|
Oliver Richtberg
|
Zoch
|
1〜4人
30分
|
メナラ
駿河屋で購入
全員で知恵を出し合って、失われたマレーシアの遺跡メナラを復元しよう。
柱とボードで積み上げる協力型バランスゲーム。
探検家の君たちはマレーシアの密林奥深くで、人知れず眠りについていた遺跡を発見した。
苦難の旅の末発見したその遺跡に、君の心臓は大きく高鳴った。
何千年も前に、確かにここにあった壮大な寺院は、いったいどれほどのものだったのだろう。
その全容を確かめてみたい。
そんな耐え難い衝動に駆られたのは君だけではなかった。
そして探検隊のメンバーは、協力してその偉業達成に立ち向かうことにしたのだ。
プレイ感
おそらく、往年のボードゲーマーなら写真を見ただけで「こりゃあかん」と思うはずだ。そしてレビューをみると誰もが一様に「ヴィラパレッティとは違う」と書いている。
いくら違ってても、このコンポーネントはなあと思ってたのだが、魔が差して購入してしまった。
ブロック組み立てるのが好きなので、いけるかもとソージロもうすぐ5歳を加えて、mia、コタ8歳との4人プレイにて。
このゲームは協力ゲームである。皆で遺跡を復元するというもの。
準備としてフロアタイルを積み重ねておく。上から3枚取り、端っこ同士がくっつくように土台を形成する。
次に袋の中に石柱(木製だが)を全部放り込んで、6本を抜き出してベースキャンプに立てる。プレイヤーもそれぞれ人数に応じて石柱を引き、手元においておく。4人プレイなら6本である。
また階層カードによって難易度を調整する。今回は一番簡単な3枚とした。これは終了条件を満たした時に、一番上のフロアが4階(土台は勘定に入れない)になってると良いという意味だ。
フロアタイルを適当に重ねる。この順番に出てくる。そこから3枚上からとり、端っこ同士がなるべくくっつくように土台を形成する。
またベースキャンプにランダムに石柱を6本置く。これを使いプレイヤー間で交換可能だ。また難易度によって階層カードを並べる。今回はイージーモードとして3枚、つまり4階建てに作れば勝ちだ。一番右の青カードは間違いなので気にしない。
手番は、自分の持っている石柱とベースキャンプにある石柱を好きなだけ交換できる。
それから、好きな建築設計書の1枚をめくる。建築設計書は難易度によって3段階ある。
設計書には、石柱を何本建てろとか、下のフロアにある石柱を上にあげろとか指示されている。
その設計書どおりに出来たら、それはクリアされたことになり、カードを捨てる。
手元の石柱を元の数になるように袋から引く。
設計書は青、黄、赤の順に難しくなっている。この設計書は1フロアの石柱をすべて埋めろという指示だ。手元に柱が足りなかったりすると失敗するわけだ。
しかしできないと、それは裏返しに戻して階層カードに加える。つまり勝利条件である階層が1段上昇することになる。そのときにベースキャンプの石柱の総入れ替えもできる。
また1フロアにすべて石柱が置かれると、その上に新たにフロアタイルを置くか、土台にフロアタイルを置くかできる。
土台に加えた場合、設計書カードを裏返して階層カードに加える。
こうして終了条件である、石柱が元の数に引けなかった時、フロアタイルを使い切った時、設計書カードがなくなった時に階層に達していれば勝ちである。
ただしどこかのタイミングで崩してしまっても終わりで、崩した状態で階層に達していれば勝ち、そうでなければ負けである。
わし「まずは柱を置けるように、ベースキャンプから色を合わせたほうがええぞ」
コタ「黄色ばっかり」
わし「黄色が多いんや」
黄色を少しベースキャンプから交換して
コタ「青色をめくる」
設計書は青、黄、赤の順で難易度があがる。
設計書通りにできなければ、その設計書を裏返して、階層カードとする。
2と書いているので、柱を2本置けということだ。
柱の色は、フロアに描かれている色と対応している。序盤なのでここは楽における。
次にmiaである。
同じく青を選び、柱が2本だ。
ここでコタと同じフロアを選び、すべて埋まった。
わし「新しいフロアを上にのっけろ」
ソージロもなんなく青をこなした。
5巡目くらいとなると、少し考えながら置かなくてはいけない。
ここでソージロがやらかした。
適当にバンとおいた瞬間、遺跡崩落!
