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Philippe des Pallieres |
メビウスゲームズ |
2〜4人 10分 |
お先に失礼しま〜す!
「田中くーん、コピーやっといて」
「田中さーん、棚卸しやっといて貰っていいすか?」
(ちきしょう! 今日こそは残業なしで帰ってやる!)
「大月専務、それやってるんなら、ついでにこれもお願いします。じゃ、お先に失礼します!」
プレイ感
メビウスが日本で3人しか持っていないんじゃないかという伝説の皿洗いゲームをリメイクした。本来は、食べた後の皿洗いを他人におしつけるゲームだったが、このリメイクでは残業を押しつけるというゲームになっている。ゲームマーケットで先行販売していたので、早速購入して、miaとの二人プレイにて。
6名の社員が4種類の仕事を押しつけるタイルゲーム。表は社員、裏は仕事をやってる社員の絵柄となっている。手番は、社員を裏向けて仕事面にするか、仕事面になっているタイルを丸ごと他の仕事面のタイルに押しつけるかが出来る。これ以上仕事を移動させる事が出来なくなった時点で一番仕事を押しつけられていないプレイヤーが勝利。
今回は二人プレイなので、社員2枚ずつ合計12枚を持つ。裏面にするまでは何の残業かは解らない。
今回は二人プレイなので、こんな風に2枚ずつ受け持つ。裏面の仕事は全て違う絵柄となっているので、何がどうかはめくってみないと解らない。
最初の手番では1枚裏返しにするだけだ。そうすると仕事面となる。これが他のタイル(他人でも自分でも)と同じキャラクターか、同じ仕事なら効率的に仕事する為(?)に丸ごと押しつける事が出来るのだ。そのときに「ついでにこれもお願いします」と言う。うむ、まさに仕事の現場にありがちな台詞だ。
手番には、仕事面に裏返すか、一番上になっている同じ仕事もしくは同じ人に対してまとめて仕事を押しつけるかが出来る。押しつけるのは自分でもよい。
序盤は、細かく「ついでにこの仕事お願いします」をやりまくる、わし。miaのカードは1枚、2枚と積み重なっていく。
しかしながら、中盤にさしかかるとmiaも当然わしに仕事を押しつけてくる。まさに熨斗を付けて返してくるといっていい。
最初は数枚だったタイルが、山積みとなっている。
わし「くっそー、これをなんとかしなくては、今日は阪神戦があるっちゅうのに!!」
mia「あ!」
こんな感じで徐々に仕事がまとまっていく。山積みとなったタイルは、まさに仕事そのものである。
わし「ふふふ、引いたな。このごっそりした仕事をそいつに押しつけてやる」
コンコンコンと、山積みされたタイルの体裁を整えて一呼吸おく。あまりにも大量なので横からコンコン出来るくらいなのだ。
わし「ついでにこの仕事お願いしまーす」
ふはははははー!
これでさっさと帰ってサンテレビ観戦じゃあ!
ここまでくるともう結果は見えてくる。
mia「じゃあ、こうして、この仕事ついでにお願いします」
わし「あ!」
雲が掛かるかのような、恐ろしくうずたかく積まれた仕事、仕事、仕事。
どっちゃりと押しつけられた仕事。(|| ゜Д゜)ガーン!!
もうすぐ夏だな…クーラーの延長をビル管に言うの忘れてた。
さ、コンビニ行って夜食でも買うてくるか…
所要時間10分
mia「お先に失礼しまーす」
結局4回やったが、2勝2敗。
miaのコメント
わたし、これ得意かも。こういうまとめるの大好き!
後日やったOECのコメント
パズルちっくなのにパーティ系w
手版が一周するうちに曲面ががらりとかわる!
カードでも出来るところをあえて厚めのタイルで存在感を出しているコンポーネントがキラリと光る☆
実家に帰省する際に軽いのを買って帰ろうかと思い候補に挙げていたところに、まさにタイムリーなテストプレイw
当たりだったし、かさばらないし、お手ごろだし、どうしようか。悩むレベルが上がったw
ソマーリオ
簡単なルール、10分ほどで終わるお手軽さで何度でもやりたくなってくる。非常にパズルチックな内容で、女性にはかなり受けると予想される。こんなマイナーなゲームをよくぞリメイクしてくれた。
最初は、押しつけられててもあまり気にしない。最後に熨斗を付けて押しつける事が出来るからだ。その分、序盤から中盤にかけての攻防と、終盤の攻防では手番の時間が自ずと変わってくる。終盤のある程度の長考は致し方ないところ。ただあまりこの部分を長くやるとだれるので要注意だ。さくさくっと負けてもいいやという気持ちくらいでやるといいだろう。うっかりミスによる即死ってのもまた笑える要素なのだ。
コンポーネントについていえば、よくぞこれほど分の厚いタイルを使ってくれたものだ。これがぺらぺらではげんなりする。積み重なってくると、タイルの横くらいの厚みになるので横をコンコンコンと書類を整えるようにする事が出来るのだ。タイルの加工もつるつるで、かなりお金をかけたように思われる。このゲームはこれくらいの厚みがないと楽しくないのだ。
CG系の絵と萌系の絵はあまり好きではないので、CGの絵をみた時は「うーん」と正直思ったものだが、実際にゲームをやってみると、人の特徴を○□△などで上手く表しており、視認性は非常によくて、そのうち気にならなくなった。
ただ残念なのはそのテーマの変更である。実際にどっちゃりと積み重なったタイルはどうにもお皿をイメージさせるのだ。仕事でもそれなりにイメージはあるが、皿のイメージの方がベストに思える。また残業の押し付け合いという事であるなら、残業というものにリアリティを感じる社会人がターゲットになってしまう。皿洗いなら子供と一緒に遊ぶテーマとしてもふさわしい。
実際に昔の皿洗いゲームのタイルを見ると、非常に料理の絵と汚れたお皿の絵が可愛いのだから、見てるだけで欲しくなってくる。お料理ゲームつうのは、フライパンゲーム、パンケーキゲーム、アラカルトを見て貰えれば解るようにどれをとっても名作だ。この皿洗いゲームもこの名作に肩を並べるゲームだと思う。お料理というテーマだけでなんだか楽しく見えてくるのだからしょうがない。
これが皿洗いゲームのタイル。Geekより拝借。可愛い! なんと洒落で、ゴム手袋まで付いている。
仕事の押し付け合いというテーマでも十分に笑える雰囲気を持っているので、片目程度に目をつぶるとして、手になじむタイル、非常にシンプルなルール、プレイ時間の短さ、なんどやっても疲れず、最後に笑いが起きる雰囲気、にふさわしい。1800円という安い価格設定と、薄型でコンパクトな箱は、ゲーム慣れしていない一般の人にも是非やって貰いたいという、メビウスの非常に戦略的なタイルゲームといえる。非常によう出来とる。