Ruediger Dorn
Pegasus Spiele
Hobby Japan
2〜5人
30分
イスタンブール
駿河屋で購入
2014年のドイツエキスパートゲーム大賞受賞作品『イスタンブール』の日本語版。
商人たちで大賑わいのイスタンブールのバザーで、プレイヤー達は競争相手より多くのルビーを獲得するため狭い路地を行き来する。
バザーにある16 の場所を通して、1人の商人と4人の助手を率いて、各場所で特定のアクションを実行し、より多くのルビーを集めるのだ。これらの場所のいずれかでアクションを実行するためには、商人は助手の助けを必要とし、助手をその場所に残していく必要がある。そして、この助手を後で再び使うためには、商人はわざわざその場所へと助手を迎えに行かなければならない。助手が1人もいなくなってしまうと何もできなくなってしまうため、慎重に将来の計画を立て、どこに助手を配置するのかよく考えよう。各場所で行える様々なアクションを、どう行っていくかを悩みつつ選択していくのが楽しいボードゲームとなっている。
プレイ感
タナカマ「飛んでイスターンブール♪」
まあ、タイトルみたら、おっさんにしたらどうしてもこの歌を思わず口ずさんでまうのはしょうがない。それくらいしか日本人にはイスタンブールは馴染みがない。
ドーンはわしにとって鬼門やけど、ドイツゲーム大賞のエキスパート賞を受賞してるからにはやらないわけにはいかない。タナカマ夫妻、COQとの4人プレイにて。
タイル配置によって毎回プレイ環境が変わるのだが、最初はお勧めの小道配置にした。4×4にボードを並べる。
ルールにあるとおり、各ボードにカードやらタイルやら決められたものを配置する。噴水のところに自分の親分駒をてっぺんにして子分駒を山積みにする。
手番は、自分の駒を丸ごと縦横に1マスか2マスまで移動して、そのボードのアクションを行う。その際、自分の子分駒を1個そこに置き去りにする。しかし、そこに子分駒が先においてあれば、むしろその子分駒を自分の山に戻して回収できる。
親分は子分がなくなれば、1マスずつ進み、しかもアクションも出来なくなってしまうペナルティを負う。管理職ばっかり多い会社は仕事が回らないちゅう奴だ。
16枚のタイルで構成されたボード。各ボードで出来るアクションをこなしてルビーを5個手に入れたらよい。駒はドーン特有の動き方をする。アクション実行マスに、駒を1つ置くのだ。いくつかのボードに置かれているルビー駒は条件を満たせば(大体マックスにすれば)手に入る。
アクションはいちいちタイルごとに説明できないので割愛して、結局何をするかというと、ルビーを5個(2人プレイなら6個)手に入れたら勝ちである。ルビーは、お金であったり、商品であったり、タイルを集めたりと、様々な条件で手に入れる事ができる。
ドーンお得意の特殊効果がやたらと多くて、どのように使っていいのか解らない、という事が珍しくない。どのようにしてルビーを手に入れたらいいのか、解りやすくて見通しがいいのだ。
最初に狙うのは、商品である。商品は3つの商材と、1つの高級商材に分かれる。3つの商材はそれぞれその倉庫タイルに移動すれば、アクションとして自分が保存できる最大数まで補充できる。高級商材の指輪だけは少々ギャンブル的な事をしたり、闇業者から購入しなければならない。
これが一つ強化されたキャラバン。4種類の商品がある。その下の2枚のタイルがモスクタイルで、それぞれの商品に応じたタイルとなっている。2枚組を集めればルビーが貰える。この画像でルビーは3個手に入れている。
商品は売ることでお金を手に入れる事ができるが、モスクタイルを目指すのが常套である。それぞれの商品に応じたモスクタイルがあり、ペアになった2枚を手に入れると、ルビーが貰える。
一度誰かにタイルは買われると、価値があがってしまうため、なるべく早く手に入れたいところだ。
割とストレートに買えるのにもかかわらず、わしはここで妙な動きをしてインケツプレイをしてしまった。
刑務所に入れられてる親類を解き放ち、商品を手に入れたはいいのだが、手に入れる商品を間違えて、何の意味もなくなってしまったのだ。
いきなり刑務所って書いたが、これはわしの創作でもなんでもなく、このゲームのマジの設定である。刑務所タイルに移動すると自分の親類駒を好きなタイルへ飛ばし、そのアクションを実行できるのだ。
自分で行ってもいいのだが、他のプレイヤーがいるタイルへいくと、所場代をそのプレイヤーに支払わなければならない。傍若無人な親類ならそれが要らないのだ。
ちなみにこの親類は他のプレイヤーの通報により、再び刑務所に戻される。そうなると再び出所させてアクションを行わせる事ができるのだ。通報したプレイヤーはお金かカードが貰える。
最初のお勧めパターンでは、右半分がお金、左半分が商品でなんとかできるように構成されている。ルールはドーン歩き以外は想像が付きやすく覚えやすい。手の下あたりにある駒が捕まってる親類駒である。
COQ「あきおさんが、そっち行くなら僕はこっちにいきます。やった、2枚ゲット」
なんと易々とモスクタイルのペアを最安値でゲットされてしもうた。
モスクタイルは、最初は商品2個で買える。で、次は3個と1個ずつ増えていくのだ。ポイントは、最初のキャラバンは商品を2個ずつしか持てないところだ。つまりモスクタイルの価値があがると、キャラバンを強化しなくては手に入れられなくなる。
モスクタイルは同じのを2枚買う事は許されていないので、単に買うときに価値があがるだけだ。価値があがったといっても、このゲームの商品の手に入れ方は少々独特で、常に最大値まで手に入れる事ができる。
