Daniele Tascini

Simone Luciani

Hans im Glueck
アークライト

2〜4人
90分

マルコポーロの旅路

駿河屋で購入
この『マルコポーロの旅路』において各プレイヤーは、マルコ・ポーロその人、もしくはその関係者、あるいは同時代に活躍した著名人を演じることになります。ヴェネツィアから出発して、どのようなルートを通るのか、きちんと計画しましょう。より多くの利益をもたらす経路を慎重に選び出すのです。陸路で大都へ直行するのか、経費のかかる海路でスマトラ島のサムドラ・パサイへ向かうのか?

地図の状態はプレイごとに変化するため、どの依頼をこなすのがよいのか、そしてどこで他のプレイヤーと落ち合うのがいいのか、といった戦略的な問題が常につきまといます。

さてさて、あなたが演じることになるのは、修道士ギョーム・リュブリキ? タブリーズの商人? あるいはフビライ・ハーン本人でしょうか? どのキャラクターでも、ゲームはエキサイティングかつ興味深いものになるはずです。

プレイ感

メビウスからマルコポーロの足あととして発売されており、ネットでも面白いという声があがっていた。完全に出遅れたので日本語化されたマルコポーロの旅路を購入してmiaとやってみることにした。
作者はツォルキンのデザイナーコンビである。


準備として目的地カードを各自2枚配る。この4カ所を巡れば勝利点が入るのだ。また初期用の契約書タイル(青)を1枚ずつ貰う。
ラウンドの開始時、各自、自分の色のサイコロを5個振る。手番にはそのサイコロ目を使ってアクションを選択していく。
アクションは、旅をする、資源を手に入れる、契約書タイルを取る、お金を貰う、皇帝の恩寵を受けるがある。
他にも追加アクションとして好きなタイミングで出来るものがあるが、これはとりあえず割愛。


ボード全景。上は実際に旅するマップ。アクションとサイコロがいくつ必要かの情報が描かれている。


1枚には2箇所の目的地が書かれており、合わせて4箇所が目的地となる。それぞれカード単独で達成時の勝利点と下には複数箇所達成した場合の得点がある。つまりこの4箇所全て回ると10点貰える。

勝利点は契約を履行する(契約書タイルに書かれている資源を支払う)や、各都市で手に入ったり、アクションの結果入ったりする。こうして5ラウンドのちに勝利点が高いプレイヤーが勝ちである。

スタートはヴェネツィアから。歴史通り大都(北京)を目指すのだが、別に目指さなくてもよい。ただ大都は勝利点がでかいので最初に配られた目的地を上手く立ち寄りながら目指すのが良い。

さてここまで細々書いてたが、実はこんな基本ルールをぶちこわすキャラクターカードが最初に配られる。初期のお勧めに従うとわしはラシード・ウッディーン・スィナーンというイスラム指導者で、効果はサイコロを好きな目として使える、だ。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

なんかゲームの根底を覆してるんですけど?

miaはマルコの叔父マテオ・ポーロで、白サイコロを1個追加で貰うのと、契約書タイルを1枚貰うだ。こちらはまだまとも。

とんでもないものになると、フビライ・ハーンなんかは、最初から大都にいたりする。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

オイオイ

旅してへんし。

まあ、それはともかくやってみよう。


個人ボードには様々なものが整理できるようになっている。この契約書タイルならラクダ3、金塊1、絹1、胡椒1を支払えば6勝利点と新たな契約書タイルが貰える。契約済みのタイルは裏返して右下の済マークのところに置く。その隣がルールぶっ壊しキャラクターカードである。

わしはサイコロ振らない。miaはイカサマをやったのかやたらとでかい数が出る。このゲームではサイコロは大きな目が良い。保障として合計が15に満たない場合、その差額だけお金かラクダが貰える。

ラクダはこのゲームでは超貴重で、基本的にこいつとお金がこのゲームのポイントとなっている。

わし「ちゅうわけで、サイコロを6にしてラクダを6頭貰う」

mia「えー、わたしもラクダが欲しい」

わし「置いたらええやん。金掛かるけど」

誰かがサイコロが置いているアクションを選択すると、置いたサイコロの一番小さい目だけお金を銀行に支払う必要がある。

mia「じゃあ、辞めた。6.6,5で金塊を貰う」


各アクションによって必要なサイコロが違う。複数の場合は一番小さい目を採用する。つまり一番上の赤3個なら5の目である、金塊3個と1移動という事だ。下位を選んでもよい。

アクションによって必要なサイコロの数は違う。置いたサイコロの一番小さな目が採用されるので、3個も使う金塊ゲットが6,6,5というのはふざけた目であることが解ろう。つまり5の目分、金塊3個と1移動出来るのだ。

