Erik Andersson Sunden

AEG
ケンビル

2〜5人用
30分

ワーリング・ウイッチクラフト

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待ってましたよ、魔女諸君、さあさあ、さっさと作業場へ
魔女というものは、強力な魔法の材料をたくみに扱えてこそ、材料が強力であるほど、より素敵な魔法を生み出せます。
でもご注意を。魔女一人が扱えるちからには限界があり、それを超えると自らの身体を吹き飛ばしてしまうのです!
この特性は宿敵の魔女を陥れるのに大いに役立つでしょう。

プレイ感

COQがTwitterでイチオシしまくってた奴である。実はパケ絵をみて、うーん、あんまりおもろないタイプにありがちな絵柄やなと思ってた。
コンポーネント凝りすぎのゲームは、それで誤魔化してるのが多いしと、意外と乗り気じゃない形で、COQ、えりえりとの3人プレイにて。

COQ「ぷよぷよみたいなゲームなんです」

ぷよぷよ?

COQ「最初なんで、全員同じ能力の見習い魔女にしましょう」


各自、釜と見習い魔女カードの裏面に描かれている材料駒を個人ボード(材料保管棚)に置き、レシピカードを4枚ずつ配る。アルカナカードと3種類のアルカナチットも配る。


個人ボードに魔女カード裏面に書かれた初期材料を置く。

手番はレシピカードを裏向きに出し、一斉に面に向けて自分の場に並べる。そこにアルカナマークが描かれてたら対応するアルカナチットをカードの上に載せる。アルカナマークがカード上を移動し、偶数回数でることに効果を発揮する。最後まできたらまた上に戻りループする。

それから同時進行で、材料駒を自分の前のレシピカードの上に置き、レシピに従ってできる材料駒に置き換える。1レシピは1ラウンドに1度しか使えないが、出来た材料を他の使っていないレシピに即座に使いまわしても構わない。


配られるレシピは4枚。この中から1枚を選んで一斉に出すのだ。残ったカードは左隣にまるごと渡す。

最終的にできた材料駒を釜の上に入れて、右隣の人にわたす。

左隣から回ってきた釜の上の材料駒を自分の材料保管棚に置く。ここに置かれた材料が次のラウンドのレシピに使える材料となる。

そしてここが重要で、保管棚は材料によってストックされる量が決まっており、それを超えると、超えた材料駒を得点として送り主に戻す必要がある。

先にこの溢れた材料駒を5個手に入れたプレイヤーが勝利するのだ。

まだ達成していなければ、手持ちのレシピカードを左隣に渡して(鍋と逆)、各自1枚ずつ補充して次のラウンドを開始する。
つまり、この補充分を除いては自分を攻撃する相手のカードを予め知っておくことが出来るし、コントロールすることもできる。


まずは個人ボードにある材料を鍋に放り込む。その後、ストックから変換された材料を置いていく。最後に変換前の材料をストックに戻す。とこの流れでないと訳が分からなくなるので注意すること。ただしできた材料をすぐにまだ使っていないレシピに投入することは可能なので例外もある。

最初のラウンドに手持ちのレシピカードを公開した。

COQ「あ、あきおさん、そのカードいいですよ」

えりえり「うんうん、それいいよ、いいなあ、あきおさん」

COQ「いやあ、ほんと羨ましい」

えりえり「ほんと、いいよねえ」

わし「バカにすんな! 幼稚園児か!!」

最初は自分の材料駒から作りやすいレシピを選んで出すのが当たり前なのだが、

COQ「この白のマンドラゴラがめっちゃ可愛くて、ガンガン送ってくる人が多いんですよ」

※ゲームの名称はマンドレイクだが、マンドラゴラの方が馴染みが深いのでマンドラゴラとしてる。同じもの。

わし「ほんまや、なにこれ、めっちゃ可愛いやん」

ただの白の駒なのだが、イメージ絵は見ての通りかなり可愛らしい。

よっしゃ、わしもこれCOQに送ったろ。


マンドラゴラをたんまりと送り込む。

それからはひたすらCOQにマンドラゴラを送るレシピを作成する。

COQ「うわ、ちょ、やめてくださいよ。マンドラゴラを処理するレシピ用意せんと」

えりえりから援護射撃でわしのマンドラゴラエンジンの材料となるクモ駒がどんどこ送られてくる。

わしはそれを使って、レシピからレシピへ、マンドラゴラを大量生産。

COQ「追いつかない。溢れた」

よっしゃ。1個ゲット。

えりえり「Qさん、やばいっすよね。ちょっと変えるか」

えりえりから、大量のきのこが!


