Bernd Brunnhofer
Karl-Heinz Schmiel

Hans im Gluck
アークライト

2〜5人
60分

サンクトペテルブルク 第2版


サンクトペテルブルクの都市を舞台に、職人を働かせ資金をためて建物を建築し、
国政にかかわる貴族たちに影響力をおよぼして、このサンクトペテルブルクの都市を発展させるのだ。

ゲームはボード上にあるカードを購入することにより進行し、
カードの効果を有効活用させながらより多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となる。
まず、カードを購入するための資金を得るために職人が必要になるだろう。
そして彼らの働きにより得た資金を使い、多くの勝利点を生み出す建物を建築するのだ。
また、ゲーム終了時に多大な勝利点をもたらす貴族たちを操り、
古い露店をつぶして宮殿を建築するなど既存のカードを発展させることも可能となっている。
さあ、サンクトペテルブルクの都市を誰よりも発展させよう!

プレイ感

かなり昔にレビューしているが、完全にこのゲームを見誤ってた。2回目のレビューをしても良かったのだが、幸いにもルールが拡張された第2版が出てたので、レビューすることにする。併せて元の評価もに変更しておく。
コタ9歳とこのゲームが嫌いなmiaとの3人プレイにて。


今回は市場の拡張ルールを入れてプレイする。
ルールについては前のを読んでと書こうと思ったが、ルールあんまり書いてなかった。


黄色の市場のカードは職人と建物フェイズの間にはいる。ボードはリバーシブルとなっており、このルールを抜いたオリジナルで遊ぶこともできる。

1ラウンドは、職人、市場、建物、貴族、拡張の5つのフェイズがある。
それぞれのフェイズでは、そのカードを場に並べ購入していく。全員がパス一周するまで行ったら、最後にそのフェイズでの決算を行い、次のフェイズへと進む。
ただし拡張フェイズだけは、決算がなく、それぞれのカードのフェイズで決算を行う。
またまったく同じカードを買う場合は1枚につき1ルーブル安く買える。

各フェイズの終わりに、残ったカードは下の段に移動させて、合計が10枚になるように(市場をいれない場合は8枚)次のフェイズのカードを上の段に並べる。下の段のカードは1ルーブル安く買えるが、さらに残った場合は、ところてん式に押し出され破棄される。

こうしてどこかのフェイズのカードがなくなったらそのラウンドを拡張まで行って終了。
最後に貴族ボーナスを足して、勝利点で勝敗を決める。

基本的に職人フェイズではお金が入り、建物フェイズでは勝利点が入ると考えて良い。貴族はカードによってどちらもあるが、少し効果は薄いのが多い。代わりに最後のボーナス点がある。拡張は、職人、建物、貴族をバージョンアップさせ、差額を支払ってカードを交換する。

市場フェイズは、5種類ある商品の価値に従って1位と2位に勝利点が得られる。商品の価値は、各カードにアイコンで描かれているが、特に市場カードにたくさんアイコンがある。


これが市場価値ボードだ。ラウンドが進むごとに点数が大きくなっていく。1位と2位に得点がはいるエリアマジョリティである。

実のところ、すでに何度も初版をコタとmiaとやっている。
今回初めて市場を入れた。

最初の職人フェイズでは、なんといっちゃんうっとおしい皇帝と船大工がでやがった。このカード、コストがべらぼうに高い割に収益は同じなのだ。
順番の廻りが悪くわしがこれを買うことになってしまった。

このゲームでは、少々高くても最初の職人は買うべきなのだ。毎ラウンドお金が入ってくるからだ。


市場ルールを入れるとカード右上にあるマークで市場価値をあげていくことになる。ロシア皇帝と船大工のように、市場に?マークのあるカードは市場であげる商品を1つ選ぶことができる。今後そのプレイヤーが?マークを取るたびに、その選んだ商品の価値があがる。これはわしの購入カードだが、魚を選んだので魚チップをおいた。

