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James J. St. Laurent
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Hexagames
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2〜4人
180分
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マックマルチ
世界経済で最も大事な資源
それは石油
今、プレイヤーは石油王となるべく、原油を掘り当て、ガソリンに精製し世界市場へ売り払う。
世界一の石油王は誰になるのか
プレイ感
やたらと高額で取引されていた(今は知らん)石油の伝説的ゲーム。前にオビ湾らとやったが、景気の変動時のルールで間違いがあり、にっちもさっちもいかない状態になった。ずっとレビューせんとあかんなあと思いようやく、mia、コタ7歳の3人プレイにてやってみることにした。
手番にやることは、国内・国際市場で原油やガソリンの売り買いを行い、サイコロを2個振り、その交差するところに建ててある効果を適用する。最後に施設を売買する。これだけ。サイコロの交差に関しては、手番プレイヤーの両隣プレイヤーにも同じ効果が適用される。
各マップの間にあるのは国内・国際市場で、青色がガソリン、黒が原油を表している。真ん中のグルグルが消費者市場で最も大事なガソリン市場だ。見ての通りマップは青色と赤色のサイコロを置く場所があり、全て36分の1で出る。
サイコロの目の交差は、石油掘り当て以外はどちらか一方で良い。原油ポンプは原油を2個貰う、ガソリン精製所は原油1個をガソリン1個にする、ガソリンスタンドはガソリン1個を市場へ売却できる。
石油掘り当ての採掘櫓は、交差する場所に建てている場合のみ、原油がでたことになり原油ポンプに建て替えする事ができる。
縦か横に交わったところにコマがあった場合、発動させることができる。ただし原油発掘の採掘櫓だけは両方が交わったピンポイントでないと発動できない。ちと見にくいが、青色4コマが精製所、青1コマがガソリンスタンド、黒の塔が採掘櫓、もうひとつの小さい黒が原油ポンプだ。
そして重要なのが、ゾロ目のルール。ゾロ目が出た時に景気変動となり、景気が拡大したり不景気に陥ったりする。面白いのは、現在の景気によって、どのような景気に変動するかが決まっているところだ。例えば回復期からは、景気拡大か急成長にしかならない。
こうやって最初に手持ち資産を1000ドルにしたプレイヤーが終了宣言を行え、1巡して一番お金持ちが勝ちという古いタイプのゲームだ。
3人プレイ時には、4人目にダミープレイヤーを置き、サイコロだけを振る。また手持ちは250ドルから始める。
初期セットアップとして採掘櫓を複数購入しておかなければどうしようもない。他の施設も1個ずつくらいならなんとかなる。採掘櫓と違い、かなり高額なのだ。
ガソリン消費者市場はガソリンスタンドで売れる。数字が価格となっている。つまり次に売る時は一番安い15ドルでガソリンを売れる。これらはゾロ目が出た時に価格変動する。置いているカードが経済状況カード(今は後退になってる)で、次に例えば4のゾロ目がでたら不景気の経済状況となる。ここに設備の価格も書かれている。
というわけで、ゲームスタート。
サイコロを振る。サイコロは赤は縦、青は横と決まっているので、番号をずらした方が当たりやすいということはなく、すべての確率は36分の1である。
コタ「あ、あたった」
なんといきなり油田を掘り当てるコタ。
このゲームでは油田を掘り当てないと基本的にどうしようもない。と思われる。一応、国内・国際市場で原油、ガソリンの売買はできるのだが、一番儲けが出るのは真ん中の消費者市場で、ガソリンスタンドを使っての売りだ。
油田を掘り当てると、採掘櫓を石油ポンプに建て替えできる。こうなると縦もしくは横で交差するたびに原油2個ずつ出てくる。