皆「あーあ」
この直後に壊してしまった。
もっかいやろうということで、やってみたが、やはりソージロが壊してしまった。
ちゅうわけで一旦ここで終了して、ソージロ抜きで3人でやってみることにした。
この直後
一部を壊してしまった。
先程と同様にやる前に、ルールを読み返してヒントをみた。
序盤に、赤色をつかうべきだと書いてある。後半に赤をめくると、厳しい状態になる。
やってみるとわかるが、各色のカード枚数はそれほど多くなく、すぐに枯渇するのだ。結局はどこかで赤を使わなくてはならない。
ということを踏まえてスタート。
わし「まずは黄色」
いきなり赤では失敗しやすい。なぜかというと、フロアを上にあげるだとか、下にある石柱を上のフロアに置き直すというのが結構含まれているので、作業できないからだ。
一番右の赤は、下にある柱をすべて上にあげろというめちゃな要求もあるので、ある程度進んでからでないと厳しい。
黄色はちょうどいい感じに3本、2本が含まれている。
ある程度、出揃ったところで赤を選択する。
mia「あ、置けない」
と明らかにおけないケースもある。その場合は、階層カードになるがしょうがない。
コタ「えーと」
わし「それも無理やんけ」
見る見る階層カードが増えていく。3階で良かったのが、すでに6階である。
クロトワ「(赤をめくるのが)早すぎたんだ」
むむむ、これいけんのか?
きつかったのが、下のフロアを上にあげるというカード。これによって土台が2個になってしまった。
土台が2つになってしまった。
そこで安定させるために橋渡しするようにフロアタイルを配置した。それでもかなり不安定である。
わし「どっかで諦めて土台おいたほうが楽やぞ」
mia「しょうがない、広いフロアを土台にしよう」
これで目標は7階層となる。
しかも
わし「これ、3本柱になってるけど、縦になってるからめちゃ不安定やぞ。しょうがないから別のフロアの石柱にかけて安定させよう」
mia「こう? やばい、ぐらぐらしてる」
他のフロアの柱を載っけることもありだが、フロアが狭くならないように気をつけねばならない。
土台を追加した。
わし「そこはそれ以上載せんとこ。別のとこで勝利条件を満たせばいい」
そこからはかなり戦術的になる。
フロアをすべて埋めると上にタイルを載せる必要があるので、あえてハリネズミにするのだ。
わし「何色の柱が欲しい? ベースキャンプにおいとく」
コタ「えーと、白」
と話し合いを持ちつつ進める。
そして、石柱の数が残り少なくなってきた。
コタ「あ!」
なんと、載っける時に、一番やばいとこに手がガンと当たり、大きく揺れた。
mia「何やってんのよ!! そういうとこ迂闊だわ」
しかしかろうじて持ちこたえる。
コタ「思ったより壊れないね」
やばいとこはあえて、隣のフロアタイルに寄りかからせて強化してるおかげだ。
テレビでYoutubeを見てたソージロがやってきた。
ソージロ「なに、これ。凄い」
机めちゃ揺れる。
わし「アホウ! 机触るな」
そういう困難を乗り越え
そしてなんと、最後、石柱がつきる。
わし「そこ載っけたら完了や」
mia「よし」
そして7階層目のフロアタイルを載せた。
やったー!!
皆「やった」
所要時間30分
ソマーリオ
やはりこれは書いておく必要があるな。ヴィラパレッティとは違う、と。
そもそもあっち側はめっちゃ辛かったし、こっちは辛くないからな。
協力ゲームはパンデミックを走りとして数々出てきたので、新鮮味がない。むしろ今となっては外す要素となっている。
積み木ゲームも最初は目新しかったが、深みがない割に価格は高く、わしの求めているドイツゲームはこれじゃ、ねぇ!感が強くて、あまり進んで買いたいとは思わない。
最初に書いたように魔が差した。しかしその魔が差した状況でも意外なヒットを放つことが多々あった。
おもろいやんけ。
協力して物を組み立てるという、本能に喜びを与える構造を使っているのはある意味ずるい。
しかし、このゲームの真髄はそこではなく(当たり前だが)、フロアタイルに建てる石柱の色とベースキャンプシステムが、非常によく考えられており、プレイヤー間の絡み、つまり作戦を立てて協力する余地を作っているのだ。これはとてもゲーム的でプレイヤーがブロックではなくゲームをやっている気分にさせてくれる。
建築設計書の選択も良く出来ており、終了条件についても、非常にバランス良く仕上がっているように思う。
このゲームの欠点は、ヴィラパレッティにそっくりというところだけだ。つっても、今となっては相当古いゲームなので、そんなん知ってるのはおっさん、おばはんゲーマーだけやわな。
コンポーネントは、流石にZochだけあってタイル、木製駒の作りは完璧である。
見かけに騙されず買うが吉。