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タカラ

2〜4人
5分

フライパンゲーム

さあ、今日のお料理は何にしましょう。
そうね、子どもたちが大好きなホットケーキにしようかしら?
それとも、ボーナスが入った事だし、贅沢にロブスターなんか喜ぶかしら?

プレイ感

昭和40年代、女の子なら誰もが遊んだ事のある玩具がある。実際にパンケーキを焼けるママレンジ、ぴかぴかと色鮮やかなペグが光ってエレクトリカルパレードのように模様が浮かび上がるネオンブライト、そしてお料理アクションゲームのフライパンゲームだ。

この3つは年頃の女の子なら誰でも買ったにも関わらず、現存数が少ないようでオークションにほとんど出ず、また出たとしても価格は数万円と高騰する。かつてのおばけ屋敷ゲームと同じ扱いだ。人気があったのに、現存数が少ないとどうしてもそうなる。

ずっと前に無くしてしまったのだが、前からずっと探しており、今回とうとう入手する事が出来た。めっちゃ嬉しいー! 早速、これをやったことのないmiaとの二人プレイにて。


不安定な台座の上にフライパンを載せる。配られたメニューに書いてある食材を砂時計が落ちるまでにスコップで全て(6個)載せるだけ。途中で、フライパンをひっくり返すと、食材を全て元に戻し、一からやり直すというルール説明は20秒で済む。これが全ルールだ。


こんな風に不安定の台座の上に載っているフライパンに、スコップを使ってメニュー通りの食材を載せるだけのゲーム。

料理カードは、赤と青のカードが4枚ずつあって、これをそれぞれ配る。ランダムに引いたわしのメニューは『かに料理』で、miaは『ぶた肉料理』である。なお、食材がだぶってしまうので、青なら青、赤なら赤から選ぶ事。

よーい、どん!

の合図と共に砂時計をひっくり返す。


真ん中に30個の食材がある。どれがどれやねんと解らない食材もある。全て答えられるかな? ちなみに砂時計は箱のくぼみに立てるようになっている。

このゲーム、コツがある。何度も何度もやったので俺のDNAがそれを呼び覚ます。食材の駒は形もさることながら、重さが全然違う。このゲームをやりこんだことのある人なら覚えているだろう。ホットケーキとみかんが異常に重い事を。

バランスを一気に崩しやすいこの2つは、悪いことばかりではない。この重さを利用すればゲーム展開は著しく有利になるのだ。

重い駒を、フライパンを支えている台座の部分に置く。そうすれば、少々、外側に他の駒を載せたとしても、フライパンは安定しているのだ。

かに料理にはみかんが入ってやがった。最初、このみかんを載せようとしてゴロゴロゴローと転がって、何度もフライパンをひっくり返した。みかんはホットケーキ以上に最悪な食材なのだ。ホットケーキには平面部分があるのに対して、みかんは全身丸っこい。いつでも転がったるでぇ、と奴は主張しているのだ。

さすがに数度失敗したわしは、作戦を変更した。まずは、バナナをやや重心外れに載せて、次いでカリフラワーを載せた。そう、みかんが転がらないように堤防を作ったのだ。

「転がれるものなら転がってみろ!」

俺は激しく叫んだ!! 嘘。

で、みかんさえ載せてしまえば、重心は安定する。後は適当にほいほいほいと載せていき、最後にメイン料理の軽いうみざりがに(ロブスターかな? この表現は昔っぽくてちょっと笑える)を載せて完成っと。
このゲーム、実際の食材の重さは一切関係ない。miaのメイン料理であるぽーくちゃっぷもめちゃくちゃ軽いのだ。


完成ーしましたぁ。見事におれんじが台座の中心に置かれている。見ただけで重さが解ると思う。

そのころ、miaは悪戦苦闘していた。何度も何度もフライパンをひっくり返してはやり直している。

mia「ちっ」

mia「くっそー!」

奴の女とは思えない舌打ちや悪態が飛び交う。


何度もひっくり返すがさつな奴。

わし「はい、終了!」

砂時計が落ちきった。

mia「これ難しいよ」

むずないっちゅうねん。4歳から出来るっちゅうねん。

今度はメニューを交換してやってみる。

ぶた肉料理に重い駒はなかったが、見た目で明らかに「これ、重いやろ」というのは解る。今回はたまねぎだ。たまねぎは平面を持つばかりか、失敗したとしても先っちょを中心にぐるりと回る構造を持っているので非常に使いやすい。

キャシー「さぁさぁ、今日はこのたまねぎをメインにお料理をするざますよ」
このたぶん淡路島産たまねぎをちょこんと支点に載せると後は、楽ちん。重みがフライパンを見事に支える。おおー、まさにお料理って感じやん!


