Matt Leacock

Z-MAN

2〜4人
40分

パンデミック

駿河屋で購入
ラッサ熱、リフトバレー熱、天然痘、黄熱病、マールブルグ熱、エボラ出血熱…
世界各地に蔓延している治療法の確立されていないウイルス性疾病。
黒死病はヨーロッパ人口の3割を犠牲にし、人類が初めて遭遇したパンデミック、スペイン風邪は死者4000万〜1億人とも言われ、歴史に多大な影響を与えた。
アトランタにあるCDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、ウイルスの危険度ランクに応じてバイオセーフティレベルを1〜4に分けて特効薬の開発を急いでいる。
人類にとって最も恐ろしいのは、無害のウイルスであったものが突然変異を起こし、猛烈な毒性をもつ事だ。
一度広がった疫病は、アウトブレイクを起こし今度こそ人類を滅亡させるかも知れない。

プレイ感

プレイヤー全員協力型の佳作としてやたらと人気があったため入手が遅れ、さらにようやくやったと思ったらルール間違いがあり、なんだかすっかりやる機会を失っていたが、ようやくmiaとの二人プレイでだが遊ぶ事が出来た。まずは初級からやってみた。

せっかくなんで、伝染病に使われる意味をWikiから引いたのを引用しとく。


エンデミック
一定の地域に一定の罹患率で、または一定の季節的周期で繰り返される状態を示す言葉である。その地域内で流行するため地方性流行とも略される。予測は可能で他の地域に広がってはいかない。感染症が原因の風土病もこの一種、特定の地域に限定される場合をいう(ただし感染病・伝染病に限定した言葉ではないので注意が必要)。

エピデミック
伝染病が予想されるエンデミックの範囲を超えて、急激に社会に流行していく状態。

アウトブレイク
エピデミックの更に規模が大きくなった爆発的感染拡大の意味。

パンデミック
多国間にまたがって広範囲に散発的な広がりを示すものをパンデミック(汎発性流行)という。


ボードには都市名が描かれ、各地で流行するウイルスが4つの色とマークによって表されている。ゲームは世界を股にかけてこれらのウイルスの特効薬を発明することだ。各都市に置かれている駒がウイルスの蔓延状況を表している。

更にゲームをより深く楽しむために元になったであろうウイルスの紹介。※あくまで個人的見解でチョイス
その後、BGGからほぼ特定出来たぽいので、変更しました。Tatasuroさんありがとうございました。

