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Cyril Demaegd
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YSTARI
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2〜4(5)人
90分
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イス
ゲーム説明
ここはフランスにあるイスの町。今は海の底に沈んでしまったイスの町も当時は活発な宝石貿易で栄えた港町であった。この町にたくさんの宝石ブローカーが集まり、自分の集めた宝石を価値あるものにするために、日々価格を操作して暗躍しているのだ。
プレイ感
オルトレマーレと並び無名メーカーが出した割に評判となったゲーム。本来なら3人から4人用だが、メーカーが2人から5人まで出来るとサポートした。よっていきなり、ろー、PHY、りゅう、けがわと5人プレイにて。当然、駒が足りないので自作。ろーさんが元々やるつもりで用意していたのでシールを貼るだけで済んだ。なんでも値段が高くなるので、4人までの駒しか入れていないとメーカーが言うてるらしい。
ルールを聞けば聞くほどモルゲンランドにそっくり。ろーちんの説明を受けながら「モルゲンだな」「うん、モルゲンだ」とけがわさんとこそこそ。
ちと宝石の価値の部分が分かりにくかったが、やりゃあ分かるやろという事でスタート。いつものように敬称略したり付いたり(笑) まあそこらへんは許してちょんまげ。
港作戦で、すっかり黒ずんだ珍物を集めるPHY。とりあえず手なりですいているところに置くわし。宝石が決め手になると思ったのか、宝石重要視して価値を操作するけがわ。
こんな感じでゲームは進む。
数字の書いた木製駒をおいていき、その合計点が高い方がエリアの特典を得られる。これはモルゲンそのものだが、違うところは2個1で置いていき、片方は公開するというところ。これによって読み合いが益々熱くなるようになっている。
12のエリアに分かれており、外側は黒宝石、真ん中は3勝利ポイント、内側は特殊カードを貰える。また1つの区画(内中外の4つの区画がある)でみて一番多いプレイヤーは宝石を2つ選んで貰える。宝石の種類は置いてあるカードから選ぶ(宝石が3つ書いてるカード)。裏返してるブローカー駒や見えているブローカー駒は2個1ルールのせいである。一番手前の2個はプレイ順を決めるもので最初に置いておくものだが、同点の場合もこれで勝敗を決める。
ブローカー駒は木製の棒でかなり手にしっくりくるので、置く感触はかなり気持ちいい。これで、どや? とドンと置く感じ。まさにブローカーの気分。
得点集計は最後までやらないので、誰が勝ってるのか分からないまま、ゲームは終盤へ。
jこれが宝石ゾーン。左に置いている宝石を貰えるという特典と、下の宝石の価値を上下させる効果がある。この場合、たくさん置いているので青の宝石の価値が恐らくあがるだろう。当然青の宝石をゲットする為の上二行は熱い戦いとなる筈だ。ちなみに青のへんてこ駒は5人用の駒がないんで百均の磁石を使って急遽作ったもの。
とりあえず黒の宝石を集めているPHYがトップ臭い。そして相変わらずやらしいプレイをするけがわが、宝石を我が物顔で操作しちょる。
宝石操作はもう今から無理として黒の宝石はいまからでも集めておいて損はない。集めれば集めるほど得点が高くなるのだ。
自然、、「えー、そこくるんすかあ!」と港王PHYが叫ぶ。
「ちょっとまって」説明書をがさがさ開くろー。「えーと、やっぱり7つ以上は同じ点だよ」
PHY「えー!! じゃあ、僕、あと1つだけじゃないすか」
わし「そそ、色々取った方がええでえ」と口策略をめぐらす。
終盤になってようやく黒ひとつゲット。これが聞いてくる筈じゃあ。
その裏で、最初に置いておく駒にやたらとパワーをかけ、変わったプレイをするけがわ。こうしておくと同点の場合、勝利を得られるモルゲンのラクダ効果が得られるのだ。
でも、それって、、、配置出来る駒のパワーがなくなるんで(同じ駒を使う)勝負なったら同点どころか普通に負けるのでは?
それにも気づかずけったいなプレイを繰り返すけがわ。
うーん、素晴らしい! こういうプレイは後々戦術を生み出すね!
さらに、宝石の価値操作を繰り返して、わしがいっぱい持つ宝石をめったくそに価値を下げる。
覚えとけ、おっさん! と心に堅く誓うわしであった。
しかし終盤、愚かにも作戦変更。今度は最初の駒をを0、0にしてラクダをやめるという極端なプレイに走る。
ここが勝負!
