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Richard Breese
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Hans im Gluck
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3〜5人
90分
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モルゲンランド
ルール説明
各自1から9(3だけない)のタイルを、3つの階層に分けられたところに配置して、エリアごとに数値がトップの人が、宝物を得たり、アーティファクトを得たりといった特典を貰える。
最下層はドラゴンの宝、真ん中の街ではスタートプレイヤーになったり、魔法を手に入れたり出来る。一番上の宮殿で、勝利条件であるアーティファクトを入手出来るが、アーティファクトはそれ以外にも様々な力を持っている。
超でかいボードである。最下層で宝物を手に入れ真ん中で展開を手に入れ上部で勝利条件を手に入れるように出来ている。
ゲームの備品群。ラクダは組み立てる。宝物は形が違って良い感じ。
プレイ感
わたくしめは何を隠そうアラビアンナイトの大ファンである。このゲームはずっと欲しかったのだが目につかないうちに絶版となってしまった。この度ようやく英語版を入手したのだ。タイトルがモルゲンランドからアラジンズドラゴンというベタなのに変わっているのはショッキングだが、致し方なし。
MIRU、ぴの、TAMの4人でプレイした。最初、わし自身もいまいちルールを把握せずにやったので、説明に手間取ったが、やりゃあ解るやろといつもの気持ちでなんとかスタート。いんじゃんでトップはMIRUで駱駝コマを置く。なかなかに凝ってるのう。
最初はやっぱり宝じゃああ! という事でドラゴンの巣窟にガンガン下僕を送り込むと、皆も同じ考えのようでドラゴンの巣はタイルで溢れかえる。
「あれ? 同点の場合どうなるんやろ?」
丁度、MIRUと同点のエリアがあった。大概、2位繰り下げで折半やからなあと念の為説明書を開く。
「えーと、何々、同点の場合は、駱駝を持ってるプレイヤーから順番に優先となる……」
ラクダ?
ちっきしょおおおおーー!!!
あのラクダはただのスタートマーカーで順番に回ると思ってたちゅうねん!
質感たっぷりの良くできた宝物は人数によって分配される数を変えてバランスを取っている。こうして衝立の後ろにアーティファクトや数字タイルを隠しておくのだ。目の前においてあるのがスタートとなるラクダマーカーである。
最初のラウンドでほとんど宝を取れずにしょぼしょぼの結果となった。
2巡目、なんとしてもラクダをゲッツしなきゃならん。MIRUの右隣のわしはこのままやと優先権一番低いやんけ。
つーわけでラクダ、捕獲大作戦開始。単に街の隊商宿に1のタイル置いただけやけどな。ここでトップを取った人が駱駝くんをゲッツ出来るのだ。さすがに競りかけてくる奴もおらず難なくゲット。
しかし、ここでも大敗を喫する。皆は、街で魔法グッズをどんどん揃えてきやがった。
3巡目、ふとある事に気付く。考えたらいっちゃん上のアーティファクトって、競りかけてこんかったら安う買えるんちゃうの?
このゲームのよう出来てるところは、アーティファクトのみ、強いタイルを置くとそれと同じ宝価格で買わなければならないという点である。
つまり誰も気付いてない今なら、1とか2で買える? アーティファクトは絶対価格じゃなく時価なのだ。
早速置くと、同じくそれに気付いたTAMが置いてきやがった。
ちきしょーーー!!
駱駝、駱駝あああ!
しかし後の二人は気づかず、ひたすらドラゴンの巣窟で宝を漁る。
あさましいぜ。。。
案の定、安くアーティファクトをゲットする俺とTAM。二人でにやりとする。
しかし今回はTAMの方がいっぱい持っていきやがった。
次巡に、俺は大量にしょぼいタイルを宮殿に配置するが、TAMは競りかけてこない。
なぜ???
代わりにぴのが気が付き、ちょこちょこ置いてきやがった。
しかしここでようやく大勝を収める。
次巡、なぜTAMが競りかけてこなかったのかよおく分かった。
じり貧やん。
そう、アーティファクトを入手するのに宝を使い、ドラゴンの巣では二人のあさましい姉妹に取られて、まったく宝がない。
「なんでけーへんのか、分かったわ」
「分かったでしょ?」
という訳で今回は、ドラゴンの巣荒しに走る。
このようにタイルを伏せて配置する。競りゲームである。
しかし、そこはそれ、わしは空飛ぶ絨毯というアーティファクトを手に入れてたので、ばびゅーんと飛んできて競りはちょっとだけ有利になった。
ただ、アーティファクトは1ターンにつき1回しか使えないので、ジンの宿を抑えて2回使えるように工夫もする。
途中TAMに「単にこぶがあるだけちゃうでえ」の俺の切り札ラクダを奪われるも、今は我慢の時。
「この宝、ほんまもんの王冠とか金の延べ棒に見えてきましたよ」
TAMがいう。こいつがこれを言った時は、ゲーム世界にはまり、気に入った証拠だ。
魔法を周りで使いだすも、アーティファクトの対抗呪文でがんがん打ち消す俺。何度でも使えるのがええのう。
うーん、アラビアーン!
