世界中のおばけがおそいかかる!
おばけ屋敷を脱出できるのは誰だ!?

バンダイ 平成24年

2〜5人
40分

絶叫!おばけ屋敷ゲーム

1980年に発売し80万個以上を販売した大ヒット商品「おばけ屋敷ゲーム」が、
懐かしいルールはほぼそのままに、究極に面白くパワーアップ!

そのまま遊んでも最高にスリリングなゲームが、スマートフォンの専用アプリをダウンロードして遊ぶと、ゲームの進行に合わせてリアルな映像・音・振動が発生し、楽しさと恐怖が倍増します!!





プレイ感

おばけ屋敷ゲームがスマートフォン対応にリニューアルされて登場という事で、これはくだらなくても買うしかないと購入する事にした。届いた箱の小ささに驚いた。また馬鹿でっかい箱やと思ってただけにこれは嬉しい誤算。中を開けると、カード類はシートになっており、自分で切り離す仕様となっている。さらに移動カードが恐ろしく小さくなってて、これも自分で切り離さなくてはならない。昔のバージョンやと、わしの記憶では、おばけカードは切り離す必要があったが、移動カードは最初から切り離されてた筈。おばけカードも少し小さくなっており、ボードがまたペラペラで、コストダウンしまくっとんなーと思った。最大プレイヤー人数も5人までになってるのも同じ理由からだろう。

基本ルールは、ほとんど変更されていない。大きな違いは、退治したおばけカードに特殊効果があって、移動カードを出す前に、そのおばけカードをプレイすれば効果を適用できるところだ。強いおばけは効果が大きい。そして死神は、退治したおばけカードを持っていれば全部捨てる事で1度は許してくれたが、今回の死神は許してくれず、すぐに橋のたもとに戻される。

変更点はそれだけだが、スマートフォンを使う場合、少しだけルールが追加される。イベントマスがあちこちにあり、ここに止まればスマートフォンのアプリを使って、イベントを解決する。イベントは良いイベントと悪いイベントがある。またボスおばけの部屋が2カ所あり、ここで対決する場合、カードを使わずアプリを使ってボスおばけと対決する。死神もすぐに橋のたもとに戻るのではなく、死神ルーレットで助かる場合もある。


ボードは小さく、カード類はぺらぺらの大コストダウンを図ったおかげでかなりチープなコンポーネントになったが、雰囲気はおばけ屋敷ゲームそのものだ。また中央下にスマートフォン置き場の台座が付いてる。もちろん紙製。

来た日にすぐにmiaとやろうと言うことになった。

わし「知恵と力で勝負!」

mia「ぴぽぴぽーん」


ここは前とまったく同じ。弱点のどちらかが当たれば勝ちだ。

今回は、やっつけたおばけに意味がある。
おばけの特殊能力の中で最も素晴らしいと思うのが2マス進むという効果だ。

おばけカードは移動カードとは別に出せる事が出来るので、最高8マス進む事が出来るという事だ。
いや、ちょっと待てよ。1手番に出せるおばけカードのプレイ枚数に制限はあるんかいな?
ルールを読んでも書いてないので、多分OKなんやろう。そうなると死神対決でかなり捗ることになる。
とは言っても2マス進むってのは弱点が力だけの怪物に限られているので、よっぽど運が良くなければ集める事は出来ないだろう。

mia「じゃあ、勇気と知恵で勝負!」

わし「このカードには勝てない! 魔王じゃ」

mia「えー!」

序盤にいきなり魔王登場。
とはいっても序盤は負けても、再度その部屋で再戦するだけなのでどうって事はない。


最強のおばけである魔王が出た。

負けるとどうなるかってのは各部屋に書かれている。
時には開かずの間に行かされたりするが、まあ大体はもっかい勝負とかそんな感じ。
外に出されると鍵カードで再び入らないとあかんので結構痛かったりする。

mia「じゃ、イベントやってみる」

今回の目玉のひとつがこのイベントマスである。
通常の廊下にところどころイベントと描かれたマスがあり、スマートフォンのイベントを解決する必要があるのだ。

mia「何これ? 矢印の方向に障子を開けるの?」

指をスライドさせると、障子が開き…

mia「座敷童が出た。4マス進める。やった!」


この座敷童がでたら、良いイベントである。同じ演出から悪霊が出ることもあるので結構どきどきする。

他にも貞子の登場シーンみたいに画面に砂嵐がでて、幽霊が登場するのとか、黒電話が鳴り響き、その電話を取ると呪われるとか、ろうそくの火をプレイヤーで順番に消していき、最後の1本を消したプレイヤーが呪われるとか、数パターンの演出があって、非常に面白い。

わし「わしゃあえて避けてたけど、むしろこのゲームはこれをバンバンとやった方がええんちゃうの?」


日本の昔話から。どっちのつづらを開ける?