クソえりえりから、大量のきのこがプレゼンツされる。こんな欲しがるのマリオだけやろ。

わし「やべぇ、きのこを処理するエンジンを至急作らねば」

しかしきのこはマンドラゴラに比べて、まだ棚に余裕がある。

その間に、さらにマンドラゴラを生み出すエンジンを開発。

あきおCEO「当社の売りはマンドラゴラだ。マンドラゴラのラインを強化せよ。この際きのこの不法廃棄はやむを得ん」

その号令に従い、COQのエンジンがまだ未成熟なうちに大量のマンドラゴラを送り込む。


マンドラゴラをどうぞ、どうぞ。

COQ「ぐはぁ、なんすか、その量」

やったやった!! これで5個たまり一気に勝利。

所要時間15分

面白い!!

と、今度は普通ルールでやることにした。

違いは最初に能力の違う魔女を2枚配り、そこから1枚選ぶだけ。
もちろん裏面の材料駒も違うので、手持ちのレシピと見比べて選ぶ必要がある。


この魔女はレシピ能力があり、入出力どちらにも変更して使えるという優れもの。

今回はえりえりのくっそやらしいプレイにしてやられた。

わし「全然、材料送ってこん!!」

えりえり「お、きついっすか?」

わし「へいへーい! ギブミーしてくれや」

一人がそういう事をすると全体的にデフレ傾向になるのも面白い。
巡り巡って、自分に跳ね返ってくる。

2回目はえりえりに上手く立ち回られて、負けてしまった。


デフレになると、ほんま寂しいのよ。一人がこういう事すると皆が迷惑する。
お金をじゃんじゃん使って経済回す必要があるってのを体感できるわ。

COQのコメント

これのハリーポッターバージョンを出してくれとメーカーに言ってるんですがね。

わし「ハリーポッターおもろいか? ポッターなんもやってへんやん。周りが活躍してるだけで傍観者やん」

えりえり「む、確かに」

ソマーリオ

いやあ、これがドイツゲーム大賞にノミネートすらされていないのに驚きや。マイナーなメーカーやからしょうがないとCOQは言うけど、未だかつてないシステム、プレイ感で、雷を受けたような衝撃を受けた。

これはドイツゲームをやってる人は一度はやらんと、ゲーム人生の半分は損するレベルやで。
巡り巡って自分に回ってくる閉じた経済ってのもわしのツボである。

プレイ時間が短いと通常満足度も比例して薄れてしまうのだが、こいつは違う。たった15分かそこらで満足したプレイを得られるのだ。システムが濃厚でぎゅっと締まっているからだと思う。

エンジンの作成イメージは、センチュリー:ゴーレムに似ているが、その使い方がまったく違う。トヨタかんばん方式みたいな、全員で流れ作業の工場で働いてて、「おい、おんなじ部品ばっかり送ってくんなや! 組み立てられへんやんけ」みたいなそんな雰囲気がある。

相手の供給エンジンを見て、自分が処理するエンジンを作る、なんてゲームは見たことがない。

コンポーネントも素晴らしく、組み立て製の鍋はゲームの雰囲気にベストマッチしており、それでいてプレイ感をまったく損なっていない。どころか、手に持ちやすくプレイアビリティを上げている。

さらに収納性も考えられて作られており、組み立てたまま、きちんと小分けにして収納できる箱の作りになっているのは、最近、ビニール袋さえつけといたらええやろというドイツゲームメーカーには見習って貰いたい。

日本語版は再生産待ちとなっているようだが、間違いなく再生産されると思うので、出てきたらすぐに買うた方が良い。できれば転売ヤーに掛からんことを祈りたい。
魔女の能力だけは訳す必要があるが、正直レシピの文言は、まったく見ないので英語版でもまったく遜色なくプレイできると思う。

その後、家でもやってみたが、コタ12歳はすっかりこれにハマってしまった。
直球で作りにくいマンドラゴラとか影の心臓とかで攻めてくるので、えりえりがやったようにめっちゃデフレになった。
一度はえりえりにデフレで敗れたが、さすがに2回目ともなるとデフレ対応を行って勝利した。

インフレにはインフレ対応を、デフレにはデフレ対応を、と実は閉じた経済なので、その側面からみても非常に面白いと思ったのだが、何度もやってると一旦、デフレパターンになると、ものすごく時間がかかる上にゲームとしてもあんまりおもろくなくなってしまう事に気がついた。やっぱり素材もお金もガンガン回して、景気を良くしよや。

gioco del mondo