Bernd Eisenstein

Iron games

2〜5人
45分

ペルガメムノン

ローマ、ギリシャ、カルタゴ、エジプト、ペルシャ
古代文明の指導者がその文明の特徴を使い、戦争をしかける。
ときには凶悪なモンスターをも味方にしなければならないだろう。
ハーピィが空を飛び、ユニコーンが大地を疾走する。
最強の文明国家は果たして。

プレイ感

ゲームマーケット2011にてオビ湾がこれ買うんじゃなくて、ゴミのゲーム買えば良かったかなあと言うので、じゃ、これも続いてタナカマにルール説明して貰ってやってみたらええやんとなった。オビ湾、カワカミとの3人プレイにて。


基本はデッキ構築型で、各プレイヤーはローマ、ギリシャ、カルタゴ、エジプト、ペルシャのデッキ1束を貰う。これらの国は全て特色が違うのだ。わしはローマ、オビ湾ギリシャ、カワカミエジプトをそれぞれやることにした。

手札は3枚。手番になると他国を攻撃するか、場にでているモンスターカードを購入する。攻撃は、まだアクティブになっているプレイヤーに対してカード1枚を出して攻撃宣言する。カードには攻撃力と武器が描かれている。攻められた側は、その武器に対抗する防具の数値を宣言し、同じ数値以上なら防いだ事になり、さらにそのカードの攻撃力と武器を使って反撃に出る事になる。今度は攻撃側がそれを受けて…、と繰り返す訳だ。

防御するときには、1枚で足りない場合、追加でもう1枚出して合計値で防ぐ事も出来る。その場合は2枚目のカードの武器と攻撃力で反撃する。2枚足しても足りない場合は、負けを認めて、だしたカードを相手に奪われる事になる。といっても手札は3枚だけなので、応酬があったとしても3ラウンドで終わる。

もし攻められた側が戦闘に勝った場合、撃退ボーナスとして1ゴールド受け取る。負けた側は、非アクティブになって今ラウンドは終わり。一人を残して全員が非アクティブになったら、全員アクティブに戻して次のラウンドを開始する。

場に出ているモンスターカードを買うには、ドミニオンのように手札からモンスターカード分のお金(カリスマ)の価値を捨てて手に入れるが、最低1ゴールドだけは自分がお金として確保しているカードを使用しなければならない。これがこのゲームのミソである。お金として確保出来るカードというのは、先に書いた撃退ボーナスと戦闘に勝った時に得られる相手カードのうちお金マークがあるカードだけである。相手カードは戦闘に勝った時に自分のデッキとして混ぜて使うのか、お金として確保するのかを選択するのだ。


カードには上部に攻撃する時の武器と攻撃力が描かれている。下には防御する時の防具での防御力が描かれており1枚で相手の攻撃力以上にならなければ2枚目で足して攻撃力以上にすれば防御成功で、さらにそのカードの攻撃力で反撃するという寸法。
中央の場にはすべて違うモンスターカードが置かれている。これらを購入して自分のデッキを強くする。

後はこうやってしばきまわして、場にあるモンスターカードがプレイヤー人数未満になったらゲーム終了。カードの勝利点は自分の陣営とモンスターカードのみ(つまり他プレイヤーのカードは計算に入れない)で計算して、一番高いプレイヤーが勝利。

また各デッキにはローマはカエサル、エジプトはネフェルティティなどそれぞれリーダーカードが入っている。このカードを相手に取られたら罰則がある。

わし「ほな、オビ湾を槍で攻撃」

オビ湾「槍の防御は鎧か。じゃ、鎧4で防御」

わし「槍は6」

オビ湾「そしたら足りないのでもう1枚だしてブロックして、7で反撃」

わし「ぐ、負け」

負けたわしのカードはオビ湾に取られる。そいつには3ゴールドが付いており、オビ湾はこれをお金として確保した。さらに撃退ボーナスも手に入れる。わしは非アクティブになる。

オビ湾「カワカミさんに、弓で攻撃」

カワカミ「盾3で防御」

オビ湾「弓6」

カワカミ「どれだしても足りない。負け」

ここでオビ湾以外が全員非アクティブになったので、全員アクティブに戻す。

オビ湾「じゃ、あきおさんに剣で攻撃」

わし「ちょ、攻撃力10って何それ!」

剣に対抗出来る防具は、兜だが2枚足しても10なんかにならん。

わし「負け」

ギリシャにいるこの猛者こそヘラクレス。


この巨根の持ち主こそ、ギリシャ軍最強の戦士ヘラクレスである。このゲームでは史実とファンタジーがごちゃ混ぜなのだ。その無茶苦茶さが爽快やったりする。

これからヘラクレス旋風に全員がぼこられることになる。

わし「カワカミさんに弓で攻撃」

カワカミ「あかん、負け。あれこの靴のマークは?」

タナカマ「それは相手の物にならないで逃走してしまうというマークです。マミーはさらに勝利点がついてるのでやられると得だったりする特殊キャラなんです」

そうこうしているうちに…

オビ湾「じゃあ、さっきあきおさんから貰った3ゴールドを使ってこのミノタウロスを買います」

場にある最も高価なカードであるミノタウロスの攻撃力はなんと11。

オビ湾「あきおさんに剣で攻撃」

わし「剣? 剣て、もしかして……」

オビ湾「攻撃力10です」←ヘラクレス

わし「阿呆か! ちょう待て、これローマ軍弱すぎへんか? あの巨根まったく防御出来ひんやんけ」

タナカマ「えーっと、ローマ軍は資金が潤沢(初期値は1ゴールドしか貰えないがローマは5ゴールド貰える)なんで、早め早めに場のモンスターカードを購入しないと苦しいと思います」

