奥井晶久

One night Jinro

3~7人用
5分

ワンナイト人狼

ワンナイト人狼は、オオカミ男(人狼)狩りの伝説をモチーフにして、ウソついたり、説得したり、占ったり、盗んだり、推理したりドキドキハラハラがいっぱいの"嘘つきおしゃべりパーティーゲーム"です。
たった3人から、短時間で遊べて、それでいてちゃんと人狼できちゃうので、人狼初心者はもちろん、人狼大好きな人まで、幅広く遊べます!

プレイ感

色んなバージョンが限定生産されやたらと噂を聞くが、生産数を絞って出してるみたいで価格が高騰して物凄く手に入りにくい。品薄商法かと疑うくらい。で、ようやくCOQに頼んで通常版をイエサブにて手に入れた。3人から出来る人狼というキャッチコピーが嘘か真か、オビ湾と3人でレッツプレー。

3人プレイの場合は、人狼2枚に占い師、怪盗、村人1枚をシャッフルして、各自1枚ずつ配る。2枚残るが、下手をすると誰も人狼がいなくなる場合もある。


タイルは8ビット風の絵柄で、厚みはあるが段ボール紙って感じ。プラッチック版が初期にでたらしいが、オビ湾曰く、音がするので向かないとのこと。ポイントは怪盗と占い師。

全員目瞑る。で、まずは占い師が目をあけて、誰か1枚のカードをのぞき見する。次に人狼が目をあけて、他に人狼がいないか確認する。次に怪盗が目をあけて、他の人と自分のカードを交換してもよい。これで全員が目を開ける。

それから話し合いをして、全員で誰をぶち殺すか、指を差して多数決で決める。
殺された人のカードをオープンし、人狼なら人間側、人間なら人狼側が勝ち。終わり。まさにワンナイト。

ここで「あれ?」と思う人がいると思う。そう、このゲームでは人狼は人を殺さないのだ。単に目をあけて他にお仲間がいないか確認するだけという、かなり穏和な人狼だ。

COQがナレーションをやり、音でばれてしまわないように、全員が机をとんとんとんと叩く。

最初、いきなりCOQとオビ湾が人狼で、わし1人がハブられる。
物凄く適当にオビ湾がわしの意見をきいて「ああ、そしたらあきおさんはCOQさんが人狼やと思うわけですね。僕もそう思います。じゃ、せーので差しましょう」

もちろんわしを2人とも差して終わり。


なんというあほくさい展開。

COQ「あれ、怪盗やのに変えなかったんですか?」

まあ、様子見。

2回目もやったがその後の2人の批評によりあまり記憶がない。

所要時間5分

オビ湾のコメント

問題なのは怪盗の存在ですよ。ここに怪盗がいたとして、よーいどんで、さあ、誰が人狼やと思う? と訊かれても、ノーヒントなので適当に答えるしかないと思います。それは最初に配られた時点で、人狼を答えろというのと同じです。
本家の人狼の占い師は、ずばり本当の意見を言うと、人狼にばれて食い殺される可能性があるので、話の流れをばれないように持って行くというところが面白いのですが、本作の占い師はそういったリスクがないので「自分が占い師で、こいつ人狼なのをみた」と言ってもいい訳です。
人狼ってそもそもこんな適当なもんでしょ? と制作者が解っててやってるのかも知れませんけどね。

COQのコメント

このゲーム、賛否両論なんですよね。BGGのエリックなんかは「こんなのゲームじゃねえ」と言いはなってます。怪盗がどうにもこうにも。全てのシチュエーションをひっくり返してせっかく見たゲームを展開させる唯一のヒントである占い師の効果を無効にしますから。
ただ熱狂的なファンがいるので、あまり否定的な事を書かない方がいいと思いますよw

ソマーリオ

最少人数で、しかも既にワンナイト人狼に対して否定的なプレイヤーの中で評価するのは難しい。が、実のところわしはそんなに悪いイメージを持たなかった。

その理由はなんといっても、人狼にそんなに期待していないからである。これは悪い意味ではなく、むしろ良い意味でそう思ってる。
そもそも、第1夜に、ただゲームに参加しただけで人狼に食い殺される理不尽な仕打ちを受けるのだ。目を開けたら、あなたは死にましたとマスターに言われ脱落する。こんなもんはゲームでもなんでもない。最近の殺人にある「誰でも良かった」って奴だ。

こんな人狼をシステム化したドイツゲームと混同するから良くない。人狼はビンゴゲームみたいな多人数のパーティゲームなのだ。わしの世代やと土瓶茶瓶禿げ茶瓶とか、名前知らんけど皆でリズムとって自分、相手と指定する奴とか。まあ、ロックユー。

せっかくレビューを書くのだから、今落ち着いて考えてみる。

オビ湾のいう占い師のリスクの無さは確かに言い得てる。それを根底から覆すのが怪盗の存在なのだ。怪盗が存在してると占い師のみた答えが違ってくる可能性がある。つまり怪盗がないとワンナイト人狼は成り立たないんじゃないかと思う。

ポイントは怪盗がいるかも知れない、というところだ。確実に入るなら「よーい、どん」と言われても致し方ないが、入ってないかも知れない。そこがこのシステムをギリギリゲームにしているように思う。

人狼系のシステムの弱点を皆、よく知ってるようで、色々と改良されたのが出ている。その弱点を完全に補った最高峰レジスタンス、アヴァロンという存在はあるが、ここまで求める必要はないのだ。
なんとなく皆でワイワイ楽しめる機会を持ちたい、そして8ビット風の絵、小さな箱、そういったものが受けてるように思う。

個人的には品薄感を誘ってる商法が気に入らないが、これはパーティゲームとしてはまあ、ありかなと思う。ただ人狼は夜を繰り返すことで、推理の要素を高めていってるところが面白さのポイントだが、本作は当然そういったものはなく、人狼と銘打っているが、まったく違うゲームである。絵柄含めた雰囲気だけ人狼と呼べばいいのか。簡単に自作出来るが、これを自作してやると多分すげぇつまらんと思う。これは人狼なんだという思いこみが大切なんやと結論づけた。もう少し多人数で試してみたいところである。

そうそう、今はスマホが主流なので、一連のナレーションはスマホに録音して再生するのがお勧めである。慣れていないと声の反射やトーンでバレバレになる。

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