沢田 大樹

NGO

3〜4人
60分

スクエアオンセール

amazonで購入
将来の発展が約束された25の区画にビルを建設する野心的な資産家達。
同時多発の競りと陣取りが生む一寸先は闇の乗っ取り合戦。
和製ユーロゲームの嚆矢、装いも新たに復活!

プレイ感

同人ゲーム時代、話題になってたが、完全スルーしてた。同じ作者のGo Stopが予想外によく出来てておもろかったので、こちらのルールを読んでみるとなんか非常におもろそうなんで買うてみることにした。
コタ14歳、そーじろ10歳、miaとの4人プレイにて。


5×5のマス目状になったボードにビルを建てていく。ちょっとマンハッタンに似てるかも。
手番は以下の順番に行う。
資金の回収、カウントタイマー、ビルの建設、値付けかパス、宝石の配置。


ボードは布製。各自、資金、ビル駒を持つ。カウントタイマーと宝石は共通だ。

最初の資金の回収は、以前のラウンドにビルが建っている中央部9マスのエリアで紙幣が残っている場合、1エリアに1個ずつ回収できるので、しばらくの数ラウンドには無視していい。
カウントタイマー2が載っている紙幣はカウントを裏返し1にする。1のカウントは取り除くことで自分のビルをそのマスに建設する。
次の値付けが最初のアクションになる。自分が選んだマスに好きなだけ紙幣駒を積み、カウントタイマー2を置く。もしすでにカウントタイマーが載っている他プレイヤーの紙幣があれば、それ以上に紙幣を積むことでカウントタイマーの目をそのままに奪うこともできる。奪われたプレイヤーの紙幣は手元に戻る。この時、何もせずにパスを選ぶと、辺エリアの紙幣を1エリアに1個ずつ回収できる。
最後は、中央部空いている9エリアの1つに宝石駒を配置して、価値をあげる。これはそのエリアにビルを建てたプレイヤーが総取りする。

これで1手番である。


自分の紙幣駒をおき、その上にカウントタイマー2を置く。次の手番には1に裏返り、その次にビルが建つという仕組み。

ポイントは、中央9エリアからは毎手番、紙幣が回収できるが、辺エリアはパスしないと回収できず、角のエリアは資金回収できないということだ。
オセロやアタック25のように挟むことで自分のビル駒を上に乗せて、自分のモノにできるからだ。そう、角は最強なのだ。
エリアごとに競る感じなので、手持ち紙幣が不足すると取りに行くことができない。


中央部3列に対して、買収するために左右の辺に置く。手番順で黄色のわしの方が青のそーじろより早く建つのでこれは勝ちだ。
辺にある建てた後の紙幣は回収するためにはパスを選ぶ必要がある。

こうして、誰かが自分のビル駒をすべて使い果たすか、すべてのエリアにビルが建ったらゲーム終了である。

得点は、各ビルのてっぺんがビルのオーナーで、その階数が得点、宝石駒が1個1点。手元に残ったビル駒1個につきマイナス1点の合計で決める。

この作者は遅延競りがお好きなようだ。

というわけでスタートしたのだが、実はルールに分からないところがあって、やってみたものの結局そのルールは間違ってたということが分かった。

何かというと、
Q:
例えば既に青ビルが建っているマスがあり、そこに未回収の青紙幣が2置いていたとする。
新たに黄色がそのマスに入札するには1紙幣以上でいいのか?
その場合、黄色が1紙幣で入札したら、青が対抗入札するには2紙幣以上必要になるが、元々あった青の2紙幣と合体すると分からなくなるため、別の山として青の紙幣を積むのが正しいのか?


