桜遊庵

卓上遊戯創作処 桜遊庵

3~4人
15分

春夏冬中(あきないちゅう)

いたずら好きの神様が、季節の風物詩を1つ隠してしまいました。
質問をしながら、隠されたものが何なのかを突き止めましょう!

プレイ感

ふうかさんのブログをみて面白いと書いてあったので、再販された時に予約して購入した。タナカマ夫妻、COQとの4人プレイにて。


春夏秋冬の季節カードにそれぞれ、1、1、2、3のカードがある。最初にこれら16枚をシャッフルして1枚だけ裏向けに出しておく。これが隠されたカードで、これを当てる事が目的だ。で、残りのカードに梅雨のカードを1枚加えて、全員に4枚ずつ配る。クルードでおなじみのシステムだ。


手札4枚。クルードと同じく誰も持っていないカードを当てるのだ。各自さいころを1個ずつもつが、これはさいころではなく、得点として表示する。ビブリオスからのアイデアだがなるほどと思った。

手番に、誰か1人に季節の合計点を訊くか、数字の枚数を訊くかが出来る。このうち季節の合計点は非常に有力な手がかりとなるので、コストとして自分の手札を1枚公開しなければならない。

間違いやすいので例をあげると

「あなたの春の合計点を教えてください」
「あなたの2の枚数を教えてください」

で、解ったら手番に隠されたカードを宣言して、1人だけ中身を見る。当てていれば、サイコロの目が得点として貰えるが、間違っていれば、サイコロの目を1つ下げて、このセッションはリタイヤとなる。リタイヤしたとしても質問には答えなければならない。


秋の1。正解だったので3点。間違っていれば、カードを見せずに続行し、さいころの目つまり得点を1減らす。

このセッションを繰り返し最初に6点獲得したら勝ちである。

わし「じゃ、わしからいこう。タナカマの冬の合計点を教えて」

タナカマ「0です」

COQ「じゃ、あきおさん、冬の合計を教えてください」

わし「4」

さて一つだけ書き忘れた例外がある。それは最初の1手番だけ、季節を訪ねてもカードの公開をする必要がないのだ。こうやってゲームのスピードをあげているようだ。


季節を訪ねると手札から1枚、場にさらさなければならない。

まずはしらみつぶしに3のカードの枚数を訊いていく。
2や3のカードは合計で4枚しかないので、簡単に当たりを付けられるのだ。

こういった質問は全員が聞いているので注意しなければならないが、どうやら2と3のセンは消えた。

となると何の1かが問題である。

わしは最も季節が聞かれなかった秋に一か八かの勝負をかけることにした。

わし「チャレンジ。秋の1」

結果、正解!

COQ「しまった。夏か秋かと思ったんですが、確定してから言おうと思ってました」

昔、よく似たシステムの修道院殺人事件で煮え湯を飲まされた事がある。
それは確定させてからでは遅いという事だ。また、確定させるために、あえて可能性の低い方を言うのも御法度である。


2回目の手札。秋3枚。このように固まると結構辛い。ばれるんが早いのだ。

次のセッションでは、タナカマが間違い、わしも間違い、COQが当てて1点。

COQ「うーん、メモが欲しい!」

こうやってセッションが続いていき、最後はタナカマのミラクルなチャレンジが成功して勝利した。

COQ「えー、なんで解ったんですか?」

タナカマ「一か八かもあるけど、質問が偏っていたのと、自分の手札から推測しました」

所要時間20分


3回目の手札。梅雨が入っている。梅雨は+1点となるが、6点勝負の中では、今ひとつ効果的とはいえない感じがする。

タナカマのコメント

こういったのをやると、あそこのはやっぱり駄目だなーと思いますw

ソマーリオ

クルードのシステムだが、それよりもそれを活かした修道院殺人事件のシステムそのものを簡易なカードゲームとした感じである。

修道院殺人事件と同じく、失敗してもそのセッションが終わりにならず、得点が1つ減って再開できるところはよく出来ている。
元々クルードのシステムがよく出来ていたので、ゲームはやっぱり面白い。余計なところがそぎ落とされているところも好感触である。

少し考えさせられるのは梅雨カードの存在である。全員が手札を均等に配れるよう苦心して追加したカードのように思われるが、それほど上手く機能しているようには思えなかった。梅雨カードを持ってるプレイヤーは+1点貰えるという特典はあるのだが、点数が割とざくっとした得点であるため、+1点よりも情報であるカードの方が欲しい。さらに梅雨カードを誰かが持っているという推測はほとんど不可能で、場に流れる情報の目くらましにもなりにくいのが少し残念。

と、ちょっと厳しく評価したが、僅か800円で、味のあるカード、雰囲気、内容と素晴らしい同人ゲームである。特にこのデザイナーは他にも和風のムードを前面に押し出し、非常に優れたセンスを有している。ここは和風を思いっきり全面に押し出しており、ボードゲーム業界にない未だかつてない味わいがあり、今後、最も注目したい同人デザイナーの1人である。世界にうって出れる。

すごろくやで1300円というゲームマーケットに来れない人の足下をみるぼったくり価格で扱っていたようだが、このゲームのコンポーネントに1300円という値付けはないので、もっと良心的なお店で扱って欲しいものだと思う。小売りは高くて6掛け普通は7掛けでしょうよ。
そもそも同人ゲームはある意味ファン的な意味があるので、個人的なものを取り扱うオクなら仕方がないがお店がここに思いっきり儲けをのせるのはわしには違和感ある。

まあ、それはさておき手軽に遊べるよく出来た推理ゲームなので、見かけたら是非やってみて欲しい。

gioco del mondo