わし「早よ、言えや! すでにミノタウロス買われて2大化け物にやられたい放題やん」

そこから場にあるモンスターで強そうなんを買いあさる事になる。確かにローマは、お金付きのカードが多くて欲しいものは大体買える。


これが場にあるモンスターカード。すべてユニークカードで、ここにでている攻撃力11のミノタウロスで、オビ湾にボコボコにされる事になる。

カワカミ「じゃ、あきおさんに槍で攻撃」

わし「鎧5でブロックして、弓6で反撃」

カワカミ「負けです」

わし「カードくれや」

カワカミ「これまたマミーなんです。勝利点と」

オビ湾「じゃ、あきおさんに剣で攻撃。10です」

わし「もうええちゅうねん!」

オビ湾「たまにはカワカミさんにも攻撃しよかな」

わし「ここ、ものごっつ攻撃した甲斐ないで」

カワカミ「じゃ、逃走付きなんで消滅」

オビ湾「甲斐ないわあ」

わし「な?」


ローマ軍は最初に潤沢な資金があり、それを活かすことが出来なかった。ミノタウロスを買えば良かった。とほほ。

その後も、オビ湾の巨根が暴れ狂い、ボコボコにされるわしら。さらにわしにもボコボコにされるカワカミとゲームは続く。カワカミ終いにはリーダーであるネフェルティティまでわしに奪われる。

カワカミ「このゲームおもろいんすかね?」

わし「おもろいのはこのおっさんだけやで」

オビ湾「いやあ、楽しいですわあ」

カワカミ「俺もモンスターが欲しい」

わし「買うたらええやん」

カワカミ「金がないんですわ。これ、反撃成功せんと貰えんでしょ?」

確かに反撃成功出来ないカワカミに名誉点であるお金カードは手に入らない。


踏んだり蹴ったりのカワカミから、リーダーであるネフェルティティを奪う。リーダーを取られるとキツい罰則もある。ちょっとかわいそうなエジプト軍であった。

そしてモンスターカードが2枚になってゲーム終了。

オビ湾ぶっちぎりの勝利。

所要時間40分

わし「これなんぼ?」

タナカマ「2000円です」

わし「買うから持ってきて」

タナカマ「毎度ありー」

ちなみにタナカマとこってのはテンディズゲームズのことです。宣伝しまくっとんな。

ソマーリオ

ドミニオンの大ヒット以降、もう飽き飽きしたデッキ構築型ゲームも、丸々パクりまくったゲームから新たな発展を遂げてきたなあというのが最初の感想。このゲームはデッキ構築型の弱点である最初にカードを並べる面倒くささを一切無くしてしまい、プレイヤーそれぞれが特色のあるデッキを持ってゲームを行っている。

場にあるモンスターカードも全て違って個性があり、ファンタジーファンなら思わずにやりとするだろう。それらが加わり強化されたデッキはまさに「おらがデッキ」というムードで、「俺の持ってるモンスターは強いんだぞ!」みたいな気分にさせてくれる。所有欲を満たしてくれるのだ。マジックザギャザリングや遊戯王カードゲームと同じような感じだ。

子供の頃、仮面ライダーカードやウルトラマンカード、プロ野球カード、ビックリマンシール、こういったものを集めたと思う。あれと同じ感覚がこのゲームにはあり、わくわく感がこのゲームにはある。

直接攻撃が出来るが、手札は僅か3枚しかないので勝ったり負けたりと遺恨もそれほど残らず、和気藹々と遊べるだろう。攻撃から反撃そしてまた反撃というシステムのリズムもとてもいい。
単純な殴り合いのなんとも楽しいことか。

カードは非常に美麗で、絵柄が全て違っているのも作者のこだわりを感じさせる。モンスターもリアル系で、女性モンスターなんかは非常にセクシーなのが多く、タナカマなどは乳首が見えてるとか見えてないとか話題になったらしい。見てみると、明らかに乳首が見えてるw
値段も安く、コンパクトな作りで持ち運びやすく、TCGファン、デッキ構築型ファン、ファンタジーファン、歴史ファンなどたくさんの人に勧めたい。

今後、他の国や追加モンスターなどが出てきたら絶対に買う。
この作者はマヤでヒッポダイス賞を受賞したがしばらく見ぬ間に、このようにiron gamesという会社を立ち上げ色んなゲームを発売してきた。ボザよりもわしはこの作者を楽しみにしている。

gioco del mondo