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Ted Alspach
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アークライト
Bezier Games
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1〜4人
60分
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ノイシュヴァンシュタイン城
駿河屋で購入
ノイシュヴァンシュタイン城はバイエルン王ルートヴィヒ2世によって19世紀に建築された。
現在はロマンチック街道の終点として、人気の観光スポットとなっており、内部を見学することができる。所在地はオーストリア国境に近く、近隣には、ルートヴィヒ2世が幼少時代を過ごし、彼の父親が所有していたホーエンシュヴァンガウ城がある。
ノイシュヴァンシュタインという名は、現在ホーエンシュヴァンガウ城のある地にかつてあったシュヴァンシュタイン城にちなみ1890年になってから付けられた名であり(「ノイ (Neu)」は「新しい」の意)、建設当時はノイホーエンシュヴァンガウ城と呼ばれていた。シュヴァンガウは、「白鳥河口」の意味の地名で、ホーエンシュヴァンガウは、上シュヴァンガウ村のことである。
プレイ感
同じ作者のシティビルダーをマイルドにした感じという噂があったが、なかなかに面白そうなので日本語版が出た機に買うてみた。1人からでも出来るとのことだがmiaと2人でやってみた。
説明書の構造が解りにくくて困ったが、とりあえず番号順にセットアップをしてみる。カヴェルナもそうだがボードに表裏とか組み立てるタイプの奴ってどうしても解りにくい。今回は2人プレイなので、カード、タイルの枚数を数枚抜いておく。
簡単に書くとセットアップは、部屋の広さに応じて分けた部屋タイルを山札に裏向きにしておく。部屋カードを5枚めくり(2人用)、それと同じサイズの部屋タイルを表向きに出す。各自15000マルクを持つ。
親プレイヤーは、部屋タイルを5カ所ある好きな価格帯に並べる。子プレイヤーからその金額を親に支払ってタイルを購入する。購入したタイルは最低1カ所は出入り口が繋がるように、自分の城の部屋タイルに配置する。
タイル左上に書かれた勝利点を得点すると同時に、タイルに描かれた条件を満たせばさらに勝利点を得点する。
最後に親がこれを行うが、親はお金を銀行に支払う。
親が毎回、部屋タイルを値付けするところがミソ。今回は2人プレイなので5箇所。カードをめくると、追加で用意される部屋タイルが決まる。同じ形をしていても、内容がすべて違う部屋ってのが凄いこだわりを感じる。
ちなみに部屋タイルを買わずにパスした場合は銀行から5000マルク貰える。また廊下タイル、階段タイルは3000マルクで買える。
親は順繰りに回っていくが、次の親は、売れ残った部屋タイルに1000マルクずつお金を載せて、5枚に満たない分だけ部屋カードをめくり、部屋タイルを補充する。そして全ての部屋を好きなように値付けする。
こうして部屋カードが全てなくなったラウンドに終了。ボーナス点を加算し勝利点で勝敗を競う。
最初のロビーから部屋を購入してつなげていく。部屋の出入り口はかなり自由度が高い。暗い色のタイルは地下室で、これは必ず地下に繋がる階段でないとくっつける事はできない。地下室は最後にどんとつけた方がいいのだが、この時はまだルールをいまいち理解していなかった。
かなり自由に組み合わされるので、結構広い場所を使いそうというのでお互いにかなり離して最初のロビータイルをおく。
わしが親。最初は配置得点の高い部屋の値段を高めに設定する。自分が欲しいのは最安値の4000マルクに配置する。
mia「まあ、親にお金が入るので、一番安い奴にするか」
まあ、そうなるか。
わしは6000マルクのタイルを購入。差し引き2000の損。
2枚減ったので2枚補充してmiaが再度値付けする。ただし売れ残りの3枚のタイルにそれぞれ1000マルクを載せる。これを買えばお金が返ってくるバックマージンだ。こうする事で売れ残れば残るほどバックマージンが増えていく事になる。
相手に良いタイルを手に入れさせたくないとなると、高い値付けにがっつりつけ込む。そうするとまったくよろしくない部屋が出来る。
mia「まったく意味不明の部屋できてる」
こちらがmiaの城。
わしもまったく意にそぐわない部屋であったが、なんとなく教会っぽい感じに仕上がってる。
もちろん売れ残れれば売れ残るほどタイルは実質安くなるのだが、値段の幅が4000から15000まであるので、そうそう高いタイルは買えないのだ。
一回、2人とも金欠を起こして5000マルクを手に入れて終わった事もある。