そうこうしているうちにmiaが先にボスおばけの対決部屋に到着。魔除けカードの勇気、知恵、力のうち1つだけで勝負をしなければならないのだ。スマートフォンの場合、最強魔除けカードってのを使う。
最強魔除けカードは、スマートフォン専用の魔除けカードで、出てきたおばけに対してこの魔除けカードをタッチすれば、何で勝負してきたのかアプリで自動判別して、勝敗が解るという超ハイテク魔除けカードの事だ。


2カ所あるボスおばけの対決部屋ではスマートフォンを使って対決する。ところどころにあるイベントマスのおかげで、オリジナルでは数字の小さいカードは単に損なだけだったが、今回はあえて止まりたいケースが出てくるようになった。たまたまかも知れんが、良い改良となっている。

のっぺらぼうが出た。京極夏彦のぬっぺっぽう以来、のっぺらぼうは小泉八雲の狢ではなくなったのは実に興味深い。

わし「あ! 不味い」

実はのっぺらぼうはわしが前に倒したおばけだったのだ。弱点がばれてしまってはいけないと慌てて、やっつけたおばけカードを隠す。

mia「しまったあ! 覚えてたら良かった。しょうがない、じゃ力で勝負」

力の最強魔除けカードをスマートフォンの指示したところに当てると、力の赤色が燃え上がる。

そして

mia「やった! やっつけた」

わしののっぺらぼうと答え合わせをしてみると、弱点が違ってた。
後でもっかいやって調べてみたら、弱点はその都度ランダムに変わるようだ。


最強魔除けカードを使ってスマートフォンにタッチすると、アプリがそれを判定して勝敗を決めてくれる。

さてどうしてスマートフォンが力、知恵、勇気を判別できたか。
それは最強魔除けカードの裏面に電流が流れる仕掛けがあって、そのポイント位置が魔除けカードによって違うのだ。このアイデアは実に素晴らしい。

その後、わしはボスおばけに破れて開かずの間に飛ばされ、這々の体で抜け出したが、miaは梯子がなくてあっという間に追いついた。

わし「あ、お前、マッハカード持ってるやろ!」

mia「何それ? ないよ」

わし「嘘こけ」

mia「本当にないって」

わし「という事はまだ眠ってるって事?」

ラスト1枚を引くとマッハカードやった。

わし「来た!」

おばけ屋敷ゲームをやった事のある人なら当然知ってると思うこのマッハカードは、このゲームのバランスをも破壊しかねない最強のカードである。
1から6マスの好きな数が進めて、さらにもう1枚カードを出して進むことが出来るカードだ。これは死神の橋で圧倒的な力を発揮する。マッハカードがなければ勝てないといっても過言ではない。その次に有効なエクソシストカードはこのゲームでは守護霊カードと名前が変更されている。またパス出来るブラックカードはなくなり、鍵か梯子の代わりになる神の手カードという弱いカードに変わった。

守護霊カードはmiaが持っているみたいだが、まあいい。マッハさえあれば勝利はこっちのもんよ。
わしの個人的な能力比較では マッハ>>エクソシスト(守護霊)>ブラック>>神の手 である。

mia「ところで、この弱点が2つあるおばけって、同じカードを3枚集めんと効果が発揮出来ないとあるけど、まったく同じ組み合わせでないと駄目なのかな?」

わし「そんな事ないやろ。勇気だけ3枚とかでええんちゃうの?」

説明書をみると、説明がされているが白黒でまったく解らねえ!

mia「ちょっと貸してみ。あー、やっぱりまったく同じでないと駄目みたい」


このゲーム随一の力を持つマッハカード。これがあれば勝てる。またちょっと見にくいが、おばけカードの右下にそのカードをプレイすることで得られる様々な効果が書かれている。

例えば勇気と力が弱点のカードなら勇気と力が弱点のおばけカードを3枚集めないと効果が発揮出来ないのだ。確かに組み合わせによって、同じ効果となっている。つまり6パターンある。それに弱点が1つだけのおばけを合わせると合計9パターンの効果があるのだ。

