Lutz Stepponat

Hans im Gluck

2〜6人
45分

陰謀

中世イタリア
そこは歴史上最も多くの謀略が行われ、権力を夢見る人が失脚、あるいは命さえ奪われた。
魔女の薬、ドラゴンの炎、透明マント…
悪魔と契約したものたちは、これらを使う事を厭わなかった。

プレイ感

昔、一度TAMと二人でやっておもろかったのだが、二人より多人数でやってからレビューしようと思ってた。つうても今回TAM夫妻とやっただけだが、そろそろレビューしてみる。

得点が書かれたカードを人数分、列にして表に向ける。この得点札をたくさん集めたプレイヤーが勝ちだが、種類があって6種類全部集めたら猛烈に価値があがるのでなんせ勝ちだ。取り方は、全員が同じ種類の山札を持って、そこから手札を補充していく。全ての列に得点数以上のカード枚数が置かれたら、全てをオープンにして足した点数の高いプレイヤーが獲得するという基本ルールは単純なもの。問題は、特殊カードのオンパレードというところだ。


わずか3枚の手札。得点札に対する影響力で勝負するのだが、特殊能力のオンパレードである。

基本プレイは、カードを裏向けに出す。で、出したカードより先に裏向けのカードがあれば、カードをオープンして、特殊効果を解決する。つまり、前もって地雷を仕込んでおくゲームなのだ。

最初はとりあえず、3枚のカードがあるので、それぞれ1枚ずつ置いていくという感じだ。問題は2週目。こういう場合、最も怖いのはやっぱりTAM嫁。どうしても警戒して、TAMの方に置きたくなる。


最初の展開はやはり、お互いに1枚ずつ置いた。で、2枚目を置いたら1枚目を公開して特殊能力が発動するという仕掛けである。9以上のカードを0にするなど、その強力な特殊能力で一喜一憂するシステムだ。得点札のマークは、全て揃えるとかなりのボーナス点がはいる。というか揃えたら多分勝ちだ。

ただこのゲームの嬉し痛いところは、カードの能力が強くて、手札3枚でこんなとこで使いたくないってのがやたらめったら手元にくる事だ。序盤にドラゴン(11以上のカードを全て無効にする)なんてきた日にゃ、泣くに泣けない。手札枚数が少ないが故にこういういいカードがどんどんと手元に溜まっていき、その能力を最大限に生かし切れないケースが多々あるのだ。

置くと、上のカードが発動される。序盤はまだ解らないのでしょぼいカードをおきたいところだが、後半になると段々と凶悪なカードになってくる。パワーをかけているところでそれをやられると、ショックはかなりでかい。

最初のラウンドでは、全員が1枚ずつ獲得で、一安心。

しかし次のラウンドで動いた。TAM嫁のカードが炸裂して、一気に2枚獲得した。とばっちりを食ったのはTAM。

このまま進んでは完全にやられてしまう。

その次のラウンドでは、わしが逆に2枚を獲得して、一進一退。


悪い例(笑) もうねえ、尿瓶ばかり集めてなんやっつうねんな! 点数も低いしこれでは勝てまへん。。。

置く時に、いったい全体どんなカードが仕込まれているんだろうと、猛烈に緊張する。強力なカードは、場のカードを一掃するくらいのパワーを秘めているのだ。常に駄目元という感覚でないと、期待した分、落胆が大きくなってしまう。

途中、はめたろうと思って、効果の解決順を見誤り、自らが害を成すなんてケースもやった。

TAM「うお! ここで乞食っすか!!」

乞食は一番小さい数字が勝つというとんでもないカード。このように陰謀が決まれば嬉しいのなんのって。しかし油断は禁物。完全に得点カードを手に入れるまでは、何が起こるか解らないのだ。

たとえ2点のカードであっても、種類違いを集めるのを優先すべきなのだが、全種類のカードがゲーム中出てくるかどうかが解らないという、何から何まで陰謀めいている。


この2の帽子。別にわしら要らんねん。2の金貨が実は熱かった。これを揃えたら全種類集まるねん。
ところがや、TAM嫁の冒険者カードによって、カード全部が隣の帽子に移動させられてしまったのだ(|| ゜Д゜)ガーン!!
このように、5の得点札がまだ4枚しか置かれておらず、ラウンド終了条件を満たしていないので、他の得点札にも置く事が可能なのだ。

※冒険者カードのルール間違い。冒険者は自分だけが移動する。このとき何をとち狂ったのか、TAMの解釈をそのまま鵜呑みにしてしまった。元々演出が派手なので、大ミスこいてもこのゲームの面白さは変わらない。

最終的に、冒険者の移動攻撃で見事に全種類を集めたTAM嫁。金貨2のカードが非常に熱くなったのだが見事にやられた。

それによりTAM嫁がカード全種類を集めて勝利。

所要時間45分


見事6種類全て集めたTAM嫁。得点は2倍(そして残りのカード数がマイナスされるが、ほとんど2倍で勝負は決まる)。わし、ようみたら金貨でも全部集まらんかったw そして右上のTAM,3枚って酷すぎだ。

TAMのコメント

陰謀は最初はカードの効果がたくさんあって「うわ、めんどくさそう…」だったのですがプレイしてみると意外にすんなり頭に入っていきました。多分カードのイメージと効果がうまくマッチしているせいもあるのかなと思いました。

ゲーム自体は慣れが必要ですが、カードの効果のからみが良く出来ていて面白いですし危険なカードを裏向けて場におくときはまさに「陰謀」をたくらんでいるようでドキドキします。非常に好きなゲームです。すぐ購入しましたw

またこのゲームはあきおさんとの3人プレイ、嫁との2人プレイと両方しましたがそんなにプレイ感は変わらず普通に楽しめました。
一度6人でやったらどうなるか是非試してみたい、そんなゲームですね。
カードゲームの中では5本の指に入る、今好きなゲームのひとつです。

ソマーリオ

このゲームほどレビューの難しいゲームはなかった。基本的なルールは簡単なのだが、特殊カードをどのように文章に織り込むかという難題があった。これがつまらないゲームならいいのだが、非常に面白いゲームだけに、変な印象を持たれたくないという思いがあった。このレビューでは、そのおもろさの半分も伝えきれていない。
箱絵が非常にありきたりで損をしているが、面白さは相当なものがあるのだ。

確かに特殊カードはたくさんあるが、覚えきれない分量ではない。最初は、メビウス訳についている対訳表を見ながらやれば問題なく出来る。一度やれば大体は把握出来る。ただこのゲームの楽しさの真価を発揮するのは、もっと回数をこなしてからだろう。

小さなカードが6組入ってるだけという粗末なコンポーネントだが、やってることは陰謀そのものである。特殊効果はよく練られており、やられた感などはあるが、3枚という手札の厳しさから適度なしょうがない感もあって、ドロドロして嫌という感覚を与えないのに成功している。

似たようなゲームに、クニッツィアの指輪物語旅の仲間カードゲームやサムライがあるが、あれに比べてがっかり度が少ないのは何故だろう? おそらくカードの効果が強すぎて、まったく計算出来ないところから、取れなくて当たり前という認識が生まれるからかも知れない。

あと、妖精奇譚になんとなく似ているところがある。騎士と小姓がセットになれば必ず勝つとか、小さな巨人とか。これら3つのゲームのどれかが好きなら、最初の特殊ルールを覚える煩わしさがあったとしてもお勧め出来るゲームだ。とは言っても、クニッツィアの2作品はあまり楽しいと思えなかったので、それほど関係ないかも知れない。ただゲーム性はよく似ている。

 

gioco del mondo