そして初めて登場の市場である。
このカードは基本的に、アイコンが多ければ安く、収入が低くなっている。

miaは、アイコンが1個しかないが、収入の得られるカードを購入。
わしはその逆をしてしまった。これがそもそもの間違いであった。

確かに序盤は、勝利点が得られるかも知れないが、このゲームは基本的にお金に困るゲームなのである。
収入がないとかなりきつくなると気づく。

次の建物フェイズは、もっとも重要だ。
ここで高い建物を建てるのがこのゲームに勝つコツである。と、ルールにも書いている。
高い建物は建てる価値があるというもの。

例えば建物の市場は5ルーブルで勝利点1だ。病院は14ルーブルで勝利点4である。病院は1勝利点あたり3.5ルーブルなのだ。しかもこれは早ければ早いほど効果は高くなる。毎ラウンド4点入るのと、1点しか入らないでは差は歴然だ。

つまり序盤無理しても高い建物を買うべきというのがわしらの意見である。
貴族はコスパが悪く最初は不要だ。

とまあ、経験則からこんな感じなのだが、今回市場が加わったことで、お金をかなり使い込んでしまった。ここで先の話が効いてくるのである。miaはわずかばかりではあるが、収入があった。わしは無かった。
この差がでた。


序盤は頑張って市場価値をあげてたが……

こういった積み重ねがこのゲームのポイントで、市場でも最終的に逆転されてしまった。そもそも前半はそんなに得点が高くないので、無理して買うべきではなかったのだ。

そして最後の方は、貴族を出来る限り購入して得点を伸ばすってのがこのゲームの勝ち方、と思う。


最後のほうはお金がなくなりジリ貧状態になってしまった。

結局、わしがぶっちぎりのべったで、miaの勝利。

所要時間60分

miaのコメント

このゲームの楽しさが全然分からない。なんでみんなこのゲーム好きなの? 市場が入って少しマシになったけど。

コタのコメント

このゲーム大好き。おもしろい。

ソマーリオ

とりあえず、前のレビューはいけてなかった。当時、わしは未熟者で、どこかで、どこかで見たようなシステムというコメントをそのまま採用してしまった。
今こうしてやってみると、これって拡大再生産の素晴らしいゲームだった。これがよく似たゲームであるなら、宝石の煌めきなんかもよく似たゲームだと言われたはずだ。

そう、このゲームはあの絶賛されている宝石の煌めきと構造がそっくりなのだ。こんなに昔にこのシステムをやっていたのに、宝石の煌めきで喜んでいたとは、反省することしきり。

市場については、正直、蛇足かなと思う。
大きなプレイ感の変更が無い割に、プレイ時間が伸びてしまった。
というのは前のレビューでは60分と書いているが、市場がなければ45分くらいで終わるのだ。
デザイナーの名前にシュミールの名前が追加で入っているので、市場のルールはシュミールが手掛けたのだろう。

また絵柄については第2版はリアル系に変わっているがわしは初版の方が味があって好きだ。貴族の絵柄はこのゲームをクラウドファンディングで募集した時に、ボードゲームのデザイナーの顔となっている。
じゃあ、第2版いらんやんとなるが、そこはそれ、なんとすべての拡張6つも入ってて、カードの強さも補正されているのだからしょうがない。初版は18ルーブルの貴族が異常に強くて、初手でこれが買えたら勝ちである。

一応、初版拡張セットには、修正されたカードが入っていたようだが、これまたカード裏の色が微妙に違っており判別可能という欠陥があった。それで買わなかった記憶がある。
というわけで、第2版が完全版といえるのだ。またプレイ人数も広がり5人までになっている。

ルールとセットアップは簡単だが、勝つのは難しい、まさに古き良きドイツゲームの見本となるゲームである。コタとわしはサンクトペテルブルクばかりをやりたがるので、miaがうんざりしているくらいである。

gioco del mondo