炭疽菌(Bacillus anthracis) 炭疽菌 青色 レベル3
炭疽菌 (Bacillus anthracis) は、大きさは約 1 - 1.2 μm × 5 - 10 μm で、病原性細菌の中では最大の部類である。顕微鏡で観察すると、個々の桿菌は円柱状で、竹の節を直角に切り落としたように見え、これが直線上に配列した連鎖桿菌として観察される。その周囲を莢膜(きょうまく)と呼ばれる構造が取り囲んでいる。炭疽菌の莢膜は、他の細菌が持つものと比較すると境界が鮮明である。鞭毛や線毛は持たない。
炭疽菌は芽胞形成菌で、生育環境が悪化すると菌体の中央付近に卵円形の芽胞を形成する。芽胞は熱や化学物質などに対して非常に高い耐久性を持つ構造体であり、このため炭疽菌が生息している環境から菌を除去することは極めて難しい。第二次世界大戦後に連合軍が行った炭疽菌爆弾の実験では、少なくとも投下後 40 年以上にわたって、多数の炭疽菌が土壌に残存しつづけるということが判明した。
炭疽菌が顔、首、手などの皮膚の小さな傷から侵入すると、1〜7日後ニキビ様の小さな掻痒性または無痛性の丘疹が現れ、周囲には発疹と浮腫が現われる。丘疹は崩壊し潰瘍となり黒いかさぶたを形成し、高熱が出る。炭疽症の大部分はこれに含まれる。未治療の場合の致死率は10〜20%
炭疽菌が空気とともに肺に吸入された場合、インフルエンザ様症状を示し高熱、咳、膿や血痰を出し呼吸困難となる。未治療での致死率は90%以上
炭疽菌が食物とともに口から入ると、頸部のリンパ節炎、腹水貯留、高熱、嘔吐、腹痛、膿や血の混じった下痢がおこる。致死率は25〜50%
腸チフス(Typhoid fever) 腸チフス菌 黄色 レベル3
腸チフス(ちょうチフス)は、サルモネラの一種であるチフス菌 (Salmonella enterica var enterica serovar Typhi) によって引き起こされる感染症の一種である。感染源は汚染された飲み水や食物などである。潜伏期間は7〜14日間ほど。衛生環境の悪い地域や発展途上国で発生して流行を起こす伝染病であり、発展途上国を中心にアフリカ、東アジア、東南アジア、中南米、東欧、西欧などで世界各地で発生が見られる。
日本では感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律で三類感染症に指定されており、感染症病院での治療が義務付けられている。
感染後、7〜14日すると症状が徐々に出始める。腹痛や発熱、関節痛、頭痛、食欲不振、咽頭炎、空咳、鼻血を起こす。3〜4日経つと症状が重くなり、40度前後の高熱を出し、下痢(水様便)、血便または便秘を起こす。バラ疹と呼ばれる腹部や胸部にピンク色の斑点が現れる症状を示す。腸チフスの発熱は「稽留熱(けいりゅうねつ)と呼ばれ、高熱が1週間から2週間も持続するのが特徴で、そのため体力の消耗を起こし、無気力表情になる(チフス顔貌)。また熱性せん妄などの意識障害を起こしやすい。2週間ほど経つと、腸内出血から始まって腸穿孔を起こし、肺炎、胆嚢炎、肝機能障害を伴うこともある。
医療施設の整った国では致死率は低いが、患者が多く医療施設の乏しい国では5%以上の致死率が予想される。
エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever) エボラウイルス 黒色 レベル4
エボラウイルスは大きさが80〜800nmの細長いRNAウイルスであり、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様ある。
初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月のスーダンのヌザラ(Nzara)という町で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部に痛みを感じて入院、その後消化器や鼻から激しく出血して死亡した。その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症して、それを発端に血液や医療器具を通して感染が広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人と言うものだった。
そして、この最初の男性の出身地付近である、当時のザイールのエボラ川からこのウイルスの名前はエボラウイルスと名づけられ、病気もエボラ出血熱と名づけられた。 その後エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50〜89%と非常に高く、死亡者の殆どに消化管出血が見られる。
潜伏期間は通常7日程度。発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振などから、嘔吐、下痢、腹痛などを呈する。 進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられ、死亡する。
エボラ出血熱ウイルスに対する特効薬、ならびに、エボラ出血熱感染症に対して有効かつ直接的な治療法は見つかっていない。
天然痘(Smallpox) 天然痘ウイルス 赤色 レベル4
天然痘ウイルス(Variola virus)は、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属するDNAウイルスである。直径200ナノメートルほどで、数あるウイルス中でも最も大型の部類に入る。ヒトのみに感染・発病させるが、膿疱内容をウサギの角膜に移植するとパッシェン小体と呼ばれる封入体が形成される。これは天然痘ウイルス本体と考えられる。天然痘は独特の症状と経過をたどり、 古い時代の文献からもある程度その存在を確認し得る。大まかな症状と経過は次のとおりである。
飛沫感染や接触感染により感染し、7〜16日の潜伏期間を経て発症する。
40℃前後の高熱、頭痛・腰痛などの初期症状がある。
発熱後3〜4日目に一旦解熱して以降、頭部、顔面を中心に皮膚色と同じまたはやや白色の豆粒状の丘疹が生じ、全身に広がっていく。
7〜9日目に再度40℃以上の高熱になる。これは発疹が化膿して膿疱となる事によるが、天然痘による病変は体表面だけでなく、呼吸器・消化器などの内臓にも同じように現われ、それによる肺の損傷に伴って呼吸困難等を併発、重篤な呼吸不全によって、最悪の場合は死に至る。
2〜3週目には膿疱は瘢痕を残して治癒に向かう。
治癒後は免疫抗体ができるため、二度と罹ることはないとされるが、再感染例や再発症例の報告も稀少ではあるが存在する。
天然痘ウイルスの感染力は非常に強く、患者のかさぶたでも1年以上も感染させる力を持続する。天然痘の予防は種痘が唯一の方法であるが、種痘の有効期間は5年から10年程度である。何度も種痘を受けた者が天然痘に罹患した場合、仮痘(仮性天然痘)と言って、症状がごく軽く瘢痕も残らないものになるが、その場合でも他者に感染させる恐れがある。
その恐るべき感染力、死亡率(諸説あるが40%前後とみられる)のため、時に国や民族が滅ぶ遠因となった事すらある。
レベル4(最近ではBSL【バイオセーフティレベル】と呼ぶらしい)に分類されている病原体は、次の9種類である。全て「ウイルス」で細菌が無いのが特徴。
Crimean Congo hemorrhagic fever、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス ‐ クリミア・コンゴ出血熱
Ebola、エボラウイルス ‐ エボラ出血熱
Herpes B、ヘルペスBウイルス※ ‐ ヘルペスB
Junin、フニンウイルス ‐ アルゼンチン出血熱
Lassa、ラッサウイルス ‐ ラッサ熱
Machupo、マチュポウイルス ‐ ボリビア出血熱
Marburg、マールブルグウイルス ‐ マールブルグ病
Variola (major、minor)、痘瘡ウイルス ‐ 痘瘡(天然痘)
Yellow fever、黄熱病ウイルス(17D由来黄熱病ワクチン(YEL)を除く)※ ‐ 黄熱病
※を附したものは、診断の目的に限りバイオセーフティーレベル3とする。
なお、痘瘡(天然痘)の病原体は現在、臨床的には根絶されている。

