Stefan Dorra
&
Ralf zur Linde

Hans im Glueck

3〜5人用
45分

ランキング

アメリカっぽいものランキング!
ナウ、チェッキンアウト!
3位 ダーツ
2位 マッスル
そして1位は…





プレイ感

ディクシットによるコミュニケーションゲームブームにより、あちこちからそういったゲームが発売されて辟易してる。で、大手Hans im Glueckからも出ました。作者はドーラ。あまり好みのデザイナーではないのとまたしてもそういったゲームかというのでノーマークだったが、正月にTAM家にいったらあったので、TAM夫妻、ムゲンとの4人プレイでやってみた。


最初に「ゴミ箱に落ちてそうなもの」とか「アメリカぽいもの」とかお題タイルがめくられる。で、そのお題にあったものを各プレイヤーが自分のタイルから選んで出すのだ。誰がだしたか解らないようにして一斉にめくり、3位の場所に置く。そこからゲームスタート。
手番には、同じ順位のタイル2枚を比べて、適当に理由づけてこっちが上、こっちが下とランクを上下1つずつに分ける。1位と最下位が決まったら、自分が出したタイルに応じて得点を貰うのだ。これを繰り返して規定得点を集めたプレイヤーが勝利する。


てっぺんにお題タイルを置いてゲームスタート。今回のお題はゴミ箱にほかされてそうなもの、である。塔は得点ボードにもなっており、駒が上までいって下まで降りてきたら勝ちである。中にダミータイルも含まれている。

やってみると解るが、これはコミュニケーションゲームのジャンルではあるが、コミュニケーションゲームではない。あれこれ適当な理由をつけるところがそれであり、このゲームはそんな事しなくてもゲームが成り立つのだ。

TAM「やっぱり金のトロフィーはメッキですからね。当然、ほかされてておかしくない。靴はこんなとこにほかされたりせんでしょ」

と、適当な理由をつけて他人のだか自分のだか解らない奴を上げ下げするのだ。無言でやってもゲームは成立するし、システムの破綻もない。単にそういう理由付けすると楽しいという事だけだ。


同じ順位にあるタイルを比べなければならない。タイルの上に乗ってる駒は推理駒で、当てられてしまうと得点が減る。

自分のものをあまり露骨にあげると、タイルにこのプレイヤーはこのタイルと推理駒を置かれる。もし当たっていれば1個につきマイナス1点を食らう。

実はこういう正体隠蔽タイプは苦手なのだ。
ばれないようにしようと、自分のタイルにほとんど手を付けられなくなる。


手元には自分の色のタイルと推理駒用に他の色の駒を1個ずつ貰う。

皆はわしを警戒しているようだが、なんのなんの、かなり下手くそ。

そして誰かがあげてくれたおかげで、上位に食い込む事が出来た矢先、

TAM嫁「あ、これでもう最後か。じゃあ、あきおさん、解らないけどここでいいかな」

ムゲン「ほんまですね。じゃあ、駒が勿体ないし、僕もそこでいいですわ」

推理駒は、ランキングを動かしたタイルにしかおけず、間違っても罰則はない。また運の悪い事にもうひとつの対になってるタイルが既にTAM嫁のものとバレバレだったのだ。


アメリカっぽいもの。

そう、たまたま、わしのタイルに置かれた。ごっそりと。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

結局、上手く立ち回ったTAMが規定ポイントを得て勝利。

所要時間45分


TAMの緑の駒が飛び出して勝利。

TAMのコメント

いやあ、これはおもろかった。

ムゲンのコメント

こういう簡単なゲームは普段ゲームをやらない人とやるのにちょうどよさそう。

ソマーリオ

これは王位継承そのものかと思った。自分のタイルを隠してなるべく上位にあげるというのは、まさにそっくり。王位継承では上げ下げのみで判断するが、ランキングではなんやかんや理由付けをして動かすところがポイントとなってる。さらに王位継承よりも目的のタイルが少ないので、判断し易いところが良い。

コミュニケーションゲームなのだが、本格的な正体隠蔽のゲームでもある。
これは好きな人には、かなり上位にランクされるゲームじゃないかと思う。

ただレビュー中に書いたように、わしゃ意外とこの手のゲームは苦手で、波間に漂うドリフターズのように、ただ手をこまねいて見ているだけやったりする。そしてただの言葉遊びの観があるところも好きになれなかった。コミュニケーションタイプのゲームって普通に飲み屋で話した方がおもろいやんけというのがあって、わしの求めるゲームという範疇ではないのだ。

コンポーネントは、しっかりとしたタイルにそれぞれ違う可愛い絵が描かれており、シンプルながらもさすがはHans im Glueckのゲームやなと感心させられる。
ひとつ気になったのはTAMのランキングボードの凸凹が組み合わさらないのだ。これは設計ミスか、はたまたTAMのが不良品なのか。

お題カードに日本語化シールを貼らないといけないのがちと面倒だが、先に書いたようにこのゲームはそのお題自体はなんでも良かったりするので、必要十分な問題量があり拡張問題は不要だろう。わたしの世界の見方のように問題をみて笑ったり盛り上がったりなんて事はないし、多くのタイルでかなりの組み合わせが出来るからだ。

ゲーム上の欠陥といえば、自分のタイルがこれだと嘘を簡単につけるという事だろう。これはTAMがルール説明するときに指摘して、出す前に紙に書いたらどうでしょうと提案を受けたが、わしゃわざわざこのメンバーで嘘はつかんやろとそのままやった。でも確かにTAMの言うとおり、嘘をつきやすいゲームとなってる。厳密にやるなら紙に一筆書いてやる事を勧める。

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