ふと隣のぴのを見ると、衝立からはみ出して宝物を並べてる。
「どんなけ持っとんじゃい!」
思わず声を出す。貧乏な俺からはまぶしすぎるくらいの宝の山、山、山。
「あ、見えた?」
見えるわい。そんなけきちんと並べたら。
それから衝立の後ろに書いてあるアーティファクトの効果を読もうと、衝立を持ち上げるぴの。
「ぴのさん、どんなけ持ってんすか!」
TAMも同じ声を張り上げる。
しかしゲームは終盤、というよりアーティファクトはこれで終わりなのでラストターン。
「金に物を言わせちゃるうう!」
ぴのがそういったかと思えば、
「え、え、ちょっと待って。え、意味分からん」
MIRUが最後まで意味分からんとゲームをまったく理解せず。ぴのも「なんで分からんねん!」とお怒り。大体、タイル置くん遅いのなんのって。
金に物を言わせるといっただけに、魔法の税金とかかけてきよるぴの。宝を5個づつほかせとの事。
なんという貧乏人泣かせの魔法。貧乏人から更に税金をしぼろうとするとは、、、お前は自民党か!
あー、なんかアラジンの気持ちがよう解る。
※うんちく。アラジンはとっても貧乏人で、盗んでは生計を立てていたのです。そして王女様に一目惚れして自分はお金持ちだと嘘をつくのです。
「阿呆かあ! 対抗呪文」←何故かマジックザギャザリングでホビージャパンがCounterSpellを対抗呪文と訳して以来、いつもCounterSpellの訳は対抗呪文である。わしとしては打ち消し呪文の方が意味が解りやすいと思うのだがのう。。。
そう、貧乏人の俺にもアーティファクトという強い味方がいた。
悔しがるぴの。
しかし、そこからが魔法大合戦。残していた魔法をあらんかぎり使いまくる。わしは対抗呪文をほとんど独占して、しかも既に使ってしまってたので、阻止出来ずに、ひたすら魔法一過に耐える。
ようやく終わった頃、アーティファクトの分配が行われた。
7個。そしてTAMも7個だったが、同数の場合の勝利条件である巻き物を3つ持っていたTAMが勝利。所要時間120分。
最後、魔法さえなければ1個買えて勝てたんやけどなあ。
所用時間は長いけど、これは馬鹿MIRUの長考のせい。なんせ無茶苦茶長い。さっさとやれば90分切ると思う。
TAMのコメント
これ、おもろいっす。最初、アーティファクトに気付いたん同じタイミングでしたね。しかしぴのさんの宝にはびびりました。素で、衝立持ち上げるもんなあ。
ソマーリオ
たまらんな。アラビアンナイトの世界にひたれるわ、これ。おもろいのは当然として、個人的に無茶苦茶気に入った。買わんかったら損してたとこやった。意外にもぴのの受けが良さそう。かなり気に入ってた模様。
このゲームはなんといってもムードがいい。見事に砂漠のファンタジーを描いてる。宮殿に入る前に番人がいるあたりも如何にもアラビアンナイトな感じ。金と力でなんとかなるあたり、宝の入手方法、魔法、全てが千夜一夜物語である。欠けているのはエロティシズムと物語性だけだ。これに物語性があれば間違いなく俺のベスト3に入る。ただ一般的には級かなと思うが。
しかし後日、TAM嫁交えてやる事があったが、終始、オソロシイまでのジレンマに悩まされていた。順番にマスを解決していくというルールと門番という存在で、確かにえげつない程のジレンマが襲う。しかも一見すると数字に適当性があるように思うが、これがボードのマス数と見事にマッチングしていて、全ての数字がとても大切になっている。とりあえずここに置いておくか、という捨て数字がまったくないのだ。どんな数字もおろそかには出来ない。級というのは間違っていた。確実にである。ここらへんはイスをもう一度やってみて比べてみたい。
※うんちく。アラビアンナイトの世界はかなりえぐくてエロい。しかも不細工というだけで悪人だし、美男美女というだけで良い奴というとんでもない世界観である。
レイハリーハウゼンの大ファンといえばすぐに解ると思う。シンドバットである。あの映画が大好きだった。このゲームにはそういった冒険のワクワク感はないが、原作のムードにたっぷりと浸れる。唯一の不満はドラゴンの存在である。アラビアンナイトにドラゴンは出てこんのとちゃうか?
ロック鳥の巣とかにしてくれたら良かったのにさ。
実のところ、レイハリーハウゼンのシンドバッドシリーズよりも、もっともっと砂漠を描いた物語がある。それが手塚治虫の千夜一夜物語である。エロティック、残酷、自分勝手と見事にアラビアンナイトの世界観を描いている。レイハリーハウゼンのシンドバッドは、ファミリー向けに仕上げているのでそういったシーンはないが、本来のアラビアンナイトの世界観とはまさにこんなんである。内容は思いっきり大人向けだが、子供の頃みて、もうその不思議な感覚に完全に魅了されてしまった。
絵はアンパンマンのやなせたかし、声優は青島幸夫、さらに友情出演に筒井康隆、小松左京、遠藤周作とか大物作家たちが出ている。最近、廉価版のセットが出てるのを発見したので購入した。この世界観が好きなら、観て損はない。
こうなるともっともっと冒険したくなるなあ。Tales of the Arabian nightっていうゲームがある。もっと完璧に浸れるゲームなのだが、いかんせん英語しか出ていないし、絶版である。絶版うんぬんは抜きにしても英語はつらい。それでも欲しいくらいアラビアンナイトが好きなのだわ。とりあえずこのゲームで我慢するけどさ。とにかく琴線にふれた。ゲーム性は落ちるがアーティファクトを自作して物語を作ったろうかとさえ思うくらいである。
これがそのTales of the ArabianNightsの箱である。一度ヤフオクで見かけたが2万4千円で競り負けた。(T_T)
これが冒険の舞台。ベラボーな量のテキストを読み進めて冒険していくまさにアドベンチャーである。どっか日本語化して、出してー!!!