晴らしいゲームでした。早よ、再生産されたし。

後で調べてみたのだが、やはりイベントが弱すぎるので販売元から公式修正ルールがあるらしい。

イベントタイルのセットアップ時、6種類を3セットにしてシャッフルして組み合わせることでバランスよく出現するようにする。ただし最初の巡礼は同じ。

イベント内容は巡礼とペストの流行以外は以下のようになる。
出てきた同じカードの枚数によって効果が変わる。

飢饉
1枚目 食品チット1枚捨てるか、5エキュ支払う。
2枚目 食品チット2枚捨てるか、10エキュ支払う。
3枚目 食品チット3枚捨てるか、15エキュ支払う。
※食品チット足りない分だけ5エキュ支払うのだろう。

取引
1枚目 取引所1個につき3エキュ貰う。
2枚目 取引所1個につき2エキュ貰う。
3枚目 取引所1個につき1エキュ貰う。

臨時収入
1枚目 発展レベル×3エキュ貰う。
2枚目 発展レベル×2エキュ貰う。
3枚目 発展レベル×1エキュ貰う。

税金
1枚目 商品チット1枚につき1エキュ支払う。
2枚目 商品チット2枚につき1エキュ支払う。
3枚目 商品チット3枚につき1エキュ支払う。

gioco del mondo