わし「これ、苦しない?」

というのは、対決の部屋は合計で6部屋しかなく、スマートフォンを使う遊びなら、ボスおばけ戦2回あるので、基本的にいくら頑張ってもおばけカードは4枚しか集められないように出来ている。おばけカードの効果を使って一度勝った部屋の外に追い出されでもしない限り4枚しか無理なのだ。そこがちと甘い。

さてそうこうしているうちにmiaが先に死神の橋に到着。誰かが一度死神の橋を渡れば、今後は他のプレイヤーが出したらその数だけ死神が移動するという、まるで現代のドイツゲームのような素晴らしいシステムである。

miaがエスケープゾーンに隠れながら、進んでいく。
わしも遅れながら、死神の橋を渡り始めた。


死神の橋。当時このゲームを他の日本のゲームと一線を画したのはこのシステム部分だ。

そしてmiaが余裕で助かると思ったここぞというタイミングで最強カードを出した。

わし「マッハ」

自分を6マス動かして、その後死神を6マス動かす。miaの1歩手前で死神が止まった。
わしはさらに6のカードを出して、自分をするっと最後のエスケープゾーンに滑り込ませて、その横を死神がさらに6マス進む。当然、mia捕まる。

mia「腹立つなー!」

miaは死神ルーレットを廻して、失敗。橋のたもとに戻される。

ここまできたらもう、勝利確定。死神は反対方向に進むのであっという間にゴール。

所要時間30分


逃げ切った。

ソマーリオ

前にやったときと比べて非常に楽しかった。もちろん理由がある。それはカードの調整がされていたからだ。オリジナルバージョンは昔の日本のすごろくらしくダイナミックな演出をするためか、はたまた弱者救済のためか、『全員集合!』ってカードがやたらと多かった。

それがあるだけではっきり言うて萎える。今までコツコツと積み重ねてきた苦労はなんやったんやと。こんな感じでしょっちゅう集められるのであれば、途中の部屋も要らんし、マス目も不要やろと思った。

※ちなみにこれが一番酷いのが日本特急旅行ゲームである。ある程度、抜いて調整した方が絶対に楽しい。

かつてこのHPで書いた思いが届いたのかどうかは定かではないが、おばけカードが調整されており、わずかに1枚だけ『トッププレイヤーに集合』があるのみとなった。これくらいなら許せる。少なくとも後ろに戻ることはないのだ。
そのおかげで本来のおばけ屋敷からの脱出というテーマが存分に味わえる事となった。

ここまでなら、オリジナルバージョンでもカード枚数を調整すればなんとかなる。
今回は21世紀に相応しいスマートフォン対応が施された。
これが実に素晴らしい仕掛けなのだ。

数パターンあるイベントは全て、おばけ屋敷というムードぴったりのもので、演出も絵柄も非常によく出来ている。

ジリリーンとなる黒電話。それをタッチすることで受話器が持ち上がり、話し声が聞こえる。
障子をすすーっと開くとそこには誰かが居る。
突然、砂嵐。何かが映り込む。
目、目、目。目がこちらを見ている!
ろうそくの炎を消していくのは、怪談百物語そのものだ。

そしてボスおばけ戦。実際に魔除けカードを貼り付けて勝負する。
この仕掛けを考えた人はバンダイから表彰されていい。素晴らしいアイデアだ。

これらの演出のおかげで、ボード上を鳥瞰できるが故に第三者的視点であったゲームが、その場にいてるような臨場感溢れるおばけ屋敷となった。

これぞアナログゲームとデジタルゲームの融合だ。
この進化の形こそ今後、追及されるアナログゲームの姿だ。

日本人は昔にアナログゲームを捨ててしまった為優れたアナログゲームを作るのは苦手だが、デジタル技術や仕掛けに関しては世界一の能力を持っている。ところがこのデジタルとアナログのハイブリッド形式ならば、世界にあっと言わせるものが作れるのではないかと、一人、興奮している。

インフラ系としてスマートフォンが広がった今だからこそ出来るシステムなのだ。

さて良いところを先に書いたが、改良して欲しいところもたくさんある。
まずはびっくりするくらいチープなコンポーネントには驚いた。ありとあらゆるものがペラペラ。トムとジェリーで踏んづけられたみたいにペラペラだ。しかも全て自分で切り抜かなくてはならない不親切仕様。
また移動カードの花札並のちっちゃさには、度肝を抜かれる。オリジナルバージョンではトランプくらいの大きさで尚かつ裁断済みだった筈だ。(何故かおばけカードだけは切り抜いた記憶がある)