けがわ、ろー共に大嫌いなテキストカードに、宝石の操作が出たのだ。2つの宝石の価値を逆転させるというカード。モルゲンの魔法と違って、オープンなのだ。これを取れば勝つ! そう、ここでけがわはラクダプレイに0、0をやってしまったのだった。わしはけがわさんより後をとれば勝てるとふみ、かなりの価値をつけて順番を最後にとる。赤の宝石をやたらめったら集めていたのはけがわだからだ。
ここが勝負である! 手前にちらっと見えるプレイ順決定で奮発して4を置く。これでプレイする順番を後ろにとる。相手の動向がわかれば宝石の価値逆転カードを楽に取れる筈だ。
その効果が分かっているのか分かっていないのか、最初けがわはそこに3をオープンして置くが、わしゃ、しれっと知らない顔。
他はどうでもいい。そのつもりで、4の駒を置いておき、他の部分に適当に配置しておく。
結局、誰もそこに置かなかったのを確認して、4の駒をどんと置いた。
勝った。
当然、宝石の価値は逆転し、わしがトップの宝石は最も価値が高くなった。
ラストターン、今までもっと価値の高かった赤が急落して、黄色の価値が高くなった。当然左にある黄色の宝石を取りにブローカー達は群がる。
それでも宝石の数で勝利点を貰える訳ではないので(得点×数量と勘違いしてこのカード取ったら勝ちやんと思ってたがそこまで酷くないらしい)、しっかりと勘定する。
結構まんべんなく宝石を取っていたわしのぶっちぎりの勝利。
所要時間120分
けがわのコメント
あのカード酷いね。
酷いのが解ってるなら取りにきんしゃいよ。と心で思うわしであった。
ソマーリオ
ずばりモルゲンランドを研究して進化させている。裏表で2個1で置くのもそうだが、0から4という数値にして運の幅を狭くしている。
またモルゲンでは伏せ札となっていた魔法カードも含めて最初から全ての情報をオープンにする事で、より戦略的にプレイ出来る工夫がある。
木製の駒も手にしっくりとくるし、宝石駒もモルゲンと同じく良い雰囲気で、ボード全体の絵柄も悪くない。
しかし、モルゲンとの差別化をしている宝石の部分がいまいちまとまりが悪い感じがする。選択肢が多すぎてそこまで手が回らないのだ。システムとしてはおもろいのだが、ボード12エリア+16の宝石エリアもある。比してモルゲンは12エリアのみである。ボード9エリアにしてやればもっと宝石のやりとりが熱くなるんじゃないかと思う。そして中盤に一度得点集計してリセットすべきである。でないと、あのカード1枚でこつこつ積み重ねたリードが簡単にひっくり返ってしまうのだ。
そこらへんが気になって、モルゲンを進化させているにも関わらず、プレイの楽しさは損なわれてしまった。まあ、モルゲンは俺のツボであるアラビアンナイトの世界つうのもあるが、このイスの世界観も悪くないので残念である。
モルゲンランドが好きだがまだ持っていない人、運の要素が多すぎると感じる人で、もう少し戦略的にやりたいならこちらのイスを薦める。宝石の価値という仕掛けがイスにはあるのだ。もう一度やるともっと良い面が見えてくるかも知れんしね。
今をときめくイスタリゲームズの出世作となった作品である。
後日のリプレイにて
基本構造は悪くない。と、以前書いたのだが、実際にもう一度イスとモルゲンランドをやり直すと、まったく違う事が分かった。モルゲンランドのボードには練り込まれたおそろしいまでのジレンマがあるのに対して、イスは4つの地区がほとんど均質で、ジレンマが生まれにくい構造となっている。最初にどこに置くのか、イスにはプレイヤーに時間をかけて悩むような選択肢がない。適当に置いていくうちにジレンマが生まれていくという構造になっているので最初は適当に置いていくのがいいだろう。悩んでもしょうがない。ただゲームを進めていくうちに、宝石の存在がジレンマとなっていく筈だ。
モルゲンランドを進化させたというのは訂正する。イスを勧めるというのも訂正する。モルゲンランドの方が圧倒的にゲームとしての完成度は高い。残念ながら個人的にイスの出番は完全にない。
それとこちらのわんこさんのページに二人用と五人用のルール和訳が置いてあります。