移動するにはこういった追加で貰えるのは置いといて、本来は旅をするアクションを選択せねばならない。そして旅をするにはなんせ金がかかる。例えば3マス移動しようとすると7コイン掛かるが、これが海上だと更に追加のお金が必要である。道の途中にお金やラクダのマークが描かれているのがそれだ。追加で支払うお金やラクダなのだ。海上はお金、陸上はラクダと思ってよい。


これが旅アクションだ。3の目なら3マス移動できる代わりに12コイン必要だ。見ての通りめっさお金かかる。上にちらっと見えるのが、大都市のアクションカードで商館を建てたらサイコロを置くとそのアクションが使えるようになる。

miaは+1移動を使い、無料で行ける大都市アレクサンドリアに行った。
大都市に着くと自動的に商館駒を建てる。そしてボーナスタイルを貰う。今後、アレクサンドリアに置かれているアクションカードをサイコロを置く事で実行できるようになる。つまりアクションの種類が増えるのだ。

都市には周辺都市もあり、こちらは到着した途端に商館を建ててボーナスタイルを1度実行出来るだけだ。

mia「これ海、めちゃめちゃお金かかるじゃん!」

隣のホルムズまでの海路で7コイン掛かるのだ。
アレクサンドリアには、金塊3個とラクダ1個で9コイン手に入るアクションが置いてあった。miaは早速、これを使ってお金を補充する。

ついつい立ち寄りたくなるのはわしも同じ。アレクサンドリアに向かう。
そして全ての出目を6にして金塊4個貰う。それにしても金塊は価値が高いけど、サイコロ3個はかなり痛い。

そこからわしもmiaもホルムズに向かい、陸路を辿ることにする。
わしの目的地を達成するには一旦、大都に入って戻るという形を取らなければならない。

わしはいつでもラクダ6頭はいるわと油断して、ラクダを旅にではなく契約書に使った。

そこをmiaが旅をとり、スタートプレイヤーマーカーをゲットする。
さらにラクダ、ラクダ、ラクダ攻勢で、わし、ラクダを手に入れられなくなる。

(|| ゜Д゜)ガーン!!

お金を払えば確かに入るのだが、旅するのに恐ろしく金が掛かるので、なかなか支払えない。特に6頭手に入れようと思うと6コインも必要なのだ。


到着したら商館は自動的に建つ。わしが序盤に留まっているのにmiaは先へと進んでいる。

miaはどこ吹く風で、ぐんぐんと旅を進めていく。
わしはサマルカンドで完全に立ち往生してしまった。隣のカシュガルに行くには厳しいタクラマカン砂漠を横断せねばならず、ラクダ大量に必要なのだ。

ほとんどこれで勝負がついてしまった。目的地に進む事を諦め契約書を達成する方針に転換。

しかしとうとう大都にまで到着したmiaに完敗してしまった。

最後は最多契約書達成ボーナスで7点貰ったものの、目的地は2カ所しか達成しておらず、全ての目的地を達成したmiaに惨敗


最終。ほとんど旅してない。これじゃあ勝てんわ。

所要時間90分

ルールには1人20分から25分と書かれているが、今回は確認しながらやったのでこれくらい掛かった。

miaのコメント

これはかなり面白かった。旅ゲームはワクワクする。

ソマーリオ

最初、ルールぶちこわしのキャラクターカードに、これは選択上級ルールではないんか? と疑いをもった。わしもサイコロを振ってジレンマを感じたかったが、まあ、しょうがない。しかし、それでいてゲームが破綻していないのには感心する。

ゲームはあれこれ要素は多いが、やることが非常にすっきりしておりすぐに理解できる。
どうやって得点しようか、どのようなルートで目指そうか、計画すると楽しくなってくる。
この時代の旅らしく、非常にゆっくりとしている。

資源の利用方法はよくあるシステムだが、サイコロを使ったワーカープレースメントは変わった印象があり、このゲームならではのプレイ感がある。むしろ資源の利用方法がオーソドックスなゆえにゲームを理解し易い。
ツォルキンの面白さは伊達ではなかった。

このゲームの唯一の欠点が、準備に意外と時間が掛かる事だろう。プレイヤーシートに商館駒を並べ、各都市にタイルやカードを配置しなければならない。慣れてしまえばどってことはないが、初回にはどれがどのカードかとあれこれ悩んだ。

ドイツゲーム賞を受賞し、ツォルキン2位の無念を晴らした。
ファミリー向けとは方向性が違っているのでドイツゲーム大賞は獲れないだろうが、久々にデザイナー買いをしたくなるコンビが登場した。オーソドックスなシステムに、少し変わった色を追加してかっちりと仕上げる。それがこのコンビの持ち味だ。

gioco del mondo