準備としてプレイヤーカードを規定枚数配る。今回は二人なので4枚ずつ。残りのカードを(初級なので)4等分して、それぞれの山にエピデミックカードを1枚ずつ入れてシャッフルして、一つの山にする。つまりエピデミックカードが、均等だがランダムに出るようにする工夫だ。難易度を上げるのは、エピデミックカードの枚数を増やすという事である。

感染カードを1枚ずつめくり、出た都市に対応する色の疾病駒を3個置く。感染カードは表向けに順番に捨て札にしていくこと。これを3枚繰り返す。これが終われば今度の3枚は2個ずつ、最期の3枚は1個ずつ置いていく。

※プレイヤーカードも感染カードも都市名とそれに対応する色が書かれているだけである。ただプレイヤーカードにはスペシャルカードとエピデミックカードが入っている。


これがプレイヤーカード。都市の名前とそこで流行するウイルスのマークが描かれている。

プレイヤーに5人のキャラクターカードをランダムに配り、使う駒全てと研究所駒1個をアトランタに置き、ゲームスタートである。

今回のわしは調査員(茶)、miaは作戦エキスパート(緑)である。キャラクターはそれぞれ強力な特殊能力を持っているので、組み合わせは非常に大事だ。

ゲームの目的は4種類あるウイルスの特効薬を作る事だ。特効薬を作るには、研究所にて1アクション消費して、同じ色のプレイヤーカード5枚を捨てる事でその色の特効薬を作る事が出来る。これを全て完成させれば勝利である。