価値が最高の5になったとしてもキャラバンを強化すれば、一撃で5個商品が手に入るのでそれほど心配は要らない。
タナカマ「よーし、皆同じ事やっててもしょうがないので、わたしはここに行きます」
向かった先はギャンブル場。
数を宣言して、サイコロ2個振り、その数以上なら宣言した数のお金を貰えるというもの。
タナカマ「9! …成功!」
一発で9リラ入手。
このお金を使って、キャラバンを強化する。
黒色と紫色の円柱駒は、密輸商人と総督駒で、それぞれ商品、カードを売ってくれる。
そして一旦別の所を廻ってから再びギャンブル。8リラゲット。
わし「それ、むっちゃ儲かるやんけ!」
COQにモスクタイルを入れられてしまったからには、先に書いたようにキャラバンを強化せんことには、タイルを手に入れる事は出来ない。キャラバン強化は7リラかかるので、お金を手に入れるためにはギャンブルが一番良さそうだ。
わし「わしもギャンブルする!」
タナカマ「うわ、真似された!!」
わし「ホクホク」
あっきーもまた別のギャンブルをしていた。それは指輪を手に入れるタイルである。
好きな商品1個と、サイコロ振ってその数に応じて指輪を貰えるアクションだ。
その付近には、商品を支払う事でルビーが手に入る市場がある。
そこで交換をしてルビーを増やしていく。
ここ、ここ。みての通り、ルビーを買えば、ルビーが少なくなり次の価格が表示される。このシステムは使い勝手がとても良い。このタイルのひとつ上がギャンブル場である。
ルビーを買えば買うほど、価値が高くなるシステムとなっているが、それがなかなか上手く表示されているのは良い。おいてあるルビーを取り除けば、新たにコストが描かれているのだ。ルビーがなくなっていくに従い、そういったコストマスが現れて、高くなっていくようになっている。
ギャンブルの近くにもお金でルビーが買えるタイルがある。
最初は14リラから。
これって、結構安いんちゃうの?
と思ったわしは、ギャンブルをするたびにここでルビーを買うていくことにした。
そう思った頃にはゲームは既に終盤で、皆、ルビー4個でリーチ状態。
タナカマが優勝かと思われた矢先、あっきーのタナカマ邪魔プレイが光った。
タナカマが入りたかったルビー屋に、先に入ることで5個目を購入。
これでタナカマはあっきーにお金を支払ってルビー屋に入らなければならなくなった。
最期、宝石商でタナカマ夫妻が集結。
最後はルビーが全員5個手に入るくらいの接戦で、そうなるとお金を一杯もってるプレイヤーが勝ちである。この僅差で、あっきーが勝者となった。
所要時間35分
タナカマのコメント
わたしもあきおさんと同じくドーンのゲームは苦手なんですが、なかなか楽しめました。
COQのコメント
このゲームやるのは4回目なんですが、どうにも好きになれないです。
ソマーリオ
わしの嫌いなドーンの割に、特殊アクションがどのように連携しているのかが解りやすくて、ゲームに勝つための見通しがとても良いのに驚いた。
特殊アクションといっても、取り立てて特殊な効果じゃないのが良かったのかも知れない。
やってることは非常にオーソドックスだが、それをゲーム的な制限として課したのは変形ドーン歩きと、ルビーのレート上昇だろう。商品が最大まで貰えるっていうのも今までにない感覚で気持ちよい。
意外にも誰もが楽しめるファミリーテースト溢れる作品だった。
ファミリーテースト??
これは
ドイツゲーム大賞エキスパート賞作品
なのに、ファミリーテーストと感じたのだ。
今までのエキスパート賞作品ではアンドールの伝説だけ未プレイだが、実のところ全てまったく重くもなんともない。この程度の重さでわざわざエキスパート賞なんて作るかね? と思わず疑問を呈したくなってくる。
言えることはプレイ感は軽いが、特殊効果が多いゲームだという事だ。今のところ、全て例外なくそうである。エキスパート賞なんて名前じゃなく特殊効果賞と銘打てばいいくらいだ。
それはさておき駒やルビーなど内容物もよく、イスラム諸国の雑多な雰囲気が良く出ているボードなど、とても良い感じだ。
子供には説明しにくいけど、親類が刑務所で捕まっており、また潜伏先の通報システムなど、あまりにもおかしいシチュエーションもかなりお気に入りである。イスタンブールってそんな町? って思ってしまうが、アラビアンナイトのアラジンも盗人やったな、そういや。
少し気になったのは、勝利するのに数カ所をぐるぐる回ったらええのんちゃうの? というところだ。例えばギャンブル場とお金で買うルビー屋だけ回ってれば効率よく勝てるんじゃないかという心配がある。現にわしとタナカマはボードの右半分、COQとあっきーはボードの左半分だけをぐるぐる回っていただけだった。
タイルは可変であることから、もう少し違った展開になるのかも知れないが、そこはもう少しやってみて検証してみたいところだ。
プレイ感は
ファイブトライブス
ととてもよく似ているように思うが、制限の課し方、勝利に対する見通しの良さなど、圧倒的にこちらが上回っているように思う。プレイ時間も短いのも良い。
2人からでも出来るので、そういったところも評価は高く、
をつけたい。
イスタンブールで2014年最後のレビューにします。
子供が大きくなってきて、なかなかゲームをやるのが難しくなってきましたが、合間をみてちょこちょこ更新していきますので、来年もどうぞよろしくお願いします。
それでは皆さん、メリークリスマス、そして良いお年を!
gioco del mondo