採掘櫓は何箇所も建てているから、そうこうしているうちに、2つ目、3つ目と油田が見つかることになる。
わし「まだ2つ目掘り当てられないんですけど」
しょうがないので、一気に採掘櫓を増加させる。当ててしまえば、景気によってはむしろ高値で売れたりする。
そしてゾロ目で景気変動。
景気変動が起きると、消費者市場も変わる。一番、安いガソリンをのこして取り払い、景気カードの消費者指数だけ価格をあげる。前回間違ったのはここで、トレンドが下になってたら下げてた。常にあげるのだ。トレンドはあくまで景気の動向にしか過ぎないらしい。
そして各設備の価格も変わる。景気が交代しているときに設備投資をして、景気が上向くと設備売却すると儲かる。なんかヘンだが、このゲームでは設備は老朽化せず延々と活躍できる。
まあ、それより一番大事なのは消費者市場だ。ここでガソリンを高値で売りたいので、ガソリン価格が高騰するのは良いことだ。
ただ、原油は交差するたびに2個出るのに対して、ガソリンスタンドは1個しか売れない。このおかげで、原油ばかりがどんどんと溢れ出すことになる。
わし「これはいかん。精製所を建てねば」
皆、慌てて精製所を建てる。精製所は、2×2の大きさなので、非常に交差しやすくできている。このおかげで、ガソリンがどんどんと出来て溢れ出すことになる。
精製所は高いが、建てなければいけない。
わし「これはいかん。ガソリンを売らねば」
しかし消費者市場でのガソリン価格が全然あがらない。あがらないどころかもういっぱいっぱいになって売ることすら難しい状況となっている。
わし「これは国内・海外市場で売ったほうがまだ率がええな」
しかしそれも埋まり始めるとまったくの安値でしか売れなくなってくる。
景気変動がおきないからだ。
要はゾロ目がでない。
それからは振るたびにゾロ目、ゾロ目と唱えるものの、まったく出ない。
そのうちガソリンコマが枯渇してきて、代用品を使ったり、国内市場あたりからとりあえず借りてきて使ったりする。
コマが足りなくなり市場から取ってくる。市場もマス目に価格が書かれており、売り買いすると価格が上下する。
mia「これ、どうしよう?」
1時間半経った頃、これはもう終了させるしかないなと思った。このままでいくと3時間コースだ。
一応ここまでは発展させたけど。
コタ「えー、最後までやろうよ」
わし「いや、これは無理。人工的にゾロ目出したことにするか?」
コタ「ルールは守らないと駄目」
真面目なやつ。
ちゅうわけでここで終了。
ソマーリオ
最初はおもろかったんやけど、ゾロ目の景気変動がでないとにっちもさっちもいかなくなる。以前やったときは、トランプにサイコロの目のシールを貼って万全にしてやったんやけど、どこにいったか解らんようになったので、ルール通りにやったらこの有様。いちいちトランプに貼り付けるのも面倒なんで、スマホのくじ引きアプリで作ったら良いかも。
まあ、それは置いといて、時間がかかりすぎるところが欠点。このルール内容で3時間はきつい。モノが溢れれば安くなり、モノが少なくなれば高くなるという経済的な流れをコマとマスを使って表現したのがこのゲームの最大の貢献と言えるだろう。そのシステムは、電力会社などによって引き継がれている。
作者はこのゲームをチューニングしている途中に死去してしまったそうだが、景気変動などのルールも非常によく出来ており(ゾロ目さえ出れば)、経済ゲームの古典として、アクワイアと並ぶものだろう。
また相手の手番にも関係があるというルールはカタンに受け継がれ、相手の手番にも暇にならないという素晴らしいシステムだ。
COQのサイトを見ると、新板では2つ振るダイスの差分の合計が8になると景気を変動させるダイスを振らなければならないという仕様となっているようだ。
最後までやってないのでなんとも言い難いところはあるが、設備の売却額がかなり高いので、石油でちまちま儲けて、最後は設備を安く買って高く売るという戦略でなんとかなりそうなところはちと頂けないかも。