その前に、プレイヤーカードが尽きるか、疾病駒が足りなくなるか、アウトブレイクが8回起きると負けである。

二人やと、最初に配られる手札が4枚と多いので、これを活かして早めに特効薬を作る事にする。なんつっても調査員であるわしは、どの都市のカードでも相手に渡す事が出来るのだ。通常、自分の手札を渡すには、お互いにその都市にいなければならない。例えばスタート地点であるアトランタでカードをやりとりするには、アトランタカードでなければならないという非常に厳しいルールがある。1人で同色5枚を揃えるのは割と大変なのだが、この調査員は、どこにいようとホイホイと相手の欲しい色のカードを手渡す事が出来るのだ。

わし「お前、何色が欲しいねん?」

mia「黒が3枚ある」

わし「ほな、わしが2枚渡せばいいんやな」

手番は4アクション出来るが、1枚渡すごとに1アクション消費する。

mia「じゃ、5枚集まったんで、エボラの特効薬製造」

わしら「よっしゃ!」

結構簡単である。


このように同じ色のカードを5枚集めて1アクション消費すると特効薬が完成する。今エボラウイルスの特効薬が完成したので特効薬マーカーが置かれる。ゲームの目的は4種類の特効薬を発見することだ。

手番が終わると、必ずプレイヤーカードを2枚補充して、感染カードを1枚めくる。その場所に疾病駒を1個おく。これを感染率の回数行う。最初は2なので要は2個疾病駒がどこかで増えるという事だ。

mia「じゃ、次はどうしよ?」

わし「天然痘がアウトブレイクされると困るんで、ちょっとアジアの方にいってくれんか?」

mia「そうね。そしたら、そこにいって研究所作る」

移動には何種類かあって、1マス移動する、プレイヤーカードを出してその都市へ移動する、自分の都市のプレイヤーカードを出して好きなところに移動する、研究所から研究所へ移動する事が出来る。全て1アクション消費だ。

miaの作戦エキスパートの特殊能力は、研究所をカードをプレイせずに作る事が出来るというものだ。研究所は、自分がいる都市のカードをプレイしなければ作る事が出来ないので、必要なカードを保持しつつ、ウイルスが猛威をふるっているところに重要拠点を楽に築く事が出来るのだ。

こうして一旦作ってしまえば、研究所から研究所へ移動するで、一気にウイルス胎児に出かける事が出来る。しかも、常に離れずにいれば、必要枚数をmiaに渡すだけでどんどんと特効薬が完成出来るという訳だ。

そうこうしているうちに、エピデミックカードが引かれた。


エピデミックカードはプレイヤーカードの中に入っている。この枚数の多さが難易度の難しさになっている。このカードが引かれると即座にエピデミックの処理が行われる。

エピデミックカードが引かれると、感染率を1段階あげて、感染カードの山の一番下からカード1枚めくる。その場所に疾病駒を3個おく。それから、感染カードの捨て札を全て再シャッフルして、山札の上に戻すのだ。

たいしたことない?

実は疾病駒はひとつの都市に3個を超えるように置かれる場合、アウトブレイクするのだ。アウトブレイクを1段階進め、アウトブレイクした都市に隣接する都市全てに、疾病駒が1個ずつ置かれる。そして、そこでもまたアウトブレイクすると、同様の作業を行っていく…つまり、次々に連鎖反応が起きるのだ。

※アウトブレイクは隣の都市に連鎖していくが(今回の手番では)同じ都市には1度しか起きない事に注意。そうでないと何度もアウトブレイクがアウトブレイクを呼んですぐにゲームオーバーになってしまう。

ここで怖いのが、捨て札の感染カードを再シャッフルして元の山に戻すという行為だ。山札のてっぺんに戻すのだ。
そう、一旦、ウイルスが出た都市は執拗になんぼでも出てくるのだ。
エピデミックの後は、通常通り感染率に従って、感染カードをめくる処理を行う…