ボードも昔の日本のゲームでも薄かったが今回の薄さはひとしおである。これ以上薄くしたら『ボードゲーム』と呼べないくらいの代物である。
もちろん魔除けカードもペラペラのペーラペラ。オリジナルは厚めのタイルであった。

徹底したコストダウン、チープなコンポーネントは、売れ行きの問題もあるだろうからしょうがないが、やっぱり寂しく感じた。ただし、唯一、箱がコンパクトになったのは良かった。

上にも書いてるが弱点が2つあるおばけカードの効果については3枚を集めるのはほとんど不可能だ。これは2枚にした方がいいだろう。オリジナルバージョンとは違って、全員集合が少なくなったおかげで、そう何度もおばけと対決することはなくなったのだ。これはすぐに解る問題なのでテストプレイ中に調整すべきだったと思う。後日TAMとやったときにオリジナルでは部屋の数が8カ所ありましたよと言われた。確認してみると確かに8カ所ある。ひょっとして、テストプレイするときにオリジナルバージョンでやって、その後の調整で部屋数を6部屋に戻した時にこの部分を調整するのを忘れたんじゃないかいな。
部屋数が減ったことでプレイ時間が短く引き締まったように思う。内容的にオリジナルの8部屋では長すぎてだれる。

アプリについても、ボスおばけがあまりにも少なすぎる。もっと数を多くして欲しい。
またイベントで、アプリのおまけでついてる心霊写真を撮るってのを加えて欲しい。実際にそのプレイヤーの写真を撮る事で、さらにおばけ屋敷としての臨場感が増す筈なのだ。良い場合は守護霊が映り、悪い場合は悪霊が映る。

アプリについては、アップデートで対応可能なので是非ともお願いしたいところだ。

さて総合的にみてもうひとつ駄目なところがある。それはリアル系とひょうきん系が混ざってしまって全体的な整合性が取れていないところだ。ボスおばけ戦でからかさおばけが出てきてもちょっとつまらんのだ。そのくせ、イベントはかなりリアル系の怖さを演出してたりする。
まあ、日本の妖怪ならばしょうがないところもあるが、なんつっても許せないのはいたずらオバケのイラストである。『トッププレイヤーの場所に集合』って、それ魔王級の能力やんけ! それやのにあのファンシーな絵柄は一体何や! ふざけた絵柄はせっかくの世界観を潰す為に辞めて欲しかった。


いたずらオバケ、こいつの存在だけは許せない。どんなけひょうきんやねん!
それにわら人形、お前はオリジナルでもおったけどおばけじゃなかろうに……(|| ゜Д゜)ガーン!!

2回目をやると、すぐにボスおばけが一緒やんけというがっかり感があったが、このゲームは今夏、親子で絶対にやって欲しいゲームNo1だ。大人は昔を懐かしみながら、子供はおばけという、現代では否定されつつあるファンタジーを体験して欲しい。おばけをリアルに怖がるなんて、子供時代にしか出来ない大切な思い出だ。
そういった事で欠陥は多々あるものの評価としたい。子供と昔のおばけ屋敷ゲームを懐かしみたい大人という、このゲームをやりたい層を考えると最大限の楽しさを引き出しているからだ。ただしこのHPでたくさん紹介しているドイツゲームテーストはまったくないので、現代のジレンマたっぷりのボードゲームが好きな人はこの評価をみて買うとがっかりすると思うのでお勧めしない。

前におばけ屋敷ゲームをやったときと評価が完全にひっくり返ってしまってるのは、3人でやったときに鍵が手に入らず手札の回転が悪かったかも知れない。今回は2人プレイだったのでカードが均等に回転した。前のもそこまで酷評するものではなかったのかもと少し反省してる。こちらも多人数でやったら手札のばらつきでおもしろくないプレイヤーが出るかも知れないのでそこは確認せんとあかん。もうひとつは自分がドイツゲームの面白さに熱狂してた時代にやったのもつまらんかったと評価した理由のひとつだろう。

裏面を使って別のゲームが出来るらしいので、それはまた今度やってみてレビューする。

gioco del mondo