終盤になって気づいたのだが、このゲームのポイントは完成された部屋によるボーナスである。
完成された部屋というのは、全ての出入り口がきちんと機能するように配置された部屋の事だ。
カルカソンヌを代表とするようなこういったタイル配置ゲームにつきものの、タイル同士の整合性というのはこのゲームでは不完全で構わない。1カ所でも出入り口が機能するように配置してればOKで、後は壁で埋めてしまっても問題ないのだ。
完成された部屋というのは、通常イメージする全ての出入り口がきちんと他の部屋と繋がっていることを意味する。
部屋には7つの種類があり、その種類によって勝利点5であったり、もう1手番行うであったりと、完成された部屋のボーナスが違う。
これを上手く活用することで一気に得点を伸ばすことが可能なのだ。
そうこうしているうちに最終ラウンドがきた。
わし「早っ」
思ったよりも城を大きく伸びないのだ。
わしの部屋の最終形。2枚見せてるのはボーナスカードで達成していたら貰える点数だが、どちらも未達。右上に庭をつけた素敵な城だ。
得点はmiaの方が常に少し上回ってしまっている。
わし「じゃあ、これを買う」
mia「え、そんなん買うの? こっちじゃないの?」
わしはボーナスにて追加手番を行う事で、2枚ゲットする作戦にでたのだ。
mia「あ、そういうやり方か」
ここでようやくmiaの得点を引き離す。
miaも負けじと得点を重ねるがわしには及ばず。
これで手番としては終わり。ここから更にボーナスを加える。
こちらがmiaの完成形。地下室の多い陰気な城である。
最後のボーナスとしては、王様の意向タイルとか、売り切れたタイルを使用している枚数×2点とかがある。
そして、わしが最初に配られたボーナスカードを未達成であるにもかかわらず、miaは2枚達成して、なんと同点となった。正直、勝ったと思ってただけにこの隠し情報はゲームとして機能している。
得点ボードはやたらとでかい。そして同点。
同点の場合は、敷地面積の広い方が勝ちである。見た目でわしが勝ちと解った。
所要時間60分
miaのコメント
もう少し、色々と部屋を作れたら楽しかったのに。もうひと捻り欲しい感じ。
ソマーリオ
箱庭ゲームといえば、テーマの良さからなのか、割合佳作が多い印象がある。シティビルダーは、得点体系のチェックの面倒さと、日本語訳がどうにもなじめなかったが、このノイヴァンシュタインは、めちゃめちゃ意味不明な城になるものの、箱庭の楽しさが詰められてて良かった。
タイル配置ゲームでは鉄則である整合性の完全性を担保するには、タイルは必ず同じ形、同じサイズにする必要があったが、このゲームはそれを捨てる事で様々なサイズのタイルを使用している。これはかなり思い切ったデザインだと感心した。タイルは様々な形があり、同じ形のタイルであっても中身が違うので、何度やってもきっと同じ城は出来ないだろう。多様性が半端じゃない。
そもそも最初面食らったのは、アイコンの見方がいまいちよく分からなかった。というか、隣のタイルはええとしても、お前自身は何のタイルやねん? と思った。
最初とまどう人がいるかも知れないので書いておくが、自分自身のタイルは下地の色がそれだ。タイルは種類毎つまり7色ある。で、アイコンの読み方だが、左の城の絵が自分自身で、それと挟んで(出入り口、壁、廊下の3つ)、隣の種類のタイル、である。これを満たすと左の城の絵の勝利点が入る。
ちょっと焦ったのはマイナス1の奴がある。これの隣は壁なのだ。多種多様の形をしてるので隣を壁にするのは結構難しいと思う。
あと地下室だけは、”挟んで”の項目がない。地下室は置いた瞬間、描かれたタイルを配置してたら勝利点が入るというものだ。地下室は総じて配置得点が少なく、また階段を通じてしか配置出来ないが、地上階を仕上げてから一気に得点を得られるタイルなのだ。
2人プレイだと、値付けの幅が広すぎてバックマージンがあったとしても、なかなか欲しいタイルを買う事ができずにややストレスが溜まった。この部分については上手く機能しているようには思えなかった。
また、結構色んなところをチェックしないといけないので長考気味になるところがあった。この2つが欠点か。
それでも60分で収まるところをみると、もしチェックが早ければ30分くらいで終わりそうなのが凄い。
プレイ感としては、かなり古いゲームとなるが楽しい動物園とそっくりのように感じた。
上記の理由で評価はしていないが、癖があって後をひくゲームで、1人でもやってみようという気にさせられた。
ノイシュヴァンシュタイン城については、なんでこんなに綺麗で有名な城が世界遺産に登録されていないのかと疑問に思うだろうが、この城は中世の風貌をしているが、実は19世紀に建てられた新しい城なのだ。そこらへんに興味のある人はWikiペディアで調べてください。