わし「アウトブレイクや!」

なんつっても戻してすぐにもっかいめくるので、このように速攻で出てくる可能性がある。しかも、初期配置で3個おいてる都市が3箇所もあるので、そいつが1枚でもめくられるとこのようにあっさりアウトブレイクが発生するのだ。


なんとわしのいるメキシコでアウトブレイク発生! 現在メキシコには1個駒が置かれているので、ここに3個置かれるという事は4個以上となりアウトブレイク処理を行う事になる。赤の線で繋がった都市に1個ずつ駒をおく。そしてこのアウトブレイクは波及するので、現在3個置かれているリマから再びアウトブレイクとなるわけだ。おそろし〜

ただし、今回はそれを見越してアウトブレイクの連鎖が起きないように疾病駒を減らしておいたので、1度だけアウトブレイクしただけであった。1アクション消費すれば、自分の都市にある疾病駒を1個除去出来るので、アウトブレイク発生させないように3個のところを2個にしたりして対応すればいいのだ。


その後、腸チフスの特効薬が完成した。ただし、ウイルスはかなり勢力を伸ばしているので、この特効薬によって次々に駆逐していかなければアウトブレイクしてしまうだろう。本来なら都市に行って治療にあたっても1個しか除去出来ないが、特効薬があれば1アクションで一気にすべて取り除く事が出来る。



わし「ほな、また特効薬作るためにカード渡すわ」

mia「うーん、手札が8枚になった。どれか捨てないと…」

手札は7枚を超えると、すぐに捨てなければならない。ただしスペシャルイベントカードだけは、アクションを消費せず、何時でも実行出来るカードなので、すぐに使う事は可能だ。

mia「1枚スペシャルあるんだけど、これ使おうかな?」

わし「お、使え、使え」

mia「じゃ、回復した人々を使う。感染カードの捨て札から1枚ゲームから取り除く」

わし「な、なんやとお! それごっつい強力やんけ!」

感染カードは先に書いたように何度でも出てくる。ところがこいつを使えば、二度と出ないように出来るのだ。

mia「パリにする?」

わし「おお、そうしよう」

パリには現在3個置かれているが、カードを取り除けば、周りがアウトブレイクしない限り、絶対にアウトブレイクしない都市になるのだ。

それからパリ市民はずっと炭疽菌に苦しめられるているのだが、誰も応援にかけつけてくれなかった…w


既に初級レベルの4枚目のエピデミックが出ている。後は炭疽菌の特効薬を開発すれば勝利である。

こうして周りを上手く活かさず殺さずにして、アウトブレイクを発生させないように上手く立ち回った。本来なら一旦特効薬が出来上がってから、疾病駒を取り除くと、そのウイルスは絶滅した事になり二度と発生しないのだが、その手間は無駄であると判断。

特効薬が発見されてからも、アウトブレイクしそうな3個置かれている都市にいき、疾病駒を除去するが、1個とかの都市は無視である。ちなみに特効薬ができると、1アクションで疾病駒を1個取り除くのではなく、全て取り除けるのだ。

ところどころに研究所を作ってはカードを渡して、特効薬を作り…

mia「これで最期の特効薬完成!」

わしら「ばんざーい! ばんざーい!」

かくしてウイルスとの戦いは、わしらの勝利となった。所要時間45分


やった! 最後の特効薬の開発に成功! こうして我ら人類は救われた。ばんざーい!

ルールを確かめつつやったので、時間が掛かったが、本来は30分くらいと思われる。

わし「めっちゃ簡単やんけ。TAMとかKeiとかムゲンとかSeekerとかヘボすぎるんちゃう?」

mia「うん、確かに」

つうわけで、初級を緒戦で勝利したわしらは中級に挑む事にする。
中級は、準備段階でエピデミックを5枚にするだけである。

せっかくなんで、違う職業を引く事にした。
miaが救急医療隊員(橙)で、わしが科学者(白)。


今回は天然痘ウイルスに偏った初期配置となったので二人ともアジア方面へ出張である。科学者は唯一の黒人だが、アメリカでは黒人の権利を守るために、映画には必ず一定以上の黒人を登場させる必要がある。それがここにも生きているあたり、いかにもアメリカのゲームである。