完成しましたぁ。たまねぎむっちゃ使いやすい!!

横では、「ちっ」とか「ああ! もう!」とかの悪態と共に食材を元に戻す音が聞こえる。再びわしのが完成。

miaまたしてもタイムオーバー。

しょうがないので、コツを教える。なんてことはない、ここに書いてある事だ。で、しつこくやってると「やったー、出来たー」と万歳。

おそっ


これは3回目。こつを教えたので、はい、miaさん、良くできました。

所要時間3分

砂時計は、思ったより長く感じた。しけってるんかな??


全景。台座が映っていなかったが、こんな形になっている。支点となる場所は、フライパンの裏側に囲われているが、不透明だと判別しにくいのよ。

miaのコメント

わたしみたいに思い入れのない人がやると、なんでこんなものを一生懸命探すのかなと思った。当時の思い入れがある人には大切なゲームかも知れないけど、わたしには普通かな。
ただ、おままごとみたいなアイテムを見てると、それだけで楽しくなり当時流行ってた理由が解る。

わし「まあ、でも今回は二人でやったからそう思うんかもやで。わいわいやるとまた楽しさが違ってくると思う」

ソマーリオ

フライパンゲームを探している人は多い。大人に憧れている子ども心を上手く利用し楽しいアクションゲームに仕立て上げた。今の子どもは、大人の真似事をしたい、なんて思うだろうか?

今からみると、「どれが桃やねん!(赤色してる)」とか「この食材は一体?(取り除いていくとポテトとハンバーガーと判明)」なんて駒が混じってるが、食材の駒を見てるだけで楽しくなってくるのだ。

このゲームをやったのは小さかったので、カリフラワーとはそういうものと食材の名前を覚えた記憶がある。また実際にもカリフラワーが大好きになった。なんか軽くて可愛い形をしてたからだ。こういうのって子供に非常に大切な事かも知れない。まあ、せろりーはそのまま嫌いだがw

このゲームにはデラックス版というのがあり、フライパンなどの調理器具がスケルトンになっていた。うちに昔あったのはデラックス版であったようで、今回のように不透明だと、フライパンを台座に載せ直す時に、中心になる支点が見えず、難易度がアップすることが解った。やりにくー。

料理のメニューは、今から見るとちょっくら笑える。かるい料理、土曜日のお昼のお料理、日曜の朝のお料理、”れすとらん”のすてきなお料理、ぶた肉料理、ちきん料理、かに料理。実は、後1枚青のカードの料理が欠品してたのだ。誰かご存じの方があれば、スキャナーで取ってくれれば最高に嬉しいんやけど、内容とメニュー名だけでも教えてくださいませ。自分で取り除いたところ、例のホットケーキとキャベツが入っていると思う。確か一番難易度が高かったメニューの筈なのよ。

※残りはやはり青のカードでやきにく料理。
ろーすとびーふ、ぽてと、にんじん、あかかぶ、すいか、どーなつ。
と、別のブログで訊いたら教えて下さいました。ありがとうございました!
ちょい待てよ…そしたらホットケーキとキャベツのメニューってのは一体…??? 謎が益々深まった。

たった8種類のメニューしか入っていないので、自作メニューを誰もが作ったと思う。うちも例にもれず、自作メニューを作ったものだ。こういった事が簡単に出来るのは優れたゲームの証拠のように思う。子供にとってこれほど楽しかったものはそうそうないだろう。

やる前はお料理ゲームの傑作、アラカルトに勝るとも劣らないと思っていたが、実際にやってみると「まあ、こんなもんか」という感は拭えない。今の進化したゲームと比べるのは可哀想だが、このアイテムを使えば、かなり面白いお料理ゲームが出来るのではないかと思う。例えば、サイコロを振って、その目の食材を載せる(都合のいいことに、メニューは6つの食材で構成されている)というのはどうだろう? 他にも色々アイデアは浮かびそうだ。

このゲーム、本当に好きで、家の奴がいくつか食材がなくなってからも、人肌で変型する色付きの蝋粘土で、兄貴と二人で足りなくなった食材駒を作った記憶もある。なんといってもアイテムを眺めているだけでも楽しいゲームっていうのは数少ない。

「確か、みかんは重かったから、中に鉛仕込んどこう」

出来たみかんは恐ろしく凶悪なものになったとさw

gioco del mondo