Karl-Heinz Schmiel

Heidelberger

3〜4人
40分

アラカルト新版

お料理アクションゲームの決定版であるアラカルトが新版となってリメイクされた。
様々な要素が追加されて昔のアラカルトとはひと味違う。








プレイ感

ゲームシーンで、今期最大の衝撃はヤフオクで数万円の値段がつくアラカルトがリメイクされた事だろう。コンポーネントをみると旧版よりも明らかにグレードアップしとる。4人で集まる機会が少なく全然やれなかったが、TAM夫妻とタカダと4人でようやくプレイできた。

旧版と新版ではルールが違う。旧版にあったコーヒーブレイクというアクション選択はなくなり、代わりに温度調整さいころでコーヒーブレイクの目が出た時に、裏向けになってるコーヒーブレイクタイルをめくって描かれているアクションを実行するというシステムに変わった。そのタイルには旧版のコーヒーブレイクと同じく鍋を廻すのや、アクションをもっかい3回貰えるもの、相手に調味料を足せるものがある。そう、温度調整さいころにあった調味料を足すアクションは、コーヒーブレイクタイルに含まれてしまったのだ。


コーヒーブレイクはタイルになった。豚の餌がなくなり、共通のゴミ箱になっている。ちなみに調味料の中身がぎっしりになってるが、これはTAMの間違いで、5個は予備駒やったりする。本来はもう少しスカスカである。

改変は他にもあって、出来た料理はアクションを消費しなくても完成させる事が出来る。あの鍋廻しや調味料追加のドキドキ感がなくなってしまった。まあ、タイル制度なので確かに無意味なルールになったからだろう。また失敗した料理はマイナスにならず、共通のゴミ箱にほかされるだけになった。

これだけで完全に別ゲームである。

追加で面白いところもある。クレープ作りは、フライパンの上でクレープタイルをひっくり返す事で完成する料理だ。調味料の量が完璧な場合、☆が貰える。これを3つ集めたら即座に勝利というのも良い感じだ。

アラカルトと言えば、ひたすら邪魔されるゲームなので、序盤は出来る限り簡単な料理を選ぶのがコツ。そういう先入観を持ってスタートした。

ところが能動的に邪魔する事が出来なくなったおかげで、かなりコツコツと調味料をふる事になる。
これはこれで良かった。何故なら、☆を貰う可能性が高くなるからだ。


まずは簡単な料理から始めるのはセオリー。調味料がぴったり入って出来上がるとこのように☆が貰える。

わし「完成! ☆貰う」

TAM「お、やりますねえ」

TAM嫁「ところでこれ加熱するだけで出来る料理は☆貰えるの?」

TAM「いや、調味料を使う料理だけみたい」

ゴミ箱行きの料理は少ない。わしはなるべく簡単な料理で☆を貰ったらええんやと気づき、その作戦にでる。
あっちゅうまに2つ目の☆を獲得。


あっという間に二つ星である。横にあるのはコーヒーブレイクで貰った1勝利点タイル。出来上がった料理は裏向けにすると完成品の絵が描かれている。


手前がコーヒーブレイクのタイルで緑のタイルをひっくり返すとアクションが描かれているのだ。

TAM「やばい、もうリーチですやん。じゃ、僕はクレープ選びます」

クレープを選んだ手番はそれで終わり。
次の手番に、まず温度調整さいころを振る。それから鍋のクレープタイルを空中に放りあげて裏返すアクションを行うのだ。

TAM「あ、失敗したかあ」

失敗しても、もう1度出来る。

TAM「やった、成功」


このようにクレープタイルを上に放り上げ、


きちんと表向けになれば完成である。ちなみに表向けになってる料理タイルは色別に別れており、自分が完成した色の料理を次の料理として選択することは出来ない。これは良い改変だ。

クレープは驚きの5点である。なんとわしが3つの料理を完成させてるのに2つの料理のTAMに点数で負けてしまっているのだ。
それに触発されたTAM嫁もクレープ作りに挑戦。

ところが、これが全然上手くいかない。

TAM嫁「あぁ、また失敗したぁ」

クレープ作りは失敗しても次の手番で同じ手順を踏んで出来る。焦げすぎてゴミ箱に行くか、鍋廻しされるかするまでずっとやり続けなければならない。これがまったく成功しない。半べそ状態のTAM嫁。

TAM「鍋廻しします。うーん、もっかいクレープ作ったろうかな。じゃ、嫁の鍋を貰って廻します」

※本来、クレープは1人1度しか選択出来ず、こうやって鍋回しでも交換出来ない事になっているので、これはルール間違い。ゲームが終わって思ったが、確かにこれではクレープは強すぎた。ストライクルージュさん、ご指摘ありがとうございました。

2度目のクレープもあっさり成功させたTAMは得点でぶっちぎり状態。

タカダは、横で「全然、調味料でーへん!」とひたすら叫んでた。

とはいってももう1度☆を貰えば有無を言わさずわしの勝利である。

ところがこれが「調味料でーへん!」とわしも叫ぶことになった。


その後、おらーっとやったら痛恨の濃い味付けで失敗。

そうこうしているうちに、タカダの手番で選ぶ料理がなくなってしまった。

ゲーム終了。

2枚のクレープを成功させたTAMのぶっちぎり勝利。


クレープの2枚は大きい。

所要時間40分

TAMのコメント

なんかおもろさが減りましたね。調味料がプラッチックなんも良うないなあ。

ソマーリオ

一言でいうと、ソロプレイになってしまった。ひたすら自分で調味料を入れていくというアクションだけが強調されている。他人との絡みとしてあった、他人に調味料を入れるタイルは3枚しかないので、ほとんど出ない。鍋廻しもしかり。これほんまにシュミールがデザインしたんかなあ??

アラカルトは自分で調味料を入れるのも楽しいが、それ以上に他人に調味料を入れるのが楽しいのだ。他人の鍋は俺の鍋という考えもまた楽しい。それがなくなってしまった。

クレープと☆のアイデアは良い。クレープが簡単過ぎるという話もあるが、まあ1手番損するのやし、これはこれで悪くはないかも。ただ4点くらいが妥当かな。

コンポーネントについて、料理は完成した料理の絵が裏面に描かれているのは良いのだが、なんでこんなグロい料理にしてもうたんやろ。ゴキブリほうてる料理とか、斧で血まみれになったスパゲッティとか、なにこれ?? 冷たい料理の熱い戦いのように(まあ中には変なのもあったが)普通の料理で可愛いタイルにして欲しかった。それだけでだいぶ印象が変わると思う。

調味料については、プラッチックながら、色々と工夫したようで、出方は悪くない。コンロについては、温度調整つまみ以外はとても出来がいい。温度調整つまみは、穴が小さくて明らかに設計ミス。わしゃドリルで穴を広げた。

このようにコンポーネントは旧版に比べて明らかにパワーアップしてて、ほんまに素晴らしいのだが、ゲームとしての楽しさは圧倒的に旧版の方が上である。わしの感想は、普通より下である。

ドイツゲーム大賞にノミネートされたが、このソロプレイ感ではさすがに大賞は難しかったかなと思う。もうちょい絡みがあり可愛い料理であれば、獲れたかも知れんのに残念やわ。シュピールボックスのおまけで料理タイル付けてくれんかな。

コーヒーブレイクの駒を用意して、さいころの目をちょっと加工してやれば旧版ルールで出来るので、是非、やってみて欲しい。やっぱり他人に調味料入れたげんとあかんでしょ。

gioco del mondo