科学者は非常にわしの好きなキャラクターである。なんでかつうとわしゃ科学者になりたかったからだ。もっと勉強すれば良かった…とほほ。つう話はおいといて、キャラクターとしてもかなり強力である。特効薬の作成が4枚で済むのだ。

miaの救急医療隊員は、最も英雄的で楽しいキャラクターである。疾病駒を除去するとき、1個じゃなくて全て除去出来るのだ。つまり特効薬がある時と同じである。特効薬があれば、アクションの消費なしに除去できるようになる。

やたらめったらとアジア方面で感染が拡大している。という訳で、プレイヤーカードを使ってバンコクへ飛んで、そこに研究所を建てて貰う事にした。これでわしもアジア方面へすぐに行けるようになる。

ところが、カードがバラバラなのだ。

mia「何色渡せばいい?」

わし「うーん、赤が2枚かな」

mia「えー! 2枚しかないの?」

わし「ない。ばらばらやねん。で、どこに行ったら受け取れる?」

mia「えーと、台北かな?」

わし「ほな、最後は台北で手番終了してくれや」


なんとか天然痘の特効薬を開発した。本来、科学者は4枚で開発出来るので楽ちんなのだが、あまりにも手札がバラバラでかなり苦労している。

調査員の能力の強さを思い知る事になった。本来は、こうやって持っている都市カードを渡すには、その都市へ行かなければならないのだ。しかも近辺は当然、赤色だけなので、赤色の都市に限られてくる。考えてみれば、調査員と科学者の組み合わせが最強やな。