という問題である。分けて紙幣を置くという記述がなかったため、最初のプレイでは未回収の紙幣を超える数でないと入札できないとした。そうなると未回収は徐々に減ったりするので変なのだが、Xやら他のレビューを見たけど載ってないので、最後にChatGPTにまで聞いたら紙幣は合体させると適当な答えが返ってきた。ネットにはそういった問題が載っていなかったのだろう。

これは会社に問い合わせるしかないと、NGOに問い合わせて、なかなか返事が貰えなかったがようやく回答を貰えた。これはFAQに絶対必要やと思うんやけどな。

A:
そのマスの未回収の青紙幣は気にせず1紙幣で入札可能です。
青のプレイヤーもそのマスに入札できますし、ご推測の通り未回収の紙幣とは別の紙幣を積みます(値付けの最中である紙幣の山には常にカウントマーカーが乗りますのでそれで識別ができます)


というわけで、核心的なルール間違いだったため、リプレイする必要があって、ようやく正しいルールでプレイをすることができた。

このゲームは所見では自由度が高すぎてどこにおけばいいのか難しかったのだが、1回目のプレイで適当においても後で取り戻せるという軽い感覚で2回目をスタートできたのは良かった。

最初はとりあえず真ん中におく。なんといっても角は二度と紙幣が回収できないし、序盤に置くのは愚策と皆が思った。

上記のルールがあるんで、簡単に上に積めると思うと、入札金額も1で十分である。もっと熱くなったら山積みにするというのはなんとなく分かる。またそのせいか、入札の奪い合いも起こらず序盤は通過する。

コタ「これ、絶対ポイントは宝石だよね」

そう、前回やったときに、ノーカンとはいえわしが勝ったのは宝石ポイントの差である。こいつだけは序盤にいきなり得点が確定されるので侮ってはいけない。
最初は1個くらいしか手に入れられないが、中央部に余ったマスがあると、大量な宝石が置かれることになる。


宝石は確定勝利点なのでマジで激アツである。中央部も宝石がたくさんあると入札合戦となる。
まずは右下をこっそり取ろうと思った。

その頃になると、アタック25の奪い合いも始まってかなり戦いは熱くなってくる。

コタ「じゃ、ここ置いて、挟んでるので置く」

わし「何をさらしとんじゃあ」

そーじろ「じゃ、ここで挟んでるので」

コタ「そーじろ、むかつく」

と意外と簡単にはさみ合戦が始まる。
ぱっと見、相手の攻撃が見えにくいところがあるので、それからは皆、しっかりと相手が入札した場所の意図を探るようになった。

ここまでくるとはさみを行うか、真ん中のとんでもない宝石のマスに置くかという選択に悩むことになる。


左中央の宝石が僅か1で入札する緑mia。カウントが1になるまでここは泳がせておく。
中央右下はしっかりと積まれて赤コタに奪われてしまったけど、両面作戦は無理なのでどっちかというと宝石の多いmiaの物件を狙うことにした。

mia「じゃあ、ここ奪う」

わし「取り返しじゃ」

mia「そうくるか。もっかい」

わし「そうはさせへん」

どっちゃり置く。ここは真ん中なので、1枚ずつ戻って来るのでいけるはずだ。

miaが諦めて、端から端へ挟む作戦に変更して3手番かけてようやくわしのビルが建った。
奪い合うと、タイマーが行ったり来たりで止まる感じになりいつまでたってもビルが建たないのだ。