他にこうして手に入れたカードも…

わし「もう1枚ないか?」

mia「ない。ちょっと研究してないんじゃないの?」

わし「そやな。遅々として進みまへんな」

こうやって研究が遅れている間に、エピデミックが発生。

わし「やべぇ、アウトブレイクが発生しそう」

僅か1枚エピデミックが増えただけなのに、非常に展開が速くなった。

次から次へと炭疽菌、エボラが各都市に蔓延していくが、疾病駒をなんとか2個にしていくので精一杯である。

わし「よし、ようやく特効薬完成」


4枚揃ったのでこれで炭疽菌の特効薬を開発出来る。しかし、魔の手が忍び寄ってきてる事に気づかなかった。

しかし、再びエピデミックが出てきて、とうとうアウトブレイク。

mia「アウトブレイクが連鎖した」

かなり窮地に立たされている。

エピデミックが5枚になるともっと凄い効果がある。それは感染率レベルが5段階目になると、感染カードをめくる枚数が増えるという事だ。

mia「腸チフスやばいんじゃないの?」

わし「いや、もうそこまで手が回らん」


腸チフスが恐ろしい勢いで広がり始めている。特効薬を開発しようにも2枚しかない。

アフリカ方面で蔓延する腸チフス菌(黄)がかなりマックスに近くなっている。なんとかカードの引き運に助けられて、出なかったがとうとう、エピデミックで黄色が出た。

わし「わあ! アウトブレイクの連鎖や」

疾病駒がかなり置かれていたので、次から次へと腸チフスが連鎖していき、最後には駒が足りなくなった。

わし「負け。足りまへん」

mia「ええー! もっかい!」

所要時間30分


最後は腸チフスの駒が足りなくなって敗北。恐るべしアウトブレイクの連鎖。ここにウイルスの絵が描かれている。

つうわけで、今度はmiaが急派担当官(紫)でわしが作戦エキスパート(緑)である。

急派担当官は、自分のアクションを使って、他のプレイヤーの駒の移動が出来る能力だ。

mia「えーと、この人の特殊能力、まったく使えないんだけど? なんとか出来ない?」

わし「うーん、要らんな。最悪の組み合わせやな」

急派担当官は、救急医療隊員と組み合わせれば相当な力を発揮するのだが、今回まったく使えない。結局一度も使わないまま、またしても黄色の駒が足りなくて…

わし「負け」

※実は前にTAMらとやったとき、この組み合わせでルール間違いがあった。急務担当官であったわしは、救急医療隊員であるmiaを動かしてウイルスを駆除していたのだが、特効薬が発見されないうちに、移動しただけで駆除してしまったのだ。あまりにも強くておかしいので、ルールを読み直しして貰ったが、合っているといわれた。これはルール間違い。特効薬が発見された時にのみ、そういう効果が出るのだ。


この組み合わせは最悪。為す術もなくまたしても腸チフスが蔓延して終わり。

mia「もっかい!」

今度は、わしが科学者(白)、miaが作戦エキスパート(緑)である。

初期配置でインド方面に黒のウイルスが多い。

そこに飛んで、miaに研究所を設立してもらう。

とりあえず、わしもそこに飛んで周りのウイルスを除去してアウトブレイクを防ぐようにする。

わしの手札には黒のカードが4枚ある。

わし「おい、黒のカードを1枚くれ」

mia「えーと、どこかな。イスタンブール」

わし「遠いなあ。…あ、きたからええわ」

手札に5枚の黒のカードが集まった。

わし「よし、これでエボラの特効薬完成させる」

何は何でもエボラの特効薬を完成させたかった。
次にやることは…

わし「エボラウイルスを退治していってくれ」

次々に黒のウイルスを退治していく。そして最後の1個も除去した。


徹底的にエボラウイルス撲滅キャンペーンを演じた結果、エボラの駒がなくなった。特効薬をひっくり返して根絶マークにする。やったー!

わし「根絶させた! なんか今回は勝てそうやぞ」

mia「どうして?」

わし「最初に黒の都市カードが出まくったってことは、エピデミックで戻されても再び黒のカードが出てきやすい筈。ところがエボラウイルスは根絶させてしまったので、何もおこらなくなるっちゅうこっちゃ」

mia「なるほど!」


これがエボラ根絶の太陽マーク。ちょっとださいな。。。

ところがわしの予想は裏切られて、エピデミックがかなり底に眠ってやがった。そうこうしているうちに、ヨーロッパに広がる炭疽菌(青)が俄然勢力を強めてくる。

mia「エピデミックでた」

それからも炭疽菌(青)、天然痘ウイルス(赤)がたくさん出た直後に、次のエピデミックが出てしまう。つまりエボラウイルス(黒)のカードは奥に眠ってしまったのだ。

mia「腸チフス菌(黄)大丈夫かな? いっつも腸チフスでやられてるんだけど」

わし「そのために先に特効薬を開発したから大丈夫やろ。大体、今はそこまで手が回らん。出が薄いからなんとかなると思う。先に3個のところを始末してなるべくアウトブレイクが起きないようにせんと」

わしの願いも空しく、アウトブレイクの連鎖が始まる。

わし「まだや、まだいける」


よし天然痘もほぼ沈静化に向かってきた。残すはマールブルグウイルスのみ。

二人で手分けして、特効薬を作りつつ、疾病駒を取り除いていく。やはりというか、一度根絶させた効果は大きく、エボラが出るたびに少しターンを稼ぐ事が出来た。

そのうち、最後の炭疽菌だけ特効薬がないという状況になった。


厳しいのが青のカードの少なさ。とりあえずアウトブレイクするのを押さえないとそれで負けてしまう。左のアウトブレイクゲージが8段階目の最後まで進んでも負けなのだ。

わし「どっかで青色くれんか?」

mia「黄色とか捨てていい? どこ捨てようかな。青色に近い黄の都市は残しといた方がいいよね?」

わし「うん」

mia「じゃあ、ここにきたら青色渡せるわ」

わし「オッケー、じゃあ、青色くれ」

これで青色が5枚揃った。そこで最後のエピデミックが引かれる。

mia「サンパウロの黄色! やっぱり黄色が鬼門か。あー、アウトブレイク連鎖した」

3個置かれているサンパウロから、アウトブレイクが発生して、それが周りに次々にアウトブレイクを発生させていく。

わし「大丈夫。もう、勝った」

わしの手番に、研究所にいかせて…

わし「炭疽菌の特効薬完成!」

mia「やったー!」

ばんざーい! ばんざーい!

所要時間35分


最後は特効薬を開発したはずの腸チフスでアウトブレイクが発生したが、見事、最後の炭疽菌の特効薬を開発して勝利!

こうして世界に平和が訪れた。

ありがとう、疾病予防管理センター!

miaのコメント

感染が拡大していくのがリアルで気持ち悪かった。いつの間にか感染を食い止めて根絶させるという使命感に燃えてアツくなった。特効薬を開発出来るともっと嬉しい。前にやった時よりも楽しかった。

ソマーリオ

非常によう出来てる。疫病が同じ都市に蔓延し続けるというのを、都市名とウイルスの色が描かれたカード1枚で見事に演出している。エピデミックが出たら山札の最後から1枚引いて、捨て札を再シャッフルして、再び出てくるという山札のハンドリングは非常に美しい。

また協力ゲームらしく、きちんと皆が連携しなければ勝てないところといい、キャラクターの能力も非常に強いもので、それに依存しなければ勝てないというのも、プレイヤーに満足感を与える。
いわく「わしが居らんかったら、世界は滅亡すんで」という人の自尊心をくすぐるのだ。

シンプルなルールの中に、様々な強力な能力を持ったキャラクターのどの組み合わせでも勝ち負けができ、2人から4人のどの人数でもバランスは崩れず楽しむことができ、ウイルスが世界を席巻する姿が見事に描かれ、英雄満足度も高く、わずか40分でプレイ可能なのだから、まさにケチのつけようがないトップクラスのゲームだ。
協力型のゲームと言えば指輪物語キャメロットを覆う影が有名だが、それぞれに良さってのはあるのは認めつつも、総合的にパンデミックが一歩抜きんでているのは間違いない。

最初、TAM、ムゲン、miaと4人でやった時は、プレイヤーカードが速攻なくなって「え? もう終わり」ていう感じのゲームやった。人数が多ければ、プレイヤーカードの消費が激しくて手番数が少なくなることで、ゲームバランスを調整しているようだ。そういった意味では、意外にも二人プレイの方が、手番数が多いだけにゲームやった感が強い。4人よりも3人くらいが一番楽しいかも知れない。

昔、Seekerがキャラクターが5枚あるので5人でも出来ると思いますという事で5人でやったらしいが、5人ではまず勝てないように思う。プレイヤーカードが枯渇してあっちゅう間に終わってしまうだろう。手番が少なくて楽しめないってのもある。やはり2人から4人までならどの人数でも楽しめるぎりぎりのバランスとちゃうかな。GEEKに誰かが作った5人プレイ用のヴァリアントルールがあるが、やっぱりプレイヤーとしては4人で行うようだ。

コンポーネントは木製の駒はなかなかによく、世界地図を使っているので世界の地名を覚える事が出来るというのは教育的でいい。ただし、Z-manの欠陥をひとつあげるならば、カードの質が悪いところだ。シャッフルしてると、ざらざらで手が切れそう。さらに新品なのに、最初から折れ曲がってたりするのはなんとかならんか? 源氏もそうやったし、ここらへんはカード印刷業者を変えて欲しいわい。

このゲームをよりよく楽しむためには、映画アウトブレイク、アンドロメダ病原体、復活の日あたりを是非みて欲しい。

こちらにFAQがありますので疑問があれば参照してみてください。

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