よっし、ゲット。コタも建てたが、その後、青そーじろに挟まれてビル自体は奪われてしまった。

わし「良かった」

大量の宝石をゲットである。

mia「やっぱり失敗したかなあ」

しかしmiaはそこを諦めたおかげで、一気にmiaビルが大量に建ち並び、トップになる。

そーじろが更に仕掛けて、そーじろがビル王になる。

コタはそーじろを一網打尽にしようと勝負をかけた。
そーじろの紙幣が8個しかないと見るや、端っこに8紙幣である。

わし「お前大丈夫か?」

それでなくても逆の角に3紙幣積んで、死んでるのに。

コタ「ここで勝負かける」

そーじろ「コタ兄、むかつく」

と言いつつ諦めるしかないのであっさり諦めて、コタが昔3紙幣で建てた端のビルに1紙幣積んで買収をかけた。


左上、怒涛のコタの入札。諦めたそーじろは右下の角に1で入札する。

わし「そこよりも先にコタの斜めが完成するんで、やられるのはやられんで」

そーじろ「分かった」

今にして思えば、ここが勝敗のターニングポイントやったと思う。

コタは確かに斜めに立ち並ぶビル王となった。ここは熱い戦いが繰り広げられたので、ビルがめちゃめちゃ高くなっており、森ビルのようにとんでもない価値となっていた。

しかし、そーじろはわずか1紙幣で斜めのビルを建てたあと、全力で6紙幣で建てたコタの角に新たに紙幣を積み込む。

わし「それ、全力積みしたら? 8個でコタは入札奪えんで」

そーじろ「わかった」

コタ「なんで、パパ、教えるんだよ」

端っこに先に大量の紙幣を投入したコタは手持ち紙幣が少なく、奪うことは出来なかった。


右下に建てた後、満を持してそーじろは一度は諦めた左隅に大量に入札。コタは紙幣不足のために応札できない。

わしはmiaと奪い合いをするマスがあり、そこをわしが奪うと一気にトップに踊りでることができる。

しかし、紙幣があと1足りなかったので、重要さを隠すため、全力でなく少しずつ積む形にした。2度ほど応札して奪い返したが、ばれた。miaもその位置の重要性に気づいて、全力で阻止してきた。

もうあと、そこと1箇所建てば、すべてのマスにビルが建ちゲーム終了だ。

そーじろのあのビルが建ち、あっという間にコタの斜めのビル群を制圧した。


とうとう、あのビルが建った。斜めの列をスイープするそーじろ。ここらへんはビルが高いので勝利点が高いのだ。

コタは別途奪う場所に入札したが、時すでに遅し。わしはmiaとの戦いを長引かせる意味もないので諦めて、コタはそこにビルを建てられずにゲーム終了。

得点計算の前に、まず自分の残したビルは失点として横にのけておく。こうして置かないと、得点のビルと混ざってしまうからだ。
それからてっぺんが自分のビルを全て手元に寄せて、その駒数を数える。

結果、そーじろが26点で勝利。
大量に宝石を確保したわしが23点だった。他の二人は10点台という酷い点である。

そーじろ「やったやったやった!」

所要時間60分


わしは宝石で稼いだものの・・


そーじろのビルの勝利点には及ばなかった。

コタのコメント

駒を直す時に、各自の駒を戻すのだが、そーじろが大量にコタの駒を返した。

コタ「これ見ても分かるように、そーじろ、まじでムカつく。今度、絶対にお前を狙い撃ちにする」

わし「でも、そーじろはお前を狙い撃ちにした訳じゃなくて、実際に勝ってんからその作戦に文句はいえんやろ」

コタ「いや、ムカつく。絶対に狙い撃ちにする」

ソマーリオ

妙にコタが熱くなったな。
それはそうと後で考えたんやけど、あそこでもう1ラウンド遅らせてたら、コタがそーじろを少し削ってわしが勝ったんではと書いてて思った。チっ。

それはそうと、かなり熱い戦いであったのは間違いない。なんせ取って取られて、相手の思惑が見て取れるので、ノーガードで打ち合う感じである。非常によく似たマンハッタンはカードによって打ち合いを制限したが、こいつは好きに打ち合えるのだ。
かといって殺伐とするかというとそんな酷くはならない。同時に他のプレイヤーが攻撃してくるので、取捨選択を迫られる感じになる。宝石が良い緩衝になっている。

ただ欠点があって、ルールはシンプルで良いのだが、手番に自動作業が多くて、その作業漏れが頻繁に発生することだ。
中央部の紙幣回収、タイマー駒のひっくり返しや取り除き作業だ。これは手番の頭に発生するので、ついすぐにメインの入札やビル建設だけ先に取り掛かってしまい忘れがちだ。メンバー全員がその自動作業を手伝うことを推奨したい。ほんまそこだけ。

ボードは布製であり、これは味があってよい。他のゲームでも内容に問題なければ採用しても良いくらいだ。
システム的には遅延競りという他のゲームでも見られない独自性があり、これは世界展開しても良いのではと思う。かなり昔から話題になってた理由が、よく分かった。

gioco del mondo